IS戦士電童   作:東風乃扇

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皆さんこんにちは!

東風乃扇です。

原作進めつつもオリジナリティ出すのって難しいですね。

ご意見、ご感想お気軽にどうぞ。

それでは第12話始まります。


第12話《交わした約束》

パーティーの翌日の朝

 

俺―天野星夜―は探し物をしていた。

 

「う~ん…ここにも居ない…。」

 

ユニコーンが朝から居ないのだ。

まぁユニコーンはあいつらの中でも好奇心が旺盛な奴だから、散歩でもしてるのかも。

 

まぁ、緊急事態って訳でもないからいいか。

いざとなれば電子化して呼べばいいし。

 

――

 

朝からセシリア・オルコットの機嫌は良かった。

ちょっと良いことがあったからだ。

 

いつも通りの時間に規則正しく起きる。

今日も朝日が眩しい…と窓に何かいるのか陰がある。

 

「鳥かしら?」

 

窓に近づく、よく見るとそれは先日できた小さな友人だ。

 

「あら、ユニコーンさんお早うございます♪」

 

ユニコーンドリルだ。室内に居るけど気にしない。きっと待機状態のお互いのISを通じて来たのだろう。

 

「何かご用かしら?」

 

ユニコーンは肩に乗ってきた。

 

「ふふ、本当に可愛らしいですわね。」

 

先日の自分達を守った時の頼もしさとは違った一面。

しかし、ここにいたら彼は困らないだろうか。

そうだ。ユニコーンを届けに行けば朝から彼に会う口実になる。

そう思うとさっそくパジャマから着替えようとする。

 

「あら、レディの着替えは見るものでは無いですよ。」

 

ユニコーンにハンカチを掛けて目隠し代わりだ。

データウェポン達に性別はあるのだろうか。そんな事を考えながら着替えを終えて。彼の部屋に向かう。

 

「たしかこの時間なら部屋に居るはずでしたわね?」

 

肩に乗るユニコーンに聞く。コクリと頷いた。

すると廊下に出てくる星夜を見つけた。

 

「星夜さん、おはようございます♪」

 

「おはようございます、セシリアさん。あっユニコーン、お前セシリアさんの所にいたのか。」

 

「はい。ですのでお届けに参りましたの。」

 

肩のユニコーンを手に乗せ、差し出す。

 

「わざわざありがとう。これから食堂に行って朝食にするけどセシリアさんは? 」

 

「えぇ、私も丁度これから朝食ですの。」

 

「じゃあ、行こうか。」

 

「はい、参りましょう。」

 

今日は朝から彼に会い、誘って貰えた。こんな小さな幸せを感じると機嫌も良くなるものだ。

 

――

 

「織斑くん、天野くん、おはよー。転校生の噂って聞いた?」

 

朝食を食べて、一旦部屋に戻ってから教室に入ると聞かれた。

 

「転校生?今の時期に?」

 

一夏が聞き返す。

 

「そう、なんでも中国の代表候補生だってさ。」

 

「へぇ、あの人も代表候補生なのか。」

 

俺が相づちを打つ。

 

「へ?天野くんは知ってるの?」

 

まぁ当然そうなるよな。

 

「あぁ、昨日道案内をした。」

 

レオサークルが。

 

「まぁ私の存在を危ぶんでの転入かしら?」

 

ポーズを決めながら言うセシリアさん。きっと違うと思うよ?

 

「別にこのクラスに転入するわけでもあるまい。関係ないだろう。」

 

と箒さん。

 

「なぁ星夜、そいつってどんな奴だった?」

 

「ん?一夏は気になる?」

 

「あぁ、少しは。」

 

横にいた箒さんの機嫌が悪くなる。

一夏は気づいてないな。

 

「お前にそんな事を気にする余裕はあるのか?もう少しでクラス対抗戦だろう?」

 

一夏に現実を叩きつける箒さん。

 

「そうですわね。対抗戦に向けてより実戦的な特訓をいたしましょう。」

 

「まぁエネルギー切れの自爆にならない程度にはならないとな。」

 

「まだそのネタ引っ張るのか!?」

 

他愛の無い話をする。

 

ちなみに対抗戦で優勝したクラスには全員に学食デザートフリーパス半年分が配られるとのことで、一夏に掛かる期待は結構重め。

 

「まぁ、やれるだけやってみるか。」

 

「やれるだけじゃダメだよー。」

「織斑くん、勝ってね!」

「男子足るもの、弱気でどうする?」

「クラスのみんなの幸せは織斑くんに託された!」

 

みんなで一夏に勝ちを願う。甘いの好きな人にはたまらない景品だもんね。

 

「まぁ、専用機持ちって1組と4組しか居ないから楽勝だよ!」

 

誰かが言う。4組…簪さんか…。

 

「その情報…古いわよ…。」

 

声がしたので入り口の方を見ると昨日見たシルエット…鈴さんが立っていた。

 

「2組も専用機持ちが代表になったから。そう簡単には勝てないわよ!」

 

力強い宣言。なかなかの気迫だ。

 

「鈴…お前、鈴か!?」

 

一夏が言う。

あら、知り合いなの?

 

「そうよ、中国の代表候補生、凰鈴音!今日は宣戦布告に来たって訳。」

 

小さく笑う。それを見た一夏は…。

 

「何やってんだ、すげぇ似合わないぞ。」

 

「んなっ…何て事言うのよあんたは!?」

 

鈴さんの雰囲気が変わる。これが素か…。

 

「おい。」

 

「なによ!?」

 

スパン

いつもは一夏に落とされている出席簿が鈴さんの頭に!?

 

「凰、クラスへ戻れ、あと入口に立つな、邪魔だ。」

 

いきなり表れた織斑先生に説教される鈴さん。

 

「千冬さん…。」

 

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ。それとも…。」

 

再び出席簿を構える。素直に下がる鈴さん。

 

「じゃあ一夏、後でね!?逃げないでよ!?」

 

そう言い残すと2組へ向かう鈴さんだった。

 

「では、SHRを始める。織斑、号令!!」

 

こうして今日も授業が始まる。

鈴さんのことが気になるのか箒さんは授業に集中できなかった為、先生達に注意を受けていた。

 

――――

 

休み時間、食堂

 

「待ってたわよ!一夏!」

 

鈴さん食券販売機前にて仁王立ち。(ラーメン装備)

 

「なにが待ってただよ。そこに居ると食券出せないだろ。」

 

「ラーメン、のびますよ。」

 

一夏と俺でそれぞれ答える。

 

「わかってるわよ。あんたが来ないのが行けないのよ。」

 

鈴さんが退いたので、食券を購入。

 

食堂を見渡してみたが簪さんは見当たらないので一夏と一緒にテーブルへ。

 

「久し振りだなぁ。お前、いつの間に日本に帰ってきたんだ?おばさん元気?いつ代表候補生になったんだ?」

 

一夏が鈴さんに矢継ぎ早に質問する。

 

「質問ばっかしないでよ!あんたこそ、なんでIS使ってるのよ。ニュース見てびっくりしたじゃない。」

 

2人の会話が弾む、疎外感を感じ、箒さんがたずねる。

 

「一夏、そろそろどういう関係か説明をだな…。」

 

「一夏さんとお付き合いでもされてますの?」

 

「まぁ、仲が良いのは解ったよ。」

 

セシリアさんの言葉に反応して顔を真っ赤にする鈴さん。

 

「べ、べべつ、別に付き合ってる訳じゃあ。」

 

「そうだぞ。ただの幼馴染みだよ。」

 

一夏を睨む鈴さん。

 

「なんだよ?なんで睨むんだよ。」

 

「ふん、なんでも無いわよ。」

 

一夏、お前って……。

あんだけ鈍感だとこんなに悩まなくていいんだろうな…。

一夏が俺達に向けて。

 

「えーと、箒が引っ越したのが、小4だろ?鈴はそのあとに来たんだ、で中2の頃に中国に帰ったから大体1年ぶりだな。」

 

なるほどね。

 

「で、こっちが箒、前に言ったろ?俺の通ってた道場の娘。あと、クラスメイトの星夜とセシリア。」

 

なんか俺達の紹介雑じゃね?

 

「ふぅん、そうなんだ。」

 

鈴さんは箒さんを見る、その人は同類(ライバル)だよ。

 

「初めまして、よろしく。」

「あぁ、よろしく。」

 

2人の間ではゴングが鳴ったに違いない、一夏争奪戦の。

 

「よろしくお願いしますね。凰鈴音さん。」

「これからよろしくしますね。鈴さん。」

 

俺とセシリアさんがあいさつする。

 

「ふぅん。よろしく。まぁ悪いけどあんた達には興味ないから。」

 

おおう。大胆発言。

 

「それはなぜかしら?」

 

怒りを抑えながら聞くセシリアさん。

 

「だってあたしが勝つから。あたしより弱いやつには興味ないの。」

 

「では、この中で一番弱い一夏さんも興味ないのですね。」

 

セシリアさんが返す。

 

「なら、一夏、私が操縦見てあげようか?」

 

こっちなど興味が無いのは本当のようだ。

裏表が無いんだろうな。

本当に思った事をそのまんま伝えたのだろう。

 

「そうか!?そりゃ助かる。」

 

「一夏に教えるのは私の役目だ!頼まれたのは私だ!それに補助も間に合っている。」

 

箒さんが当然の反応をする。

 

「あたしは一夏に聞いたの、外野は黙ってなさいよ。」

 

「私は一夏に頼まれたんだ!」

 

 

そんなやり取りが続いたので食べ終わった自分は席を立つ。

 

「ごちそうさま。」

 

「ごちそうさまでしたわ。」

 

セシリアさんも同時だったようだ。

まぁ痴話喧嘩は放っておこう。

俺には俺の用事がある。

 

「じゃあ一夏、また後でな。」

 

「えっ!?どこかに行くのか!?」

 

救いを求める目でこちらを見るがそんなことは知らない。

食器を返却棚に返し食堂をあとにした。

 

――

 

整備室

 

そこでは更識簪が自分の機体である打鉄弐式を前に作業していた。

 

先日のGEAR襲撃の際、自分に力が有れば友人達の傷は減ったのではないか。

 

そう思えて仕方がない。自分の好きなヒーローだって力が無くても立ち向かう。

 

「あの時の…天野くん…本物のヒーローみたいだっな…」

 

最初は電童の見た目がテレビに出るようなデザインで気に入った。

あの時の彼はきっと後ろにいた『セシリア』の為に立ち上がり、向かい合っていた。

そしてその2人が協力し、その心に応じて更なる力が手にはいる。

まさに王道展開だった。

 

でも、そのあと彼らは傷だらけだった。

そうだ、テレビの創作ではない、現実は違う。

そんなものはテレビの中だけで充分だ。

今回のような事件が今後起こらない理由はない。

 

特に彼は2人しか居ない男性操縦者だ。

その特異性から狙われる可能性は高い。

この前のスコールと言う人物だってまだ居る。

 

なら次は自分も彼を守ってあげたい。

守られるだけは嫌だから。

 

『無能なままで、いなさいな。』

 

頭のなかに前に言われた言葉が響く。

 

「くっ……」

 

小さく歯ぎしりする。同時に画面にはエラーの表示が。

 

「なんで、駄目なの…。」

 

ここ最近は武装の作成を行っていた。

元々倉持技研から機体を受領した時点で本体は大体完成していたのでそちらは調整だけだった。

 

問題は武装だ。

荷電粒子砲「春雷」

超振動薙刀「夢現」

そして八連装誘導弾「山嵐」

 

とくにネックなのは山嵐だ。

8×6個のミサイルを制御するためのシステムが全くうまくいかない。

 

これがあるだけでもこの機体は完成度がはね上がる。

 

電童と共に戦うのなら射撃で支援した方がいいはずだ。

 

「やっぱり、簪さんここにいたんだ。」

 

気がつくと入口に天野星夜が立っていた。

 

「天野…くん…。どうしたの…?」

 

「いや、食堂で見なかったからこっちに居るかなって。」

 

そう言いながら彼は手に下げた 袋を渡す。

 

「購買で買ってきたから。食べないと午後が大変だよ?」

 

袋の中を見ると飲み物とサンドイッチだ。

 

「私の…為に?」

 

「うん。大切な仲間だからね。」

 

彼のその優しさが嬉しかった。初めてあったときから変わらない。

事ある毎に手伝えることは無いかと本音と一緒に色々してくれる。

電童の稼働データだって見せてくれた。

あと個人的に電童の写真も撮らせてもらったことがある。

ノリノリでいろんなポーズを取ってくれたっけ。

 

「うん、ありがとう。」

 

袋を受けとる。

 

「いただきます。」

 

手を合わせてからいただく。

整備室に置かれた打鉄弐式を見て星夜は聞いて来た。

 

「この前の事、気にしてるの。」

 

「…うん…私は何も出来なかったから…。」

 

素直に答えた。

 

「奪われたシステムを奪い返したのは簪さんでしょ?」

 

「本音やGEARの人が居たから…。結果は変わってない…。」

 

あくまで手伝いをしただけだ。彼女は自分は何も出来ていないと思っている。

 

「簪さんが居なかったらシステムの復旧が最低でも30分は遅れていたそうだよ。」

 

「そうだったら俺はあの時に火傷して今、ここに居なかったかも知れないよ。」

 

そう、あの時スプリンクラーが機能して消火してなければ、電童が解けた直後には炎のど真ん中で倒れていた。

 

「だから、あの時、俺は簪さんに助けてもらってたんだよ。ありがとう。」

 

星夜は頭を下げる。

 

「えっでも…。」

 

簪は驚いていた。自分はあの時、彼を守っていたのだと。そんな力は無いと思っていたから。

自分は…無能な人間なのに…。

 

「これからも…よろしくね。簪さん。」

 

「よろしく…。『星夜くん』…。」

 

「そうだ、助けて貰ったお礼だってGEARから贈り物が簪さんにあったんだ。」

 

星夜は思い出して手を叩く。

 

「お礼?」

 

「あぁ、来客のみんなには迷惑もかけて、その上、助けて貰ったからね。」

 

そう言いながら星夜は待機状態の電童を操作する。

そうしてそこには仮想ディスプレイが表示され、データが出る。

 

「これって……。」

 

「あぁ、井上さんたちが俺から聞いていた打鉄弐式の話から必要なデータだろうってさ。」

 

そこには様々なパターンのミサイルの制御システム、荷電粒子砲の設計データなどが写し出されていた。

 

「これをどう使うのかは簪さん、君が決めることだ。」

 

簪の端末にデータが送られていく。

 

「私は…この機体を一人で作ろうとしてた。」

 

簪は語り出す。

 

「それは姉の存在があったから。」

「小さい時から比べられて、何一つ勝てなくて。」

 

涙を浮かべながら語る。

 

「ある時、姉に言われたの。『無能なままでいろ』って」

 

「どうしても追い付きたかった。姉に私を見てほしかった。だから、このISを一人で完成させれば追い付くことができると思ったの。」

「でも、そんな事よりも今、私を見てくれる友人を助けることが出来るようになるために。この機体を完成させたい。」

 

「俺はそのお姉さんを知らないけど、簪さんを知ってる。だから言うよ、決して無能なんかじゃない!簪さんにはこの機体を『創造』する力があるんだ。」

 

「みんなの力を借りるのは全く恥ずかしい事じゃない、俺だって一人で出来ることなんか高が知れてる。この前だってみんなに助けて貰ったしね。」

 

「うん、だから、手伝って欲しいの。この機体を『創造』するために。みんなの力を。」

 

簪は入口に目線を送る。

 

「かんちゃんのお望みならかなえちゃうよ~!」

 

「仲間を信じ頼る。『信頼』されたからには答えませんと。」

 

いつの間にか本音とセシリアが居た。

 

「ありがとう。」

 

「じゃあ、みんなで打鉄弐式の完成を目指して頑張ろう!」

 

「「「お~!」」」

 

「これ、完成したら俺じゃ勝つの難しいな。」

 

「完成したら『一緒に戦おうね。』」

 

「あぁ約束だ。」

 

こうして打鉄弐式の開発は急ピッチで進んでいくのであった。




打鉄弐式さんも大フライング!
まだメインヒロイン揃ってないよ!?

どう見ても簪さんも星夜くんですね。

セシリア!ライバルが来たぞ!

残りはどうなるかな……。

では、また次回。

――――

鈴「なんかあたしの扱いって軽くない!?」
夏「いきなり言われてもな。」
鈴「だってまだあたしが来てから話が半日くらいしか経ってないわよ?」
夏「まぁまぁお前はこれからだから安心しろって。」
鈴「まぁそう言う事なら仕方ない。」
夏「ちょろい。」
鈴「誰がチョロインですって~?」
夏「待て待て!ISは危ないって!?」

次回!IS戦士電童

第13話《クラス対抗戦》

鈴・夏「「次こそは話が進みますように!?」」
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