東風乃扇です!
さてさて、そろそろデータウェポン達のラッシュが始まるといいのですが。
本編が進まない!
まだまだ2巻の途中!
第22話!フォームアップ!
黒い電童に襲われてから数日後の木曜日。
俺―天野星夜―は空港に居た。
本来なら学校での授業があるのだが今日は許可をとっての休みだ。
まぁその分の補講は受けなければならないのだが。
『まぁ、お前達の成績なら1、2日程度遅れたところで変わりはない。』
と織斑先生に言われた。
優秀って意味なのか手遅れって意味なのか…。
「はぁ、なんであたしまで…。」
横で鈴さんが大きくため息を吐く。
「一夏との2人っきり旅行じゃなくてごめんね。」
「なっなにバカな事言ってんのよあんたは!?」
なぜこんな組み合わせかと言うと
――――
『GEARチャイナの件なのだが。困った事になってね。』
「困った事?」
『中国政府が介入してきてね。』
「なぜ?中国政府が?」
『我が国の企業に不当要求を行っているとね。』
「まぁ、GEARグループって地場資本みたいなものですしね。」
『あぁ、だから日本の企業が偉そうにするなってね。』
「一応こっちが上でしょうに。」
『情報を要求するなら対価を払えと言ってきてね。』
「そうですか、で?なんでそれが俺の所に来るんですか?」
『彼らの要求がね。』
「男性操縦者のデータですか?」
『そう、しかも本人が来いと言っていてね。』
「料理されて食べられそうですね。」
『本来ならそこは笑えるジョークなんだがね。』
「だからと言って調べないわけにも行かないですし。」
『だから変わりにガードをつけると言ったんだよ。』
「中国側が出すとか言ったんでしょ?」
『あぁ、だから最大の譲歩として―』
――――
中国の代表候補生、凰鈴音を指名したと。
「いきなり本国から連絡があったと思ったら『男性操縦者を本国にいれるから好き勝手させないように見張れ!』ってこっちが勝手すぎでしょ!」
「ほんとにごめん、今度奢るから…。」
ちなみに鈴さんにはこちらの事情(黒い電童等)は話した。
「まぁ、国のやつらが後ろめたい事してるんならあたしがブッ飛ばすけどね!」
腕を組み、宣言する。
「もしその時が来たら手伝いますよ。」
「でも、なんで同じGEARなのに言うこと聞かないのよ?」
「分かりやすく言うと全てのGEARはその国の企業として動くのでそれぞれ独立してるんですよ。ただ、同じ看板持って、情報を共有してるだけって感じですね。」
基本的に仲はいいんだけどね。
「で、電童の偽物作ってるかも知れないって?」
「それ、余り大きな声では言わないでくださいね。」
「わかってるわよ。それよりも、今日の流れってどんな感じよ?いきなりだったから予定がわからないのよ。」
「まず、中国政府の指定した施設に行って電童の稼動データを提出します。候補生管理官って方が来るそうなのでその人に渡します。そのあとGEARチャイナに行って視察です。」
「まさか、楊管理官……。」
なんか鈴さんが暗くなる。
「まさか…苦手なんですか?」
「うん……ちょっとね。」
「あはは…。まぁデータを渡すだけですから話すことは無いと思いますよ?」
「いや、絶対になんか小言を2つか3つは言ってくるわ。」
そんなに厳しいのか?
「てか、なんで今日なの?別に土曜とかでも良くない?」
「日付も向こうの指定でして。」
「あぁ…そうなの…はぁ。」
「まぁ、さっさと行って帰るだけの日帰りです。鈴さんにはご迷惑お掛けしますね。」
「えぇ、帰ったら1食奢りなさいよ!」
「デザートも付けますよ。」
2人で受付を済まして搭乗ゲートへ。
「てか、あんたと2人になるのって珍しくない?」
「え~と、確かに2人で何かをするのは初めてですね。」
だって鈴さん大抵一夏と居ますし。
「帰ってセシリアとかに撃たれないわよね?」
「2人で任務って言えば大丈夫ですよ。」
「まぁ、やましいことする訳じゃないしね。あんたならその辺は大丈夫か。」
飛行機に乗る。
ちなみに貸し切りとかではなく普通の航空線だ。
俺達2人ってどうみられてるのだろう?
「あんたはどう思ってんのよ?」
「GEARチャイナの事ですか?」
「違うわよ。」
呆れた顔をしながら続ける。
「セシリアとかの事よ、あんたはちゃんと気づいてるんでしょ?」
あぁ、そっちね。
「大切な人たちですよ。」
「その言い方は卑怯じゃない?」
「わかってはいますよ、自分がどう思われているか。」
「で、誰なのよ?セシリア?簪?まさか本音?」
おもちゃを見つけた子供みたいだな。
「今、そんな余裕は自分も一夏も無いですよ。」
「……そう?」
「だから、大切な人たちです。手の届く範囲は守りますよ。」
「まぁ、いいわ。あんたはしっかりと答えを出しそうだし。」
「一夏ほど鈍感ならこう悩まなくていいんでしょうね。」
「あれはそれ以前に何も考えてないじゃない。」
なかなか酷い評価だな。
「そういえば、ドラゴンフレアだっけ?あいつはなんだったの?」
「『慈愛』だそうです。優しい心とかそんな感じの。」
「へ~。あとさ、データウェポンって私とかでも使えるの?」
「えぇ使えますよ。ただ燃費が余り良くないですが。」
「あぁ、電童用に調整してあるからって事ね。」
「そんな感じです。使ってみたいんですか?」
「ほら、ファイヤーウォールとかクロックマネージャーって使えるのかな~ってね。」
「今度使ってみます?」
「帰ったら貸してよ。一夏をギッタンギッタンにするから。」
「あはは。」
そんな会話をしてる内に着いた。
中国の空港に降り、ゲートを通ると眼鏡を掛けたスーツ姿の女性がたっていた。
「はじめまして、天野星夜です。楊候補生管理官でよろしいでしょうか?」
「はい、この度の訪問で担当をさせていただく楊麗々です。」
「お久し振りです、楊候補生管理官。」
俺と鈴さんで挨拶をする。
なんと言うか神経質な感じの人だな。言葉を一つ間違えるだけで怒りそうだ。
「では、時間もありませんのでこちらへお願いします。」
案内された先には車が止めてあり。乗り込むよう、指示された。
「本日は中国の国営IS施設にデータを渡していただきます。」
「そのあと、GEARチャイナに行かせて頂けると?」
車の中で話をする。
「いいえ、それより先は私は聞いて降りません。先方の担当にお聞きください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
鈴さんはずっと黙っている。
「凰鈴音代表候補生、あちらでは問題を起こさないようお願い致しますよ?」
こっちで起こしてたのか…。
「わかってます、楊候補生管理官…。」
「IS学園では、凰代表候補生には日々指導や模擬戦闘をしていただき、非常に感謝しています。」
「男性操縦者との戦闘データ…それは貴重ですね、今後とも頼みますよ、凰代表候補生。」
フォローになったのかな?
車が止まり、研究施設のような場所に着く。
「ここです。降りてください。」
「わかりました。」
「車は狭くてやなのよね。」
鈴さんが軽く背伸びをしながら言う。
「まぁ、気持ちはわかりますけど。」
「では、正面の施設です、お入り下さい。私はこれから別の仕事がありますので、失礼します。」
「ありがとうございました。」
楊管理官に挨拶し施設に入る。
「ふーんこんなところあったんだ。」
「鈴さんは初めて?」
「だって訓練とかならアリーナとかだしね。」
それもそうか。
「あぁ、お前が男性操縦者か…さぁ、ISを貰おう。」
研究員らしき人物が近寄ってくる。
「本日はデータを渡すために来ました、電童を渡す必要は無いですね。」
「そちらが用意したデータでは改竄されている可能性がある。よって直接調べさせていただくよ。」
不敵な笑みを浮かべる。
「機体を調査するのは今回の話にはありませんね。」
怪しすぎる…鈴さんも目付きが替わる、
「なに?約束すら守れないの祖国の連中は?」
「小娘が…うるさいぞ、お前も外に出ろ!」
「あたしが命令される筋合いは無いわね。力も無い癖に威張り散らしてるやつって嫌いなの。」
男は不機嫌そうに。
「仕方ない、少々痛い目にあってもらうしかないな。」
「なぁ鈴さん、今のって、」
「完全に悪者の台詞ね。やられるだけの。」
そんな会話をしながらも背中合わせになり警戒する。周りを複数の男に囲まれた。
「その機体を解析すれば男の使えるISを作れる!そうすればバカな女共に逆襲出来るんだ!」
今回は亡国機業は関係なし…かな?
「この事…楊管理官は……。」
「知らないでしょうね……。あの人は色々と堅いから。」
取り敢えず蹴散らすしかないか。
男共が飛び込んでくる。
2人でISを展開する…ハズだったが反応がない。
取り敢えず敵は素人なので軽く避けて包囲から鈴さんと一緒に抜ける。
「なっ…なんで甲龍が…反応しないの?」
「電童…データウェポン共に反応なし…?」
お互いに愛機に目をやる。ジャミング?
「所詮はガキよ、ISが使えなければすぐに捕まるわ!」
後ろのドアは当然ロック済か…。
「はぁ!」
「てやぁ!」
とはいえ俺と鈴さんなら苦戦する要素もないのでそのまま迎撃する。
「これ、セシリアとかだったら大変だったんじゃないの?」
「鈴さんだと安心して任せられますね。でも、無理は駄目ですよ?何かあれば一夏に顔向けできなくなります。」
「なんでここで一夏が出てくるのよ。」
まだ軽口を叩く余裕はある。
なんでISが展開できない?
ハッキングを受けたりはしてないようだが。
「さすがだぜ!ISが展開出来なくなるって言ってたが本当みたいだな!あれは!」
「でも、予定だと一人のはずだったのにどうしましょうか?」
「女も構わんやっちまえ!IS奪ったら好きにしていいぞ!」
「いくらなんでも幼女はなぁ。」
なんか向こうが言ってるな。
「誰が幼女よ!確かに胸は小さいけどさ!」
「鈴さんは素敵な女性だよ?一夏が気づいてないだけで。」
「あんたもさらっとなに言ってんのよ!!」
取り敢えずあいつらはなんかしらの技術的協力を受けて俺を襲ってる。
これはGEARチャイナは黒か……。
「ともかく、このままだとヤバイわね。」
「上手く逃げないとね。」
「逃がすかよ!野郎共!」
あくまで生身の人間相手なので日頃鍛えてる俺や鈴さんではまず、捕まらない。
10人位の男性が集まってもほんとに素人なので迎撃は楽だ。
「このままだと増援が来そうですが。」
「そこね、こいつらだけとは思えないわ!」
政府がどこまで噛んでるか知らないけどさ。
とにかく逃げつつ、窓とか探すけど録にないな!
「機密とかの関係で無いんじゃないの!?」
「ありえる!」
データウェポンたちは実体化が出来ないみたいだけど。ほかはなんとかなるね。
「みんな、施設のコントロールハック、よろしくね。」
「最速で頼むわよ!」
入った部屋にあった端末からケーブルを繋げデータウェポン達を送り込む。ジャミング下だろうが施設を乗っとれば問題ないはず。
その間に鈴さんはドアにロックをかける。
「どうするのよ?」
「まさかGEARチャイナにすらたどり着かずに襲撃とは。」
ドアを叩く音が響く。
「ほんとにごめんね、鈴さん。」
「なんで星夜が謝るのよ。どう見ても今回はそそのかされたあいつらが悪いわ。」
ケーブルを繋げた電童に情報が出る。
「この施設にはジャミングに使えそうな物は無いですね。」
「後付けの物ってこと?」
「なので、ジャミングは無効化はできません。取り敢えずドアのロックは全部外せるようにしたから外に出るだけですね。」
「この状況で?」
「廊下でスプリンクラーを作動させます。多少の隙はできるはずです。」
「その間に2人で強行突破?」
「はい。」
「ま、他に手はないからいいわよ!」
作戦会議は終わる。
「3…2…1…それ!」
ドアの鍵を開け、同時にスプリンクラーを作動させる。
「うわぁ!」
「なんだ!」
「くらえっ!」
「邪魔よ!」
ドアを開けつつ、先頭のやつらに殴りかかる。
吹き飛ばした後は一目散に来た道を進む。
「あー!もー!びしょびしょじゃない!」
「すみません!これしか無いので!」
「わかってるわよ!」
スプリンクラーは作動したままのため、全身ずぶ濡れだ。
濡れた何かを踏み、バランスを崩す鈴さん。
「痛っ!」
「鈴さん!大丈夫!?」
「大丈夫よ!足を止めない!」
開いた施設の入り口の前には先回りをしていたのか数名いた。
「ふん、濡れても大した色気はでないみたいだなそのガキは。」
水のせいで服が体にぴったり付いてるからな、ラインが出てる。
「あんたらみたいなやつらに見られたくもないけど。」
「はっ!まさかここまでやるとは思わなかったよ!」
リーダー格の男は言う。
「よく見たらあんた、先日GEARで情報の漏洩をしたからクビになったやつじゃないか。」
さっきはよく見えなかったけど。
「ヘェーじゃあ、こいつが今回の?」
「さぁね。目的は相変わらずわからないし。」
「じゃあこの施設って…。」
「あぁ、『やつら』が用意したダミー施設さ、政府にも顔が利くらしいからな。てめぇを調べるために用意したのさ。」
男は自慢げに言う。
「「『やつら』?」」
「そんなに知りたきゃおとなしく捕まる事だな!」
「お断りよ!」
2人で正面に向かい蹴りをいれてそのまま外へ出る。
「よし!外に出れた!」
「まだジャミング圏内だけどね!」
まぁ、外に出ればこちらのものだ。
走って逃げても余裕だろう。
「じゃあ、星夜はすぐに町に向かって走って!」
「鈴さんは!?」
「さっきこけた時にちょっとね。挫いたみたい。やっぱり誤魔化せそうにないから。」
施設から男たちがおってきた。
「ちぃ、ちょこまかと逃げやがって!」
「女の方も覚悟しろ!たっぷりと遊んでやるからな!」
「っ!鈴さん!」
殺気を感じたので鈴さんを抱えて跳ぶ。
「きゃっ!?」
俺達の居た所にビームが飛んできて爆発を起こす。
「うわぁっ!」
「ぎゃー!」
爆発で吹き飛ぶ男たち。
あいつらも予想外なのか!
ビームの飛んできた方を見ると金色の巨躯の機体がこちらを見ていた。
「なっISだと!?聞いてないぞ!」
男は叫ぶ。
「もしかして、あいつがジャミングの原因か?」
「その可能性はあるわね。…で星夜、はやく下ろしなさいよ。」
鈴さんを抱えたままだったので下ろす。 ちなみにお姫様抱っこってやつだ。
「どうするのよ?星夜。」
「どうするもこうするも。あいつをどうにかしないと駄目なんだろ?」
「よし!何者か知らねぇがこいつらをやっちまえ!」
男は金色の巨体をみて叫ぶ。
そのまま金色の巨体が口を開けると再びビームが飛んでくる。
俺と鈴さんは避ける。
だが周りの男たちが被害を受ける…!
「こいつ、見境なしか!?野郎共!逃げるぞ!」
男たちは逃げようとして走るがそこに先回りして金色の巨体が立ちはだかる。
「えっ? 」
「「ぎゃああぁー!」」
金色の巨体は右腕を降り下ろした。
ISで人を殴ればそれは…。
そこには物を言わなくなった男たち『だったもの』が転がっている。
「な…なんなのよ…こいつ…。」
「一時的な協力者だったから口封じのためにってか?」
とにかく、次はこっちが不味い。
金色の巨体はこちらをみる。
「俺が目的なら!」
「星夜!?」
俺は鈴さんから離れるように走る。
金色の巨体はこちらを追ってきた。
よし、鈴さんから離れれば、そのうち通信が可能になるはず!
金色の巨体は俺の前にたちはだかる。
「ISの速度なら当然か。」
ギリギリだが金色の拳を避ける。
っち、責めて電童かDWが使えれば!
「がっ!!」
何回か避けてはいたがやはり、人間の限界か捕まってしまう。
大きく口を開け、エネルギーを貯める。
鈴さん…大丈夫だろうか…。
「うらあぁ!」
金色の巨体に横から振動が入る。
衝撃で体制を崩したと同時に俺を手放す。
「げほっ!助かった!」
「その台詞まだ早いんじゃない?」
そこには甲龍を纏った鈴さんがいた。
「あれ、効果範囲が狭いみたいね。私があいつを押し込むからその隙に電童つけてはやく来なさい!」
言い終わるよりもはやく踏み込んだ鈴さんは金色の巨体をフルパワーで押し込む。
200mほど離れるとまだ通信は出来ないようだが展開することは出来た。
俺も鈴さんも怪我をしてるがそんなことは言ってられない。
目の前の驚異を排除しないと!
……あれ?
IS×電童の作品ですがほぼ出番がなかった…。
さあ!金色の巨体…。
一体どこのイケメン仮面を後ろから誤射(ウソ)する奴なんだ。
あいつって原作でもDWに干渉をしてるんだよな…。
スペック高くね?
ご意見やご感想はご自由にどうぞ!
――――――
鈴「ちょっと!なんなのよこの偉そうなゴリラは!?」
星「この装甲と火力…なかなかやるな!」
鈴「星夜は無理しなくていいのよ!?」
星「足を怪我してる鈴さんが無理しないで下さい!」
鈴「この程度はIS着けてりゃには怪我にはならないわ!」
星「無謀と『勇気』は違いますからね!」
鈴「これは『自信』って言うのよ!」
星「『自信』過剰も駄目ですよ!」
鈴「とにかく!こいつをぶっ飛ばす!」
星「いくら相手が強くとも!」
次回!IS戦士電童
第23話《白の咆哮》
星・鈴「「この程度じゃあ止まらない!!」」