ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
俺たちが旅のとびらに入り、町に戻ってくると、空の暗闇は晴れていて竜王の影も追ってこなくなっていた。
「なんとか、生きて戻ってこれたみたいだな」
アネゴことアメルダを救出すると言う目標は果たせたが、竜王の影から逃げ切るのはとても大変だった。
そして、俺たちは逃げ切った瞬間、ずっと走っていたのでひどい息切れを起こした。長い距離を全力疾走していたのだから、そうなっても仕方がないけど。
「な、なあ雄也。アネゴも知ってるみたいだけど、竜王の影って奴は何なんだ?」
ガロンが、呼吸を整えながら竜王の影について聞いてきた。
俺も詳しくは知らないが、竜王の分身みたいなものだろう。だが、あくまでも分身なので、竜王本体よりは戦闘能力は低いはずだ。それでも、最強クラスの魔物だけど。
「竜王と全く同じ姿で、あんなに強いから、竜王の分身みたいなものだろうな。さすがに、竜王本体よりは弱いと思うけど、今の俺たちじゃ勝てない」
「竜王が、自分のかわりに敵を倒す役割で作ったんだ。竜王は城から離れられないからね」
俺が説明をすると、アメルダが付け加える。竜王は魔物の王だから、そう簡単に自分の玉座を離れられないってことか。
確かに、本人が城から出たと言う話は、一度も聞いたことがない。城から離れられない自分のかわりに戦うのが竜王の影ってことか。
そう考えると、俺はもう3回も竜王に狙われたことになる。これからも襲ってくるかもしれないので、気をつけないといけないな。
竜王の影のことも気になるが、アメルダは改めて俺に感謝の言葉を言った。
「それはともかく、アンタのおかげで戻って来られた···改めて、礼を言うよ」
さっきは早く離脱しないといけなかったから、大して話もしていなかったな。自己紹介もまだだ。
なので、俺はアメルダにいつも通りの自己紹介をする。
「俺は影山雄也。いつもは雄也って呼んでくれればいい。知ってるか分からないけど、ビルダーって奴だ」
「もちろん知ってるさ。このアジト···綺麗になってると思ったけど、アンタが直してくれたんだね」
アメルダはビルダーのことも知っているのか。まあ、知らない人の方が少ないんだけど。
「ビルダーのあんたとなら、アイツの研究を完成させられるかもしれないね」
「ガロンから聞いた。発明家の助手をしていたんだろ?」
そう言えば、アメルダは発明家の助手をしていたんだったか。今の状況からして、開発は進んでいないようだけど。
「そいつの残した手がかりを元に、兵器の開発をしようと思ってたんだけど、その兵器の知識がほしい魔物に囚われていたんだ」
魔物に囚われていたのも、それが原因だったのか。俺はその発明家について詳しく聞きたかったが、アメルダは温泉の部屋に向かった。
「作りたい兵器は考えてるけど、詳しい話は後にしよう。体が、汗やら何やらでベトベトだ。まずはゆっくり、温泉につからせておくれ!」
最初に出会った時、ガロンがアメルダは帰ってきたら温泉にすぐ入るって言ってたけど、本当にそうなったな。
ガロンは覗こうとか言っていたけど、本当にするつもりだろうか。
「兵器のことも気になるけど、とりあえず作業部屋に戻るか」
俺は一旦アメルダと別れると、作業部屋の中に入って行った。そして、作業部屋の中にはガロンがいて、彼も俺に改めて感謝の言葉を言う。
「さっきは竜王の影の話で言ってなかったけど、アネゴを助けてくれてありがとうな!」
「俺の力じゃなくて、4人で協力したからこそ助けだせたんだ」
今回の戦いは、アレフガルドに来てから1番過酷だったかもしれない。いつも一人で町の外に行くことが多かったから、仲間の大切さに改めて気づかされた。
ガロンも勇敢に魔物に立ち向かえるようになったし、これからも一緒に行動したほうがいいな。
それと、ガロンは俺に筋肉を鍛える道具について教えてきた。
「感謝のしるしとして、お前にとっておきの道具を教える。ダンベルって奴で、これを使えば筋肉を鍛えられるぞ!」
「いや、俺は別に筋肉とか興味ない」
俺は筋肉には興味がないと言っているのに、それでもガロンは作り方を教えてくる。
ダンベル···鉄のインゴット1個、ひも1個 炉と金床
一応作れるみたいだけど、作ることはまずないだろうな。
俺はダンベルの作り方を聞いた後、ガロンにアメルダが温泉に行ったことを伝えておいた。
「そう言えば、さっきアメルダが温泉に入るって言ってたぞ」
「ほほほ、本当か!?オマエの言う通り、見つからないように行ってくるぜ!」
温泉のことを伝えると、ガロンは走って作業部屋から出ていった。
俺も興味はあるけど、風呂覗きに命を賭けたくはないので、ガロンの健闘を祈りながら作業部屋で休んでいた。
作業部屋にいる間、俺は自分の分のきずぐすりや、アメルダの分のはがねのつるぎを作っていた。てつのつるぎよりはがねのつるぎの方が強力だからな。
そろそろ寝室に行こうかと思っていると、アメルダが作業部屋に入ってきた。
どうやら、温泉から上がってきたようだ。
「なあ、雄也。さっき温泉に入っている時、妙な視線を感じたんだけど、何か知ってるか?」
それは間違いなくガロンの視線だろう。でも、ここで言ってしまうとガロンが危険なので、黙っておくことにした。
「そんなことがあったのか?俺は気づかなかったけど」
「でも、何かに見られているような気がした。って、それより雄也に大切な話があるんだ」
これで何とかガロンは気づかれずに済んだな。
でも、本題が別にあるってことは、さっき言ってた新しい兵器のことだろうか。
「さっき作りたいって言ってた、新しい兵器のことか?」
「ビルダーのアンタが、ようがんまじんとの戦いにも力を貸してくれるってアイツらから聞いてね、頼もうって思ったんだ」
確かに俺はマイラの魔物の親玉、ようがんまじんとの戦いに協力するって言った。それを話すってことは、ようがんまじんに対抗するための兵器ってことだろうか。
「つまり、ようがんまじんを倒すための兵器なのか?」
俺がそう聞くと、アメルダは首を横に振った。
「いいや、アタシの発明知識でも、まだそこまでの兵器は作れない。今作って欲しいのは、アジトに攻めてくる魔物を撃退する兵器なんだ」
まずは、ようがんまじん本体ではなく、その手下の魔物を撃退する兵器を作るってことか。確かにこの町はこれまで4回も襲撃を受けているので、メルキドのはがねのまもりのような設備がないとこの先厳しいかもしれない。
「兵器のアイディアは前からあってね。設計図も書いて建設予定地も確保してたんだけど、アタシたちの物を作る力じゃ、完成させられなかったんだ」
アメルダの持っている設計図を見ると、大砲が2つ並んでいて、その間にスイッチが置かれていた。
そのスイッチを押して、2つの大砲を同時に発射するという装置のようだな。俺でもビルダーの力がなければ絶対に作れなさそうだ。
「ビルダーの力を作って、兵器を完成させればいいんだな?」
「そう言うことさ。この二連砲台は、アジトの西側にある黒い床石の上に設置しておくれ」
西側の黒い床石か···確かに、黒色の床石が敷き詰められている場所があり、この二連砲台という兵器を設置できそうだ。
大砲をもう一つと、発射用のスイッチを作れば完成させられそうだ。俺は、発射スイッチの作り方を調べた。
床用スイッチ···鉄のインゴット2個、ばね2個、あかい油1個 マシンメーカー
これなら今すぐ作ることができるな。鉄のインゴットとあかい油は大量に持っているし、ばねもサブマシンガンを作った後ちょうど3つ残っている。
「今すぐ作れるぞ。今日中に完成させるから、待っていてくれ」
俺はアメルダにそう言って、マシンメーカーでまず床用スイッチを作った。一度に3つできたが、今は1つしか使わないので残りの物はポーチの中にしまって置いた。
「スイッチが出来たから、次はもう一つの大砲だな」
俺は次に、もう一つ必要な大砲を作った。大砲を作るのには素材が多く必要で、鉄のインゴットも残り少なくなってきていた。
鉄はまた今度取りにいくことにして、俺はマグマ電池を作って、そこに木材と鉄のインゴットを組み合わせ、大砲を作った。
「これでもう一つの大砲も完成だな」
大砲も出来上がると、俺は町の西側にある、床石のところに行く。そこで、設計図の通りに2つの大砲と床用スイッチを設置した。
大砲は狙いを定めることが出来ないが、当てることが出来れば絶大な威力を持つ。二連砲台を作っておいて損はなかっただろう。
俺は砲台が完成すると、アメルダにそれを教えに行った。
「アメルダ、あんたの言ってた砲台を作ってきたぞ」
俺がそのことを話すと、アメルダは二連砲台が置かれている方向を見て驚いた。
「やるじゃないか、雄也!アタシの設計図通りに二連砲台ができてるね。あのスイッチを押せば砲弾を同時に発射出来る。それで、魔物を一気に吹っ飛ばすって寸法さ」
砲台の正面にいる敵にしか当てることは出来ないけど、二発の砲弾を同時に当てることができればいくら強大な魔物でも倒れるだろう。
後で大砲の弾をたくさん作っておかないといけないな。
あと、俺はひとつアメルダに聞きたいことがあった。彼女は発明家の助手をしていたと聞いているが、その発明家というのは、どんな人だったのだろうか。
「そう言えば、アメルダが助手をしてた発明家って、どんな人だったんだ?」
「ラライって言う発明バカさ。アタシの知識は、全部そいつの受け売りで、魔物を倒すために必死に思い出してるだけなんだ」
発明バカって言われるほど兵器の開発に熱心だったのか。俺たちの仲間になってくれればいいけど、その人は既に死んでいるらしいと聞いた。
「でも、そいつはもう死んだって聞いたな」
「アンタの言う通り、ラライはずいぶん前に殺されて、もうこの世にはいないよ···」
魔物の軍団と戦って、戦死したということだろうな。生きていたら、協力して兵器の開発が出来たと言うのに。
今は、ラライが残した知識を活かして魔物に対抗していくしかないだろう。
「ラライのことは残念だけど、何とか彼の知識で、兵器を開発して行ければいいな」
だが、今日はもうすぐ夜になるので、次なる兵器は明日から考えよう。俺たちは、寝室に戻って行こうとした。
その時だった、町の西の方から突然大きな足音が聞こえてきたのだ。アメルダもその足音に気付き、町の西側を見る。
すると、町に多数の強力な魔物が迫っているのが見えた。よろいのきしとフレイムが4体ずつ、あくまのきしと普通のまどうしが2体ずつ、フレイムを操る大きなまどうしとトロルが1体ずつで、合計14体がいた。
またしてもフレイムと言う、攻撃の効かないモンスターがいる。それに、魔物の城でも戦ったトロルもいるのか。
さらに、奴らは強い殺気を放ち、武器を構えていた。
「人間め!よくも仲間たちを殺してくれたな!」
「我々の同族を、ここまで殺すとは絶対に許さぬぞ」
「倒されていった仲間のためにも、貴様らを焼き殺してやる」
今回のあくまのきし、まどうし、トロルはいずれも俺たちが魔物の城で戦った奴らの仲間のようで、俺たちに復讐に来たようだ。
「あいつら、倒された仲間の復讐に来たようだな」
「そうみたいだね。兎に角、みんなを集めて撃退しよう」
これでもう5回も、マイラの町は魔物の襲撃を受けたことになる。俺はいつものように、みんなを呼び集める。
「みんな、魔物が来たぞ!」
俺の声を聞き、3人の荒くれとゆきのへが、こちらに向かってくる。集まる前に、俺はアメルダにはがねのつるぎを渡した。
「アメルダ、鉄より強い鋼の武器だ。これを使ってくれ」
「これが鋼の武器なのかい。アタシも見るのは初めてだね。助かったよ、雄也」
アメルダは鋼の武器を使うのは初めてのようだが、鉄より強いという話しを聞いてはがねのつるぎを受けとる。
はがねのつるぎを渡し終えると、みんなはもう集まってきていた。
「しつこい魔物だぜ、オレたちで蹴散らしてやる!」
「何度来られても、ワシの筋肉の力に敵うはずはない」
「何が来たって、叩きのめすわよ!」
ガロンとアメルダが加わったので、俺たちは6人で魔物の群れと戦うことができる。俺たちは怒り狂った魔物たちに武器を向け、マイラの町の5回目の防衛戦が始まった。
「今作った砲台で敵の数を減らすか」
俺は、さっき作った二連砲台をさっそく使ってみることにする。まだ実戦で使ったことがないから、どれくらいの威力なのかも気になるし。
残っていた3つの大砲の弾のうち、二つを大砲の中にセットし、発射させるための床用スイッチを踏んだ。
「俺たちの兵器に勝てると思うなよ!」
俺の声と共に二つの砲台は魔物の群れに飛んでいき、よろいのきし、あくまのきし、フレイムがいるところに着弾する。まどうしやトロルは離れた場所にいたので当たらなかった。
「大防御!」
すると、弾が炸裂する寸前に大防御を発動し、大砲の威力を減らそうとする。
だが、いくら大防御を使っても強力な砲弾が二つも同時に炸裂すれば無傷でいられるはずがなく、よろいのきしの鎧はかなり破壊され、上位種であるあくまのきしも大きな傷を負っていた。
「防御はされたけど、やっぱり大砲は強いな」
弱っているので、俺たちはとどめをさそうと武器を持って走って行く。しかし、そこにいつもの厄介なモンスターが立ちはだかった。
フレイムには大砲も効かないようで、平然と俺たちの前に立ちはだかる。そして、奴らを操るまどうしが指示を出した。
「この人間どもは我の仲間を殺した者どもだ。灰になるまで焼き尽くしてしまえ!」
フレイムは俺たちに、激しい炎を吐いてくるようになる。フレイムは感情のない操られている魔物なので、操る魔物が怒っていればフレイムも強くなる。
それでも、俺たちは6人いるので4体のフレイムなら何とか避けて行けるはずだ。
俺はフレイムの攻撃を避けながらよろいのきしの方に近づき、はがねのつるぎで斬り裂こうとする。
だが、まどうしは仲間である魔物を攻撃する俺に優先的にフレイムに攻撃させる。まずはあのまどうしを倒さないと勝つことは難しい。
「サブマシンガンの弾があと少し残っていたはずだ」
魔物の城での戦いで100発あった銃弾はほとんど使いきったが、まどうし一体を倒すのには十分な量は残っている。俺は右腕の武器をはがねのつるぎからサブマシンガンに持ち変え、まどうしに向けて発砲した。
「やられるものか!メラ!」
俺は飛んでくるメラの呪文を食らったり、銃弾を防がれたりしないようにジャンプで回避しながらまどうしを撃ち抜いていく。
今回は連射はせず、確実に当たるように一発ずつ当てて行った。もう少しで倒せるというところで、怒り狂ったあくまのきしや、その手下のよろいのきしが俺に斬りかかってきた。
「お前、ここまで我らの仲間を倒してきたと言うのに、まだ倒すつもりなのか!?」
「倒されて行った仲間の仇を討ってやる!」
魔物からしたら俺たちが憎いのだろうが、町に攻めこんだら返り討ちに遭うとは思わないのだろうか。
まあ、今回は俺たちも苦戦はさせられているが、勝てないはずはない。俺に向かって回転斬りを放ってきたあくまのきしには、俺も左手のウォーハンマーで回転斬りを放って威力を相殺した。
「回転斬り!」
回転斬りを放った後、俺にまどうしの放ったメラの呪文が迫ってきていたので、すぐにかわして銃弾を放った。
だが、すぐにあくまのきしは体勢を立て直し、次の攻撃を叩きこんでくる。
「アタシも援護するよ!」
すると、そこに俺と同じようにフレイムの群れを避けてきたアメルダが駆けつけてきて、あくまのきしの心臓目がけてはがねのつるぎを突き刺す。
アメルダは狂った生物は心臓を刺されてもすぐには死なないことを分かっているのか、すぐにはがねのつるぎを抜いてもう一体のあくまのきしやよろいのきしたちと戦う。
しかし、他のまどうし2体もアメルダを狙い始めて、危険な状態になった。
「我々の城から抜け出した女め···出来れば生け捕りにしたいが、抵抗するなら容赦はせん!」
ガロンたちも救援に向かいたいと思っているようだが、フレイムが邪魔になっている。
「早くあのまどうしを倒さないとな」
俺は心臓に弾を命中させるほどうまくはないが、出来るだけまどうしの心臓に近い場所を撃ちまくり、10発も撃たずに倒すことが出来た。
まどうしが消えるとフレイムも消え、ガロンたちはすぐに大量の魔物と戦っているアメルダのところに言った。
「アネゴには触れさせねえぜ!」
中でもアメルダのことを大切に思っているガロンはウォーハンマーを振り回し、よろいのきしたちを潰していく。
「ワシもアネゴを助けるぞ!」
「フレイムがいなくなったことだし、ようやく本気で戦えるわね!」
そこにベイパーとギエラも加わり、よろいのきしやあくまのきしをボコボコにしていった。
俺も荒くれたちに加勢しようと思ったが、ゆきのへに話しかけられた。
「雄也、ワシらは後ろにいるまどうしを倒すぞ」
残り2体のまどうしは、アメルダや荒くれたちにメラの呪文で攻撃していた。回避することは出来ているが、その間にあくまのきしたちの攻撃を受ける可能性もある。
「確かに、俺たちで倒しておいたほうがいいな」
ゆきのへは左にいるまどうしを、俺は右にいるまどうしに武器を構えて進んで行った。
まどうしは俺たちが近づいてくるのを見ると、メラを俺たちに放ってきた。俺は竜王の影のメラミやメラゾーマも避けてきたので、下位呪文のメラを避けることは簡単だった。
俺はメラを避けると、左手のウォーハンマーでまどうしの頭を殴りつける。筋肉だらけの荒くれたちの攻撃に比べれば威力は低いが、それでもまどうしを倒せる力はある。
「二度と俺たちの町を攻めてくるんじゃねえぞ」
俺は最初に一回まどうしを殴り、怯んだところを何度も殴り付けた。防御力の低そうなまどうしは何発も耐えることはできず、数回殴ると光を放って消えて行った。
ゆきのへも力をこめてウォーハンマーを降り下ろし、まどうしを頭から殴り潰した。そのまどうしも青い光を放って倒れ、消えていった。
残りは、巨体の魔物、トロルだけだ。すでに荒くれたちとアメルダはよろいのきしとあくまのきしを倒し、トロルと戦っていた。
そのトロルは仲間が全て倒され、自身も追い込まれてとても怒っていた。
「たかが人間のくせに魔物にここまで逆らうとは!町ごと滅ぼしてやる」
そのトロルは、魔物の城で戦ったトロルよりも速いスピードで棍棒を降り下ろし、足や胴体をウォーハンマーで殴り付ける荒くれたちを潰そうとする。
しかし、4人に囲まれているので全員の動きに対応することなどできずに、次々とダメージを負っていく。
「どこまで目障りなんだ!潰してやると言ってるだろ!」
そう言って、トロルは棍棒を一回転させ、回りにいる荒くれたちをなぎはらった。
ガロンたちは筋肉とウォーハンマーの力を使い、トロルの棍棒を防ぎ、アメルダは素早く回避し、トロルの元から離れた。
誰も大きな傷を負わずに済んだが、今度はトロルは町に向かって歩いて行った。町にある建物を壊して、マイラを復興できないようにするためだろう。
「クソ野郎!オレたちのアジトは壊させねえぞ!」
荒くれたちは、自分たちのアジトを守るためにトロルに殴りかかっていく。それでも、トロルは棍棒を振り回しながら次々と町に近づいて行った。なんとかしなければ、ここまで直してきたマイラの町が台無しになってしまう。
「そう言えば、大砲の弾が一つだけ残っていたな」
町を守り抜くには、大砲を使うしかないようだ。俺は残り一つの大砲の弾をセットし、発射するためみんなに離れるように行った。
「みんな!大砲を撃つから下がっていてくれ!」
それを聞き、みんなはトロルから離れる。
トロルも急いで大砲の届く範囲から離れようとするが、俺はそうさせないようなタイミングで弾を発射した。
そして、大きなダメージを負っていたトロルに絶大なダメージを与え、生命力を削り取った。
「に、人間どもがああああ!」
トロルは最期の力で砲台と温泉を破壊しようとするが、俺たちみんなでトロルの棍棒を受け止めて、なんとか壊されずに済んだ。やがてトロルは力尽き、倒れて死んでいった。
倒したところを見ると、赤色の旅のとびらが落ちていた。
「強かったけど、ギリギリで破壊されずに済んだぜ」
ガロンが温泉はマイラのシンボルだと言っていたし、絶対に壊されるわけには行かない。強大なトロルだったが、守りきることが出来てよかった。
戦いが終わると、もう真っ暗な夜になっていた。俺たちは激しい戦いで疲れた体を休めるため、すぐに眠りについた。