ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode8 魔法の大倉庫

二回目の防衛戦の翌日、メルキドに来て8日目、ロロンドのメルキド録の解読に進展があったらしく、俺はその話を聞いていた。

 

「雄也よ、最近たくさんの素材を集めているから、そろそろ収納箱がいっぱいになって来ておる」

 

確かに、最近銅や石炭をたくさん集めているから、作業部屋の収納箱はもう限界だった。これからはもっと新しい素材がてにはいるだろうから、収納を増やすのは必須だ。

 

「そうだな。もっとたくさんの物をしまえるようにならないと」

 

「そこでだ、今日は我輩がメルキド録を解読している内に見つけた、大倉庫の作り方について教えようと思う」

 

大倉庫か、名前からして、物凄い数の素材が入りそうだな

 

「大倉庫があれば、素材集めがおそろしいほど便利になるだろう。しかも、この大倉庫はビルダーの力がないと作れないのだ」

 

収納箱と同じように、魔法で作られた空間にものを入れる仕組みという事だな。

 

「ビルダーの魔法を使うときは、作りたい物の形状が分からないといけないから、それを教えてくれ」

 

大倉庫と言うなら、家と同じくらいの大きさの建物だろうか?俺はそう思ったが、実際は全然違った。

 

「メルキド録によると、大倉庫は普通の収納箱の何倍もある箱に、ツボと小さな箱をくっ付けたものなんだ。」

 

ただの大きい収納箱?なんで大倉庫って名前なんだよ?まあ、メルキド録にそう書いてあるんだから仕方ないが。でも、それだと少し容量が増えるだけだと思うんだが。

 

「そんなの少し大きくなっただけで、少し容量が増えるだけだろ?普通の収納箱をいくつも作ればいらないな。」

 

「我輩もそう思っていたのだが、メルキド録の大倉庫のページには、驚くべきことが書かれていたのだ。」

 

驚くべきこと?そんなに凄いことなのか?ロロンドは少しの発見でもすごい発見だって言いそうだからな。

 

「実は、大倉庫に入れたものはポーチや持ち運び収納箱からも取り出せるらしいのだ。」

 

「どういう意味だ?」

 

俺は最初、どういう意味なのか分からなかった。だが、話を聞くと、ロロンドが言っていた通り驚くべきものだった。

 

「例えば、武器を大倉庫にしまったとしよう。普通の収納箱ならばその収納箱からしかその武器は取り出せんが、大倉庫にしまったならどこにいてもポーチからすぐに取り出せるのだ。それ以外にも、必要な道具を中に入れておけば、いつでもどこでも取り出すことが出来るのだ」

 

そう言うことか。大倉庫の魔法の空間とポーチの魔法の空間はつながっていて、大倉庫から直接ポーチに物を移動させたり、逆にポーチから直接大倉庫に移動させることも出来るという訳か。

 

「スゴい便利だな。これがあれば素材集めの時ポーチがいっぱいで持ち帰れないなんてことは無くなるぞ」

 

ロロンドの話でだいたいの形状も分かったので、さっそく作り方を魔法で調べた。大倉庫は、木材が8個、毛皮が3個、ツボが1個で出来るようだ。ツボが必要と出たので、ツボの作り方も調べた。

ツボ···土3個 あおい油1個

こっちも、いつも通り作り方が頭の中に浮かぶ。土3個とあおい油1個なら、今すぐに作れる。毛皮は昨日の防衛戦で襲ってきたブラウニーが落とした物を使えばいいし、木材はおおきづちで森にある木を壊せばてにはいるだろう。

 

「結構簡単に作れそうだ。ロロンドはメルキド録の解読を進めていてくれ」

 

「分かった、大倉庫ができたら我輩に見せてくれ!」

 

メルキド録の解読が進めば、もっと便利な道具が作れるかもしれない。ロロンドは部屋に戻り、俺は木材を取りにいくために近くの森に行った。

 

「たくさん木があるけど、全部切るのはよくないからな。必要な分だけ取ろう」

 

俺は森の外側にあったブナの木らしき木をおおきづちで叩いて壊した。外側だけでなく、この森の木はすべてブナのようだ。

 

「あれっ、何かブロックに変化したぞ?」

 

木を壊すと、木のブロックが3つ落ちていた。これが木材だろう。俺は同じ大きさの木をもう二本切って、木のブロックを合計で9個集めた。大倉庫を作ると一個余るので、何かに使おう。

 

「簡単に集まったな。作業部屋でまずツボを作って、それから大倉庫を作るぞ」

 

俺は木材をポーチに押し込み、作業部屋へ入った。みんなは別の場所にいて、作業部屋は俺だけだった。俺はまず石の作業台でツボを作った。できたツボは、高さ70~80センチほどで、かなり大きいサイズだった。

 

「ツボが出来たな。後は木材8つと毛皮3つと合わせて」

 

俺は大倉庫になるようそれらの素材に念をかけた。いつも通り成功したと思ったのだが、大倉庫にならず、そのままだった。

 

「あれ、出来ないな?どうなってるんだ?」

 

俺は大倉庫に必要な素材を調べ直す。だが、さっきと同じで、

大倉庫···木材8個、毛皮3個、ツボ1個

と出る。素材が何か間違っているのか?と思っていると、ルビスの声が聞こえてきた。今は一人だから話をしても大丈夫だ。

 

「雄也よ、ブナ原木はそのままでは使えないのです。まずは原木を加工して木材を作るのです」

 

そう言うことか、確かに木を使うときは一度使いやすい形に加工しないといけないな。俺のビルダーの魔法が弱かったのだと思った。

 

「ありがとうな、ルビス。俺のビルダーの魔法が弱かったんだと思ったぜ」

 

「ビルダーの魔法には、強いや弱いというものは特にありません。ですが、この世界に存在するのもので作れないものはさすがに作れません」

 

作れるものの範囲で町を作れってことか。それでも、作れる物は山ほどあるから、十分だろう。

俺はブナ原木と言うらしいさっき取ったブロックに魔法をかけ、木材に変えた。

 

「今度こそ上手くいくか?」

 

俺は改めて木材、毛皮、ツボに魔法をかけた。すると、それらが合体し、巨大な収納箱に姿を変えていった。

 

「成功したな。これが大倉庫か。ロロンドに見せてこよう。」

 

俺は完成した大倉庫をポーチに入れ、ロロンドのいる寝室に向かった。ものスゴく大きなものまでこのポーチに入るのか。

 

「おい、ロロンド、大倉庫が出来たぞ!」

 

「そ、それは本当か!?今すぐいくぞ!」

 

ロロンドは俺の声を聞いて、すぐさま部屋を飛び出して来た。ロロンドは何かが完成したりするといつも高いテンションがさらに高くなる。俺は大倉庫を取りだし、ロロンドに見せた。

 

「これがメルキド録に書かれていた大倉庫と言う物か!素晴らしいぞ!」

 

ロロンドは大喜びだ。これがあれば、素材集めがさらにはかどるようになるだろう。

大倉庫は大きいが、壊されると困るものなので、俺は町に大倉庫を置く部屋を作った。ゲームでは扉と明かりがないと行けなかったが、あまりいかない部屋には明かりはいらなさそうだ。

大倉庫の中身はポーチから取り出せるため、直接取りに行くことはなさそうなので、大倉庫部屋には明かりは置かなかった。

 

「そうだ、いっぱいになっている作業部屋の収納箱の中身のいくつかを大倉庫にしまっておくか」

 

俺は作業部屋の収納箱から、有り余っているじょうぶな草やふとい枝を数十本、大倉庫にうつしかえた。それでも、それらの素材は収納箱にたくさん入っている。

 

その日の午後、俺はピリンから相談を受けた。

 

「ねえねえ、わたし、雄也にお願いがあるんだ。」

 

ピリンのたのみごとは久しぶりに聞いたな。久しぶりと言っても、数日しか経っていないのだが、ロロンドやケッパーの話を聞いていることが多かったので、そう思えた。

 

「お願いって、何だ?」

 

「わたし、最近物を作るのが楽しくてみんなのためにいろいろ作ってるんだけど、最近、特に作りたいものがあるの」

 

ピリンは俺が出掛けている間も、様々な物を作っているようだ。前作っていた石のイスと石のテーブルもそうだろう。

 

「だけど、夜になるとみんなの様子が気になって、作業に集中出来ないの。ロロンドはいびきが異常に大きいし、ロッシは寝ながら時々絶叫するからね」

 

それには俺も悩まされていた。本人は気づいてないのだろうが、ロロンドのいびきがうるさすぎて、眠れなかった日があった。ロッシの絶叫も聞いたことがある。

 

「だけど、いびきを止めるなんて無理だぞ」

 

いくらビルダーの魔法があったとしても、さすがにそれは不可能だ。

 

「そこでね、集中して作業ができるように、わたし専用の部屋を作って欲しいの。部屋を作るのはわたしでもできるんだけど、その部屋が誰の部屋なのか分かるように、壁掛けが欲しいの。それを雄也に作ってほしいんだ」

 

個室が欲しいってことか。みんなが夜うるさいからもあるだろうけど、ピリンは日本で言えば小学校高学年から中学生くらいの女の子だ。自分の部屋が欲しくなる年頃だろう。

 

「壁掛けは、女の子の部屋って分かるように、赤色にしてね」

 

「分かったぞ。俺が個室看板を作っている間に、ピリンは土ブロックで部屋を作っておいてくれ」

 

「うん!お願いね」

 

ピリンは持ち運び収納箱から土ブロックを取りだし、積み上げていった。結構な数の土ブロックを持っているようだ。俺はまず、女の部屋の壁掛けの作り方を調べた。

女のカベかけ···染料1個、木材1個、あかい油1個

女のカベかけがあるなら、男のカベかけもあるだろうから、そっちの作り方も調べた。俺も個室が欲しいし、みんなも欲しいだろうからな。

男のカベかけ···染料1個、木材1個、あおい油1個

2つのカベかけは、必要な素材が少し違ったが、あおい油もあかい油も簡単に集まる素材だ。問題はこの染料とかいう奴だな。

 

「最近知らない素材名がたくさん出てくるな」

 

俺は染料の作り方も調べた。すると、それにもあおい油とあかい油が必要なことが分かった。

 

「あかい油3つとあおい油3つと石炭が1つか。簡単に作れるけど、それにしても油をたくさん使うな」

 

油の在庫は切らさないように気をつけよう。俺は石の作業台で染料を作ろうとしたが、何も起こらなかった。

 

「素材が間違ってるのか?」

 

そう言えば、染料は加熱して作るもの。石の作業台では出来なさそうだな。俺は隣に置いてある炉と金床を使ってみた。それでも、染料は出来上がらなかった。

 

「おかしいな?これは温度が高すぎるのか?」

 

今度は、調理部屋にある料理用たき火を使ってみた。すると、今度こそ染料が出来上がった。料理用たき火は、必ず料理に使うとは限らないのか。

 

「木材はさっきの余りを使えばいいな。作業部屋に戻るか」

 

俺は染料とあかい油、木材で女のカベかけを作った。カベかけは石の作業台で出来るようだ。なんの作業台で作れるかもわかればいいな。

俺の思いを気づいたのか、ルビスが俺に話しかけてきた。

 

「確かに、その能力があると便利かもしれませんね。最初は必要ないと思っていましたが、必要な作業台を見分ける魔法も授けましょう」

 

そんな魔法もあるのか。これからはそれで必要な作業台を見分けよう。

 

「必要な素材を調べた時、必要な作業台も思い浮かぶようになります。これで必要な作業台が分からなくなることは無いでしょう」

 

ルビスとの話が終わり、俺はピリンに女のカベかけを見せに行く。

 

「ピリン、これでいいか?」

 

ピリンは部屋を作って、中に明かりを置いていた。

 

「うん!それを壁にくっつけてね」

 

俺はその部屋の外の壁に設置することにした。ゲームでは中に置かないとポイントが入らないが、リアルでは外に置かないと誰の部屋か分からない。どうやってくっ付けるか分からなかったが、壁に付けると離れなくなり、固定されたようだ。攻撃されないかぎり、外れることはないだろう。

 

「うわあ!わたし専用の部屋が完成したね!」

 

ピリンが俺の張り付けた看板を見にきた。それにしても、ピリンはそんなに集中して何を作っていたんだ?

 

「それで、一体何を作っているんだ?」

 

「えへへ、それはまだ秘密。できたら教えてあげるから楽しみにしててね」

 

ピリンは個室看板に自分の名前を書き、中に入っていった。何を作っているか教えてくれなかったが、ピリンの作るものだし、楽しみに待とう。

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