IS戦士電童   作:東風乃扇

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皆さんこんにちは!

東風乃扇です。

さぁ、たのしい臨海学校です。

では第33話出発進行!


第33話《海!乙女の闘い?》

「では、ここでは昼食を含めた休憩とする。出発は1時間後だ。遅れたら置いていくのでそのつもりで。」

 

織斑先生の言葉が終わり、全員がバスから降りる。

サービスエリアで昼食をとってから現地に着いてその後は自由時間だ。

俺―天野星夜―はサービスエリアのメニュー一覧の前に立つ。

 

「さて、何を食べようかな。」

 

メニューを見てると横に鈴が来た。

 

「こう言う所って値段の割りに味がね…。」

 

確かに、ちょっと割高な設定のが多いな。

 

「一夏のところ行かないの?誤解が解けないよ。」

 

ただでさえ謎の組織が暗躍してるのに。

 

「半分諦めてるわ。元凶が全く反省しないし。」

 

確かにそうですけど!

 

「そんな発言すると1人でビットと大量のミサイルを相手にする事になるよ?」

 

セシリアさんと簪さんが全力で来そうだよ。

 

「レオでどうにかならないかしら?」

 

鈴はすぐにレオを使おうとするな。

 

「エネルギーとかは見えるけどね。実弾は…。レオ以外は使わないの?」

 

「ん~。使えなくはないんだけど、なんかしっくり来ないのよね。」

 

相性的な問題かな?

 

「早く決めないとな、席も少ないし。」

 

ちなみに一夏は既に食べ始めていて周りを多数の女子に囲まれている。

 

「星夜さんは決まりましたか?」

 

「星夜くん、決まった?」

 

「あまのん~ここのパフェ沢山苺が乗ってるよ~。」

 

食事を既に決めてトレーに乗せたセシリアさんと簪さんと本音さん。

本音さんのは甘味しか乗ってないよ。

 

「本音さん。ご飯食べよ?」

 

「これは主食だよ~!」

 

「本音、パフェはデザートだよ。主食じゃない。」

 

「女の子は甘い物で動いてるのだ~。」

 

「おっしゃりたいことは解りますが…。」

 

きっとこれは治らないだろうな。

 

「このチャーハンセットにするか。」

 

「無難にラーメンセットにしときますか。」

 

2人で買ってる間に3人には席をとって貰った。

2人で列に並ぶと周りからお似合いだのラブカップルだのと話し声が聞こえる。

 

「なんか最近は鈴とセット扱いされるのになれた気がする…。」

 

「なんだかんだ言って星夜も諦めてない?」

 

だって唯一の味方が半分諦めるのにどうしろと?

 

「孤立無援って救いがない…。」

 

「しかも最近の一夏は事あるごとにあたしとあんたを組ませようとするしね。」

 

そう、いい笑顔の一夏が謎のお膳立てをすることが多い。

 

「あの唐変木め…。」

 

「それが嫌ならあんたがセシリアか簪と付き合えば?」

 

ごり押しで解決かよ。

 

「力技過ぎ…。」

 

「でも、それくらいしないと一夏は止まらないわよ?」

 

「それなら鈴が一夏に正直に告白すれば終わらない?」

 

「あいつは絶対に『お前には星夜が居るだろ。』位は言うわね。」

 

うわー違和感なく想像できるのが悔しい。

食事を受け取り、席に向かう。

 

「星夜さん、最近は鈴さんと何かをすることが多くありません?」

 

「そうだね星夜くん、鈴さんと一緒なの多くない?」

 

席に着くとセシリアさんと簪さんに睨まれた。

 

「それが嫌なら事あるごとに組ませようとする一夏をどうにかしなさいよ。」

 

「最大の原因はあいつだ。」

 

2人に反論しつつご飯を食べる。

 

「あと、なんか変な組織が学園内に出来てるだろ?」

 

「そうそう、〈星×鈴を見守る会〉だっけ?」

 

「えぇ、あるそうですね。」

 

「沢山の人が星夜くんと鈴さんの行動を見てるらしいけど…。」

 

「この前は2人の薄い本作ってたよ~。」

 

「本音さん、そう言う情報はもっと早く欲しい…。」

 

「それはお姉ちゃんが全力で駆逐したから平気。」

 

楯無先輩グッジョブ!

 

「あたしと星夜でどんな本作ったのよ……。」

 

頭を抱える鈴。

 

「内容を知りたいような、知りたくないような。」

 

この前偶然見かけた夏×星の本よりはましだろうが…。

 

「うん、それは忘れよう。ご馳走さま。」

 

皆食べ終わったので食器を片付ける。

あと少しで到着とはいえバスでの移動だ。

時間があるうちにトイレに行こう。

皆と別れて案内板を見てトイレに向かう。

その時…ほんの一瞬周りがぼやけたような感じがして。

 

『今回も狙われております…。ご注意を…。星夜さま…。』

 

不意に誰かに声をかけられた。

サービスエリアは一般の客も居る。沢山の人が居るなかで俺だけに向けられたメッセージ。

どこから声がかけられたか解らず周りをぐるっと見渡したがそこに怪しい人物は居なかった。

 

狙われてる…?俺が…?

 

心当たりがありすぎるのも確かだが今のは誰だったんだ…?

知ってるような…知らないような…。

 

「おーい、星夜どうした?」

 

一夏が声をかけてきた。

 

「あっ一夏か…何でもない。」

 

いたって冷静に振る舞う。

 

「そうか?ならいいけど。トイレに行くんなら早く行こうぜ?そろそろ出発だ。」

 

時計を見るともう10分前だ。急がないと。

さっきの警告は心の中で留めておこう。

さっさとトイレを済ませてバスへ急いだ。

 

その後もバスに揺られてトンネルをいくつも抜ける。

 

「海!見えたぁ!」

 

抜けた先で横手に海が広がる。

天気もよく、水平線の向こうまでよく見える。

 

「本音さん、海が見えてきたよ。お菓子は片付けてね。」

 

「うん、わかったよ~。あまのん。ポッキー食べる?」

 

そういいながらポッキーを俺に差し出す本音さん。

 

「うん、ありがとう。」

 

しかし、本音さんは本当にずっとお菓子を食べてたが大丈夫なのか?

 

「ん?あまのんどうかしたの~?」

 

お菓子を片付ける本音さんはこちらの視線に気づいて聞いてくる。

 

「いや、ずっとお菓子を食べてたからね。大丈夫なのかなーと。」

 

「大丈夫だよ~。全部ここに行くから。」

 

自信満々に自分の胸を指差す本音さん。

確かに背にたいして胸は大きいが…。

 

「星夜さん…?」

 

後ろの席に座るセシリアさんから黒いオーラが。

 

「なんでしょうか?セシリアさん?」

 

汗をかきながら振り向く。

 

「一体今はどこを見られていたのでしょうか?」

 

顔は笑っているが目が笑ってない。

 

「あまのんは私のナイスばで~に夢中なのだ~。」

 

そんなオーラもどこ吹く風の本音さん。

 

「むむ、つまり星夜さんは胸の大きい方が好みと?」

 

「そんなことは一言も言ってませんよ。本音さんも変なこと言わないの。」

 

「あまのんは~おっぱい魔神だってかんちゃんとリンリンに伝えておくよ~。」

 

「頼むから変な噂を流さないでくれ…。」

 

しかも簪さんと鈴に伝えたら俺の命が確実にすり減りそう…。

 

「冗談だよ~。」

 

軽く笑う本音さん。本当に勘弁してくれ…。

しかし、セシリアさんの隣に座ってるラウラが変だ。

朝からずっと落ち着かないのかそわそわしている。

 

「なぁ、ラウラは大丈夫か?なんか落ち着きが無さそうだけど。」

 

「だ、大丈夫だ。あまりこう言う状況に慣れていないだけだ。」

 

ならいいが。

 

「お前たち、そろそろ目的地だ。ちゃんと座っていろ。」

 

織斑先生の一言によって全員が席にしっかりと座る。

 

そして間もなく到着する。

4台のバスからはIS学園の生徒がわらわらと出る。

 

「ここが今日から3日間お世話になる〈花月荘〉だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ。」

 

「よろしくお願いしまーす。」と全員で挨拶をする。

 

「はい、こちらこそ、今年の一年生も元気があってよろしいですね。」

 

着物を着た女将さんが挨拶をする。

毎年お世話になってるようだな。

 

「あら…こちらが噂の…。」

 

女将さんと目が合う。

 

「天野星夜です。よろしくお願いいたします。」

 

挨拶をして、頭を下げる。

 

「男が2人居るので色々と手間をかけてしまい申し訳ありません。挨拶をしろ、織斑。」

 

ちょっとタイミングを失った一夏の頭を押さえて下げさせる織斑先生。

 

「お、織斑一夏です。よろしくお願いします。」

 

「うふふ。清洲景子です。ご親切にどうも、しっかりしてそうな子達ですね。」

 

「天野はしっかりとしてますが、こちらは不出来です。ご迷惑をお掛けします。」

 

一夏を指差す織斑先生。

 

「織斑先生は弟さんにずいぶんと厳しいんですね。」

 

「手を焼かされてますので。」

 

一夏は不満そうな顔で見ているが事実なので何も言わないようだな。

 

「では、みなさん、お部屋へどうぞ。別館を更衣室としておきましたので、海へ行かれる方はそちらをご利用くださいな。」

 

女将さんの説明を聞き、みんながはーいと返事をする。

バスの荷物室に預けてあった旅行鞄を受け取り、部屋をめざす。

 

「そういえば、織斑先生。」

 

織斑先生に声をかける。

 

「どうした?天野?」

 

「しおりを見ても俺と一夏の部屋が書いてないのですが。」

 

そう、しおりの部屋割り一覧を何度見直しても俺と一夏の名前が無いのだ。

まぁ理由は大体予想つくけど。

 

「あぁ、お前なら解っているとは思うが馬鹿対策だ。織斑も付いてこい。」

 

織斑先生に言われるまま2人で後ろに付いていく。

 

「ここだ。」

 

「えっ?ここって…。」

 

「なるほど…。」

 

ドアには〈教員室〉と書かれた紙が貼ってある。

 

「最初は2人で一部屋という話だったのだがな。それだと確実に天野を簀巻きにして廊下へ放り出して織斑との2人きり空間を作り出そうとする馬鹿が居るという話になってな。」

 

はぁ、と溜め息をつく織斑先生。

箒さんですね、解ります。

 

「結果、私と同室になったわけだ。これなら、馬鹿共も近付けまい。」

 

「織斑先生の言う通りですね。」

 

「そりゃあ、そうだろうけど…。」

 

なんかこっちを見て不機嫌そうな一夏。

 

「織斑、安心しろ、天野が私に手を出すことはないぞ。なにせこいつには凰が居るからな。」

 

こいつはシスコンでもあったな。

 

「そうだった。」

 

納得の一夏…って。

 

「織斑先生、俺と鈴はそんな関係では無いですよ?」

 

「教師間でもこのネタで持ちきりだぞ?天野。」

 

織斑先生がすげぇ良い笑顔だ。

この人は解ってからかってる。

 

「まぁ、魔王の城に飛び込む勇者はこの学園には居ないのは確かですね。」

 

部屋に入り、鞄を置く。

 

「大浴場はお前たち2人だけは時間制だ。深夜、早朝に使いたければ部屋の方を使え。」

 

「わかりました。」

 

「さて、あとは自由時間だ。好きにしろ。」

 

「織斑先生~、いらっしゃいますか~。」

 

山田先生の声が聞こえてそのまま織斑先生は外へ行ってしまった。

 

「海、いくか?」

 

「そうだな。せっかくの自由時間だしな。」

 

明日は丸々つぶれる訳だし。

しかし、あの警告が気になる…。

今回もってことは今まで俺たちが襲われた事を知ってる人物って事になるしな。

 

「星夜、早く行こうぜ?」

 

小さいリュックを持った一夏に急かされこちらも準備をする。

 

「待たせた。」

 

部屋を出て、別館の更衣室を目指す。

途中で箒さんを見つけた。

なんか中庭の方を見てる。

 

「お~い、箒。どうしたんだ?」

 

一夏が声をかける。

箒さんの視線の先には地面から生えたら何か。

明らかに人工物だ。〈引っ張って下さい〉と書いてある紙が貼ってある。

 

「なに?これは?」

 

じっと見ていた箒さんに聞いてみる。

 

「さぁな、私には関係ない。」

 

箒さんはそっぽを向くとそのまま歩いていってしまった。

 

「どうする?一夏?」

 

「引っこ抜くか…。きっと束さんのだ。」

 

知り合いのイタズラのようだ。

束って…。

引っこ抜こうとする一夏。

 

「星夜さんに一夏さん。何をしてますの?」

 

「あっセシリアさん、なんか不審な物があってね。」

 

「のわっ!?」

 

思いっきり力を込めたと思われる一夏。

盛大にスッ転ぶ。

転んだ先で目を開ければ確実にセシリアさんのスカートの中が見える位置なので一夏の目を踏んで塞ぐ。

 

「ちょっ!?星夜!?何すんだよ!?」

 

「セシリアさん、離れて。」

 

「あっ、そうですわね。ありがとうございます。」

 

状況を把握出来ない一夏をそのままにセシリアさんを下げさせる。

十分に距離をとってから足をどかす。

 

「いきなり目を踏むとか危ないだろ!!」

 

一夏が怒りの抗議をする。

 

「俺が踏まなかったらそのあとお前はブルー・ティアーズで蜂の巣だったぞ。」

 

「あっ…。」

 

納得したようだな。

 

「で、それは何ですか?」

 

セシリアさんが一夏に聞く。

 

「てっきり埋まってると思ったんだけどな…。」

 

頭をかく一夏、予想が外れたようだ。

 

キイイィィィーン

 

遠くから音がする。しかも徐々に大きくなっている。

音の方を向くと何か巨大な物が突っ込んできていた。

 

ドゴオオォォォン

 

その物体は地面に刺さった。

3mはあるであろうその物体。その見た目が…。

 

「「「に、にんじん……?」」」

 

3人の声が重なる。

そう、人参なのだ。幼稚園児が描いたようなデフォルメされた人参だ。

 

「はっはっはっ!引っ掛かったね!いっくん!」

 

人参が真っ二つになり、中から人が出てきた。

青と白のワンピースに身を包み、さながら一人で不思議の国のアリスを再現したような装飾品の数々。

やたらと愉快なかんじの人だな。

 

「お久しぶりです、束さん。」

 

普通に挨拶をする一夏。

てかやっぱり束って言ったな。つまりこの人が…。

ISの産みの親…篠ノ之束…。

 

「いっくん、いっくん。おひさー。箒ちゃんはどこかな?」

 

まるでこの場に一夏しか居ないような素振りで一夏に話しかける。

 

「えーと…。」

 

なにか返事に迷っている一夏…。

 

「まぁこの私が開発した箒ちゃん探知機〈ファンゲル〉で一網打尽なのだよ~!じゃあね!いっくん!またあとでね~!」

 

そのまま走り去って行った…。足速いな。

探知機はまるでクラゲみたいな形をしていた。

なんか探知機ってよりも捕獲機って感じだったな。

 

「なぁ一夏…今のが…。」

 

「あぁ束さん、箒の姉さんだ。」

 

「今のが篠ノ之博士ですか!?現在は行方不明で各国が探している!」

 

「そう、その篠ノ之束さん。」

 

一夏曰く常識が全く通じない人だそうだ。

 

「箒にようがあるみたいだし、関係なさげだし。俺と星夜はこれから海に行くけどセシリアは?」

 

「わ、私も海へ。せっ星夜さん。」

 

「わかってる。昨日の約束だろ?また後でね?」

 

昨日の夜のサンオイルの確認だろう。

 

「はい、よろしくお願いしますね。また後で。」

 

頭を軽く下げてから別館へ向かうセシリアさん。

 

「約束ってなんだ?」

 

一夏が聞いてくる。

 

「あぁ、背中にサンオイル塗って欲しいって頼まれたの。」

 

「へぇ、日焼け対策は大変なんだな。」

 

そこじゃないだろ…。

 

そんな会話をしながら男子更衣室を目指す。

しかし、男子更衣室を一番奥にしたのは誰だ?

おかげでいろんな会話が女子更衣室から聞こえる。

 

胸の大きさがどうとか。

水着のデザインがダイタンだとか。

 

聞いてるだけでも恥ずかしい。

きっと更衣室の中だから油断してるんだろう。

 

更衣室に着き、早速着替えを始める。

俺も一夏も手早く済ませて海へ向かう。

 

「あ、織斑君と天野君だ!」

「う、うそぉ!私の水着変じゃないよね!?」

「うわぁ2人とも鍛えてるぅ。」

「かっこいい…。」

「あの肉体が夜には…ぐふふふふふ。」

「おーい!あとでビーチバレーやろー?」

 

浜辺に着くとすぐに女子の注目を浴びる。

なんか変なの混じってたような…。

一夏はビーチバレーのお誘いに対して軽く返事をしてた。

 

「まずは準備運動だな。」

 

「ああ、足つってもカッコ悪いしな。」

 

適当に広めのところで準備運動をする。

何事も基本が大事。

 

「い、ち、か~!せ、い、や~!」

 

鈴が元気よく走って来た。そのまま一夏に飛び込み、肩車の体制になる。

まるで猫みたいだ。

 

「2人そろって真面目ねぇ、一生懸命体操しちゃってさ、ほらほら、終わったでしょ?泳ぐわよ!」

 

一夏の上ではしゃぐ鈴。

水着はタンキニタイプだ、スポーティーなイメージにぴったりだ。

 

「鈴、基本は大事だぞ。」

 

「溺れても知らねぇぞ。」

 

2人で注意する。

 

「あたしは溺れたこと無いわよ。前世は多分人魚ね。」

 

人魚ねぇ、どちらかと言えば鈴は山の生物だと思うが…。

 

「おー高い高い。ちょっとした監視塔にねれるわね、一夏。」

 

鈴は周りをぐるっと見渡す。元々鈴の背は低い方だからより高く感じるのだろうな。

 

「監視員じゃなくて監視塔かよ!?」

 

「人の役に立つじゃない。」

 

「てか、俺よりも星夜の方が背は高いだろ。」

 

「5cm程度じゃあまり変わらないだろ。」

 

「試してみるか。星夜、動かないでね。」

 

鈴は一夏から俺へ飛び移る。本当に猫だな。

 

「視界はあまり変わらないけど、星夜の方が安定感あるわね。」

 

「ずっと鍛えてたからかな?」

 

肩に鈴の体重が掛かるが対して重くないので問題は無いが周りの視線が痛い。

交代制だとか早い者勝ちだとか聞こえる。

あれはカップルだからOKとかも聞こえる。

 

「りりりっ、鈴さん!ななっ何をしてますの!?」

 

パラソルとかを抱えたセシリアさんがやって来た。

 

「ん~?一夏と星夜の乗り比べ。」

 

「評価が終わったなら降りてもらっていいかな?」

 

このままだと頭が動かせん。

変に動かしてToLOVEるのは一夏だけでいい。

 

「そうですわよ!鈴さんは星夜さんに手を出さないでくださいませ!」

 

「仕方ない。それ!」

 

鈴は華麗に俺から降りる。やはり猫だな。

 

「星夜さん!約束通りにお願いしますわね!」

 

パラソルとシートを準備しながらセシリアさんが言う。

 

「わかってる。オイルは…これか。」

 

取り敢えずオイルの容器を確認する。

うーむ、流石はセシリアさん、高そうだなこれ。

周りで見ていた女子が自分達も塗ってもらおうとか言ってる。

おい、わざわざ塗ったオイルを落としに行くな。

 

「では、星夜さん、お願いしますね。」

 

先日買った青の水着にパレオをつけていた。

パレオを外し、後ろに手を回して水着の紐を外す。

そしてシートに寝そべる。

スゴく健康的で美しいと感じる背中を前に緊張が走る。

 

「じゃあ、やるぞ。えっとこれはそのまま塗ればいいのか?」

 

初めてなので勝手が解らない。

 

「えっと、手で少し温めてからお願いしますわね。」

 

「あぁ、わかった。」

 

ボトルから少量のオイルをだし、掌で温める。

そしてセシリアさんの背中に塗り始める。

 

柔らかいな。それでいてすべすべ。

 

そんな感想を抱きながら背中にオイルを塗っていく。

 

「背中は終わったよ。セシリアさん。」

 

「あの、出来ればそのまま脚とか、お尻も……。」

 

「え…さすがにそれは…。」

 

セシリアさんがもじもじとおねだりをする。

流石にこれより下はアウトだろう。

そんな風に思ってると。

先ほどからこちらを見ていた鈴がサンオイルのボトルを手に持ち。

 

「はいはい、星夜に迷惑かけないの。ペタペタっと。」

 

「はひゃあ!?ちょっと鈴さん!冷たい!!」

 

セシリアさんの残りの塗ってない部分にペタペタと塗っていく。

温めずに塗っているため変な声を挙げるセシリアさん。

鈴が来たので少し距離を置く。

 

「鈴さん!いい加減に!!」

 

あまりの所業に怒りを爆発させようとしたセシリアさん。

そのままガバッと立ち上がったものだから先程紐をほどいたままの水着はシートに置き去りになる。

 

「あ。」

 

「ぶべっ!」

 

間一髪。

通常形態で勝手に出てきたユニコーンが一夏をバックキックですっ飛ばす。

ユニコーンは俺とセシリアさんの間に出たため俺の視界は蒼一色だ。

 

「きゃああ!」

 

とっさに腕で胸を押さえつつ水着を拾いすぐにつける。

 

「あーごめん。」

 

軽く謝る鈴。

そんな鈴を涙目で見るセシリアさん。

 

「いっ今更謝った所で許しませんわ!」

 

「じゃあ逃げるわ。」

 

そう言ってそそくさと逃げる鈴。

何故か俺とそこで延びてる一夏を引きずっていく。

 

「ちょっと!鈴!なぜ俺まで!?あとユニコーンはよくやった!セシリアさん、俺も一夏も見えてないから!」

 

取り敢えずファインプレーを見せたユニコーンは誉めておく。

 

「星夜さんになら見られてもよかったですけど…。って星夜さんまで持っていかないでくださいませ!」

 

いつもと違い俺まで持っていく鈴に抗議するセシリアさん。

 

「別にいいじゃない。友達と遊ぶだけなんだから。」

 

特に気にしない鈴。

 

「はっ!なんで鈴に引きずられてんだ!?」

 

目を覚ます一夏、直後に鈴によって海に放り込まれる。

 

「ぶは!なにすんだよ!鈴!」

 

「なぜ俺まで…。」

 

「ほら!2人とも!ブイまで競争よ!負けたら@クルーズのパフェおごりね!よーい、どん!」

 

言い終わると同時に泳ぎだす鈴。こちらもクロールで追いかける。

 

「こら!卑怯だぞ!待て!」

 

「その程度のスタートダッシュはハンデにもならないな。」

 

「ぼーっとしてる一夏が悪いのよ!星夜は流石ね!でも負けないわ!」

 

前を泳いでる鈴に追い付く。

一夏も全力で泳いでくる。ほぼ横並びになり、ブイに近づく。

 

「誰が一番かわかった?」

 

「ほぼ同時だったな。」

 

「よし!じゃあ次は陸に早くついた奴で仕切り直しな!よーいどん!」

 

一夏が思いっきり泳ぐ。

 

「ちょっと!一夏!」

 

「先にやったのは鈴だからな!」

 

こっちが振り向く前に既に泳ぎ始めてる一夏。

それを追うため2人で泳ごうとする。

そして、泳いでると。

 

「がぼっ!!」

 

横を泳いでた鈴が体勢を崩す。

足がつったのかもしれない。

とっさに鈴の腕を掴む。

落ちないようにしっかりと抱き上げる。

 

「ぷはっ!」

 

「大丈夫か!?鈴!」

 

「だっ大丈夫…。ちょっと水飲んだだけよ。ありがとう。」

 

取り敢えずこのままだと良くないので鈴を背中に回す。

鈴も何も言わずにこちらの首に手をまわした。

 

「ゆっくり戻るぞ。」

 

「うん。お願い。」

 

「なにが前世は人魚だよ。やっぱり猫じゃないのか?」

 

「ううっ……言い返せない…。」

 

「鈴!大丈夫か!?」

 

一夏が異変に気づいて戻ってきた。

 

「まったく。一夏が急に泳ぎだすからじゃない!!」

 

「俺のせいかよ!先にやったのは鈴だろうが!」

 

俺の背にいる鈴と言い争いを始めた。

しかし、こう接触してると背中に当たるものだな。

なにとは言わないが。

 

「2人とも静かに。」

 

喧嘩を止めてそのまま陸へ。

そのまま鈴をおんぶする。

 

「ちょっと!星夜!大丈夫だから!ここで平気だから!」

 

「一応あの木陰のところまで運ぶからな。そのあとは好きにしろ。」

 

背中で軽く抵抗をした鈴だったがそのままおとなしくなる。

 

「やっぱり2人は仲良いな!星夜、あとは頼むぜ!」

 

一夏がいい笑顔で先程ビーチバレーを誘っていた一団に行ってしまった。

 

「あの、薄情者め…。」

 

「一夏は絶対あとは2人でどうぞって考えてるな。」

 

あの笑顔は絶対そうだ。

木陰に着いたので鈴を降ろす。

 

「足は大丈夫か?」

 

「う、うん平気。ありがとう…。」

 

「少しここで休んでな。結構水を飲んだだろ?」

 

「うぅ…。」

 

恥ずかしそうにうずくまる鈴。

 

「なんか飲み物もらってこようか?」

 

「だっ大丈夫!大丈夫だから!ほら!簪の所でも行ってあげなさいよ!ね!」

 

やたらと捲し立てる鈴。

そんなに見られたくないのか?

 

「わかったよ。でも、無理はするなよ?」

 

そのまま立ち去る。

電童からエイリアス体のレオが飛び出て鈴の元へ行った。

まぁレオの好きにさせるか…。

 

さて、簪さんはどこかな?

 

「あっ星夜くん!」

 

「あまの~ん。」

 

「おっ、簪さん、本音さん。」

 

先日買った水着を着た簪さんが来た。

隣には狐の水着に身を包んだ本音さんだ。

気がついたら居なかったボアとドラゴンも一緒になって砂の城を作っている。

 

「砂の城?これって結構むずかしいよね?」

 

「うん、そうだよ~。でもかんちゃんはスゴくうまいのだ~。」

 

「そんなことは無いよ。誰でも出来るから。」

 

「いや、この大きさの城はなかなか見ないと思うが…。」

 

既に高さ1mはある城だ。これはプロと言う奴だな。

結構細かい所も作ってあるし。

 

「そう…かな?」

 

「うん、普通出来て50cmも無いと思うよ。」

 

「あまのんも一緒に作る?」

 

「簪さんが良ければ。」

 

「うん。一緒に作ろ?」

 

そんなこんなで城作りの手伝いをする。

固めて削って、そんな作業の繰り返しだ。

 

「しかし、こうゆうのって作ってもすぐに形がなくなるよな。」

 

「そうだね。だけどそれがいいんだよ。」

 

「夏の思いでだよ~。」

 

「出来上がったら写真でも撮るか。」

 

「うん。」

 

元々結構出来ていたのですぐに完成だ。

 

「いや、即席でこのクオリティだもんな。凄いな簪さんは。」

 

「あ、ありがとう。」

 

満足げな簪さん。

 

「じゃあ写真をとろ~。」

 

写真を撮る。

その直後ビーチボールが飛んできて砂の城に直撃した。

当然崩壊してしまった。

 

「おーい!悪い!ボールが勢いよく飛んじまってさー!って!!」

 

一夏が駆け寄って来る。

先程言っていたビーチバレーのボールだろう。

近くまで来て初めて城の存在に気づく一夏。

このあとの自分の運命を想像したのか顔から血の気が引いていく。

 

「あ…その…ごめん。」

 

言い訳をせずに非を認めた事は評価する。

 

「簪裁判長、判決を…。」

 

この城の制作者は簪さんなので判断を仰ぐ。

 

「写真をとったあとは壊すだけだったし。気にしてないよ。」

 

簪さんは笑ってる。機嫌は悪くないようだ。

 

「いや、本当に悪かった!」

 

頭を下げる一夏。

そのあと一緒にビーチバレーをやってた女子も一緒に謝ってた。

簪さん曰く壊すまでが砂の城らしい。だから気にしないとの事。

 

「シャルとラウラもビーチバレーやってたのか?」

 

「うん。」

 

「あぁ、砂の上での運動は普段とは違った力の入れ方が必要でな。いい訓練になる。」

 

相変わらず軍人目線のラウラ。

 

「はは、ラウラらしいな。しかし、2人とも可愛らしい水着だな。」

 

「なぁ!?かわ!可愛い……。」

 

「えへへ、そうでしょ?ちなみにラウラの髪は僕がセットしたんだ。」

 

「そうなのか。結構印象変わるな。」

 

黒を基調としたレースをふんだんに使った水着のラウラ。

普段とは違い髪もアップテールになっている。

 

シャルの水着もオレンジ色を基本にした物だった。

 

「かわ、かわ、かわいい、可愛い…。」

 

ぶつぶつとずっと言ってるラウラ。

言われ慣れてない言葉でオーバーヒートしてるな。

よく見るとラウラの左手首に見慣れたものが付いてる。

 

「なぁ、シャル。ラウラの左手首に付いてるのって…。」

 

「うん。星夜の予想通りエイリアス体のバイパーだよ。」

 

自分の尻尾を噛んでブレスレット見たいに擬態してるバイパーだ。

 

「気がついたら皆居ないと思ったよ。」

 

バイパーはなにがしたいのだろうか…。

 

「ブルもすごいね。さっきは試合中に皆の胸を見て鼻の下伸ばしてた一夏をすっ飛ばしたんだよ。エイリアス体なのにね。」

 

シャルの横を飛んでるブル。

 

「あぁ、ブルはデータウェポンで一番力があるからね。おーい、ラウラ。」

 

取り敢えずラウラを正気に戻す。

 

「あぁ、すまない。取り乱した。」

 

そのまま少し皆で話していると。

 

「どうだ?楽しんでいるか?」

 

「怪我とかしてないですか~?」

 

後ろから声がする。織斑先生と山田先生だ。

 

「はい、楽しんでますよ。」

 

「そうか。明日は大変だからな。しっかり遊べるうちに遊んでおけよ?」

 

「はーい」と皆で返事をする。

そのままその場に居た人達で再度ビーチバレーをすることになった。

 

「じゃあチーム分けは織斑くんチームと天野くんチームたまね。」

 

「簪さんはやる?」

 

「あまり得意じゃないから本音と一緒に審判をやるね。」

 

「応援するよ~。あまのん。」

 

「おう!頑張るよ。」

 

皆で楽しく海を満喫する。

このまま終わればいいんだが…。

あの忠告が頭から離れない…。




はい、今回はここまで。

これで1万文字…。

さて、次回は夜の部かな?
千冬さんの酒の肴にされるヒロインたち…。
どうなるのか?
謎の忠告…いったい誰なのか。
鈴がだんだんと星夜サイドに落ちてきた…。

箒以外が星夜の取り合いする日も遠くない?

ご意見、ご感想はお気軽にどうぞ!

――――

セ「うぅ…鈴さんのせいで大恥をかきましたわ…。」
ラ「何かあったのか?」
セ「いえ、ユニコーンさんのお陰で被害は最小限だったので問題はありませんわ。」
ラ「そうか。」
セ「それよりもラウラさん。そのバイパーさんは…。」
ラ「ああ、これか?アクセサリーに扮して何かあれば即座に対応可能だ!」
セ「星夜さんが困ってしまうのでは?」
ラ「むぅ、だがこう見てると手放し難くてな?」
セ「ご自身が関わったデータウェポンに愛着がわくのはわかりますが。」
ラ「やはりだめか…。バイパーウィップ2号とか居ないのか?」

次回!IS戦士電童

第34話《本当の心》

セ・ラ「「データウェポンの2号があるなら欲しい!」」
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