東風乃扇です。
さぁ突如現れた謎の機体!
その力はどれ程のものなのか!?
第20話スイッチ!オン!
更識姉妹の対決は姉である更識先輩の勝利で終わった。
だがその直後にアリーナのバリアを破り何者かが侵入してきた。
俺―天野星夜―と近くにいた4人はこの事態を飲み込めていない。
なぜならば…侵入してきたのは黒い電童だったからだ。
よく見れば違いは色だけではない。
頭部のバイザーが上がっておらず仮面のように付いている。電童には無い角らしきものが付いたバイザーだ。
全員の視線は黒い電童に注がれている。
「天野くん…あれ、何か知ってる?」
「更識先輩、俺も始めて見ましたよ。」
「電童の…2号機?」
「でもなんかあれ、悪そうだよ~。」
「無理矢理バリアを破った時点で友好的な存在ではないと思いますね。」
奴はまだ動かない。こちらを見ているだけだ。
「とりあえず、本音さんと布仏先輩は避難して学園とGEARに連絡して貰っていいですか?」
携帯をちらっと見ると圏外を指している。
この辺りにジャミングをしているようだ。
ISの通信もダメそうだ。
「そうだね。かんちゃん達の足を引っ張るのはやだしね。」
「皆さま、御武運を…。」
2人はすぐに近くの扉から出る。
IS学園と違い電動式では無いためロックはかかったりしない。
俺は電童を纏いアリーナに飛び込む。
アリーナのバリアは無効化されているのか機能していない。
「簪さん!更識先輩!」
「短距離通信しか出来ないみたいね。」
「黒い電童…あれがやってるのかな?」
3人で黒い電童を見る。
2人の前に立つ。
「何が目的だ!?」
それでも反応はない。
だが、背を向ければ危ないのは明白だ。
奴からは殺気を感じる。
「簪ちゃん…あなたは逃げなさい。」
「えっ!?」
更識先輩の言葉に驚く簪さん。
「あいつの目的が何であれ、打鉄弐式はもうエネルギーが無いでしょ?このままだと危険だわ。」
「でもっ!?」
「大丈夫。お姉ちゃんは不死身で無敵よ?それに天野くんも居るし。あっ横取りなんかしないから安心なさい♪」
「もっ!もう!お姉ちゃん!!」
簪さんが顔が顔を赤くする。
こんな会話をしながらも警戒は解いていない。
簪さんは少しずつ後ろに下がる。
「しかし、ホントに何なのかしらね?」
「電童の研究用にもう一体作ったとしても日本には置かないと思いますけど。」
GEARグループの全体でISコアは15個位持っている。
それぞれの施設に1個置いているから他の研究所から持ってきたらそこの仕事が無くなってしまう。
「それに2号機を完成させたら井上さんが黙ってないだろうし…。」
あの人なら喜んで報告してくるはずだ。
「なら、強奪されたって事かしら?」
「そうですね。亡国機業ならやりそうですね。」
スコールとかやりそうだ。
沈黙を保っていた黒い電童が動いた。
狙いは…簪さんか!?
黒い電童の前に割り込み正拳突きをかます。
「うおりゃあ!」
黒い電童はこちらの拳を掴んで止める。
ピクリとも動かないパワーは互角か!?
「俺がこのまま押さえますから更識先輩は援護を!!」
「えぇ!頼んだわよ!天野くん!」
そのまま黒い電童と殴りあいを続ける。
「ええい!やりづらい!!」
思いっきり蹴りを入れて弾く。
弾かれた黒い電童に更識先輩からガトリングの掃射が決まる。
「余りダメージは無いみたいね。」
「当たる前に腕のハイパープラズマドライブからエネルギーを出して消してたみたいですし。」
腕の周りにエネルギーを発生させて盾がわりにしたみたいだな。
「とりあえず、簪さんの離脱はできましたし。」
「そうね。思いっきりやりましょうか?」
2人で左右に別れて攻め立てる。
「ユニコーンドライブ!インストール!」
右腕にユニコーンを装着しドリルで突く。
それを蹴り上げで弾く黒い電童。
上げた足をそのまま踵落としの要領で下げてくる。
「ぐうっ」
だか、その隙に水を螺旋状に纏った槍、蒼流旋で更識先輩が後ろから突く。
しかし、それすら軽く躱す黒い電童。
回避しながら振り向き、更識先輩に拳を突き立てる。
しかし、それは水の防壁で防ぐ。
「パワーはあるけど。それだけのようね。」
距離を取り、構え直す。
更識先輩は余裕そうだな。
「更識先輩、エネルギーは大丈夫ですか?」
「大技を使わなければ問題ないわ。」
さっきの戦いもほぼ無傷だし、平気そうだな。
今度はあちらから仕掛けて来た。
四肢のドライブを稼働させ、更識先輩に飛び込む。
更識先輩は蒼流旋で拳を、脚を弾く。
「電童って格闘だけだったかしら?」
不適な笑みを浮かべる。
「なら、私には勝てないわよ!!」
纏った水のがドリルのように回転し、黒い電童に突き刺す。
それを僅かに横に移動し、左の脇腹に掠める程度の損傷で抑えた黒い電童は更識先輩の腕を掴む。
「なっ!」
そのまま右の全力パンチを叩き込んだ。近距離の為、水の防壁が不充分だったのだろう。
さらに殴った瞬間ドライブユニットからは圧縮された空気の竜巻が発生する。
零距離の飛翔烈風波、その威力は絶大だ。
吹き飛ばされる更識先輩を受け止める。
「更識先輩!大丈夫ですか!?」
「ちょっと勝負を焦ったかしら?」
顔には血が付いている。ISが止血はしてるだろうが頭の傷はなにがあるかわからない。
黒い電童はそのまま両腕にエネルギーを貯める。
あれは閃光雷刃撃の準備だ。
「ファイヤーウォール!!」
ユニコーンから赤い光を放ち、防壁をつくる。
黒い電童から閃光が放たれる。
「ぐうぅ…。」
さすがの威力だ。やはり電童と出力とかは一緒みたいだ。
この状態だとファイナルアタックを撃っても避けられてしまうだろう。
でも、更識先輩もこれ以上の長丁場良くないだろうし。
「きゃああぁ!」
後方から声がした、この声は…!
「簪ちゃん!?」
「簪さん!?」
先程離脱したはずの簪さんの声だった。
何かに吹き飛ばされるようにアリーナに再び入ってきた簪さん。
破壊された壁を見る。
「なんだ…?あれは…?」
銅の色をした細かいパーツが簪さんを吹き飛ばして居たようだ。
ブルーティアーズのビットのような兵器か?
「簪ちゃん!?大丈夫!?」
更識先輩は簪さんに近づく。
すでにエネルギーが無い状態で食らった為か簪さんに意識はない。ハイパーセンサーにはバイタルサイン出ている。気を失っただけだろう。
「更識先輩は簪さんをお願いします!」
ここは俺がどうにかしないと。
銅色のパーツは黒い電童の横に集まるとドッキングする。
まるでその姿はでかい手の生えたけん玉だ。
「あれ…無人機なの…?」
「じゃあ…先日と同一犯ですかね?」
あの形状で人が入るわけがない。
とりあえずわかったことはあの銅色のけん玉から強力な電磁波が出ている。
ジャミングはあいつを倒せばいいんだな。
銅色のけん玉は再度パーツ単位になるとこちらに飛んでくる。
「ユニコーン!ボア!簪さんたちを守って!」
データウェポンを召喚し2人を守らせる。
「天野くん!?どうするつもり!」
「けん玉がジャミングを出しているなら!」
バラけるなら纏めて倒す!
そう思い、四肢にエネルギーを貯める。
「閃光!雷刃撃!!」
閃光雷刃撃で周囲を焼き払う。
よし!銅色の奴は頭?を残して全部潰した!
そのまま黒い電童に向かう。
「うおおぉ!」
回転蹴りをかます。しかし、それは腕で防がれる。
「天野くん!!後ろよ!」
「えっ?」
更識先輩に言われるが同時に後ろから撃たれた。
それは先程倒したと思った銅色のけん玉の腕のパーツだった。
指先からレーザーが撃てるようだ。
体勢を崩した瞬間を黒い電童が見逃すはずもなくそのまま格闘の連撃を貰う。
「ぐはぁ!」
連撃の締めとして蹴りをくらい更識先輩達の近くに落とされる。
「天野くん!大丈夫!?」
「まだ、動けます…。」
とはいえ…不味いな。……こっちは3人ともボロボロだ。
よく見ると銅色のけん玉は全体のパーツがあった。
「あいつ、どうなってるんだ?」
「パーツをどこからか転送してるみたいよ。」
更識先輩は見ていたようだ。
じゃあ壊したのは間違いないと。
「ならそのパーツのストック全部壊してやる。」
「そんな余裕は無さそうね。」
咄嗟に更識先輩が水の防壁で3人を包む。
ユニコーンとボアだけではけん玉のパーツを迎撃しきれるはずもなく、いくつかのパーツがこちらを囲んでいた。
パーツ同士の間に電磁波が流れる。
「くうぅ、なかなかヤバイわね。」
「そろそろユニコーン達も限界だ。はやくどうにかしないと。」
ユニコーン達のダメージが増えてきたのでデータ化させて格納する。
パーツのエネルギーが無くなったのか1度包囲をとき、再びドッキングするけん玉。
両手をこちらに向け、レーザーを撃つつもりだ。
黒い電童も構えている。こちらに飛び込む気だ。
こちらも構え、黒い電童に備える。
更識先輩もけん玉の方に集中している。
「はあぁ!」
飛び込んできた黒い電童を受け止める。腕と腕があたる。
そのまま押し合いになる。
けん玉からも10本のレーザーが放たれる。
それは更識先輩が水の防壁で防ぐ。
ただ、エネルギーが少なくなって来たのか防壁の面積が先程よりも小さい。
「ぐうぅぅ…。」
「くぅ…。」
徐々に押され始めていた。俺も、更識先輩も…。
「まだ、まだだ!」
力を込めて黒い電童を弾く。奴はバク転しながら着地する。
「今さっき!この2人はやっとわかり合えたんだよ!お互いに大切な…『愛』おしい人だって!」
「そうよ!私は簪ちゃんを『愛』してる!そして簪ちゃんの『愛』を見届けたい!」
「「だから!守る!愛おしい物を全て!!」」
その瞬間周りを炎が包む。黒い電童とけん玉に向かって炎の塊が飛んでいく。
2体はそれを避ける。
その炎は俺達の前で止まると真の姿を表す。
それは龍の姿だった。
「ドラゴンフレア……。今度はお前か……。」
ドラゴンフレアは叫ぶ。
すると光線が発射され、けん玉が飛ばしてきたパーツに当たる。
するとパーツ達は糸が切れたかのように真っ逆さまに落ちていく。
次に黒い電童に向けて発射する。黒い電童は腕をクロスして防ぐ。
その直後光線が直接当たった右腕がだらんと力無く垂れた。
この隙を逃さない!
俺は右腕を伸ばす。
「ファイルセーブ!!ドラゴンフレア!!」
紅い光となり電童の胸部に収納される。
「ドラゴンドライブ!!インストール!!」
左足に新たなる力が装着される。
「私も…見ているだけじゃだめよね!」
更識先輩が横に立つ。
黒い電童は動かせる左腕にエネルギーを送り込んでいる。閃光雷刃撃か。
けん玉も新しい体を転送したのか黒い電童の横で構えている。
「行きます!先輩!」
「えぇ!天野くん!」
四肢のドライブユニットが回転する。エネルギーがドラゴンフレアに送られる。
更識先輩も槍を構える、その槍に全身の水が集まっていく。
「ドラゴンフレア!」
「ミステリアス・レイディ!」
「「ファイナル!アタック!!」」
左足に装着されたドラゴンフレアから紅いエネルギーが放たれる。
更識先輩の突きだした槍から大量の水が放たれる。
放たれたふたつの力は螺旋となって突き進む。
「「はああぁ!」」
黒い電童とけん玉も撃ってきたがそんなものは一瞬で打ち消し紅と青の螺旋は目標へ進む。
「「消し飛べぇぇ!!」」
目標に当たり大爆発が起こった。
「はぁ、はぁ…。」
「これ以上の来られたらきつわね。」
2人で爆心地を見る。
煙が晴れると頭?のみのけん玉とボロボロの黒い電童が立っていた。
黒い電童はこちらを睨んでいたがけん玉の頭?を掴むとそのまま何処かへと飛んで行ってしまった。
「ふぅ…。助かりましたね。」
「なんで、逃げたのかしら?」
『―――くん!せ――くん!』
『――や―ん!――やさ―!』
雑音だらけの通信が聞こえる。
『星夜くん!星夜くん!聞こえる!?』
『星夜さん!聞こえておりますか!?』
ベガさんとセシリアさんの声だった。
布仏先輩と本音さんが通報してくれたのだろう。
「GEARの人はともかく、IS学園の生徒から心配されないのも傷つくわね。」
「まぁ、セシリアさんは更識先輩の事知らないですし。」
「それもそうね。…そういえば…天野くん?」
「なんですか?更識先輩?」
電童を解除し、その場で腰を降ろす。
更識先輩もISを解除する。
「その『更識先輩』ってなんか堅苦しくて嫌だから、楯無、もしくはたっちゃんって呼びなさい。」
先輩命令ねと小さく言う。
「わかりました。楯無先輩。」
「うん、素直でよろしい。そうゆう子、おねーさんは好きよ。星夜くん♪」
猫のように笑う楯無先輩。
「あまのーん!」
「お嬢様!ご無事ですか!?」
「星夜さん!簪さん!ご無事ですの!?」
「星夜くん!更識さん!大丈夫?」
向こうから布仏姉妹が来る、空からはISを纏ったセシリアさんとベガさん。
「とりあえず大きな怪我は無いと思います。先輩が頭を切ってしまったようですが。」
「ISのおかげで止血はすんでるから大丈夫よ。」
血をハンカチで拭いながら答える楯無先輩。
「とにかく、救急車が来るから。それですぐに病院に行って検査するわ。だからそのまま安静にね。」
ベガさんに言われ素直に待った。
待ってる間に目が覚めた簪さん。問題は無さそうだ。
セシリアさんたちが応急措置してくれた。
しかし、あの黒い電童は何だったのだろう……。
デカイ謎が残った事件だった。
ドラゴンフレア!インストール!
まぁ話の流れ的に読めたと思いますがドラゴンフレアです。
こいつの特殊能力って原作でもそこまで大きく活躍してないよな…。
SS的にも再現が辛い……あとはレオも悩む……。
ご意見、ご感想お気軽にどうぞ!
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本「いやぁ~。あまのん達が無事でよかったよ~。」
虚「なかなか連絡が繋がらなくて少し焦ったわ。」
本「とりあえずあまのんの問題はひとつ減ったのかな?」
虚「そのかわり、大きな謎が増えたようですが。」
本「何だったんだろうね~。あれ。」
虚「他にも敵が居たようですし。要注意ね。」
本「かんちゃんはライバル増えたのかな?」
虚「お嬢様はなかなか本心をお出しになりませんし。わからないわね。」
本「まだまだわからないね~。あまのんも大変だぁ~。」
虚「そうね。見守る位しかできないけど。」
次回!IS戦士電童
第21話《休息》
本・虚「「私たちに春って来るの?」」