IS戦士電童   作:東風乃扇

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みなさんこんにちは!

東風乃扇です。

今回は説明回ですのでそんなに話は進まないかな?

ご意見、ご感想、お気軽にどうぞ。


第11話《データウェポン》

GEAR本社襲撃事件の翌日。

世間では日曜日だ。

俺―天野星夜―とセシリアさんは医務室でそれぞれ検査を受けていた。

あの激闘のあと、GEAR本社の社員寮で一泊した俺達は朝から事情聴取を受けていた。

とくに直接スコールと接触したのは俺達なので午後までかかった。

 

「はぁ~。やっと終わった。」

 

「さすがに疲れましたわ。」

 

やっと解放された俺達は食堂で遅めの昼食を食べていた。

 

「2人とも、お疲れさま。」

 

「大変だったね~。」

 

「でも…帰ったらGEARと学園に今回の報告書を出さないといけないんだよな。」

 

「私の場合は本国にも出しますから英語の報告書もですわ。」

 

セシリアさんと同時にため息をつく。

まぁこのあとの事は今は忘れよう。

気持ちを切り替えて目の前のカツ丼を頬張る。

 

「あとで井上さんが皆に話があるっていってたよ。」

 

「ユニユニたちの事かな~?」

 

机の上で遊ぶユニコーン、それをつついてる本音さん。

簪さん達は先に聴取が終わったからこのあとの事聞いてるのか。

 

「1日経ってないけど…まぁ何かあるんだろうな。」

 

まぁ井上さんとか研究室の人達ってワーカーホリックの毛があるからな。

没頭してたんだろうか。

 

そんな感じで昼食を食べ終わり、会議室に向かった。

 

「では、皆さんお揃いですね?」

 

井上さんが会議室で全員の前にたちの確認する。

ここに居るのは、俺達4人と渋谷社長、アルテアさん、ベガさんだ。

 

「では、今回の事件で判明したデータウェポンの事を説明させていただきます。」

 

井上さんの発言に合わせ部屋の照明が暗くなり、正面のスクリーンに映像がでる。

 

「まず、データウェポンは星夜くんの何に反応したのか?」

 

井上さんは投げ掛ける。

 

「生命の危機?」

 

ベガさんは答える。

 

「そう、今までの2回とも星夜くんの危機的状況下で現れました。」

 

それはたしかだ、3年前も今回もどっちもヤバかった。

 

「しかし、重要なのはそこではありません。単なる危機的な状況下では恐らく反応は薄く、3年前と同じように終わるでしょう。」

 

「では?博士は何が影響したと?」

 

「これです。」

 

スクリーンに映像が写される。

 

当然だが俺とセシリアさんがスコールと戦ってる映像だ

―――――――

 

『俺の後ろに俺を信頼してる仲間が居るんだ!負けられるか!』

 

『そうですわ!私はこの方を信頼しておりますの!』

 

『だから、ここで諦めたら、ホントに駄目になってしまう!!』

 

―――――――

 

うわぁ…こう見せられるとすごく恥ずかしい…。

 

「この時、研究室に居たユニコーンドリルが反応して、起動したのです。」

 

井上さんは告げる。

 

「ユニコーンドリルは星夜くんの『想い』に反応したと思われます。」

 

「俺の…想いに…」

 

膝の上に居るユニコーンに視線を向ける。

 

ユニコーンも視線を反してくる。

 

渋谷社長がたずねる。

 

「それはどのような想いなのかね?」

 

「はい、それは信じる心、つまり『信頼』だと思われます。」

 

スクリーンにはデカデカと信頼の2文字が…

 

「更に言えばこの時、オルコットさんと同調、いや、共鳴の様なものを起こしていたと思われます。」

 

「私と…?」

 

セシリアさんが聞き返す。

 

「はい、こちらはお互いのISが記録している搭乗者の感情をグラフとして表示した物です。これの一致率が8割を越えています。そして一致した瞬間にそれらの数値が一気に跳ね上がっております。」

 

「つまり、感情がエネルギー源だと言うことなのか?」

 

アルテアさんが言う。確かに不思議エネルギーみたいな感じがする。

 

「ISのセカンド・シフトやワン・オフ・アビリティーには搭乗者の感情も関係していると聞いてはいますが…」

 

ベガさんの言う通りIS自体も意識を持ってるとか言うくらいだし、無関係とは思えないが。

 

「まだ、推測の域を出ませんがデータウェポンが求めるのは純粋な感情のエネルギーよりも、特定の感情エネルギーが必要と思われます。」

 

「だから今回はユニコーンだけが反応したの…?」

 

「他の子の好物はなんだろうねー。」

 

簪さんと本音さんも反応する。

 

「そしてそのエネルギーは残念ながら我々では作り出すことは難しいと思われます。」

 

「そうなんですか?」

 

井上さんに聞き返す。

 

「はい、恐らく2人のISのコアとそれぞれの心が奇跡的に合い、今回の事が起こったと思われます。」

 

「じゃあ、他のやつは…。」

 

そのままですか、と言おうとして。

 

「完全では無いですが使えるようになるかも、知れません。」

 

井上さんを見る。

 

「今回、ユニコーンドリルは電童のコアを経由して、武装化しました。ISコアがデータウェポンに影響したと考えます。」

 

確かに、光球になって胸部に入ってきたよね。

 

「他のデータウェポンたちも同じように取り込めば使えるようになる可能性があります。」

 

「デメリットはあるのかね?」

 

「それに関してはわかりません。」

 

「なら、本人たちの意思を尊重し、実施するとしよう。」

 

渋谷社長と井上さんがまとめる。

 

「星夜くん、残りのデータウェポンたちと話し合い、どうするか決めたまえ。」

 

「わかりました、終わったら、早速聞いてみますよ。」

 

「では、次に説明しますは、彼らに与えた武装には無かった能力についてです。」

 

スクリーンには俺とセシリアさんをバリアで守ってるユニコーンが映る。

 

「あぁ、たしかにあんな装備は無かったはずだ。」

 

「これはユニコーン自身の能力と思われます。今後、他のデータウェポンが目覚めたらこのような能力が附属すると思われます。」

 

「今回ユニコーンは星夜くんを守るために、このバリア能力、ファイヤーウォールを発現させたようです。」

 

「今回は大体こんな感じです。今後もわかり次第ご報告いたしますので。」

 

部屋の明かりがつく。

 

「じゃあ、あいつらの所にいってきますね。」

 

善は急げだ。

 

とりあえず今回わかったことは。

 

一つ、データウェポンたちは俺の感情に反応する。

 

二つ、その感情は俺1人では駄目、他の人と共鳴する必要がある。

 

三つ、俺1人感情だとすぐにエネルギー切れ?になる為、仮に起動しても3年前と同じようにすぐ停止する。

 

四つ、データウェポン本人たちもどの感情かはわからない。(井上さんが確認したそうだ。)

 

五つ、電童のコアを介することで永続的に維持が出来るようになる可能性がある。

 

六つ、本来の装備に付与されていない機能が追加される。

例:ユニコーンのバリア(命名:ファイヤーウォール)

 

―――

 

「では、各データウェポンと電童のコアを接続します。」

 

俺とデータウェポンたちは電童のコアの接続を試して見ることにした。

ユニコーンの中に残っていたデータをみて、取り込んだ状態を可能な限り再現した。

 

………結果

 

「まさかこのチビ形態のみとは。」

 

残りのデータウェポンの取り込みは問題なく進み、異常も無かった。

ただエネルギーが少ないのか武装化もできず、通常形態も取れない。

なので今、こいつらはデータ化して電脳世界に居るかチビ形態(エイリアス体)で実体化するしかない。

 

「こう見ますと可愛らしいですわね。」

 

「うん…微笑ましい。」

 

「よし…よし…お菓子食べる?」

 

「いや、こいつは何も食べないから。」

 

机の上には戯れるデータウェポンたちが居る。

 

「この子たちはどうなるの~?」

 

「こちらに置いていかれますの?」

 

「いや、俺と一緒にいればまた、何かの感情に反応しやすくなるかも、って言われたからつれてく。」

 

「これってペットカウントかな?」

 

…まぁ元はペットロボだね。

これからは部屋が愉快になりそうだ。

 

とりあえずこの事件はこれで一件落着かな?

帰りはGEARから専用ヘリコプターで帰った。

 

帰りのヘリ内ではなんか簪さんが何か考えてる様な顔をしていた。

 

思い詰めてなきゃいいけど。

 

――――

 

その日の夜

 

「それでは、織斑くんのクラス代表就任を祝して!」

 

「「「カンパーイ!!」」」

 

先日決まった一夏のクラス代表決定パーティーが開催された。

本当なら昨日やる予定だったが俺達が居ないのを気遣ってずらしたそうだ。

優しさが嬉しいね。

 

ただ、俺達が帰ってこなかった理由を知らなかった一部の奴は『俺』が『セシリアさん、本音さん、簪さん』と『学園外で一泊』した事しか知らない為、色々と邪推しているようだ。

先程から何人かに囲まれて質問攻めに合うセシリアさん達、顔が真っ赤だよ。

 

ちなみにどう見ても人数がクラスより多いので簪さんがいてもまったく問題ない。

リボンの色すら合わない人が居るし。

 

あと、パーティーの横断幕に『織斑一夏クラス代表就任パーティー』って、書いてあるがその下に俺の名前を書いたあとに消した痕跡あるぞ!?

それにあっちの壁には『天野くんがだれに手を出したかトトカルチョ』の模造紙が張ったままだぞ!?せめて剥がせよ!!

しかもなんで一番人気が『男らしくまとめて頂いた!』だよ!?俺って節操なしに見られてた!?

 

さて、心の中で一通りツッコミを入れたら、一夏の方に行く。

 

「おめでとー!一夏ー!」

 

「あっ星夜!?お前大丈夫なのかよ!?千冬姉から怪我したって聞いたぞ!?」

 

あら、聞いてたの?

 

「あぁ、IS使ってたから大したことはないよ。それどころか心強い味方も増えたしな。」

 

と視線を中央のテーブルへ。そこにはクラスメイトたちと遊ぶユニコーン達。

 

「へ~あれって一体なんだ?玩具にしか見えないけど。」

 

「まぁ追々わかるよ。」

 

ちなみに織斑先生には詳細報告済み。

明日の朝には報告書も出来上がりそうだし。

 

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生達に特別インタビューをしに来ました。」

「あっ私は2年の黛薫子。新聞部副部長ね。これが名刺。」

 

いきなり近づいてきた先輩はそう言って名刺をだす。

画数多いなぁ。小さく名前書くとき大変そう。

 

「まずは、クラス代表になった織斑くん!感想をどうぞ!」

 

ボイスレコーダーを一夏に向ける。

 

「えー…なんて言うか、がんばります。」

 

一夏なげやりだな。

 

「もっといいコメントちょうだいよ!『多少の無茶は!承知の上だ!!』とか!」

 

「自分、不器用ですから。」

 

「うわ、前時代的!」

 

「じゃあ、適当に捏造しとくから!」

 

適当に答えると捏造かよ。それってジャーナリストとしてはそれでは駄目だろ。

先輩はこちらに振り向き。

 

「次はいきなり三股中の天野くん!一言どうぞ!」

 

あっ捏造不可避~。

 

「爆砕重落下と剛腕粉砕撃、どちらか選んでください。今から実演しますよ。あなたで。」

 

すごくいい笑顔で言う。

 

「あっはははは~…どちらも遠慮しとくよ~…。」

 

「まぁまぁ、遠慮しないでいいですよ。痛いとか思う前に遺体ですから。」

 

「しかも即死なの!?」

 

命の危険を感じた先輩はセシリアさんに目標を替えた。

 

「えっとセシリアちゃんもコメント頂戴。」

 

「えっ!私と星夜さんはまだです!?」

 

\セシリア、アウトー/と頭の中で鳴った。

「つまり、将来的にはするってこと!?」

 

「おお~これはいいこと聞いちゃった~♪」

 

「次から休日はセシリアを見張るわよ!?もち全員で!」

 

何かクラスメイト達が過剰反応してる。

 

「えっと、なかなかいいコメントだったわ。あとは写真撮らせて!」

 

先輩は美味しい物を食べたような顔をしてカメラを構える。

 

「専用機持ちは貴重だからね!3人ともならんで。」

 

「ほら、一夏、中央。代表だからね。」

 

「えっここは星夜だろ!?」

 

「私は星夜さんの横が!」

 

「よし!セシリア中央な。」

 

一夏は中央がお気に召さないようだ。

一夏など眼中に無いセシリアさんは迷うことなく中央にならぶ、そして俺に寄る。近い!

 

「いや~これは噂が真実だね!じゃあ撮るよ~!35×51÷24=?」

 

「わかるか!?」

 

つい突っ込んだ。一夏は適当に2とか言ってるし。

 

「ぶー。74.375でしたー。」

 

パシャリ。

 

シャッター音がするよりもはやく神速をもってクラスメイトたちは写真へ映るため動く。

あっという間に集合写真だな。

流石は箒さん、一夏の隣は譲らなかったな。

簪さんも俺の横だ。俺の前には中腰の本音さん。

あと、俺の頭上にデータウェポン達。

 

「クラスの思い出だよ!」

 

と、みんなの談。まぁいいか。

 

結果夜中までみんなで騒いでた。データウェポン達も楽しそうで何よりだ。あいつら、一応物食べれるんだな。

 

――――

 

「ふぅ、疲れた。」

 

そう言いながら散歩をする俺。

何となく夜風に当たりたかったからだ。

 

「あっ!そこのあんた!?」

 

声をかけられた。

 

「一応確認しますが俺の事ですか?」

 

「そうよ!ここにあんた以外居るわけ?」

 

回りを見渡す。

 

「居ないですね。」

 

「でしょ?」

 

小柄な割にはデカイボストンバッグを持った女性が近づいてくる。

 

「あんたってここの生徒?」

 

「はい。1年1組の天野星夜です。」

 

「なるほど、あんたが『2人目』ね。私は凰鈴音(ファン・リンイン)よ、よろしく!」

 

「よろしくお願いします。で俺に声をかけた理由はなんですか?」

 

「あっそうだった。私は明日から転入するんだけど本校舎一階総合事務受付ってどこ?」

 

くしゃくしゃの紙を見ながら聞いてくる凰さん。

 

「えーと。ここから…」

 

口で説明がし辛いな…どう見ても凰さん初めての場所な訳だし。

 

「よし。レオ、出ておいで。」

 

待機状態の電童から白い光と共に手のひらサイズのレオサークルが出てくる。

 

「ちょっとなによそれ!?」

 

「こいつはレオサークル。俺の仲間って言うのかな?」

 

「変わったもの持ってるわね。で?何でだしたの?」

 

「レオ。凰さんを総合事務受付まで送ってあげて。」

 

コクりと頷くレオサークル。

 

凰さんの目の前に飛び。背を向けて宙を行く。

 

「あとはその子に着いていけばいいですよ。」

 

「あっありがとう。ってそのあとはこいつはどうすればいいのよ。」

 

レオサークルを指差しながら言う。気が回る人だな。

 

「あぁ、勝手に帰ってくるんで気にしなくていいですよ。凰さん。」

 

「そうなんだ。わかったわ。あと、私の呼び方は鈴でいいわよ。」

 

「わかりました、鈴さん。俺も天野でも星夜でもご自由に呼んでください。」

 

「わかったわ。ありがとう星夜。」

 

手を降りながらレオサークルについていく鈴さん。

 

まだ4月なのに転入か…書類の不備とかで遅れたのかな?

 

あの感じは拳法やってそうだな。

その後、やけに怯えた感じでレオは帰ってきた。

恋する乙女は恐いそうだ。




はい、凰鈴音の登場です!!

やっと1巻後半戦です。

頑張っていきますよ。

データウェポンもまだまだですし。

――――

箒「だから、ぐって感じだ」
夏「いや、だからぐって感じじゃ伝わらないって。」
箒「私が特別に教えているのに分からないのか。」
夏「それで次回予告が出きるかよ!?」
箒「そもそも男ならそれくらいこなして見せろ。」
夏「あぁそんな話してたら時間がない!?」
箒「まさか、私のせいだと言うつもりか!?」
夏「まともな説明が無かっただろ!?」
箒「自分の無知を嘆け!!愚か者!!」
夏「ひでぇ!」

次回!IS戦士電童

第12話《交わした約束》

箒・夏「これはどう考えてもお前が悪い!!」
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