東風乃扇です。
金色の巨体…2人は倒すことが出来るのか?
第23話スタートアップ!!
中国のとある研究施設
俺―天野星夜―と鈴さんは襲われていた。
本当なら中国政府が指定する研究所にて電童の稼動データを渡して、その後GEARチャイナに行く予定だったのだが。
ダミーの研究所だったらしく、そこの研究員たちに襲われるがなんとか脱出。
そこに金色の巨体を持った機体が現れたのだ。
「ちぃっ!見た目通り堅いわね!」
「パワーもありますしね!」
取り敢えずこいつの武装は口からビームを吐くのと腕の有線式のロケットパンチか。
後は機体の展開が出来ない特殊なジャミングか。
通常のISの1.5倍はあるであろう巨体は防御力も高く、パワーもすごい。
2人で攻めてはいるがなかなか有効打が放てない。
「このまま粘ったら現地の警察とか来ないかな?」
「結構離れてるから難しいでしょ。敵の増援なら来るかもね。」
もともとそれなりの施設をだったのだろう。
町からは離れた山中にあるので救援は望み薄だ。
「こいつ、あのときの奴の仲間かしら?」
クラス対抗戦の事を言っているのだろう。
「その可能性は高いですね!あと、黒い電童!」
「やっぱりウチの国かぁ!?嫌になるわね本当!」
敵は足を地に付けているのでやり易いかな?
「旋風回転脚!」
「双天月下斬!」
下段の回し蹴りと鈴さん上段からの切りつけ。
「技名あったんだ。」
「ちょっとあんたの見て言ってみただけよ。」
次は合体攻撃かな?
しかし、ダメージはやっぱり薄い。
あいつの装甲、なにでできてるんだ?
ジャミング用のエネルギーだってただではないだろうに。
「鈴さん、あの―」
「離脱して通信して来いなら却下ね。」
読まれてる。
「じゃあ打開策は?」
「倒す。」
分かりやすい。
「敵の装甲を破れる武装が使えないけど。」
「ぶち破るまで殴る。」
金色の巨体が近づく。
エネルギー節約のためか、口のビームの使用頻度は少ない。
こうなったら間接とか狙って攻撃するしかないか。
「旋風回転拳!」
「飛翔破砕弾!」
あっ衝撃砲に名前つけた。
脚の間接を狙って攻撃するがやはり敵もわかっているのか腕で防がれる。
挟み込むように移動して後ろから衝撃砲を放った鈴さん。
反応を見る限り効果はないようだな。
純粋なパワーでも向こうが上なのであまり近くにいるとそれはそれでやばい。
取っ組み合いになってもこちらが押されるだけだ。
「うおおおぉぉぉ!」
拳を握りしめひたすらに殴る。
こうなりゃダメージを蓄積させて破るしかない!
右足を集中して狙う。
しかし相手も動かない訳は無いので反撃の拳を避けるため一旦離脱して距離を取る。
「右足狙い?」
「どっか1ヶ所に集中して蓄積するしかないかと思ってね。」
「まぁいいと思うわ。こっちで気を反らすから頑張りなさい。」
ちっ、ボアが使えれば火力で押しきれるんだけどね。
取り敢えず今は前に俺、後ろに鈴さんの形が安定しているな。
再度踏み込み右足を狙う。
金色の巨体が防御のために両手を使い防ぐ。
「なっ!?」
鈴さんの声が聞こえる。
「なにかあった!?」
「こいつ、背中にミサイルまで!!」
「なにっ!?」
小型のミサイルが背中から発射される。
誘導性とかはそんなによくないな。
腕のドライブユニットにエネルギーを軽く貯め盾の代わりにして防ぐ。
鈴さんも衝撃砲の連射と双天牙月を振り回し防ぎきる。
「まったく!タフなやつね!」
「こう言うときは零落白夜がうらやましいと思うね!」
あれなら一撃だろうに。
「無い物ねだりしても仕方ないわね。」
「でも、このままだとじり貧ですね。」
一気に決めるか。
四肢のドライブを回転させエネルギーを貯める。
「閃光!雷刃撃!!」
ありったけのエネルギーの刃を腕にまとい相手の右足に叩きつける。
「こっちもくらえっ!」
鈴さんも背中から再びミサイルが撃たれないように衝撃砲を連射する。
右足にあたり、装甲の一部が剥がれる。
「よし!これで!」
その瞬間、金色の巨体に殴られる。
肉を切らせて骨を断つつもりだったのか。
全力で殴られ、吹き飛ぶ。
2回くらい地面をバウンドした。
「ぐふぅ!?」
「星夜!?」
鈴さんがこちらに気を取られた所を狙い、金色の巨体は瞬時加速を使った体当たりを鈴さんにかます。
「かはっ!!」
肺の中の空気が全部出されたような感じだ。
苦しい。
体当たりを食らい吹き飛んだ鈴さんを金色の巨体は腕を伸ばしてつかみそのままこちらに叩きつけてきた。
地面と甲龍に挟まれる。
「ごめんね、星夜、大丈夫?」
「鈴さんは軽いから大丈夫ですよ。」
2人共立ち上がる。まだ平気だ。
そこにミサイルの大軍が叩き込まれる。
「ちぃ!!」
「はぁ!!」
2人でミサイルを迎撃する。
ミサイルを迎撃している隙に金色の巨体からビームが今までに無い威力で放たれる。
直撃こそ無かったが2人とも吹き飛ばされる。
「そろそろ本気でヤバイですね。」
「逃げるつもりは無いわよ?」
「まだ、そんなこと言って…。」
「ここであんた置いて逃げたらそれこそあとが怖いし。2人くらい。」
「下手すると簪さんのお姉さんも付きますよ。」
「なら、なおの事逃げれないじゃない。」
「でも、無策なら無謀ですよ。」
「星夜が居るじゃない。」
「へ?」
間抜けな感じで返してしまった。
「星夜が居るから平気でしょ?」
「まぁ、今までにたような事態は何回かありましたけど…。」
「だから、今回も勝利への道を『創造』するって『信頼』してるのよ。」
「そうですね、鈴さんを『愛』する人の元まで帰さないとね。」
「だから、それはやめなさい。」
鈴さん、顔が赤いよ。
先程からこんな会話をしながら回避等を続けている。
「さて、火力も装甲も、」
「あっちが上だからって、」
「「負ける理由にはならない!」」
「仲間が居るから!」
「巨大な敵にも!」
「「『勇気』を持って挑めるんだ!!」」
その瞬間、白い光が溢れ出す。
獅子の咆哮が辺りを揺らす。
これは…。
「解る…!?」
「あたしにも…!?」
目の前に居る敵…周りの環境…仲間…
ISにはハイパーセンサーはあるがそれの比ではない。
いや、ハイパーセンサーは基本的に外的な情報だけだし、スキャン機能も時間や距離の制約で戦闘中は使う余裕なんか無い。
しかし、今、俺と鈴さんは確実に敵の全てを見ていた。
機体の構造、各種エネルギー残量…。
「ジャミングユニットは……そこにあるのね!!」
鈴さんの衝撃砲が背中の装甲を抉る。
今までと違い装甲と装甲の間に叩き込まれた衝撃砲は小さいが確実なダメージを与えた。
その隙に懐に飛び込んだ俺は背負い投げの要領で巨体を投げ飛ばした。
ジャミングが無くなり目の前に現れたのは…。
獅子の姿…。
「お前が教えてくれたんだろ?レオ!」
「ありがとね!レオ!」
レオサークルが吼える!
それに合わせて俺も手をかざす。
「ファイルセーブ!!レオサークル!!」
レオサークルは白い光になり電童の胸部に格納される。
「レオドライブ!!インストール!!」
右足にレオサークルが装着される。サークルカッター型の装備だ。
鈴さんと一緒に投げ飛ばした金色の巨体を見る。
やつは口にエネルギーを貯めている。
残念だがお前の敗けだ!
「鈴!行くぞ!!」
「ええ!全力で叩き込む!!」
四肢のドライブユニットは全力で稼動し、エネルギーをレオサークルに送る。
甲龍も両肩にあるユニットにエネルギーを貯めているのが解る。
「レオサークル!」
「シェンロン!」
「「ファイナル!アタック!!」」
左脚を軸に右足を大きく振る。
レオサークルから光輪が放たれる。
甲龍から放たれた見えない極大の弾丸は相手の胸部を大きく凹ませる。
そこに光輪が回転しながら飛び込む。
まずは両腕を切り落とし、そのまま胸部へ。
ガリガリと音をたてることも無く凹んだ装甲を斬る。
相手の口に貯まっていたエネルギーが爆発する。
「これで…武装は潰したはず。」
「えぇ、自爆以外はね。」
警戒を解くこと無く爆心地を見る。
「ちっ!?」
「丈夫なやつね!!」
両腕と前面装甲を失ってはいるがまだ金色の巨体はたっていた。
不味いな、ファイナルアタックでエネルギーはほぼ無い。
「星夜!上よ!」
「なっ!!」
上からの襲撃を避けるため後ろに跳ぶ俺と鈴さん。
そこには黒い電童が立っていた。
「ここでこいつかよ!!」
「絵に描いたようなピンチね!」
2人で構えるが黒い電童は構わず金色の巨体のコア?みたいなユニットを引く抜くと飛びさって行った。
残った部品はご丁寧に爆発し、目眩ましと証拠隠滅の役割を果たしていた。
正直、助かった。あのまま黒い電童が襲ってきていたら2人共やられていた。
センサー類の反応が無くなったのでISを解除する。
「よかった。」
「流石にへとへとよ…。休みたい。」
「鈴さん、ジャミングは無くなったので信頼できる人に連絡を…。」
GEARチャイナは正直今は怪しい。
一応信頼できる方はいるけどその人に連絡がとれるとも限らないし。
「そうね。楊管理官なら―」
「こちらはGEAR本社に連絡をしておきます。」
それぞれ連絡をする。
「はぁ、疲れたわ。」
「休める場所も無いですからね。」
お互いボロボロではあるが平気そうだな。
「取り敢えずあのベンチに…。」
「そうね、地面に座る訳にも行かないし。」
近くに残ってた休憩所みたいなベンチを指差す。
「痛っ!」
「あっそうか、鈴さん脚を。」
さっき捻ってたね。ISをつけてたから忘れてたか。
そう思い鈴さんの前に行く。
「ちょっと失礼します。」
「ひゃっ!ちょっと星夜!?」
ベンチまで鈴さんを運び座らせる。
「別に平気だったのに。」
「鈴さんは強いですけど女の子ですから、大切に扱いませんと。」
「あんたも結構ジゴロ?」
「うーん、狙ってるつもりは無いですけどね。」
「気を付けたほうがいいんじゃない?」
「そうします。」
刺されたくないし。
「取り敢えずGEAR本社はこれから中国政府とGEARチャイナに対してこの事を連絡するそうですが…。」
「きっと無駄よね…。楊管理官はすぐに来るみたい。救急車と一緒に。」
「じゃあ、このまま待ちましょう。」
「えぇ、そうね。」
電童からエイリアス体のデータウェポン達が出てきて周りに散らばる。見張りをしてくれるみたいだ。
「あいつらって結構働き者よね~。」
「そうですね。その代わり普段は好きにしてますし。」
主にネットの海とか生徒寮とか。
「ねぇ、レオサークルってさ…。」
「えぇ、今覚醒しました…。」
「あたしと、星夜で?」
「はい、鈴さんとの『絆』で。」
「なんか…恥ずかしいわね。」
顔を赤らめながら言う鈴さん。
「鈴さんのお陰で助かりました。ありがとう。」
「星夜ってなんか壁があるわよね。」
「そうですか?」
「さっきは『鈴!』って呼んだのにさん付けに戻ってるし。」
俺の声真似をする鈴さん。たまに勢いで呼んじゃうんだよな。
「そう言われても癖みたいなものですし。」
「いい?これからは『鈴』よ、わかった?」
人差し指を立てこちらに突きだす。
「さん付けは…?」
「駄目♪」
にこやかに宣言された。
「セっセシリアさんだってさん付けだし…。」
「あんたはセシリアじゃないでしょ?」
これは…逆らえないな。
「わかったよ…『鈴』。」
「うん♪よろしい♪」
なんかいい笑顔。
「でも、その笑顔は一夏にしようね。」
「う…わかってるわよ。」
一夏には弱いね。
「はぁ…迎えとかはまだかな?」
「元々はちゃんとした施設だったみたいだし。道路とかはしっかりしてたけどね。」
こんな山中だと時間がかかるか。
このあとどれだけ拘束されるんだろう。
「このあとも大変だよね…きっと。」
「それ…言わないでよ…考えないようにしてたのに~。」
頭を抱える鈴、こうして見てると楽しいな。
怒られるから言わないけどね。
その後しばらくして、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
楊管理官が呼んだらしく、すぐに近くの病院までいき治療と事情聴取を受けることにった。
これ、何時帰れるのだろう…。
はい!レオサークルです!
みなさんの予想通り鈴×レオです!まじで自信にするか悩んだよ。
レオ旋風脚!格好いいよね!
ハイパースキャンよ…私のでき損ないの頭ではこれが限界だ…。
能力はともかく武器としての使用頻度はトップクラスのレオくんだよ!
あいつって原作でも乙女ちゃんとかアイドルとか結構知り合いいるよな。
ご意見、ご感想はご自由にどうぞ!
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星「まさか同じ面子で2回分やるとは。」
鈴「まぁ、他に人が居ないしね。」
星「あぁ、また公開処刑されるのか…はぁ。」
鈴「公開処刑?なにそれ?」
星「ほら、データウェポンが覚醒した瞬間の映像だよ。」
鈴「でも、今回は映像残って無いんじゃない?野外だったし。」
星「いや、電童と甲龍のデータ見てやるから、その中の映像だよ。」
鈴「それだと私も恥ずかしいんだけど。」
星「まぁそれは日本に帰ってからだね。」
鈴「そうね、帰ってしっかり休みたいわ。」
次回!IS戦士電童
第24話《レオのおつかい》
星・鈴「「なんかすっごいほのぼのだ!」」