ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
俺たちは4回目の防衛戦に勝った後、ガロンのもとに集まってアネゴ救出作戦の詳しい話を聞くことになった。
一人で行ったほうが潜入はしやすいのだが、こいつらはどうしてもついて行くと言いそうだし、どうしても見つからずに行けないところで、敵の攻撃を引き付けてもらうことが出来る。
なので俺は、今回の潜入ミッションに荒くれたちが来ることは断りはしなかった。だが、潜入するということを言わないと、魔物の群れに突っ込んでいきそうだし、その辺は俺から説明しないといけないな。
「アジトに迫ってきた魔物を倒したし、いよいよ、この時だっ!アネゴ救出作戦の始まりだぜ!」
ガロンがそう言うと、さっきまでは筋肉だの温泉だの言っていたベイパーとギエラの顔にも緊張が走る。
戦いで何もしていないガロンが仕切るのはおかしいと思うが、今は気にしないでおくか。
「それじゃあ、救出作戦についての説明を始める。心の準備はいいか?」
「もちろんだ」
心の準備は出来てるかと聞かれ、俺はもちろんだと言い、ベイパーとギエラは静かにうなずく。
それを見て、ガロンは説明を始めた。
「アネゴは魔物の城の中で捕まっている。これを助け出すのが、一番の目標だ」
アネゴの捕まっている城は広そうだが、その分隠れられる場所も多いはずだ。
アネゴのところまで気付かれずにたどり着き、救出したらすぐにキメラのつばさで離脱する。そうすれば安全に助けられるな。
「だが、そのためには、アネゴが入れられている牢屋を壊すための、強力な武器が必要になる」
そう簡単にアネゴをつれ出すことは出来ないってことか。でも、俺たちのウォーハンマーがあれば、牢屋の壁くらい壊せそうだが。
「さっき俺が作ったウォーハンマーなら、壊せるんじゃないか?」
「いや、そんなハンマーくらいでは、びくともしないくらいの強度だ」
ウォーハンマーでも壊せないのか···。
魔物たちにはすでにビルダーがマイラに来たことは伝わっているようだし、牢屋を強化したのかもな。
だが、それならどうやってその牢屋を壊すんだ?現段階では、鋼の武器以上に強いものは作れない。
「じゃあ、何を使えば壊すことができるんだ?」
「オレにも分からねえ。その武器を作るには、アネゴが研究していた発明メモに書かれている、いろんな兵器作りのおおもとになるマシンメーカーってもんがいるらしいんだ」
俺たちの知識では作れないから、アネゴが研究していた武器の発明メモを見て考えるってことか。
マシンメーカーって名前からして、剣やハンマーよりも、近代的な武器が作れそうだな。俺がずっと作りたいと思っていた、銃も作れるかもしれない。
「それで、その発明メモはどこに置いてあるんだ?」
その発明メモを見れば、マシンメーカーを作れるかもしれないな。アネゴ救出には、まだ準備がいるってことか。
俺は、そろそろ魔物の城に潜入するのだと思っていたが。
「実はその発明メモも、アネゴの囚われている魔物の城に隠されているんだ」
発明メモが魔物の城に置いてある?ってことは、まだ準備段階とはいえ、城には行くってことか。
「まずは発明メモを手に入れるために、魔物の城に行くってことか」
「ああ、救出作戦の第一弾として、魔物の城からまずはその発明メモを手に入れてくれ!」
でも、それだと二回も魔物の城に行かないといけなくなる。二回目に行った時は、俺たちが鋼の武器を持っていることや、アネゴを救出しようとしていることを魔物が全て知っているはずだから、ものすごい量の戦力を送り込んで来るはずだ。そうなれば、潜入は不可能になって、正面から立ち向かうしかなくなるだろう。
それなら、二度も危険な目に遭わないために、一回目だけでもやはり潜入をするべきだな。
「分かった。魔物に見つからないようにして、こっそり取ってきてやるぜ」
「おう、頼んだぜ!オレはお前たちの帰りを待ってるぜ」
ガロンはどうせ行かないし、俺は鋼の武器を持ち、旅のとびらに向かった。
すると、案の定ベイパーとギエラが俺に付いてきた。
「雄也よ、ワシもアネゴのためだ、共に行くぞ」
「アタシも、アネゴのためならどんな魔物だって叩き潰すわよ!」
この二人はまだ分かっていないようなので、俺は今回は敵に見つからないように潜入するぞ、と言った。
「あんたら、今回は魔物に見つからないようにしてほしい。でも、どうしても戦わないといけないのなら手伝ってくれ」
潜入とは言っても、発明メモの目の前に魔物がいる可能性があるので、戦う可能性があることも伝える。まあ、こいつらにしたらそっちのほうがいいんだろうけど。
戦闘が得意な二人に魔物を引き付けてもらっている間に、俺がこっそり発明メモを持ち出す。
ベイパーとギエラも分かったようで、うなずいた。
「お主はこの前もそんなことを言っていたからな。ワシらが行くのはもしものためだ」
「アタシも、魔物に見つからないよう努力するわ」
俺は二人が納得したのを見てから、旅のとびらに入った。二人も、俺に続いて旅のとびらに入っていく。
やがて、俺たち3人は灼熱の火山地帯へと移動した。
「ここが魔物の城がある火山の島か。すごく暑い場所だな」
ベイパーも俺と同じようにこの場所は暑いと思っているようだ。筋肉だらけの二人からは、汗がふきだしていた。
俺たちはその暑さに耐えながら、火山地帯を進んで行く。崖を降りるところもあって、30分くらいしてようやく魔物の城の入り口にたどり着いた。
「ここから魔物の城に行けるはずだ」
魔物の城の手前には、関所が二つあり、それを越えた奥の場所に、魔物の城の入り口らしき物が見える。
「アタシも聞いてはいたけど、来るのは初めてね」
「強い魔物がおりそうだが、恐れるほどではない」
俺から見ても、今までよりも強い魔物がいることが分かる。だが、恐れる訳にもいかないので、俺たちは一つ目の関所に向かって行った。
その関所には、特に門番などはおらず、普通に通り抜けることが出来た。ストーンマンがいたが、離れた場所なので見つかる心配はなく、俺たちは進んで行く。
関所を抜けると、二つ目の関所までの間に何体かのマドハンドがいた。
「マドハンドか···ここは砂漠の箱を使えばよさそうだな。みんなも体勢を下げてくれ」
俺は二人に体勢を下げるように言ってから、砂漠の箱を被った。ギエラは、砂漠の箱を見たことがないので、何なのか分からず小声で聞いてきた。
「雄也、アンタが被っている箱はなんだい?」
「これは砂漠の箱って言って、砂漠や荒野で身を隠せるんだ。二人は、俺の後ろに隠れてくれ」
俺は砂漠の箱について答えた後、ベイパーとギエラを俺の影に隠した。砂漠の箱は一つしかないから、見つからなくするには、そうするしかない。
俺たちはマドハンドに動いているところを見られないように進み、二つ目の関所に近づいて行った。
そこも普通に通れると思っていたが、なんとそこには、斧を持ったあくまのきしが2体待ち構えていた。関所の周りは全てマグマで、回避していくルートもなさそうだ。
「あのあくまのきし、どうやったら避けられるんだ?」
俺たちはしばらくあくまのきしの様子を見ていたが、まったく動く気配がない。夜まで待てば去る可能性もあるが、そんなに待てないな。
「雄也よ、こんなときは戦って突破するしかないぞ」
ベイパーの言う通り、ここは戦って倒したほうがいいかもしれない。幸い、魔物の城まではまだ距離があるので、戦っている音で気付かれる心配もないだろう。
「じゃあ、あいつらを倒して魔物の城まで向かうぞ」
「やはりワシらの活躍する機会もあったな!」
「アタシも戦う覚悟は出来てるわよ」
俺たちは立ち上がり、武器を構えて二つ目の関所に向かって行った。
あくまのきしたちも、俺たちに気づき、攻撃してくる。
「人間どもめ!」
「通しはせぬぞ!」
あくまのきし2体と同時に戦うのはかなり久しぶりだな。でも、ここのあくまのきしは隊長クラスではなさそうだし、そこまで苦戦はしないはずだ。
俺は降り下ろされた斧を、はがねのつるぎとウォーハンマーで弾き返す。
「通してくれないって言うのなら、お前らを倒して進むぞ!」
攻撃を弾き返され、2体のあくまのきしは少し怯む。そこに、ベイパーとギエラが殴りかかった。
「アネゴを帰させてもらうぞ」
「アタシたちに敵うと思わないでよ!」
筋肉の力が込められたウォーハンマーで殴られた魔物は、どんな奴であろうが叩き潰される。
あくまのきしの鎧は、みるみる内に変形して、潰されていった。だが、あくまのきしも何もせずに倒される訳にもいかず、体勢を立て直して斧で斬りかかった。
「忌々しい人間どもめ!我らをそう簡単に倒せはせぬぞ!」
「お前らに、捕らえた女を渡すつもりはないぜ!」
ギエラとベイパーは攻撃をかわすが、次の攻撃がなかなか出来なかった。
あくまのきしの攻撃速度が早くなり、威力も高まってきている。だが、2対3でこちらのほうが有利であることに変わりはない。
あくまのきしが荒くれの二人に集中している間に、俺は背後からはがねのつるぎを降り下ろす。奴らはそれに気づき、俺を止めようとしたが、荒くれにも囲まれたため、両方の攻撃を防ぐことは出来ない。
あくまのきしたちは荒くれのウォーハンマーで今度は兜を砕かれた。そして弱っている奴らにとどめをさすため、俺ははがねのつるぎとウォーハンマーに力を溜める。
あくまのきしは俺を止めようと斧を振り回すが、俺はその前に力を解放した。
「回転斬り!」
二つの鋼の武器の強力な一撃を喰らい、あくまのきしは青い光を放って消えていく。何もアイテムは落とさなかったが、これで先に進めるようになったな。
「これで、やっと魔物の城の内部に入れるな」
俺たちは二つ目の関所を抜け、さらに魔物の城へ近付いていく。途中、溶岩の池を渡らないといけない場所があった。
「マグマの池か。みんな、橋を作るから待っていてくれ」
俺はポーチにたくさん入っている土ブロックを使い、溶岩の池に橋をかけていく。そして、落ちないように慎重に渡っていった。
マグマの池を渡りきると、もう魔物の城は目の前になっていた。ギエラの言う通り、入り口は大きな黒い岩のブロックで塞がれていた。
「これが、アタシの言っていた魔物の城の入り口よ」
入り口はそこ以外になさそうで、ウォーハンマーで叩き壊して入るしかなさそうだ。だが、岩を叩き割る音が聞こえる可能性があるな。
それに、壊したところにいきなり魔物がいることもあり得る。でも、進まない訳にはいかないので、俺はウォーハンマーを振り上げ、一番下のブロックを破壊した。
「黒い岩のブロックになったか···これで塞げそうだな」
ウォーハンマーで叩き壊すと、その壁は黒い岩のブロックになった。壁に穴が開いていると侵入がばれてしまうので、みんなが入ってから塞いだ。
「とりあえず、これで魔物の城の中に入れたな」
魔物の城は地面が青いブロックで出来ていて、バリケードなども置いてあった。小部屋などもあり、隠れて進みやすい場所だな。
入ってすぐのところには、魔物はおらず、俺たちは一安心する。だが、慎重に進もうとしていると、魔物たちの会話が聞こえてきた。
「さっき、入り口の方から妙な物音がしたな」
「何かが侵入したかもしれん。確認に行くぞ」
そして、何体かのあくまのきしが俺たちのところに近づいてきた。俺はとっさに、小部屋に隠れるよう二人に言った。
「その左の小部屋に隠れるんだ!」
先にギエラとベイパーが見つからないように小部屋に入っていき、俺も続いて入った。
「とりあえず、ここにいれば大丈夫なはずだ」
その小部屋には、わらベッドとたき火が置いてあった。だが、その横に人間のものと思われる骨が置かれていた。
あまり居心地のいい場所ではないが、ここしか隠れる場所がない。
あくまのきしたちは、俺たちに気付かず、入り口の方に向かっていく。そこでは、俺が壁を元通りにしていたので、何の異常も見つけることは出来なかった。
「確かに物音が聞こえたはずだが···どういうことだ?」
「お前の聞き間違いだろう。警備に戻るぞ」
黒い岩はウォーハンマーで壊さないと砕けてブロック化しない。魔物は俺たちが鋼の武器を持っていることを知らないから、修理された可能性は考えていないみたいだ。
あくまのきしが元の位置に戻ると、俺たちはその小部屋から出て、先に進んでいく。
次にたどり着いたのは、今のあくまのきしもいる、大きな広間のような空間だった。そこにはまどうしとあくまのきしが、5体くらいいた。
「あくまのきしがこんなに大量にいるのか···絶対に見つからないようにしないとな」
幸い、その部屋には石材の原料となる大きな石がいくつか置かれていて、その裏に隠れられそうだ。
「みんな、あの石の裏に隠れて進むぞ」
俺たちは奴らが目をそらした隙に移動していき、反対側につくのに1時間くらいかかった。
大広間の反対側まで着くと、その先は長い通路になっていて、魔物もあまりいなかった。しかも、バリケードが大量に設置されていて潜入がかなりしやすい感じだ。
「多分この先にアネゴが捕まっている牢屋や、発明メモがあるんだろう。行くぞ」
その通路には、ときどきあくまのきしやまどうしが警備をしていたが、俺たちはバリケードの裏に隠れたり、砂漠の箱を使ったりしてやり過ごした。
そして、しばらくしてバリケードなどが置かれていない、大きな通路に出た。
その通路には、何体かのまどうしがいたが、また大きな石があったので、それを使って見つからないように進んでいった。
途中、ギエラに小声で話しかけられた。
「ここよ、ここにアネゴが捕まっているわ」
そう言って、ギエラは通路の右の方を指差す。そこには、青い壁で覆われて、最上段だけ通気孔のためか網目状になっているほとんど閉ざされた空間があった。
多分、あの中にアネゴが囚われるんだろうな。
俺たちは、通路から一旦離れてまどうしから隠れるため、アネゴの牢屋の近くに来た。
「すぐ近くにアネゴがいると言うのに、まだ助け出せないのだな」
「ええ、一回で救出できないのが残念ね···」
二人は、すぐ近くにいるのにアネゴを助けられないことを悔しそうにしていた。
一度戻って平気を作ってからまた乗り込む。それまでにアネゴが生きていればいいんだが。
俺たちはずっと魔物から隠れていて、少し疲れていたので、そこで休んだ。
すると、俺の目の前に羽根つきの帽子を被った男が立っていて、俺に話しかけてきた。こんな場所に派手な格好をしている人間がいるわけないし、幽霊だろうな。
「君は、僕の姿が見えるようだね。それで、こんなところに何をしに?」
「ここに捕まっている、アネゴと言う人を助けに来たんだ。今はそのために、発明メモを探しているところだが」
俺は、ベイパーとギエラに聞こえないよう、男の幽霊と話した。周りから見れば、独り言を言っているようにしか聞こえないからな。
俺がそのことを言うと、幽霊は気になることを言ってきた。
「だとしたら、やめておくんだね。あんな女を助けると、ろくなことにはならない」
「何を言ってるんだ?放っておいたら死ぬかもしれないだろ」
「別に構わないさ。何故なら、あの女が人殺しだからさ···」
アネゴが人殺しだと?でも、それなら今ごろ荒くれのリーダーなんてしているはずがない。もし本当に人殺しであっても、十分に反省しているはずだ。
そうでなければ、荒くれたちはついてこないだろう。
「あんたの言うことを信じない訳ではない。でも、仲間たちのためにも助けないといけない」
「やめておいたほうがいい。さあ、このまま引き返すんだ。人殺しのためなんかに、危険を冒すのはおかしいだろ?」
確かに、その幽霊の言うことは分かる。だが、荒くれたちがどうしてもアネゴを助けたいって言ってるし、今更引き返すことはできない。
俺は幽霊と別れ、ベイパーたちのところに戻り、再び先に進み始めた。
俺たちがいた大きな通路を抜けて少し進むと、先ほどのところより大きくはないが、大広間があった。
「そろそろ一番奥みたいだな」
そして、その大広間の奥が、この城の最深部のようだった。恐らくは、発明メモもそこにあるだろう。
俺たちは今までと同じようにその大広間を進み、一番奥の部屋にたどり着く。
その部屋には、やはり宝箱が置いてあったが、その前に巨体の魔物、トロルがいた。
しかも、そのトロルは全く動く気配がない。こうなったら、ベイパーとギエラに引き付けてもらい、発明メモを取り、キメラのつばさで帰るしかない。
「二人とも、あのトロルを引き付けてくれ。俺がその間に発明メモを手に入れる」
「ああ、任せておけ」
「行くわよ!」
ベイパーとギエラは、トロルのところに突っ込んでいった。それに気付き、トロルも巨大な棍棒を構える。
「人間め!宝は渡さんぞ!」
トロルは、ベイパーとギエラしかいないと思っている。二人は、トロルの視界に俺が入らないよう引き付け、俺は安全に発明メモを取ることができる。
「他の魔物が来るかもしれないし、今のうちだな」
俺はトロルの背後に回って宝箱を開け、発明メモを取り出した。ベイパーとギエラのほうを見ると、他の魔物にも襲われていてピンチになっていた。
「みんな、発明メモは手に入れた!帰るぞ」
ベイパーとギエラは、トロルの棍棒を避けて俺のところに来る。そして、俺たちはキメラのつばさを使い、町に帰っていった。