ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode88 希望の奪還

俺が鉄を探すためにラダトーム城の西に歩いていき5分くらいたつと、俺の視界に気になる物が見えてきた。

 

「何だあれ?ブロックが空中に浮いてるな」

 

地面が血のように赤い土でできている場所があり、その近くにはマドハンドの色違い、ブラッドハンドが生息している。

真上には、骨が埋まっているブロックと、竜王の顔が書かれたブロックがたくさん集まった塊があった。

そのブロックの塊の下には、文字が書かれている看板がある。

 

「これが何なのか、あの看板に書いてあるかもしれないな」

 

ブロックの塊について何か分かるかもしれないので、俺はブラッドハンドを避けながら赤い土の上を歩いていき、その看板を読み始める。

その看板には、メルキドで俺を助けてくれたことのある魔物、おおきづちのメッセージが書かれていた。

 

竜王様の命により、鉄と石炭に呪いをかけ、空に浮かべてやった。せいすいの力なくば、人間は二度とそれらを手に入れることは出来ないだろう。

ガンバレ、ニンゲン!おおきづちはニンゲンの味方だ!

 

おおきづちは人間の味方か···メルキドでも俺たちを助けてくれたが、ラダトームでも助けてくれるとはな。

あのおおきづちの長老に感謝しないといけないぜ。

それと、この宙に浮いているブロックは、呪われている鉄と石炭だったのか。

 

「鉄と石炭と石材があれば、神鉄炉が作れたはずだな。さっそくせいすいを使って集めるか」

神鉄炉には、炉と金床から強化する方法だけでなく、いきなり作るという方法もあったはずだ。

そっちの方法なら銅は必要ないはずだし、ラダトームでも作れるはずだな。

俺はブロックを積んで呪われた鉄と石炭の塊に登っていく。

そこでせいすいを振り撒くと、骨が埋まっているブロックは石炭に、竜王の顔が書かれたブロックは鉄に変化した。

 

「これで呪いは解けたし、おおきづちで採掘して行くか」

 

俺はブロックが鉱脈に変化したのを見て、おおきづちを使って採掘していく。

塊の下半分は黒い岩があって取ることは出来なかったが、上半分でもそれぞれ3~40個の鉄と石炭を集めることが出来た。

「鉄と石炭を集めることが出来たし、あとは石材を集めながら城に戻るか」

 

俺は鉄や石炭をポーチの中にしまい、地面に降りてラダトームの城へと戻っていった。神鉄炉を作るには石材が10個必要なはずなので、途中大きな石を5個砕いて、石材を集めていった。

そこから5分くらい歩き続けて、俺はラダトームの城跡へ戻ってきた。

 

「石材も集めて城まで戻ってきたし、すぐに神鉄炉を作ってそこから鋼や鉄の武器を作るか」

 

俺は、石の作業台の前でビルダーの魔法を発動させる。そして、石材10個、鉄10個、石炭5個を消費して、神鉄炉を作り上げることが出来た。

マイラでゆきのへとヘイザンが作ってくれた物に比べれば輝きは劣るが、それでも強力な鋼の武器を作れそうだった。

神鉄炉が出来ると、俺はすぐに設置して、今持っている鉄を全て鉄のインゴットに加工する。大量に鉄があったので、50個以上の鉄のインゴットを作ることが出来た。

 

「鉄のインゴットが出来たから、はがねインゴットも作るか」

 

俺は鉄のインゴットを8個使い、5個のはがねインゴットを作った。

鉄のインゴットも使う機会が多いので、全てを加工することはできないからな。

 

「これではがねのつるぎが作れるようになったな。ウォーハンマーも作りたいけど、さそりの角がないんだよな」

 

それから俺は、右手に持つためのはがねのつるぎと左手に持つためのおおかなづちを作り出す。

鉄や鋼の武器で二刀流にすれば、どれだけ強力な魔物でも倒すことが出来るだろう。

 

「これで武器も作れたし、そろそろ魔物の城に向かうか」

 

俺は武器を作り終え、準備が完了したので魔物の城に向かって歩いていく。

魔物の城はかなり遠くにあるようでここからは見えないが、アレフガルド歴程に書かれていることを信じて、ラダトームの城の南へと進んでいった。

城から歩き始めて15分ほど経つと、枯れ木がたくさん生えている森があり、その向こうに城が見えてきた。

 

「この枯れ木の森を抜ければ魔物の城があるのか。でも、この森にも強い魔物が結構いるな」

 

その森には隊長と同じくらい大きいかげのきしや、まどうしが生息している。今なら倒せると思うが、必要のない戦いを避けるために俺は隠れながら進んで行った。

そして、枯れ木の森の中を進み始めて20分くらい経ち、ようやく魔物の城の入り口にまでたどり着く。

 

「ここがラダトームの魔物の城か。一人で乗り込まないといけないけど、必ず勝てるはずだ」

 

本当はゆきのへと来たかったが、ゆきのへがいない間に仮拠点を攻められるとみんなが危ない。だから、一人で戦うしかなさそうだな。

入り口のはがねの大とびらを開けて城の中に入ろうとすると、魔物の声が聞こえてきた。

 

「そこにいるのは誰だ?お前はまさか人間、伝説のビルダーなのか?」

 

「ああ、希望のはたを取り返しに来たぜ」

 

「そんなことが出来ると思うなよ。命が惜しいなら、諦めてとっとと立ち去れ!」

魔物たちもそう簡単に希望のはたを渡すつもりはないようだな。そらなら、力づくで奪い返すまでだぜ。

俺はとびらを開いて、魔物の城の中に入って行った。

すると、4体のかげのきしと、あくまのきしのさらに上位種であるしにがみのきし1体が俺に気付き、武器を構える。

 

「愚かなビルダーめ、本当に来たとはな。ここに来たからには、生きて帰さんぞ」

 

しにがみのきしは俺に向かってそう言ってくる。さっき入り口で聞こえた声とは違う声なので、こいつがこの城のボスではないだろう。

でも、こいつも倒さなければ、希望のはたを手に入れることは出来ないな。

 

「ここで帰るつもりはない。あんたたちを倒して、希望のはたを取り返すさ」

「ならばお前を斬り刻んでやらねばならんな。行くぞ!」

 

しにがみのきしは手下であるかげのきしたちを率いて、俺に斬りかかって来る。ラダトームの魔物の城での戦いが始まった。

 

今回はいきなりリーダーであるしにがみのきしが最初に斧を降り下ろしてくる。かなり威力が高そうなので、俺は攻撃をかわし、その隙に奴の鎧を斬りつけた。

はがねのつるぎを使ったので、かなり大きなダメージを与えたはずだが、まだ倒れる気配はない。

俺はすぐに左腕に持つおおかなづちでもしにがみのきしを殴り付けようとするが、奴はすぐに体勢を立て直して、攻撃を受け止めてくる。

かなり威力は高いがおおかなづちを使っているので押しきることが出来そうだ。しかし、しにがみのきしを援護するために4体のかげのきしも襲いかかってくる。

「この人間め!しにがみのきし様を傷つけはせぬぞ!」

 

「ビルダーごときがオレたちに勝てる訳がないんだよ!」

 

このかげのきしは普通の大きさで枯れ木の森にいた奴等より小さいが、かなり攻撃力が高そうなので、俺はしにがみのきしへの攻撃を中断し、後ろに下がる。

奴らは自分たちが絶対に勝つと思っているようだが、俺の二刀流での回転斬りには耐えられないだろう。

俺が腕に力を溜めようとしているのを見て、かげのきしは何とかそれを止めようと剣で斬りかかってくる。

なので俺は、回転斬りを使うのを中断し、かげのきしの2連続の攻撃を避けながらはがねのつるぎとおおかなづちで奴らを叩き斬っていく。

「おのれ、この人間め!」

 

「ここまでオレたちを攻撃するとは許さんぞ!」

 

俺がかげのきしたちを追い詰めると、奴らはこれまで以上に早いスピードで鋭い剣を振り回してくる。

それでも、対応しきれないほどではないので、俺は2連続攻撃の後の僅かな隙にかげのきしを攻撃していった。

二刀流なので一度に2体を攻撃することもでき、奴らはかなり弱ってきていた。

 

「結構素早い奴らだけど、倒せないことはないぜ」

 

かげのきしたちが弱ってきているのを見て、後ろにいるしにがみのきしも攻撃を仕掛けてくる。

奴は武器を振り回したまま、俺に向かって突進してきたのだ。

 

「愚かなビルダーめ、5体に囲まれては何もできまい!このまま死ぬがいい!」

 

俺はすぐにそれに気づいて回避しようとしたが、かげのきしたちがそれを妨害してくる。

 

「かげのきしたちが邪魔だし、受け止めるしかないな」

 

奴の突進を受け止めている間にかげのきしから攻撃を受ける可能性もあるけど、あれを防がないと危険だ。

俺は突進してきたしにがみのきしを両腕の武器で受け止め、思いきり弾き返す。

 

「くっ、結構重いな!」

 

すぐには弾き返せず、俺はかげのきしに何ヵ所か腕を斬りつけられる。

突進の衝撃と切り傷で俺の腕も強く痛んだが、そこでしにがみのきしは体勢を崩して、動けなくなっていた。

でも、すぐに次のかげのきしの攻撃が来てしまう。

 

俺は腕の痛みを我慢して攻撃を避け続け、一瞬の隙に二刀流で攻撃し、奴らの体を砕いていく。

何度も攻撃を受けてかげのきしは追い詰められていて、動きも鈍くなってきていた。

 

「そろそろかげのきしは弱っているな。とどめをさすか」

 

俺はかげのきしたちが弱っているのを見て、とどめに強力な一撃を放っていく。

回転斬りを使うのは難しいので、それぞれの頭蓋骨を砕いていき、かげのきし4体を全滅させることが出来た。

 

「よし、これでかげのきしたちは倒せたぜ!あとはしにがみのきしだけだ」

 

かげのきしを倒した後、休む暇もなくしにがみのきしが俺に斬りかかってくる。

突進を弾き返されて体勢を崩していたが、もう立て直したみたいだな。

 

「よくも我の部下たちを倒してくれたな、このビルダー野郎め!」

 

しにがみのきしは怒って俺を叩き斬ろうとしてくる。あくまのきしの上位種だけあって、その攻撃力は怒り狂ったあくまのきしより強い。

はがねのつるぎを使っても押し返されそうになるが、俺は腕に力を溜めて受け止め続ける。

そしてその間に俺は、左手に持ったおおかなづちを振り回し、しにがみのきしの頭を殴り付ける。俺は荒くれたちほどの力はないが、奴の兜をへこませることが出来た。

頭を殴り付けられ、しにがみのきしは少し怯む。俺はその隙を逃さず、奴の心臓へとはがねのつるぎを突き刺した。

 

「ぐあっ!まさか我らが、ビルダーごときにやられるとは···」

 

最後にそう言って、しにがみのきしは青い光になり、消えていった。

 

「腕を斬りつけられてしまったけど、これで5体とも倒せたな」

 

この世界で何度も魔物と戦ってきて、戦闘にはかなり慣れているが、それでもラダトームの魔物は強い。

もし二刀流を使っていなければ倒すことは出来なかっただろう。

でも、こいつらを倒せたとしてもこの城にはまだ強力な魔物がいるはずだ。

 

「きずぐすりを塗ったら上の階に行くか」

 

俺はポーチからきずぐすりを取りだし、かげのきしに斬りつけられたところに塗る。

痛みが消えていくのと同時に、俺は奥の階段を登って2階に登っていった。

 

2階は狭い通路になっていて、魔物の姿は見かけられなかった。だが、俺は警戒をゆるめず奥へと進んでいった。

すると、3階に続く大きな階段の前で、2体のかげのきしを見つけた。

恐らくは3階に希望のはたが隠してあり、俺をそこに行かせないようにしているのだろう。

2体とも俺に背後から襲われないように、常にまわりを見回している。2体くらいなら同時に相手をしても簡単に勝てそうなので、俺は正面から斬りかかっていった。

 

「まさかここまで来るとはな···この上には行かせんぞ!」

 

「希望のはたを渡す訳にはいかん!」

 

俺はさっきと同じように奴らの剣での攻撃をかわし、わずかな隙に武器を叩きつける。だが、かげのきしは1階にいた奴らより隙が少なく、素早く剣を振ってきていた。

俺は攻撃をした後、かわす暇もなく剣を降り下ろされ、とっさに右腕のはがねのつるぎで受け止める。

もう一体のかげのきしも俺を斬りつけてきたが、そっちも左手のおおかなづちで防ぐことが出来た。

攻撃力もかなり高く、さっききずぐすりを塗ったはずの腕の傷が、再び痛んで来るほどだった。

 

「こいつら、かげのきしの中でも結構強いな。さっきのしにがみのきしと同じくらいか?」

 

威力の高い攻撃だが、俺は何とか腕に力をこめて、かげのきしたちを弾き返す。奴らの体勢を崩せば、その間に倒すことが出来るだろう。

俺の腕もかなりのダメージを受けたが、かげのきしたちは剣を落とし、動きを止めた。これでしばらくは無抵抗の状態に出来たな。

すぐに立て直すだろうから、今のうちに倒さないといけない。俺は右のかげのきしにはがねのつるぎ、左のかげのきしにはおおかなづちを思いきり叩きつけ、奴らの頭蓋骨を粉砕した。

でも、がいこつ系の魔物には再生力があるので俺はさらに追撃をかけて、全身の骨を破壊してとどめをさす。

 

「これで2階にいる奴らも倒せたな!あとは3階の魔物を倒せば、希望のはたを取り返せるはずだぜ」

 

恐らく3階には、かげのきしやしにがみのきしよりさらに強大な魔物がいるだろう。でも、ここまで魔物を倒してきたのだから、必ず勝てるはずだ。

俺はかげのきしを倒した場所をあとにして、3階に続く階段を登っていく。

 

3階には、大広間のような部屋になっていて、その部屋の一番奥に希望のはたが入っていると思われる宝箱がある。

しかし、その前にはしにがみのきしが2体、まどうしが2体、マイラでも見たトロルの上位種、ボストロールが立ち塞がっていた。

入り口で聞こえた声も、ボストロールのものだろう。

 

「人間め、ここまでたどり着いただと!?まあいい、ここでお前を消し去ってやるぞ」

 

ボストロールたちを倒せば、希望のはたを取り返すことが出来るだろう。絶対に負けることの出来ない戦いだな。

 

「こっちこそ、お前を倒して希望のはたを手に入れてやるぜ!」

俺も魔物たちも武器を構えて、魔物の城の3階での戦いが始まった。

最初に、階段の近くにいた2体のしにがみのきしが俺に向かって斧を振り回してくる。

後ろにいるボストロールも巨大な棍棒を持ってこっちに向かってきているが、ゆっくりな動きなのでまずは俺はしにがみのきしと戦うことにした。

左右から降り下ろされる斧を俺は二刀流で受け止めた。だが、そのしにがみのきしの力が強く、俺の腕も傷をしているので弾き返すことは出来なかった。

 

「力が強くて弾き返せないか。避けながら攻撃した方が良さそうだな」

 

俺はさっきのかげのきしのようにしにがみのきしの攻撃を弾き返して、怯んだところで倒そうと思っていたが、作戦を変えて避けながら攻撃することにした。

俺はしにがみのきしの斧をかわし、奴の腕をはがねのつるぎで斬り裂く。2体しかいないので、1階で戦ったかげのきし4体よりも倒しやすそうだ。

だが、しにがみのきしと戦っていたところに火の玉が飛んできた。

 

「人間を焼き尽くせ、メラ!」

 

後ろにいた2体のまどうしがしにがみのきしを助けるためにメラの呪文を唱えたようで、俺は攻撃を中断してかわした。

マイラでも思っていたが、まどうしのメラは本当に厄介だな。倒しに行こうと思っても、目の前のしにがみのきしが防いでくる。

 

「メラも避けながらしにがみのきしを倒すしかないか」

 

俺は遠くにいるまどうしと近くにいるしにがみのきしの動きを見切りながら、武器を振るってダメージを与えていく。でも、その間に遠くにいたボストロールが俺のすぐそばまで迫ってきていた。

「ビルダーめ、叩き潰してやるぞ!」

 

ボストロールはしにがみのきしと戦っている俺に向かって棍棒を降り下ろす。

さすがにボストロールの攻撃は二刀流を使っても防げるかは分からないので、俺は後ろに大きくジャンプして回避する。

 

「先にしにがみのきしを倒したいけど、ボストロールが邪魔だな」

 

しにがみのきしとの戦いに集中したいが、ボストロールは次々に棍棒を降り下ろしたり、俺が階段の近くにいると大きな手で突き落とそうとしてくる。

俺はボストロールを避けるのが大変で、なかなかしにがみのきしを倒すことが出来なかった。

そんな中で、しにがみのきしは2体同時に突進の構えをとった。

 

「ビルダーは追い詰められている、これで終わりにするぞ!」

 

「所詮は人間。我々に敵うはずのない奴だ」

 

至近距離での突進をくらえば、全身の骨がバラバラになって死んでしまうかもしれない。ボストロールのせいで避けることも出来ないので、受け止めるしかなさそうだ。

俺は2体のしにがみのきしの突進をはがねのつるぎとおおかなづちで受け止める。腕に激痛が走るが、何とか止めることは出来た。

しかし、しにがみのきしの攻撃を止めている間に、ボストロールが棍棒を降り下ろす。

 

「くそっ、でもここで倒されるかよっ!」

 

俺は渾身の力でしにがみのきしの突進を止めて、ボストロールの攻撃を避ける。しにがみのきしもボストロールも、攻撃の反動で動けなくなっていた。

腕の骨が砕けたような痛みを感じるが、チャンスは今しかないので、俺は腕に力を溜めて、2つの武器で奴らをなぎはらった。

 

「回転斬り!」

 

二刀流での回転斬りを受け、2体のしにがみのきしは倒れて、ボストロールも大きく怯む。

さすがは二刀流の回転斬りだな。どんな強力な強力な魔物であろうが、絶大なダメージを与えることができる。

 

「これで何とか、しにがみのきしを倒せたぜ。次はまどうしだな」

 

しにがみのきしを倒した俺は、ボストロールが怯んでいる間に部屋の奥でメラを撃っているまどうしを倒しに行った。

まどうしが邪魔をすれば、ボストロールを倒すのも大変になるからな。

まどうしは近接戦闘は苦手であり、近づくことができれば簡単に倒すことが出来る。

俺はメラの呪文をかわしながら左にいるまどうしをはがねのつるぎで斬りつける。その後、反撃する暇を与えないようにおおかなづちを叩きつけた。

 

「我の仲間に何をするのだ!くらえ、ベギラマ!」

 

俺がまどうしと戦っていると、もう一体のまどうしがギラ系の呪文であるベギラマを放ってきた。ラダトームにいるまどうしは、こんな呪文も使えるのか。

俺はベギラマの呪文をかわすことは出来たが、目の前にいたまどうしにも体勢を立て直されてしまった。

 

「よくもここまで追い詰めてくれたな、人間め!」

 

2体のまどうしは俺に向かってメラやベギラマの呪文を撃ち続ける。

でも、魔力には限界があるようで呪文の勢いが弱まって来ていた。

 

「そろそろ魔力が切れてきているみたいだな。今なら倒せそうだぜ」

 

俺は弱ってきたところを狙い、2体のまどうしに近づいて斬り刻んでいく。奴らは必死に反撃しようとしていたが、魔力が尽きて強力な呪文を使えなくなっていた。

まどうしを倒すと、初めて見る赤色の布を落とした。素材になりそうなので拾いたいが、今はボストロールを倒さないといけないな。

ボストロールは体勢を立て直し、俺に近づいて棍棒を振り回してくる。でも、回転斬りで弱っているために動きはさっきより遅くなっていた。

俺は攻撃をかわして後ろに回りこみ、ボストロールの背中をはがねのつるぎで突き刺す。

ボストロールはそこで回転斬りのように棍棒を一回転させて、俺をなぎはらおうとしていたが、俺は左手のおおかなづちで奴の足を殴り付け、バランスを崩させた。

ボストロールは立ち上がろうとするが、俺はそれをさせないために、奴に向かってもう一度回転斬りを放った。

 

「希望のはたは取り返してやるぜ、回転斬り!」

 

そして、ボストロールの生命力を尽きさせて、青い光へと変化させていった。

これでラダトームの魔物の城にいる敵は、すべて倒すことが出来たな。

 

「厳しい戦いだったけど、これで希望のはたを手に入れられるな」

俺はまどうしが落とした赤色の布を拾ってから、部屋の奥にある宝箱のところに行く。

開けてみると、中には青色の希望のはたが入っていた。これまでの希望のはたと違い、最初から整った形になっている。

俺が希望のはたを手に取ると、ルビスの声が聞こえてきた。

 

「雄也、ついに希望のはたを手に入れたのですね。それを持って、ラダトームの城の跡地に立てるのです」

 

ラダトームの城の中央には希望のはたの台座があったので、そこに立てればいいのだろう。

これでようやくラダトームの復興を始められるな。

俺が希望のはたを手に入れたことを喜んでいると、ルビスは続ける。

 

「そして、ラダトームの城を復興していけば、あなたのビルダーとしての役割も終わりを迎えるでしょう」

 

ビルダーの役割を終えるってことは、ついにアレフガルド全域を復興させるってことだな。ラダトームを再建するのも大変そうだが、頑張って行かないといけない。

俺は希望のはたを持って魔物の城を出て、ラダトームの城跡へ向かった。

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