IS戦士電童   作:東風乃扇

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皆さんこんにちは。

東風之扇です。

さぁ、ついに福音戦です。山場ですね。

場面が多くて読み辛いかも知れません。
精進していきます。

それでは第36話!ミッションスタート!!


第36話《銀の福音》

臨海学校2日目はほぼ全ての日程が中止となった。

 

アメリカ・イスラエルの協同で作られた第三世代型軍用ISが襲撃され暴走し、近くの海域を通ると言う。

その事態の鎮圧に俺―天野星夜―を含めた全ての1年生専用機持ちで対処する事になった。

 

昨日は皆でバカ騒ぎをした砂浜には俺達専用機持ち8人の姿があった。

 

「来い、白式。」

 

「行くぞ、紅椿。」

 

「出ろ、シュヴァルツェア・レーゲン。」

 

「おい出ませ、ブルー・ティアーズ。」

 

「行くよ、リヴァイヴ。」

 

「来て、打鉄弐式。」

 

「行くわよ、甲龍。」

 

「頼むぞ、電童。」

 

それぞれが愛機の名前を呼び、展開する。

本当なら箒さんと一夏以外は呼ばなくても展開出来る。

だが、これから向かうのは今までの試合でも、訓練でもない…実戦だ。

だから自分が命を預ける相棒を呼び、確認したのだ。

 

「じゃあ箒、よろしく頼む。」

 

「男が女の上に乗るなど私のプライドが許さないが、今回は特別だぞ。」

 

「セシリアとラウラもよろしく頼むな。」

 

「えぇ、サポートはお任せくださいませ。」

 

「一夏、お前は前の敵だけを見ろ、周りは我々が守る。」

 

今回の作戦では一夏は可能な限りエネルギーを温存するため、箒さんに乗っかる形になる。

最初だけは何時ものツンデレで嫌味を言っていたがすぐに一夏に頼られている事実からか箒さんは誰が見ても浮かれてるのがわかる。

そんな箒さんを見て、一夏は目に力を入れていた。

きっと気を引き締めたのだろう。

 

「鈴、俺達は警戒だ。何が来るか解らないが気を引き締めろよ?」

 

「あんただってデータウェポン貸し出してんだから気を付けなさいよ。いくらコア・ネットワーク経由ですぐに帰って来れるって言っても誤差がでるんでしょ?」

 

「わかってるよ。」

 

「ま、この中なら一番相性は良いと思うけど。」

 

「確かにね。タッグ戦の成績は一番だな。」

 

「気負わず行きましょ。あんたさっきからピリピリしすぎ。肩の力を少し抜きなさいよ。」

 

鈴が電童の肩をポンッと叩く。

 

「う…今まで襲われ過ぎてるからかな?」

 

「全く…あんたは皆から『信頼』されてるし、全員のために前に出る『勇気』がある。だから『自信』持って『知恵』を出して勝利への道筋を『創造』しなさいよ。じゃないと『愛』してくれてる奴らに失礼じゃない?」

 

「ありがとう、鈴。そっちだって緊張してるだろに気を使ってもらって。」

 

本当にいい人だな鈴は。

一夏、お前の嫁候補には勿体ない位だぞ。

 

『全員、準備は良いか?』

 

織斑先生からの通信が全員に入る。

 

「はい。大丈夫です。」

 

全員が織斑先生に返事をする。

 

『織斑、篠ノ之、今回の作戦は一撃必殺だ。オルコットやボーデヴィッヒのサポートもあるが短期決戦を心掛けろ。』

 

「了解。」

 

「織斑先生、私は状況に合わせて一夏のサポートをすればいいですか?」

 

『そうだな。だが無理はするな、お前は紅椿を受け取って数時間も動かしていない。オルコットやボーデヴィッヒも居るから何かあれば頼れ。』

 

「わかりました。出来ることをします。自分の身は自分で守りますので必要ありません。」

 

箒さん、やはり声が浮わついてるな。

 

『オルコット、ボーデヴィッヒは福音の牽制および獣型ISに対する警戒を怠るなよ。』

 

「お任せくださいませ。」

 

「バイパーも問題はありません。行けます。」

 

『周辺警戒組も作戦開始後は指定ポイントにてそれぞれ警戒に当たれ、気を付けろよ。何が来るかはわからん。』

 

「了解です。」

 

「わかりました。」

 

「了解。」

 

「それぞれデータウェポンも入れて4人です。余程の事がなければ奇襲は受けにくいかと。」

 

『では、作戦を開始する!』

 

織斑先生から作戦の開始が宣言される。

それと同時に全てのISが一瞬にして高度300mまで上がる。

その後は攻撃チームの4人は衛星からのデータリンクを使い目標の現在地を確認して接触予測地点へと飛んでいく。

 

こちらもそれぞれの指定された地点へ移動する。

 

「こちら凰、天野ペア。目標地点に到着。周囲警戒に当たります。」

 

「現在は特に問題はありません。」

 

『こちら本部、了解した。そろそろ攻撃チームが目標と接触する。そちらも注意しろ。』

 

「了解です。」

 

さて、このまま一夏が福音を斬って終わればいいが…。

そう簡単にはいかないだろう。気を引き締めないとな。

 

「近くに小さい島があるくらいか…。何かを隠すならあそこかしら?」

 

鈴が視界内に捉えた島を見ながら言う。

 

「この辺りも十分な深さがあるから海のなかもありうるね。ファイルロード。ドラゴンフレア、レオサークル。」

 

ドラゴンとレオを召還しておく。

俺と鈴で背中合わせになり、左右はドラゴンとレオが見る。

 

「さて、鬼が出るか蛇が出るか…。」

 

「そろそろ一夏達も現場着くから動きがあるならこのタイミングだな。」

 

センサーに反応が来る。

 

「真下!?」

 

「やはり海の中!?」

 

下を見つつそれぞれ距離を取る。

次の瞬間、大量の水が竜巻の如く昇ってきた。

 

「これは!?」

 

「波動龍神撃!?」

 

ハイパープラズマドライブで大量の水を圧縮して叩きつける技だ。

この技を俺…電童以外で使えると言えば…。

 

「こちら凰、天野ペア!本部!聞こえますか!」

 

「ダメ!星夜!お得意のジャミングだわ!一夏達や簪達にも繋がらない!」

 

海中から凰牙が飛び出して来る。

このタイミングでこいつが相手か。

 

「俺が前に出る!鈴は援護を!」

 

「わかったわ!」

 

タクティカル・アームズを構え凰牙に斬りかかる。

凰牙は両腕を使い受け止める。

ドライブユニットを使いタクティカル・アームズを弾く。

こちらは無防備な状態になる。

すかさずこちらに追撃を入れようとする凰牙。

 

「やらせるか!崩拳!」

 

左右から鈴の腕部衝撃砲、ドラゴンの火球が飛んでくる。

後ろに退き回避する凰牙。

そのままレオが飛び込み追撃をかける。

 

「喰らえっ!」

 

タクティカル・アームズを変形させて撃つ。

レオが直前まで張り付いていたのにもかかわらず難なく回避する。

 

この戦い…簡単には終わりそうにないな…。

鈴と並び、凰牙を睨み付けならが構える…。

 

――

 

「こちらデュノア、更識ペア。目標地点に到着しました。」

 

「そのまま警戒に当たります。現在問題はありません。」

 

『こちら本部、了解した。攻撃チームが間も無く目標に接触する。注意しろ。』

 

「わかりました。」

 

「周辺には何もなし…。奇襲をかけるなら海の中からじゃないと難しいね。」

 

「そうだね。バイパー程の加速が無い限りはそれこそステルスでもないと。」

 

簪とシャルロットは話ながらもそれぞれの機体の中に待機していたデータウェポンを呼び出す。

 

「頼むよ、ブル。」

 

「よろしくね、ボア。」

 

2体のデータウェポンは頷く。

 

「敵が来るならきっと同時に来るかな?」

 

「そうだね。そうすればお互いにフォローとかし辛くなるし。」

 

2人は冷静に周りを見渡す。

 

「センサーに感あり、来る!」

 

「あれは……鳥?」

 

センサーに反応があった方を向くと鳥ような機体が近づいてきていた。

 

「本部に連絡は…無理みたいだね。」

 

「まずはあれを倒してそのあとは織斑くんの援護かな?」

 

「そうだね。状況的にそっちが優先だね。」

 

それぞれ武器を構える。

レーダーに表示されてある距離はみるみると減っていく。

距離が500mを切った瞬間に鳥のような機体が2門のビーム砲を放ってきた。

2人は散開して避ける。

そのままお返しにアサルトライフルと春雷を放つ。

敵は体をロールさせて回避する。

ブルとボアはそのまま敵にむかって突撃する。

敵はブルとボアを避けるように横に曲がるとシャルロットと簪を中心に旋回を始める。

 

「見た目通りに機動性が高そうだ。」

 

「なら、ショットガンと山嵐で逃げ場を無くせば。」

 

シャルロットはショットガンとアサルトライフルを構え、簪は春雷と山嵐を構える。

ブルとボアも2人に合わせるためタイミングを計っていた。

 

――

 

一夏を背に乗せた箒は目標地点に向かい飛んでいた。

その後ろにセシリアとラウラが並んでついてくる。

 

「見えたぞ!一夏!」

 

「あれかっ!!」

 

「ボーデヴィッヒより本部へ、目標を視認、これより接触します。」

 

「また、周囲に獣型ISは確認できませんわ。」

 

『こちら本部、了解。そのまま予定通りに行動しろ。仮に獣型がデータウェポンなら奴から出てくる可能性もあるから注意しろ。』

 

「了解!」

 

ハイパーセンサーに目標である銀色のISが映る。

本部に報告を済ませそのまま目標に近づく。

 

(資料にあった多方向同時射撃ってどんな攻撃だ?)

 

一夏は頭の中で敵の情報を思い出す。

まだまだIS初心者の一夏ではわからない事が多いので考えるのはやめて、雪片弐型を握りしめる。

 

「加速する!目標には10秒後に接触する!一夏、集中しろ!」

 

「私とセシリアで左右から入れる、その隙を狙え。」

 

「一夏さん、頼みますわよ。」

 

「ああ!」

 

セシリアとラウラはそれぞれ左右に別れる。

箒は一夏を乗せたまま加速する。

 

「攻撃開始!」

 

「喰らいなさいな!」

 

「うおおおぉぉぉぉ!」

 

ラウラは肩のリボルバーカノンをセシリアは大型ライフル〈スターダストシューター〉を発射する。

そのタイミングに合わせて一夏は箒の上より瞬時加速を使い飛び込む。

福音の目前を狙って放たれた射撃は狙い通りに牽制の役割を果たす。

それにより福音は減速し体制を崩した。

零落白夜を発動し、真上から斬りかかる一夏。

 

(行ける!!)

 

光を纏った刃が福音に触れる直前。

 

「なにっ!?」

 

身を翻し斬撃を紙一重で避けた。

 

「一夏!そのまま逃がすな!追撃を掛けろ!」

 

「ここで逃げられると後がありませんわ!」

 

「わかった!箒も援護を頼む!」

 

「任せろ!」

 

[敵機確認、4体、迎撃モードへ移行]

 

機械音声が聞こえる。

 

[攻撃、開始]

 

福音は周囲に対して翼から大量のエネルギー弾を発射する。

一夏に向かって飛んできた弾は全て突然出現した赤い壁に防がれる。

 

「サンキュー、ユニコーン。」

 

ファイヤーウォールを展開するユニコーンに礼を言いながら構え直す一夏、射撃が止むと同時に再度斬りかかる。

それに合わせてセシリアとラウラからも援護が入り、福音の行動を妨害する。

一夏に合わせて箒も飛び込み、2人で連続で斬りかかる。

流石の手数に福音は防御などを織り混ぜながらも最低限の動きで最低限のダメージに抑えていた。

〈軍用IS〉の恐ろしさを肌で感じる一夏達、徐々に焦りが出始めていた。

 

「くっ!思うように当たらない!」

 

「大丈夫だ!奴は確実にダメージを蓄積している!このまま私と一夏なら倒せる!」

 

しかし、箒だけは違った。何も知らないからか攻め立てる。

開いた腕部装甲からもエネルギー放ちダメージをわずかだが与える。

だが箒が密着している為、セシリアとラウラは思うように射撃が出来ないのだ。

 

「箒!一度距離を取れ!」

 

「そのまま押しきれる相手では無いぞ!」

 

「何を言う!このまま一気に倒せば良かろう!星夜のような腰抜けではない!!」

 

「見極める為に距離を取るのも必要ですわよ!?」

 

仲間達の声も聞かず攻め続ける箒。

 

(このまま勝てば皆はいや、一夏は私のことを―)

 

勝ったと思い込んでいた箒、次の瞬間。

 

\グオオオオオォォォォッ!!/

 

獣の咆哮が轟く。

 

「獣型か!?」

 

「どこだ!?」

 

「一夏さん!上ですわ!」

 

「一夏!そんなのはそいつらに任せておけ!お前と私でこいつを!」

 

一夏は襲いかかって来た爪を紙一重で避ける。

 

「セシリア!ラウラ!ユニコーン!こいつを頼む!その間に俺たちで福音を倒す!」

 

雪片弐型で獣を弾き、福音へ飛び込む一夏。

一夏を追おうとする獣、そこへ射撃を入れて追撃を防ぐラウラとセシリア。

 

「私が前に出る!ユニコーンはセシリアを守れ!」

 

「援護しますわ!」

 

バイパーの力を使い、分身するラウラ。

 

「全方位からのAIC、避けきれるものか!!」

 

「こちらも喰らいなさいませ!」

 

多少の燃費は悪くとも短期決戦を仕掛けるラウラ。

たが、獣は一瞬で加速し、AICの射程外へと移動してしまう。

 

「ちっ!掠りもしないのか!!」

 

「なんてデタラメな加速ですの!?」

 

分身を解除するラウラ。

双頭の獣はこちらを見定めるように構えている。

 

「だが、負けはしない…。」

 

「えぇ、当然ですわ。」

 

互いに睨み合う。

四つの戦いは始まったばかりだ…。




はい、今回はここまで。

それぞれが短い……。
もっと膨らませられるようにならないと…。

簪とシャルロットペアと戦ってるのは某勇者合体機構を備えた鳥です。ご主人様不参加。

ご意見、ご感想等はお気軽にどうぞ。

――――

真「織斑先生!全機と通信が途切れました!!」
冬「なに!?」
真「ほぼ同時に切れました…。」
冬「まさか、戦力を分配させて各個撃破するのが目的か!?」
真「そんな!?では我々はどうすれば!?」
冬「山田先生、落ち着いて下さい。」
真「で、でも…。」
冬「我々教師が信じなくてどうするのですか?」
真「信じては居ますけど…。」
冬「山田先生はいざと言うときのため、医療班の準備をお願いします。」
真「そ、そうですね。すぐに準備します。」
冬「ふぅ…。」

次回!IS戦士電童

第37話《失敗》

冬「頼むぞ…無事に…帰ってこい…。」
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