ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode74 赤熱の巨腕

俺たちはマイラの町の7回目の防衛戦に勝って、一安心して町の中に戻っていった。

だが、みんなの中でアメルダだけは不安な表情をしていた。

 

「あれはいったいどういうことだい?今までここに攻めてくるのはようがんまじんの手下の魔物だけだったのに、今回はガライヤ地方に住む魔物ばかりだったじゃないか···!」

 

俺と同じで、ガライヤの魔物がここに来たのを不自然に思っているようだ。

俺が最近ガライヤで魔物を倒しているから仕返しに来たのかもしれないが、このタイミングで来るのはおかしい。

ようがんまじんを倒しに行くのに気づかれたのなら、いつも通りマイラの魔物が攻めてくるはずだ。

「俺もおかしいと思ってるんだけど、どういうことなんだ?」

 

俺が聞くと、アメルダは少し考え込んで、一つの仮説を建てる。

 

「もしかしたら、ようがんまじんの奴ら、ガライヤ地方を支配するひょうがまじんの軍団と手を組んで···」

 

今はじめて聞いたが、ガライヤはひょうがまじんが支配していたのか。

ようがんまじんとひょうがまじんは属性が違うだけで、形はほとんど同じな魔物だ。その2体が手を組むと、どれほどの脅威になるのだろうか?

 

「もしその2体が手を組んで襲ってきたらどのくらい危険なんだ?」

 

「一番恐ろしいのは、ラライの炎と氷に関する発明を悪用されることさ。炎の力を持つようがんまじんと氷の力を持つひょうがまじんが合体して一つになればアタシたちに勝ち目はなくなってしまう···」

マイラの魔物たちはそのためにアメルダを誘拐していたのかもな。

ラライの研究を利用して、ひょうがまじんと合体し、最強の魔物となる。それがあいつらの目的だったって訳か。

本当にそうなれば、俺たちが苦戦したマッドウルスよりも危険な魔物になるだろうし、アメルダの言う通り倒すのは非常に難しくなるだろう。

 

「何としても、ひょうがまじんと合体されるのを阻止しないといけないな」

 

「ああ、だから厄介なことになる前にようがんまじんだけでも先にぶっ倒さなきゃね!」

 

しかし、俺も早くようがんまじんを倒したいが、あれはただの腕のはずだ。

でも、俺の知っているようがんまじんとマイラの奴は違うかもしれないので、アメルダの言うことを信じてあいつを倒しに行くしかないか。

「じゃあ、戦いに向けて最後の準備をしてくるぜ」

 

俺はさっきの防衛戦でかなりのまほうの弾丸を使ってしまったので、補充して来るか。あとは、まほうの砲弾をつくったから大砲を持って行かないとな。

俺はアメルダと別れて研究室に入り、マシンメーカーを使い始めた。

 

「まほうの弾丸は100個くらい持っていればよさそうだな」

 

あのようがんまじんの腕はかなり頑丈そうなので、大量の銃弾が必要になるだろう。

俺は今40個くらいまほうの弾丸を持っているので、新たに60個つくり、だいたい100個の弾丸で奴を撃ち抜けるようにした。

 

「これで最後の準備も完了したな」

 

俺が研究室の外に出ると、アメルダが荒くれ3人と共に俺を待っていた。

俺がいない間に、あいつらを呼んできたようだ。

 

「アンタが準備している間にアタシはみんなを呼んできたよ!これで5人で乗り込める」

 

ゆきのへとシェネリも呼んだほうがいいと思ったが、町に戦える人がいなくなるのはまずいことなので、この5人で行くしかなさそうだ。

 

「アネゴから聞いたぜ。ついにようがんまじんを倒すときが来たな!」

 

「雄也も共に、マイラの空の闇を晴らそう!」

 

「アタシたちなら、必ず勝てるはずよ!温泉に入って戦う気で満ち溢れているからね」

荒くれたちもいつも以上に張り切っている。3人のこんなに真剣な顔を見るのはアメルダの救出作戦以来だな。

俺は違うと思うのだが、この地での最後の戦いになるかもしれないからな。

 

「雄也、アンタとアタシたちなら心配することないさ。行こう!」

 

俺たち5人は、ようがんまじんの腕を倒しに青の旅のとびらの先に向かった。

火山地帯に着くと、アメルダが先頭に立って歩いて行く。15分くらい高低差の激しい場所を進み、ようがんまじんの腕がいるマグマの池にたどり着いた。

するとアメルダが、ようがんまじんの腕を指差して言った。

 

「ようがんまじんなんて言っても、腕一本だけの魔物さ。問題は、どうやってあいつのところまで近づくかだね」

ようがんまじんの腕はマグマの池の中にいて、近づいて戦うことは出来ない。

でも、そんなことはこの前見たときに分かっていたからまほうの砲弾を作ったんだよな。

 

「それなら気にしなくていい。魔法の金属を使った大砲の弾を作ったぞ」

 

俺は大砲をポーチから取り出して設置し、中にまほうの砲弾を入れた。ようがんまじんの腕とは言え、5発も大砲を当てれば倒れるだろう。

 

「すごいじゃないか。アタシたちの出番はなくなっちまうけど、倒せることに変わりはないよ!」

 

アメルダはまほうの砲弾を見て、これでようがんまじんを倒せると喜んでいる。

俺はまずは一発、ようがんまじんの腕に向かってまほうの砲弾を発射した。不意討ちを食らい、ようがんまじんの腕は大きなダメージを受ける。

「よし、まだ砲弾は4つあるし、このまま行くか」

 

俺は次なる攻撃を仕掛けようとしたが、後ろからガロンの叫び声が聞こえた。

 

「危ねえ、雄也!」

 

どうしたんだ?と思って上を見ると、俺のいる場所に巨大な岩が飛んできていた。その岩はマグマがまだ固まっていない部分があり、赤色をしていた。

 

「やっぱり、そう簡単には倒させてくれないな」

 

俺は回避することが出来たが、巨大な岩は大砲に直撃して、大砲は壊れてしまう。

俺は大砲を回収して、すぐに設置しようとするが、今度は俺の足元が赤く光った。

 

「くそっ、今度は何なんだ?」

俺は何かの攻撃が来ると思ってその場を離れる。すると、赤く光った地面から巨大な火柱が吹き上がった。

近づくことが出来ないのに、大砲も使えないか。普通のまほうの弾丸では、100発使っても倒せるか不安だな。

俺はまほうの弾丸100発とまほうの砲弾5発全てを使って倒すつもりだったので、これでは倒せない。

 

「とりあえず、まほうの弾丸を撃ちまくるしかないか」

 

サブマシンガンで俺はようがんまじんの腕を撃ちまくるが、少ししかダメージを与えられない。

それどころか、奴の攻撃は激しくなっていき、サブマシンガンを撃つことすら困難なレベルで火柱を発生させる。

 

「攻撃が激しすぎる!どうすれば倒せるんだ!?」

 

俺は少しずつまほうの弾丸を撃ってはいるが、倒せる気配は全くない。

その時、ある方法を思い付いた。今ようがんまじんの腕の攻撃は俺に集中しているので、今ならアメルダたちはマグマの池にブロックを積んであいつに近づけるんじゃないかと。

 

「みんな、これを使ってマグマの池を渡ってあいつを攻撃してくれ!」

 

俺はガロンに土ブロックを火柱を避けながら何とか手渡す。ガロンがそれを受け取ったのを見ると、俺は火柱が上がった後のわずかな隙にサブマシンガンを撃ってようがんまじんの腕を引き付けた。

ガロンたちは、マグマの池に土ブロックを置いてようがんまじんの腕に近づいて行く。

 

「よし、このままあいつを引き付けておくぜ」

 

だが、ようがんまじんの腕はガロンたちが近づくにつれて、俺ではなく彼らに火柱攻撃を始めた。

 

「みんな、急ぐぞ!」

 

4人の内先頭にいるガロンはものすごいスピードで土ブロックを置いて、ようがんまじんの腕に近づいていき、ベイパー、ギエラ、アメルダもそれに続く。

 

「今なら大砲を使えそうだな」

 

今はその4人に攻撃が集中しているが、彼らとようがんまじんの腕はまだ距離がある。今ならみんなを巻き込まずに大砲であいつを攻撃できるだろう。

俺はすぐに大砲を設置し、まほうの砲弾を発射した。ようがんまじんの腕はその2発目のまほうの砲弾で、かなり弱って来ていた。

続けて3発目を撃とうと思ったが、もうみんなはようがんまじんの腕のすぐそばまでたどり着き、それぞれの武器で斬りかかった。

 

「アンタを倒して、マイラの闇を晴らさせてもらうよ!」

 

「こんな一本の腕なんかに負けられねえぜ!」

 

「どれだけ巨大な魔物でも、ワシの筋肉には敵わぬぞ」

 

「悪い魔物は、みんなアタシが叩き潰しちゃうわよ!」

 

4人の攻撃でようがんまじんの腕はかなり追い詰められた。腕をみんなに叩きつけようとはしているが、魔物との戦闘に慣れているみんなにとっては、大した攻撃じゃない。

 

「俺も二刀流であいつを倒しに行くか」

 

俺はまほうの弾丸でようがんまじんの腕を撃ち続けていたが、弾が残り少なくなってきたのでひかりのつるぎとまじんのかなづちを持って斬りかかって行った。

ようがんまじんの腕のところにたどり着くと、みんなと同じように奴を攻撃しまくる。魔法の武器での二刀流なので、非常に大きなダメージを与えられているだろう。

こいつももう、もう少しで倒せるな。そう思っていると、ようがんまじんの腕は自分もダメージを受ける覚悟で俺たちに火柱を上げてきた。

だが、火柱は連続で使うことは出来るが、一度にいくつも使うことはできないようだ。

さっきと違って攻撃しているメンバーが5人なので、あまり効果がない。

俺は自分のところに火柱が来たのを避けて、次に自分に来る前に両腕に力を溜めた。

そして、魔法の武器2つで、ようがんまじんの腕をなぎはらった。

 

「回転斬り!」

 

俺の回転斬りを受けて、ようがんまじんの腕は力が尽き、青い光を放って消えて行った。

だが、俺の予想通り空を晴らすための伝説のアイテムは落とさなかった。

 

「とりあえずこれで倒せたな。町に帰るか」

 

「アタシたち、ついにようがんまじんを倒せたみたいね!」

 

俺たちはようがんまじんの腕を倒した後、キメラのつばさで町に戻って行った。アメルダは、やっと倒せたと言う思いで、空の闇が晴れていないことに気づいてはいなかった。

だが、町に戻ってきたと同時にそのことに気づいたようだった。

 

「あれ?これはどう言うことだい?魔物の親玉を倒したのに、空の闇が晴れていないじゃないか···!」

 

やっぱりあれはただの腕で、ようがんまじんの本体ではないんだよな。

今までようがんまじんの本体だと思っていた魔物が実は違うと分かり、アメルダはかなり困惑している。

 

「アメルダ、あれはようがんまじんの腕にすぎない。本当は顔もあるはずなんだ」

 

「つまり、まだ魔物の親玉を倒しきれていないと言うことかい?」

 

言い換えれば、そう言うことになるな。本当にマイラの空の闇を晴らすには、ようがんまじんの顔も倒さないといけないだろう。

「でも、アイツの発明メモだけじゃまほうインゴットより強い兵器なんて作れやしないよ···」

 

ようがんまじんの本体と戦う時は、この前アメルダの言っていた最強の兵器が必要になるかもしれない。

どのような兵器かは分からないけど、今の発明メモでは作ることが出来ないと言うことか。

 

「こうなったら、アイツの研究所に行ってみるしか···でも···」

 

「どうかしたのか?」

 

ラライの研究所に行けば、新しいことも分かるかもしれないのに、何をためらっているのだろう?

単にその場所が強い魔物に占拠されているからと言う理由ではなさそうだな。それだったら潜入するか、魔物を倒すかすればいい話だからな。

 

「とりあえず、これからどうするかは温泉にでも入って考えて来るよ」

 

アメルダは研究所に行くことをためらっている理由を教えてはくれず、温泉に向かって行った。

そう言えばアメルダの救出に行ったとき、謎の幽霊がこの女は人殺しだと言っていたけど、それとも関係があるのかもな。

いろいろ気になるが、今日はかなり疲れたので、寝室に戻って休んだ。

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