IS戦士電童   作:東風乃扇

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第2話《果たし状》

 入学式、自己紹介で終わったLHRが終わり普通の学校なら初日はそのまま下校の所が多いだろう。だが、このIS学園は初日から授業がある。

 

 ちなみに授業はチャイムではなく一夏を叩く出席簿の音から始まった。

 

「初日から授業に遅れるとはいい度胸だな?織斑、篠ノ之。」

 

「す…すみません…」

「申し訳ございません…」

 

 二人とも頭を押さえながらそれぞれの席に着く。

 内容としては、ここ2ヶ月で習った基本のおさらいって感じだな。

 しかし流石にIS学園の教師だな。

 参考書とか読んでもなかなか理解出来てなかった部分がかなり解りやすく教えてくれる。

 周りの女子達は普通に頷いたりしてるから本当はもっとこの辺りは理解してなきゃいけないんだろうな。

 もしかしたら俺と一夏に合わせてくれてるのかも。

 

 しかし、先程から横に居る一夏の反応がおかしい…俺でも解るくらい優しく教えてもらってるはずなのにやたらと挙動不審だ。

 

「なぁ…星夜は解るか?」

 

「まぁこの辺りは教科書のさわりの部分だからな、山田先生のおかげで引っ掛かってた部分がだいぶ減ったよ。」

 

 小声で聞いてくる一夏にそう答えると一気に顔が暗くなる。

 もしかしてこいつ、全く予習してないのか?

そんなことはないはずだ、あのモンハンの攻略本や川上先生のライトノベル(笑)よりも厚い圧倒的存在感溢れる参考書には必読ってデカデカと紅い文字で書いてあったぞ。

 あの本を無視するとか、眼科が匙を投げるレベルを超えてるぞ。

 

「え~と…ここまででどこか解らないところがある人はいますか?」

 

 山田先生が黒板に要点をまとめ終えたのかチョークを置いて、振り向きながら問いかける。

 当然女子は首を縦に振るなりして、理解してる事をアピールする。

 

「天野くん、織斑くんは大丈夫ですか?」

 

 やっぱりこの授業は、俺たちの為にやってるような感じだな。

 

「はい、非常に解りやすく助かります。」

 

「そうですか!わからなかったらいくらでも聞いて下さいね?先生ですから!」

 

 そう答えると山田先生は嬉しそうに胸を張りながら答えた。

 うん、思春期の男子にはこの人は危ないね。刺激が強すぎる。

 

「織斑くんはどうですか?」

 

 山田先生は隣に居る一夏に続けて聞く。

 

「すみません…わかりません…。」

 

「えっと…どこからどこまでがわかりませんか…?」

 

 山田先生が恐る恐る聞くと…

 

「全部です。」

 

──マジか

 

「えっ」

 

 山田先生が固まる。

 

「ほんとのほんとに全部ですか?」

 

「はい、全然わかりません!」

 

 真面目な顔をしながら衝撃的な発言をする一夏。

 それに対して、おろおろと汗を流しながら狼狽える山田先生。

 そしてクラスの後ろで授業を見守っていた織斑先生が一夏に近づきながら聞く。

 

「織斑、入学前に渡した参考書はどうした?必読と書いてあったはずだが?」

 

「あれ、家の掃除したときに古い電話帳と勘違いして捨てました。」

 

\スパーンッ!!/

 

 今までより大きな音が教室に響く、この階全体に聞こえてそうだな。

 

「馬鹿者が…新しいものを渡すから1週間で覚えろ。」

 

「えっ…流石にあの厚さは…」

 

「わかったな?」

 

「……はい。」

 

 まさか捨てているとは、まぁ自業自得だな。

 

「山田先生…この馬鹿者は放っておいて授業を進めて下さい。」

 

 織斑先生に促されて授業は再開された。

 授業中、一夏はずっと理解出来ないからか唸っていたが。

 

──休み時間

 

 授業が終わり先生達が退室するや否や一夏が聞いてきた。

 

「なぁ、星夜はあの参考書全部読んで理解したのか?」

 

「一通り目は通したよ。ISに関して、早い人は小学生の頃から勉強してるらしいからね。それに追い付けなくても最低限遅れたくはなかったからな。」

 

「まじかよ…良ければ俺にも…「ちょっとよろしくて?」……えっ?」

 

 一夏と話して居ると横からオルコットさんがやって来た

 

「まぁ、代表候補生たる私、セシリア・オルコットが直々に話し掛けているのになんですのその態度は?」

 

「えーと…なんだよいきなり…」

 

 さっきは居なかった一夏と話をしにきたようだな。

 

「全く…そちらの方と違って礼儀がなっていないようですね。珍しいからチヤホヤされているだけなのを理解しておりますの?」

 

「なんだよ、さっきから偉そうだな、そもそも代表候補生ってなんだよ?」

 

 またしても一夏から爆弾発言、代表候補生すら知らんのか。

 

「一夏…代表候補生とは読んで字のごとく、国家代表の候補生の事だ。解りやすく言えばエリートだと思っておけばいい。」

 

「そう、エリートなのですわ!全く本当に何も知らないのですね?まぁ入学試験で試験官の方を唯一倒した私の足を引っ張らなるのだけはしないようにしてくださいね?」

 

 と俺の説明に合わせてオルコットさんが腕を組み、見下すような態度をとる。

 

「えっと…俺も倒したぞ?」

 

 一夏は答えると、オルコットさんが固まる。

 

「わ…私だけだと…」

 

「女子ではってことなんじゃないか?」

 

 驚いた表情のオルコットさんとちょっと得意気な一夏…

 

「あなたはどうなんですの?」

 

 念の為の確認か俺に聞いてくる。

 

「俺の場合は全国調査中だったから試験官が居なかったのもあって、所属企業の方から実働データを送ることで替わりにしたからやってないんだよ。」

 

「へ~そうなんだ。所属企業ってなんだ?」

 

「ん?あぁ俺の両親が勤めてた事もあってGEARグループの所属だ。」

 

そう答えながらGEARのIDカードを見せる。

 

「GEARって確か色々とやってるよな?星見町のところにアミューズメントパークあったよな?」

 

「あぁ、星見野アミューズメントパークな。」

 

「って私を放って話をしないでくださいませんか!?」

 

 肩を震わせながらオルコットさんが怒鳴る。

 それと同時位にチャイムが鳴った。

 

「くっこの話はまたあとでさせていただきますわ。」

 

 そう言うと席に戻っていくオルコットさん。

 

「なんだったんだ?あれ?」

 

 事態を飲み込めてない一夏だった。

 あれは完全に敵視されたな。

 

 チャイムが鳴り終わるとほぼ同時に織斑先生が入ってきた。

 その瞬間に教室からは雑談などの音が一切しなくなる。

 すげぇこんな教師はなかなか居ないな。

 とか思っていると織斑先生が話を始める。

 

「先程の続きを始める前にクラス代表を決めたいと思う。」

 

「織斑先生、クラス代表について詳しく教えて下さい。」

 

 手を上げながら織斑先生に聞く。

 

「天野、そう急ぐな。順を追って説明する。」

 

 織斑先生は続ける。

 

「クラス代表、文字通りクラスの代表の事だ。各連絡事項やクラス代表会議の出席などが主な仕事になる。近いものではクラス代表が戦うクラス対抗戦があるな。」

 

 つまりは、委員長とかそんな感じか、

 

「理解したか?では立候補者はいるか?自薦、他薦は問わん。」

 

 そう言うや否やどこからともなく。

 

「は~い!私は織斑くんを推薦します!」

「私も~!! 」

 

 一夏を推薦する声が聞こえる。

 

「えっ!?俺?」

 

 驚き、席を立ちながら言う。

 

「ふむ、織斑か…他に立候補は?」

 

「待ってくれ!千冬ね\スパンッ/織斑先生…」

 

「自薦、他薦は問わないと言った、拒否権は無い。」

 

「じゃあ、俺は星夜を推薦する!」

 

 自分だけだと嫌だからか俺を巻き添えにするつもりだ。

 

「天野と織斑か、他に立候補がいなければ――」

 

「ちょっと待って下さい!納得がいきませんわ!」

 

 バンッと机を叩きながらオルコットさんが叫ぶ。

 

「そのような選出は納得いきませんわ!物珍しいからと何も知らない男を代表にして、恥さらしもいいところですわ!」

 

 一夏を睨みながら続ける。

 

「大体、私はこの島国まで来ているのはISについて学びにきたのです!無知な極東の猿に代表が勤まりますの!?実力でしたら私の方が上でしてよ!」

 

 段々と熱くなっていくなクラスの日本人の生徒は確実に敵に回したな…。

 国家代表候補生としてプライドとかあるんどろうけど少し言い過ぎだな。

 

「大体、文化なども後進的な「いい加減にしろ!!」っなんですって!?」

 

 机を叩き、一夏が吠える。

 

「さっきから聞いてれば好き勝手に言いやがって!イギリスだって島国でろくな料理なんか無いじゃないか!?メシマズ何連覇だよ!?」

 

「なっ私の祖国を侮辱しますの!?」

 

「先に言ってきたのはそっちだろうが!?」

 

「いいでしょう!!そこまで言うのでしたら決闘ですわ!全力で叩き潰して差し上げますわ!!」

 

「俺は構わないぜ。」

 

「で、あなたは何故先程から黙っていますの?」

 

 ここで俺に話を振るのか。

 

「日本に対する感想に対してはオルコットさんがそう感じたならそうでしかないだろう。俺はイギリスに行ったことが無いから比べられないしね。」

 

 自分が思った事を率直に伝える。

 みんなの視線が自分に集まるのを感じる。

 

「ただ、オルコットさんはイギリスの代表候補生なんだから、もう少し言葉は選んだ方がいいと思うよ?それにクラス代表については自薦もいいと言っていたんだからオルコットさんが自ら立候補すればよかったんじゃないかな?」

 

「ぐっ……」

 

 オルコットさんが言葉を飲み込む。

 

「あと、一夏はイギリスの人が作ったイギリスの料理を食べたことはある?」

 

「いや、ない…。」

 

「なら、さっきの発言は駄目だね、噂レベルの話は持ち出しちゃ駄目だよ。」

 

「だって…あいつが…」

 

「確かに先に言われたけど、それじゃ子供のケンカだよ。」

 

「うっ…」

 

 一夏も黙る…篠ノ之さんがすごい気迫でこちらを睨んでくる。が無視する。

 

「まぁいい、クラス代表については織斑、天野、オルコットの3名より選出する。異論はあるか?」

 

 織斑先生の言葉に異論は無く、俺達は頷いて、他の生徒は沈黙で答える。

 

「では一週間後にISによる試合を行う。そこで決定する。試合形式は一対一計3試合行う、3名はそれぞれ準備を行うように!」

 

 織斑先生が手を叩き、決定事項を伝える。

 

「では少し遅れたが授業を始める。」

 

 こうしてこの話は一週間後の試合までお預けとなった。

 

──放課後

 

「ふぅ、疲れた。」

 

「あぁ、本当につかれたぜ。」

 

 まだ初日だと言うのに非常に疲れた。

 解りやすかったとはいえISはまだ生まれて10年程しか経っていない物だ。

 専門用語の羅列ばっかりの教科書、事前学習してもこの疲労感、まったくやってない一夏はもっと酷いだろう。

 

「それはともかく、一週間か…一夏は平気なの?オルコットさんは強敵だけど…ISもろくに動かしてないんだろう?」

 

「うっ…それはお互い様だろう?」

 

「悪いが俺はこの2ヶ月間、GEARでトレーニングを受けてたからそれなりに動かせるよ。」

 

 少し笑いながら答える。

 

「えっ…マジかよ…だったら!」

 

 色々と教えて欲しいんだろうがそうはいかない。

 

「残念だけど試合までは手助けしないよ?それより後ならいいけどね。」

 

 一夏は断られると思っていなかったようだ。一瞬固まってすぐに疑問を投げかけてくる。

 

「なんでだよ?」

 

「知識に関しては一夏の自業自得だし。一緒に特訓とかすると試合までにこちらの手の内をさらすことになるから、互いに。篠ノ之さんにでも教えてもらえば?知り合いなんでしょ?」

 

「わかった…そうする。」

 

 そんな話をしていると教室に山田先生が入ってきた。

 

「天野くんに織斑くん、まだ教室に居ましたね。よかった~。」

 

 ここまで走ってきたのか、少し息の上がった山田先生が入ってきた。

 

「はい、2人ともいますよ。」

 

 そう答えると山田先生はポケットから2つの鍵を出しつつ近付いて来る。

 

「お二人の部屋が決まりましたので部屋のかぎを渡しに来ました。」

 

 俺と一夏の前に1つずつ鍵を渡す。

 

「えっ…一週間は家から通うって…」

 

 一夏が驚いた顔をしながら答える 。

 

「はい。その予定でしたが安全のために今日から入れるようにしました。」

 

「はぁ…そうですか。あっでも荷物取りに帰らないと…」

 

「心配ない。」

 

 気がつくと大きめな鞄を持った織斑先生が入ってきた。

 

「お前の荷物は持ってきた。着替えと携帯の充電器があれば十分だろう。」

 

 本当に最低限だな~。一夏も何か言いたげながらも鞄を受け取っている。

 

「あの…織斑先生、山田先生こっちは?」

 

「あぁ、お前の荷物は先程GEARに連絡してあちらの寮から持ってきてもらった。すでに部屋へ運んである。」

 

 よかった、この2ヶ月は安全のためGEARのIS施設の方で過ごしてたからほとんど旅行鞄にまとめておいてあったんだよな。

 そのあとは寮に関する諸注意を聞いて寮に向かった。

 

「え~と…1025…1025…あっここだ。」

 

 一夏が番号を確認しながら進んでいく。

 

「ここが俺たちの部屋か……。」

 

「部屋、違うみたいだな…?」

 

 そう言うと一夏が驚き

 

「マジか!?」

 

「あぁ…見ろ…。」

 

 そう言って鍵についたタグを見せる。

 良く見ると一夏の鍵に比べて汚れた感じの鍵には 《1階宿直室》と書いてある。

 

「まぁ…そうなら仕方ないな。お休み星夜。また明日な。」

 

「あぁ…お休み一夏。また明日。」

 

 軽く挨拶をして部屋の前から立ち去る。

 そのあと後ろからすごい音がした気がするけど平気だよね?

 

 しばらく歩くと寮の端にある《1階宿直室》とかかれた扉を見つける。

 ここが俺の部屋のようだ。

 念の為にまずはノック。反応無し。

 人の気配も感じないのでそのまま鍵を開け、部屋に入る。

 真ん中に自分の鞄が置いてあるだけの畳の部屋、トイレとシャワーと簡易キッチンがある部屋だ。

 一夏と違ってこちらは1人部屋か…ありがたい。

 俺はIS学園に知り合いいないからな。

 一夏の部屋は中から音がしてたから誰かと一緒なのだろう。

 あの感じだと知り合いの篠ノ之さんかな。

 布団をしき、荷物を解く、シャワーを浴びて今日は寝よう。

 

こうして波乱の初日は終わった。




はい!初日終了!!

箒のラッキースケベイベントはスルー!

このときのセシリアも一夏も結構好きに言ってるよね。

つぎはセシリア戦かその前までかな?
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