IS戦士電童   作:東風乃扇

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みなさんお久しぶりです。

東風乃扇です。
スマホを変えたのでちょっと操作感が…。

さて、なんとか敵を倒した星夜達。

それでは第40話!ゆるりと始まるよ。


第40話《帰り道》

暴走した福音と戦いは輝刃が誕生したことや一夏の白式がセカンドシフトしたこともあり、無事に勝利した。

俺―天野星夜―は旅館に向かいながらも機体のステータスに目を通していた。

 

「う~ん。居ないな」

 

電童の中をどれだけ探してもフェニックスが見当たらないのだ。

 

「どうしたの?星夜くん。」

 

隣で飛んでいた簪さんがこちらを覗き込んでくる。

 

「いや、フェニックスが居なくってね。どこに行ったんだろ。」

 

「フェニックス…先程の翼の事ですか?」

 

セシリアさんも話に入ってきた。

 

「あぁ、もしかして輝刃を産み出すのに力を使い果たしたのかな…。」

 

「あれもGEARで作ったのかな?」

 

シャルが当然の疑問を口にする。

 

「いや、データウェポンの新型を作る計画なんて聞いてないし、今までの6体の解析や研究でそこまで手は回らないと思うけど。」

 

「井上さん大変そうですわね。」

 

「まぁ、輝刃と一緒に報告しとくか。」

 

福音のパイロットを運ぶ輝刃を見る。

 

「なぁ、星夜。あれってやっぱり誰かと共鳴したってことだよな。」

 

一夏が聞いてくる。

 

「そう思う。まさか試作武器がデータウェポンになるなんて思いもしなかったけど。」

 

「データウェポンは不思議なものだな。」

 

箒さんがうなずく。

 

「まぁ、そのあたりも含めて井上さんが解析して説明会やると思うよ。」

 

「その時は呼んでね。」

 

「私も興味があるな。」

 

「全員声かけるから安心してね。シャル、ラウラ。」

 

「一夏も白式がセカンドシフトしてるなんてね。」

 

一夏を見ながら鈴が言う。

 

「起きて展開したらこうなってたんだよな。」

 

自分の機体を見ながら話す一夏。

 

「まさかこれほどの短期間でセカンドシフトまで行くとはな。」

 

ラウラが言うことは最もだ。

一夏は白式を受け取ってからまだ半年間もたっていない。

それほど一夏と白式の相性が良いってことなのか?

 

「そんなにすごいことなのか?」

 

「一夏、現役でセカンドシフトした機体を数えてもまだ世の中には10機にも満たないんだよ。」

 

「まっマジか!?」

 

シャルの説明を聞き、ビビる一夏。

 

「一夏さんは今後はもっと慎重になられた方が良いかも知れませんわね。」

 

セシリアさんが静かに言う。

 

「なんでだ?」

 

「織斑くんや星夜くんはただでさえ貴重な男性操縦者だよ。そこにセカンドシフト機って付加価値が増えたから…。」

 

「もしかしなくても非合法な方法でも欲しがるやつらは山のように居るだろうな。」

 

「ひ、非合法って…。」

 

簪さんと俺の言葉を聞き顔が軽く引きつる一夏。

 

「1人での行動は極力なくし、移動の際も人通りの多い道を選べば多少はましだろう。」

 

「ど、努力するよ…。」

 

ラウラが一夏にアドバイスをする。

 

「よし、旅館が見えてきたぞ。」

 

そんな会話をしていると旅館が見えてきた。

海岸につき、待機していた医療班の先生に福音のパイロットを預ける。

全員がISを解除する。

 

「お前たち、よく戻った。」

 

皆の前に織斑先生が立つ。

 

「かんちゃん~!あまのん~!みんなおつかれ~。」

 

「まずは皆さんこちらを。」

 

山田先生と本音さんが飲み物を配る。

受け取った飲み物を軽く口に含む。

 

「このあとは全員診察を行うから医務室に向かうように。」

 

「織斑君と天野君は待機室で待っていてくださいね。」

 

山田先生と本音さんに連れられ女性陣が医務室へ向かう。

 

「全員無事で良かった…。」

 

織斑先生が呟いた。

 

「千冬姉…。」

 

「なんだ?一夏。」

 

一夏と織斑先生の視線があう。

 

「俺、皆を守れたかな…?千冬姉見たいに…。」

 

「あぁ、しっかりと守ってるさ。だから胸を張れ。天野、お前もな。」

 

「ありがとう。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「さて、お前たちも疲れたろう?部屋で休め。」

 

「わかりました。」

 

「わかった。」

 

俺と一夏は返事をして待機室に向かう。

 

「ふぅ…疲れた…。」

 

「あぁ、よく考えたら俺達、昼飯食べてないな。」

 

午前に出撃してからそのままやられて、目が覚めたら夕方だったもんな。

 

「そうだな。もう少しで夕飯だろうし変に腹に入れてもな…。」

 

「皆の診察が終わるまで待つか…。」

 

「そうだな…。」

 

とりあえずISスーツを脱ぎ、備え付けの浴衣に着替える。

壁際に置いてある座布団に座る。

疲れていたせいか俺は座るとそのまま寝てしまった。

 

──

 

「…やさん。………くださいな。」

 

「……て。せい………おきて…。」

 

誰かが俺を起こそうと声をかけている。

 

「んん……。」

 

だんだんと頭がはっきりしてくる。

 

「せいや、おきろ。そんなことではてきにおそわれてしまうぞ。」

 

「せいや~つぎはあんたたちのばんよ~。」

 

「ふぅあ…。あれ?俺、寝てた?」

 

起きると皆が俺を覗き込んでいた。

 

「あ、起きたね。」

 

「よほど疲れているのか?」

 

「気分悪いならそのまま寝てるか?俺が先生に伝えておくぜ?」

 

「大丈夫だ、心配かけてごめんね。」

 

立ち上がる…が寝起きでいきなり立ったせいかバランスを崩してしまった。

 

「のわっ!?」

 

「きゃあ!?」

 

「ひゃわ!?」

 

目の前で俺を揺すって起こしてたセシリアさんと簪さんに向かって倒れてしまう。

 

「せっ星夜さん!?お気持ちは嬉しいですけど…。」

 

「星夜くん…。その…恥ずかしい…。」

 

顔を赤くする2人。

 

「うわあぁぁ!ご!ごめん!」

 

とっさに起き上がるが足をもつらせる。

今度は横に倒れそうになる。

 

「ちょっと、大丈夫!?」

 

鈴が俺を支えようとする。

 

「わぷっ!?」

 

「ひゃんっ!?」

 

そのまま鈴に抱きつく体制になってしまった。

 

「ちょっちょっと星夜。」

 

「わあぁぁ!?」

 

顔を真っ赤にした鈴。

 

「せ・い・や・さ・ん?り・ん・さ・ん?」

「せ・い・や・く・ん?り・ん・さ・ん?」

 

先程まで顔を赤くし、恥ずかしがっていたセシリアさんと簪さんの2人は黒いオーラを纏いながら立ち上がる。

 

「せ、セシリア、簪…落ち着いて…ね?」

 

「ふっ2人とも落ち着いて…。」

 

……これは死ぬな…俺…。

 

「織斑君~。天野君~。まだですか~?」

 

医務室で待っていたが俺たちがなかなか来ないので様子を見に山田先生が来た。

 

「は、はい!すぐに行きます!な、一夏!?」

 

「おう!行きます!行きます!」

 

すぐに部屋の出口に向かう。

 

「では、星夜さんは後で聞きますので…。」

 

「先に鈴さんに聞こうか…。」

 

鈴、ごめん。

 

心の中で謝るとそそくさと部屋を出て隣の医務室に向かう。

 

「薄情者~!!」

 

待機室には鈴の叫びが木霊する。

検査を終え、部屋に戻る。

 

「ただいま戻りました~。」

 

恐る恐る開ける。

 

「あら?星夜さん。もう終わりましたの?」

 

「星夜くん。大丈夫だった?」

 

2人の黒いオーラは収まってた。

 

「あぁ、特に問題はなかったよ。それと、さっきはごめん!」

 

先程の件をしっかりと謝っておく。

 

「@クルーズ。」

 

不機嫌そうな鈴がボソッと言った。

 

「はい、おごります。お好きなのを選んでください。」

 

「あっ!私もですわ!」

 

「わ、私も!」

 

セシリアさんと簪さんもこちらによってくる。

 

「大丈夫だって皆におごるよ。」

 

「じゃあ今度の休みは空けときなさいね。」

 

これくらいで許してもらえるなら安いものだろう。

 

──

 

後処理も終わり、夕飯の時間まで部屋に戻り待機する。

 

「あっ今のうちに…。」

 

なにかを思いだし、一夏が鞄を漁り出す。

 

「どうした?一夏。」

 

「星夜、ちょっと野暮用だ。すぐに戻るさ。」

 

一夏はそういうと綺麗な小袋を持って部屋を出ていった。

 

そう言えば今日は箒さんの誕生日でプレゼントを用意したって言ってたな。

 

「俺も北斗にメールすっか……。」

 

携帯を取りだし友人へのバースデーメールを送った。

律儀にお礼のメールをすぐ返すあたり北斗らしい。

 

ちなみに帰ってきた一夏の顔は少しだけ赤かった。

 

──

 

「ねーねー。教えてよー。」

 

「ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから!」

 

「だ~め。機密だから。」

 

夕飯の時間になり食堂で食事をする皆。

今日の大半を部屋の中で窮屈に過ごしたクラスメイト達は今日のことを聞き出そうと必死だ。

とは言え専用気持ちとして訓練をしっかり受けている俺たちは機密としか答えない。

今はそのなかで最も話しかけやすいシャルに集まってる。

 

「これ聞くと大変なことになるけどいいの?」

 

「そうだよ。色々と制約がつくからね?」

 

「ちぇ~。」

 

なんとか説得し、散ってもらった。

 

「あれ?箒さん。リボンさっきはしてなかったよね?それに朝と柄も違うし。」

 

確か作戦中は付けてなかったはず。

 

「あぁ、これは…その…。」

 

顔を赤くして言葉が詰まる箒さん。

 

「今日は箒の誕生日だからな。俺がプレゼントしたんだ。」

 

一夏がどや顔で言う。

 

「へぇ、つまり一夏が選んだやつか。似合ってるね。」

 

「そ、そうか?」

 

「そうだろ?店で見た時に箒にはこれだ!って思って買ったんだ。箒も気に入ってくれた見たいで良かったぜ。」

 

嬉しそうな一夏と箒さん。

 

「誕生日…星夜さんはいつですの?」

 

隣のセシリアさんが聞いてきた。

 

「俺の誕生日?12月25日だよ。」

 

「覚えやすい誕生日だな。」

 

箒さんが頷く。

 

「イベント事と一緒だからね。」

 

「じゃあそのときはクリスマス兼誕生日パーティーだな。」

 

「そうだね。その場合ケーキは2つかな?」

 

一夏とシャルが話してる。

 

「パーティーか…。」

 

「ラウラ?どうかしたの?」

 

隣でラウラが考えるような仕草をしている。

 

「いや、今までそう言うのをやったことが無いからな。」

 

「これからやる機会は沢山あるから安心しなよ。」

 

「そうか。それは楽しみだ。」

 

ラウラはにっこりと笑った。

そんな感じで夕食の時間は過ぎていった。

 

──

 

夜。

 

部屋に一夏も織斑先生も居ないので外をふらついてた。

 

「ふう、風が気持ちいいな…。」

 

何となく歩いていると。

周りの景色が一瞬ぼやけた。

この感じは昨日もあったな。

 

『この度は輝刃の覚醒、おめでとうございます。星夜さま。』

 

昨日の警告をしてくれた声だ。

 

「警告してくれたのは助かるけど誰なんだ?」

 

返事を期待はしないがとりあえずそのまま語りかけてみる。

 

『申し訳ございません。今は答えることが出来ません。』

 

「せめて顔くらい見たいものだ…。」

 

そのあとは全くなにも聞こえなかった。

本当に誰なんだ?しかも輝刃のことを既に知ってたぞ。

ずっと見ていたのか…。

 

「まぁ、敵じゃないみたいだし…。」

 

どうにも出来そうにないからほっておこう。

そろそろいい時間だし部屋に帰って寝るか。

 

──

 

「うーん…。紅椿の稼働率は42%か…まぁ初日だしこんなものかな?」

 

束が空中に出したディスプレイを見つつ呟く。

そこには紅椿のステータスが表示されていた。

 

「白式は驚くな~。まさか生体再生まで可能だなんて。まるで─」

 

「まるで〈白騎士〉のようだな。お前が心血を注いで作り上げた1号機のようにな。」

 

束の言葉を続けるように千冬が束の後ろに立つ。

 

「やぁ、ちーちゃん。」

 

「おう。」

 

目を会わせない2人。

互いに背を向けている。

 

「問題です。白騎士はどこに行ったのでしょーか?」

 

「〈白式〉を〈しろしき〉と呼べばそれが答えだ。」

 

「さすがはちーちゃん。」

 

楽しそうにはしゃぐ束。

 

「次は私の番だな。データウェポンとはなんだ?」

 

「それはGEARに聞いてほしいな~。あれはISじゃないし~。私が作ったわけでもないし~。」

 

「お前は何を知っている。」

 

「ちーちゃん、今の世界は楽しい?」

 

「そこそこにな。」

 

「そっか…。」

 

次の瞬間、風の音と共に束の姿は消えた。

 

「ふぅ…。やはり何も掴めないか。」

 

千冬はそのまま旅館の方へと歩き始めた。

 

──

 

 

翌日。

 

予定で言えば片付けて帰るだけなのだが昨日の事件の後処理の関係で俺達、専用機持ちと本音さんは帰りのバスに乗らずに書類を書かされていた。

内容は昨日の事件に関して知り得た情報に関する確約書とかが主になる。

 

「どうせ書くんだ報告書も書いて出せ。」

 

と織斑先生のお言葉で関係書類が終わるまでは帰れなさそうだ。

 

「なぁ、星夜ここってどう書けばいいんだ?」

 

「戦闘時の事は白式の記録見てかけ。」

 

「どこまで書けばいいかわからないんだよな。」

 

「私もこうゆうのは初めてで、勝手がわからん。」

 

この手の報告書を書いたことの無い一夏と箒さんが苦戦している。

俺とラウラが一番すらすら書いてるか。

 

「こんなこと上手くなりたくなかった…。」

 

「まぁ、普通はそうよね。」

 

「お前達、口よりも手を動かせ。」

 

「はい。」

 

ちなみに俺はGEARに出す報告書もここで書いた。

後半は唸ってる一夏と箒さんに皆でアドバイスをすることになった。

 

「失礼するわ。」

 

一通り書類が書き終わり、皆で休憩していたらドアを開けながら一人の女性が入ってきた。

 

「え~と…どちら様で?」

 

一番ドアに近かった一夏が立ちあがり対応する。

あの顔は確か…。

 

「私はナターシャ・ファイルス。〈銀の福音〉の操縦者よ。君は?」

 

「俺は織斑一夏です。えーと、白式の操縦者です。」

 

やはり、昨日助けた福音の操縦者か。

 

「ふーん。なかなかいい顔してるじゃない。」

 

どこか品定めするような視線で見るファイルスさん。

 

「えっと…。」

 

なんと答えるか迷ってる一夏を抱きしめ頬にキスをするファイルスさん。

 

「昨日はありがとうね♪ホワイトナイト君♪」

 

何が起きたか解らず呆然とする一夏。

 

「それじゃあ君がもう一人の?」

 

こちらを見るファイルスさん。

 

「はい、天野星夜。電童の操縦者です。」

 

「あれは最初ロボットかと思ったわ。」

 

電童の感想を述べながる。

結構この人日本語うまいな。

 

「それは結構言われますね。」

 

「あなたも昨日はありがとう。ブルーファイター君。」

 

距離があったためかこちらには投げキッスですんだ。

 

「他の子達も迷惑かけたわね。バーイ。」

 

手を降りながら部屋を出ていくファイルスさん。

 

「一夏ぁ…貴様ぁ…。」

 

「一夏…モテモテだねぇ…。」

 

どす黒いオーラを纏いながら一夏のもとへ行く箒さんとシャル。

 

「ふっ2人とも…どうしたんだ?」

 

一夏が2人のオーラに気圧されていた。

 

「あれ?鈴は殴らないのか?」

 

「いいのよ、どうせあれは学習しないし。」

 

まぁ確かになぜ殺気を向けられたか理解してないだろうな。

 

「でも、私たちどうやって帰るんだろ?」

 

「行きに使ったバスは全て行ってしまったしな。」

 

「織斑先生も何もおっしゃりませんでしたけど。」

 

簪さんやラウラの言う通りだ帰る手段は気になるな。

 

「でも、もう少ししたら出発だから…。」

 

「まさか装備と一緒に帰るのか?」

 

あの大量の機材を運び込んだのは学園だ。

その機材やスタッフと一緒にでも帰るのだろうか。

 

「お前達、これから昼食だ。そのあとにここを出発する。荷物を纏めてから食堂に来い。忘れ物などするなよ。」

 

織斑先生が部屋に来て今後の予定を告げる。

 

「わかりました。」

 

それぞれ返事をする。

大体荷物は纏めてあったのですぐに昼食を皆でとった。

 

「では、お世話になりました。」

 

「はい、またご縁があればお願いいたしますね。」

 

旅館の方々に挨拶をし、出発する。

やはり帰りの手段は機材撤収用トラック等か。

 

「さて、3人毎に別れて乗り込め。すぐに出るぞ。」

 

織斑先生の指示に従い移動する。

大きいトラックだから後ろにも3人用の座席があるタイプだ。

 

「よし、一夏はこっちだ。」

 

「ちょっと箒、引っ張るなよ。」

 

「ほら、早く行こう。」

 

両サイドから挟んで箒さんとシャルが一夏を連行する。

 

「じゃあ星夜さんは私と…。」

 

「あんたは行き一緒だったんでしょ?簪に譲ってやりなさいよ。」

 

俺と乗ろうとしてたセシリアさんを横からきた鈴が妨害するように俺と簪さんの手をとりトラックへ向かう。

 

「ちょっとなぜ鈴さんまで!」

 

「オルコット、さっさと乗れ、ボーデヴィッヒ、布仏と一緒だ。」

 

鈴に抗議をしようとしたセシリアさんを織斑先生が止める。

織斑先生に言われたからにはセシリアさんも従わざるを得ない。

 

「かんちゃーん、りんりん頑張ってね~。」

 

本音さんは手を振りながら向こうのトラックへ乗る。

こちらもトラックへ乗り込む。

簪さん、俺、鈴の順番だ。

 

「何故に?」

 

「星夜、どうかしたの?」

 

「何で鈴までこっち?」

 

「あそこでグダグダしてたら確実に千冬さんの出席簿よ。」

 

「それはわかるけど鈴さんは織斑くん狙いじゃないの?」

 

鈴をジト目で見る簪さん。

 

「ほら、どうせ道中の大半を寝てる一夏と一緒に乗っても意味ないわよ。それなら変なハプニングを起こさなそうなこっちの方がいいでしょ?」

 

「あー…一夏なら寝ててもハプニング起こしそうだな。」

 

「なんとなくそれはわかる気がする…。」

 

「それにこの面子なら一番静かそうだし。」

 

軽く欠伸をする鈴。

 

「正直、寝てたいな。」

 

「そうだね。朝から重労働だったし。」

 

3人の意見が一致し、目を閉じて寝た。

しばらくして目を覚ますと学園の近くだった。

両手がそれぞれの手に握られていたがこの暖かさは嫌いじゃないな。

ただ、2人して俺の肩を枕にするのはさすがに恥ずかしいし、動けない…。

 

「2人ともそろそろ着くぞ~。」

 

2人に声をかけて起こす。

 

「んぅ…うん。」

 

「ふぅぅ……んん。」

 

2人が目を擦りながら起きる。

 

「う~ん。よく寝た。」

 

「ほんとにね。まさか到着するまで寝てるとは。」

 

「でも、やっと帰ってきたって感じがするね。」

 

トラックから降りてそれぞれの荷物を持つ。

 

「お前たちはこれで解散だ。好きにしていいぞ。明日の授業には遅れるなよ。」

 

織斑先生が他の教師達と一緒にトラックから大きな機材などを下ろしながこちらを見て言った。

 

「わかりました。お先に失礼します。」

 

織斑先生達に挨拶をしてそれぞれ寮の部屋に向かった。

 

「ただいま~。」

 

自分の部屋に戻る。

特に誰か居るわけでも無いがつい言ってしまう。

 

「さて、まずは軽く飲み物飲んでから片付けるか。」

 

冷蔵庫から飲み物を出してコップに注ぎ飲む。

そんなことしてると待機状態の電童からデータウェポン達が飛び出した。

 

「お前たちも、ありがとう。お疲れ様。」

 

それぞれのデータウェポンが喜ぶような仕草をする。

そのなかで中心に居る新入りを見る。

 

「これからよろしくな。輝刃。」

 

輝刃は軽く頭を下げ挨拶をしてきた。

これからどうなるかわからないが仲間達とこいつらが居ればこれからも平気だろう。

 

こうして短くも長い臨海学校は終わったのだった。




はい、今回はここまで。
タイトルのわりに帰り道はほぼ寝てる星夜たち。

輝刃の報告会は次回辺りかな?

ご意見やご感想はご自由にどうぞ。

────

楯「いや~簪ちゃん達無事に帰ってきて良かったわ~。」
虚「そうですね。またあのIS…凰牙と戦ったそうですが。」
楯「たった3日なのにすごく久しぶりな感じがするわね。」
虚「そう言われるとそう感じますね」
楯「さて、虚ちゃん。」
虚「あぁ、例の件ですか?」
楯「そう。準備は万端ね?」
虚「当然です。」

次回!IS戦士電童

第41話《夏休みに向けて》

楯・虚「「彼はどんな反応するかしら?」」
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