IS戦士電童   作:東風乃扇

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皆さんこんにちは。

東風乃扇です。

さて、説明回ですよ!説明回!
大して説明をしてないかも知れないけど。

第41話!のほほんと行くよ~。


第41話《夏休みに向けて》

色々あった臨海学校から帰ってきた翌日の放課後。

俺─天野星夜─は生徒会室の前に立っていた。

 

「楯無先輩…俺に何の用なんだろ?」

 

朝、楯無先輩から『放課後に生徒会室まで来るように♪』ってメールが来ていた。

とりあえずドアをノックする。

 

「楯無先輩、天野星夜です。」

 

するとすぐにドアが開かれる。

 

「よくお越しくださいました、天野くん。お入りください。」

 

「あっ虚先輩。こんにちは。」

 

虚先輩に招かれて部屋に入る。

 

「やぁ♪星夜くん♪」

 

「こんにちは、楯無先輩。」

 

生徒会長用の机に座った楯無先輩。

 

「今日はどう言ったご用件で?」

 

「うん。これはとても大事な案件よ。」

 

楯無先輩が真面目な顔でこちらを見る。

 

「大事な…案件。」

 

あまりのオーラに固唾を飲む。

 

「簪ちゃんの水着写真プリーズ!」

 

先輩の手にある扇子には《お色気満載》何を期待してるんだ。

 

「旋風!二連脚!!」

 

いきなりはっちゃけたので強めのツッコミを入れる。

 

「いたた…いきなり酷くない!?」

 

「どこが大事な案件ですか!?」

 

「私にとって簪ちゃんの水着は貴重なのよ!」

 

気がつけば扇子の文字は《重要文化財》絶対違う!

 

「コントはこの位にして本題に入りましょう。お茶も入りましたし。」

 

いつの間にかお茶とお菓子を用意していた虚先輩。

 

「まぁ虚先輩がいるから真面目な案件もありますよね?」

 

「星夜くんの中で私の信頼度低い?」

 

「そんなにショックなら日頃の行いを正したらどうですか?」

 

ショックを受ける仕草をする楯無先輩とそれに追撃をかける虚先輩。

 

「じゃあ、本当の案件に戻りましょうか。空気もほぐれた事だし。」

 

「はぁ…。」

 

とか言ってるけど簪さんの水着写真は絶対に本音だよな。

 

「さて、天野くんは今、生徒会で問題視している案件に関わりがあります。」

 

「俺が関わってる?」

 

襲撃されたりしてるからかな?

 

「星夜くんは知らない?本来IS学園の生徒は何かしらの部活動に参加しないといけないのよ。」

 

「しかし、天野くんと織斑くんは未所属ですね?」

 

「あっはい。俺も一夏も部活などには参加してないですね。」

 

そんな決まりがあったのか。

今まで色々あったのと何も言われなかったから気にしてなかった。

 

「で、その事に関していろんな部活から生徒会に苦情が来てるのよ。」

 

「ですが、天野くんに関しては今までの事を考えると部活動に参加するのは好ましくないと思われます。」

 

「アクシデント率高いですからね。」

 

「えぇ、GEAR関係もあって不特定多数の人間がいる大会とかに参加する部活動は特にね。」

 

「お二人がこう切り出したって事は何か対策が?」

 

「えぇ。簡単なものです。」

 

「君を…生徒会の会計補佐に任命する!」

 

そう宣言し、閉じた扇子を開く《会計補佐》の文字が。

 

「会計補佐…確か虚先輩が会計でしたよね?」

 

「えぇ。そうですよ。」

 

「まぁ所属といっても形だけみたいな物だから。気負う必要はないわよ。」

 

「しかし、それでいいんですか?他の部活動から反発されそうですけど。」

 

「まぁ色々言われるだろうけどそのあとの対策もあるわ。大丈夫よ。」

 

「天野くんはこれまで通りで結構ですよ。何かあればこちらから呼びますから。」

 

「わかりました。何か手伝えることがあればそのときは呼んでください。」

 

「では、早速。簪ちゃんの水着写真を!」

 

楯無先輩が笑いながらこちらを見る。

 

「最初の仕事は楯無先輩に簪さんの水着写真を要求されたと本人に報告することですね。」

 

「そんなことされたら私が簪ちゃんに嫌われちゃう!」

 

そんなこんなで自分の生徒会所属が決まったのだった。

 

──

 

そのあと、必要な書類の記入をしてから生徒会室をあとにした。

実際の所属の発表は夏休み明けらしい。

 

「あっ!星夜見つけた!」

 

「ん?鈴か。どうしたの?」

 

廊下を歩いてたら鈴がこっちにやって来た。

 

「ほら、明日休みでしょ?@クルーズで奢る約束したじゃない」

 

「あぁ。あの件ね。」

 

福音と戦った後の話ね。

 

「そ、あんたは予定大丈夫?私は平気なんだけど。」

 

「明日なら問題ないよ。セシリアさんや簪さんはどうだろう。」

 

「待った。あの2人の事だから『星夜と2人だけで行きたい』って言うわよ。ここで残りの2人も誘うのは一夏みたいな唐変木だけよ。」

 

確かに鈴の言う通りか。

 

「それに、私と先に行っておけば後の2人をしっかりエスコートできるでしょ?」

 

「なるほど。納得だ。」

 

さすがは鈴だ細かな所に気遣いがある。

 

「じゃあ明日でいいわね?」

 

「おう。朝から行くか?確かあそこって人気なんだろ?」

 

何回かネットなどで見たが結構行列できるみたいだし。

 

「そうね。せっかくだからそのあと買い物に付き合いなさいよ。」

 

美少女からのデートの誘いを断るのは野暮ってやつだな。

 

「OK。迷惑かけたのはこっちだからね。付き合うよ。」

 

「じゃあ、明日の朝9時出発よ。駅で待ち合わせね。」

 

「わかった。また明日な。」

 

約束して鈴と別れる。

 

──

 

翌日の朝。

待ち合わせ場所の駅で鈴を待っていた。

 

「よくよく考えたら周りの勘違いが加速しそうだな。」

 

まぁ今さらどうこうできるものでもないか。

 

「しかし、女性と2人で出掛けるって経験無いなぁ。」

 

入学直後のセシリアさんの時位か?あれもたまたま会っただけだし。

 

「お。ちゃんと先に来てるじゃない。感心感心。」

 

鈴が来た。

 

「先と言っても5分じゃ大した時間じゃないし。それにこの距離で遅刻するのは寝坊しかないだろ。」

 

「ま、それもそうか。」

 

「それじゃ行きますか。」

 

「えぇ。」

 

2人で並んで歩き始める。

 

──

 

「一夏、見たか。」

 

「あぁ。バッチリ。」

 

「鈴も中々やるねぇ。」

 

物陰から星夜と鈴の2人を見る影が3つ。

箒、一夏、シャルロットの3人だ。

 

「でもよ、確か奢るのって鈴だけじゃなかったよな?なんで鈴だけなんだ?皆で行けばいいのに。」

 

「はぁ、さすがは一夏だよ。」

 

「全くだ。」

 

「え?」

 

なぜ自分に向けて冷ややかな視線を送られるのかわからない一夏。

 

「まぁ、折角だし。星夜と鈴のデート、つけてみようよ。」

 

「やっぱり星夜と鈴はカップルじゃないか、臨海学校の時もあんなに否定してた癖に。」

 

「興味が無いと言えば嘘になるな。」

 

こうして尾行が開始された。

 

「今更だけど星夜と鈴が並んでると身長差すごいな。」

 

「確かにな。星夜は180近くあるようだし。」

 

「鈴は小柄だからね。『兄妹』って言われても不思議じゃないかも。」

 

2人にばれないようこっそりとついていきながら3人はそれぞれ思ったことを口にする。

 

──

 

「ここが@クルーズか…。」

 

「なに?初めて?」

 

「甘党でも無いと男はなかなか来ないと思う。」

 

「それもそうか。」

 

鈴と2人で店に入る。

店員に案内され、2人席に向かい合うように座る。

通りに面した窓際の席だ。

 

「さて、どれにしようかな~♪」

 

楽しそうにメニューを見る鈴。

 

「俺はこの『@クルーズパフェ』でも食べてみよう。」

 

俺はメニューの見てすぐに決める。

 

「即決ね。」

 

「初めてだからな。基本のやつを食べてみようって決めてたし。」

 

店の名前がついてるからこれが基本だろうし。

 

「ふ~ん。じゃあ、私はデラックスにしようかな。」

 

それぞれ注文が決まったので店員を呼び、注文する。

 

「しかし、結構男の客もいるんだな。」

 

「そうね。別に女性限定って訳でもないし。」

 

「内装とかももっと女性客を意識してるかと思ったけど。」

 

「むしろ男性受けの制服とか採用してるしね。」

 

「確かにな。鈴もあの制服似合うんじゃないか?」

 

「えっ?私が?」

 

「あぁ、普段から鈴って活発なイメージの動きやすさ重視の服だろ?ああいう可愛い系の衣装も良さそうだなって。」

 

「なっなに言ってるのよっ!あたしが似合うわけ無いでしょ!」

 

急に顔を赤くして否定する鈴。

 

「そうかな?」

 

ん~。とちょっと頭のなかでここの制服を着た鈴をイメージする。

悪くないな。

 

「いや、行ける。」

 

「どこが!?」

 

「だって鈴可愛いし。」

 

「だあぁ~変なこと言わないでよ。もうっ!」

 

顔が更に赤くなりそっぽを向く鈴。

そんな話をしてると注文したパフェが来た。

 

「デラックスというだけあってすごいな。」

 

色々とトッピングが山のようになっている。

所謂全部乗せってやつか。

 

「そうでしょ?でもなかなか手が出せなくてね~。」

 

「確かにな。4,000円越えてるのはなかなか難しいかも。」

 

「自分へのご褒美にしても高過ぎるわよね。」

 

値段もカロリーもな。

 

「なんか今、失礼なこと考えなかった?」

 

鈴が軽くこちらを睨む。

 

「はは、まさか。」

 

2人同時に手を合わせ。

 

「「いただきます。」」

 

──

 

「どうだ?」

 

「仲良くパフェ食べてるだけだな。」

 

「特に何も無さそうだね。」

 

星夜と鈴を見守る3人は向かいのカフェに入り様子を伺っていた。

 

「流石になんて話してるかわからないしね~。」

 

「あの2人が偶然窓際に座ったから見れているようなものだしな。」

 

「鈴があんだけ笑ってるのは久しぶりだな。」

 

「ん~。鈴ってもっと押すかと思ったけどそうでもないのかな?」

 

「ん?押すってなにをだ?シャル?」

 

「何でもないよ。」

 

──

 

「うん。うまいな。値段が高いだけの事はある。」

 

「でしょ?」

 

パフェを口に運びながら答える鈴。

 

「鈴、左の頬にクリームついてるぞ。」

 

「えっ?本当だ。」

 

頬についたクリームを取る鈴。

しかし、凄い量だな。

 

「鈴、それ食いきれるのか?」

 

「当然。」

 

「甘いものは別腹ってやつか。」

 

「なに?こっちのに興味あるの?」

 

「まぁ無い訳じゃないな。」

 

「こっちはクリームも2種類のハーフだからね…。よし。」

 

鈴がチョコクリーム側を大きくすくう。

 

「ほら、星夜、口をあける。」

 

「えっ?」

 

「一口あげるって言ってんのよ。」

 

「あ、あぁ…。」

 

鈴に言われるままに口をあける。

 

「それ♪」

 

口に甘いパフェが運ばれるがなんか味がわからなかった。

 

「どう?美味しい?」

 

「お、おう。なかなか濃いめのチョコだな。」

 

「もうあげないからね~♪」

 

楽しそうに残りを食べる鈴。

 

……って今のは間接キス…………。

 

「ごちそうさま!」

 

「ごっ、ごちそうさま。」

 

食べ終わったのでそのまま会計に向かった。

 

──

 

当然3人は鈴が星夜に食べさせているところを目撃した。

 

「なっ!」

 

「まさか!」

 

「ん?」

 

まさか鈴がこれほど自然に大胆な行動に出るとは思わなかったようで箒とシャルロットは驚きを隠せなかった。

 

「どうかしたのか?」

 

「いや、普通に考えてあれ、間接キスだよ?」

 

「そもそもあのような事恥ずかしくてできるか!」

 

「ああっ!そういえばそうだ!」

 

──

 

@クルーズを出て、近くの店でショッピングに向かう。

 

だが先ほどの出来事のせいか落ち着かない。

 

「星夜~。どしたの?」

 

「ん?あぁ、大丈夫だ。なんでもない。」

 

「ならいいけど。」

 

鈴はいたって冷静だ。

 

「本当は甘いのたくさん食べて気分悪いとか?」

 

「いや、だから大丈夫だって。」

 

「ふ~ん。じゃあ行くわよ!」

 

とりあえず鈴が満足するまで買い物した。

荷物持ちは大した事なくて良かった。

 

特に何事もなく終わると思ったんだが…。

 

「なぁ、鈴。」

 

「えぇ、星夜。」

 

「「確実につけて来てる。」」

 

後ろに一夏と箒さんとシャルがついてきている。

 

「どうする?」

 

「ん~。とりあえず捕まえて事情徴収かしら?」

 

「それが一番だな。」

 

電童から白式へレオを転送する。

 

「「「ぷぎゅっ!」」」

 

いきなり頭上から通常形態のレオが来るとは思わなかったのか3人纏めて捕まえた。

 

「で?目的は?」

 

「てか何時から見てた?」

 

鈴と2人で3人に詰め寄る。

 

「朝から…。」

 

「気になったので…。」

 

「ずっと見てました…。」

 

「「「ごめんなさい。」」」

 

3人が同時に頭を下げて謝る。

 

「どのファイナルアタックがいい?選ばしてやる。」

 

「せめてもの慈悲よ。一撃で消してあげる。」

 

殺気を込めて睨む。

 

「あっ!そうだ。星夜、鈴。今日は気を付けた方がいいよ?」

 

いきなりシャルが思い出したように言い出す。

 

「なにを?」

 

「実はさっきの写真をセシリアと簪に送ったんだけど──」

 

「まて、さっきの写真って何だ?」

 

すごく嫌な予感がする…。

 

「ほら、@クルーズで星夜が鈴に食べさせて貰ってる瞬間の写真なんだけど─」

 

マジか…。

 

「あっあれ!見てただけじゃなく写真撮って送った!?」

 

「うん。そしたら『すぐに向かう!』ってメールが…。」

 

ヤバい…。

目のハイライトが消えたセシリアさんと簪さんが来るとかヤバい。

ブルー・ティアーズで蜂の巣にされて、山嵐で消し炭も残らなそうだ。

 

「お前達…マジで覚えてろよ…?」

 

「星夜、それよりも早くここから逃げないと…。」

 

とりあえずこいつらの相手をしてると確実に見つかるな。

 

「星夜さあぁぁぁん!」

 

「星夜くうぅぅぅん!」

 

「あっ来た。」

 

すごい勢いで走ってくるセシリアさんと簪さん。

形勢逆転し、余裕そうなシャル。

 

「ほら!星夜!こっちよ!」

 

鈴に言われて走り出す。

…だが何かに足がとられて転ぶ。

 

「いたたた…。」

 

「いったい何が…。」

 

足元を見ると見慣れた赤い尻尾が。

 

「ドラゴン!?」

 

「あんたはどっちに味方してるのよ!?」

 

ドラゴンはこちらを申し訳なさそうに見る。

急いで起き上がり走り出す。

 

「ユニコーンとボアも怪しいわね。」

 

「確かにな。」

 

まさかのデータウェポンの反乱(?)だ 。

 

「あの2人に捕まったらどうなるかわからないわね。」

 

「普段の尋問どころじゃなさそうだ。」

 

次の瞬間、目の前にユニコーンとボアが召喚される。

 

「ちょっ!」

 

「やばっ!」

 

ファイヤーウォールが目の前に展開され、足を止めた瞬間、ボアが光を放つ。

クロックマネージャーだ。

気がつくとセシリアさんと簪さんに捕まっていた。

 

「予想外過ぎる。」

 

「何で星夜よりそっちが優先なのよ…。」

 

2人揃って黒いオーラを纏っている。

こちらは正座状態だ。

 

「で?」

 

「説明してくれるよね?星夜、鈴。」

 

怒りの余り簪さんが呼び捨てになってる。

 

「ほら、この前の迷惑のお詫びとして奢るって話だったよね?それで今日来たんだよ。」

 

「ほら、2人も星夜と2人でいきたいでしょ?だからあたしと先に行っておけば下見になるでしょ?」

 

俺と鈴で説明する。

 

「じゃあ、これは?」

 

「どうゆうことですの?」

 

2人は携帯の画面を見せてくる。

先ほどシャルが撮ったと言っていた写真だろう。

俺が鈴に食べさせて貰っている。

 

「ただのラブラブデートにしか見えませんけど?」

 

「しかも…間接キスだよね?」

 

「そっそれは…。」

 

「たまたま流れでなっただけで深い意味は…。」

 

2人は鈴を見る。

そしてなにかを言おうとした瞬間。

 

「はあぁぁ!」

 

ラウラが俺達の間に飛び込んできた。

 

「星夜!大丈夫か?」

 

「ラウラ!?」

 

「まさか星夜を襲うとは…。セシリア、簪お前達に星夜はやらせん!?」

 

何か勘違いしてないか?

まぁいいや、これは好機!

 

「ラウラ!その2人を頼む!俺は逃げる!」

 

「任せろ!」

 

即座に鈴と一緒に立上がり走り出す。

 

「ラウラさん!あなたには関係の無い事ですわよ!」

 

「そんなことは無い!今!星夜に頼まれたのだからな!」

 

よし、今度ラウラに何かお礼をしないと。

そんなことを考えながらその場から逃げ出した。

 

──

 

ちょっと離れた公園まで来た。

 

「ここまで来れば平気かな。」

 

「まさかずっとつけられてたなんて…。」

 

「全然気が付かなかったよ。」

 

「しかもあの瞬間を撮られてたなんて~。」

 

頭を抱えて悶える鈴。

 

「そうだ、鈴にひとつ聞きたいんだが…。」

 

「なっなに?」

 

顔を赤くしていた鈴がこちらを向く。

 

「何で俺なの?」

 

「きっ気づいてた?」

 

「まぁ、ここまでされちゃあね。」

 

一夏みたいな唐変木じゃないし。

 

「……内緒。」

 

顔を赤くしたままそっぽを向きながら答えた。

 

「内緒なら仕方ない。」

 

「別に今すぐ返事しろとは言わないからさ…覚えておいてよ。」

 

「了解。」

 

しばらく2人で公園のベンチに座ったまま空を見ていた。

 

「見つけた!」

 

「見つけましたわ!」

 

「待て!貴様らぁ!」

 

セシリアさんと簪さんにそれを追うラウラがやって来た。

 

「おおぅ!もう来たのか!?」

 

「結構やるわね。」

 

ベンチに座る俺達の前に立つセシリアさんと簪さん。

 

「すまない星夜。押さえきれなかった。」

 

「いや、大丈夫だよ。ありがとうラウラ。」

 

そう言いながらラウラを撫でる。

 

「ん。そうか、なら良かった。」

 

嬉しそうなラウラ。

なんか犬っぽいな。

 

「あっ星夜の隣は譲らないわよ?」

 

セシリアさんと簪さんを見ながら鈴が俺に引っ付く。

 

「「!?!?」」

 

セシリアさんと簪さんは

 

「折角だし宣戦布告しとくわね♪」

 

「なっ…ななな…。」

 

「鈴さんは織斑くん狙いだったんじゃ……。」

 

なんかいきなり宣戦布告したよ。

 

「ん?どうゆうことだ?」

 

宣戦布告の意味がわからず首をかしげるラウラ。

 

「ま、そう言うことだからよろしく。さぁ、帰りましょ。」

 

「そ、そうだな。」

 

「まっまさか…。いきなりこんな形でライバルが増えるとは…。」

 

「うぅ……ちょっと不利かも……。」

 

「だから何の話なのだ?」

 

こうしてドタバタな1日は終わった。

 

──

 

翌日。

 

GEARにて井上さんから報告会やると言われたので皆で集まった。

 

「今回はまだ謎の部分がありますがわかったことがいくつかありましたので報告させていただきます。」

 

もうないと思ってたGEARの報告会。

いつもの会議室に俺、一夏、箒さん、鈴、セシリアさん、簪さん、ラウラ、シャル、本音さん、そしてなぜか楯無さんまでいる。

GEAR側は渋谷社長とベガさんとアルテアさん。

 

「まず、今回は輝刃についてですが……」

 

目の前のスクリーンに映像が映し出される。

 

─────

 

『信頼出来る仲間が居る限り何度でも、立ち上がれる!』

 

『仲間が居るから!勇気は無限にわいてくる!』

 

『1人では出来なくても!』

 

『力を合わせれば!出来ないことはない!』

 

─────

 

ちくしょ~。これはもう終わったと思ってたのに。

まさかのセカンドシーズンかよ。

 

「今回、輝刃が誕生するきっかけとなったのは星夜くんと篠ノ之さんと織斑くんの『信頼』する仲間と共に立ち向かう『勇気』を生む心の繋がり…『友情』です。」

 

スクリーンに表示された『信頼』と『勇気』の文字がぶつかり『友情』とデカデカと表示される。

 

「お、俺と…。」

 

「わっ私と…。」

 

「「星夜で『友情』!?」」

 

驚きを隠せない一夏と箒さん。

 

「だからあのときユニコーンとレオが光輝いたのか。」

 

ラウラが納得する。

 

「えぇ、ユニコーンドリルとレオサークルが再び共鳴し、産み出したエネルギーで試作武装をデータウェポンとして昇華させたようですね。」

 

「元の武器が可変武器だったからいくつもの形態を持つのですか?」

 

シャルが質問をする。

 

「はい、試作武装が可変式だったので輝刃がそのように作り上げたようです。」

 

「輝刃が自分で作ったの?」

 

井上さんの説明を聞き、簪さんが言う。

 

「輝刃は自分の体を自らの意思で構築し、あの場に現れたのです。」

 

「それって星夜さんに聞いた3年程前のユニコーンの時と同じと言うことでしょうか?」

 

セシリアさんも同じように思っていたようだ。

まるで初めてユニコーンが俺の前に出てきた時みたいだな。

 

「そうですね。あの事例が最も近いと思われます。」

 

「そう言えば輝刃は特殊能力はないの?」

 

鈴が次に気になることを聞く。

 

「それが現在、それらしい能力が確認されておりません。」

 

「まだ完全に覚醒していない…と言うことかね?」

 

渋谷社長が聞き返す。

 

「その可能性があります。今後、何らかの感情に反応し、更なる能力が目覚めるかもしれません。」

 

なるほど、輝刃に特殊能力か…どんなのがつくかな?

 

「輝刃に関してはこのくらいですね。」

 

井上さんが仕切り直す。

 

「あの時のみ確認されたと言うフェニックスと凰牙のデータウェポン、ラゴウについてか?」

 

アルテアさんが聞く。

 

「はい、次はフェニックスについてですね。」

 

スクリーンに戦闘中の俺を映した映像が流れる。

 

「フェニックス…現在確認できたことは電童の中に残っていたデータに関してのみですが。」

 

スクリーンには予測のデータが表示される。

 

「このデータウェポンの特殊能力は無限のエネルギーを産み出すインフィニットレイヤーです。」

 

「無限のエネルギー…私の紅椿の絢爛舞踏と同じようなものか…。」

 

「でも、このフェニックスはどこから来て、どこへ消えたのかしら?今は居ないのでしょ?」

 

楯無先輩が言う。

 

「申し訳ありません。フェニックスに関してはほぼ特殊能力以外の事はわかっておりません。」

 

「じゃあ、どのような感情に反応したかもわからないのね?」

 

ベガさんが聞く。

 

「はい、すべてが不明です。予想としては電童のコアの中にいる可能性がありますね。」

 

「ふむ、フェニックスが完全に消えた可能性もあるのか…。」

 

渋谷社長が難しい顔をする。

 

「今の状態では断言出来ませんが…。」

 

フェニックス…あれはすごかったな…。

いつかまた会えるだろう。

そんな気がする。

 

「さて、最後に敵IS、凰牙とラゴウですね。」

 

スクリーンにはラゴウを装備した凰牙の映像と記録から予想されるステータスが表示される。

 

「パイロットの声は機械で合成してたみたいで性別もわからないけどやたらと好戦的だったわね。」

 

「そうだな、それにあいつが言う通りならあれもデータウェポンらしいし。」

 

「データウェポンって現在はGEARジャパンで作ったやつだけだよね?何で凰牙が持ってたんだろ?」

 

「確かに、前に見た資料では凰牙を作ったGEARチャイナでもデータウェポンは作れなかったのでは?」

 

鈴、俺、シャル、ラウラから意見が出る。

 

「データウェポンに関しては厳重な管理を行っているので漏洩の可能性は非常に低いのだが…。」

 

「もしくは偶然にも産まれたのか…。」

 

「ただ、わかることはデータウェポンの特性はしっかりと持ち合わせていたのでデータウェポン、もしくは非常に近い存在であるのは間違いないですね。」

 

「もともと分からないことの方が多いですしね。」

 

渋谷社長、アルテアさん、井上さん、ベガさんが意見を言う。

 

「敵に関しては組織も全く掴めていないのでなんとも言えませんが非常に高度な技術をもった組織であることは間違いありません。」

 

「星夜くん、織斑くん男性操縦者だけではなく、君たち専用機持ちも警戒しておいた方がいいだろう。」

 

「あなたたち夏休みは一度国に帰るでしょ?長時間の移動は非常に狙いやすいから特にね。」

 

アルテアさんとベガさんがこちらを見ながら強めに言う。

 

「はい。」

 

それぞれ返事をする。

 

「今日の所はここまでですね。お疲れ様でした。」

 

報告会は終わった。

 

──

 

「あっ星夜くん。少しいいかね?」

 

「あっ渋谷社長。どうかしましたか?」

 

報告会のあと、社員食堂で休憩していたら渋谷社長に声をかけられた。

一応GEARがらみだといけないので皆に断ってから席を立ち、離れる。

 

「うむ、夏休みなんだが8月の初旬に5日程予定を貰って平気だろうか?」

 

「はい、今のところ予定もありませんし。」

 

「そうか、知っているとは思うが欧州では〈イグニッションプラン〉という計画があり、それに関係した催物があってね。」

 

イグニッションプラン…セシリアさん、シャル、ラウラがそれに関わってたはず…。

 

「それに参加すればいいんですか?」

 

「あぁ、と言ってもそう難しく考えなくていいよ。沢山の国が一度に祭をやっているようなものだ。色々と見れて勉強にもなると思うよ。」

 

「そうなんですか?」

 

「うん、出店見たいのもあるし、沢山の人が集まってくるからね。イメージとしては車のモーターショーと自衛隊の総火演を混ぜてISに置き換える感じかな。」

 

「へぇ、それは楽しそうですね。ぜひ行きたいです。」

 

「チケットとかの手配はこちらでやっておくから。詳細はまた後日に。」

 

「お願いしますね。」

 

この感じだと欧州組の3人も参加するんだろうな。

折角だし内緒にして当日驚かしてみるか。

 

そんな考えをしながら席に戻る。

 

「どうかしたのか?」

 

「なにか問題か?」

 

一夏と箒さんが声をかけてきた。

 

「ん?大丈夫だよ。ただの予定の確認、夏休みが近いからね。」

 

「あぁ、なるほど。」

 

「夏休みよりその前の期末試験は大丈夫なの?特に一夏。」

 

鈴が一夏を指しながら言う。

 

「だ、大丈夫だって。皆に教えてもらってるしな。」

 

「一瞬声が上がってるわよ?なんならおねーさんが優しく手取り、足取り教えて上げましょうか?」

 

「座学でどう手取り足取り教える気?迷惑かけないで。」

 

お色気モードの楯無先輩が一夏を誘惑するような仕草をするが簪さんに突っ込まれる。

おい、一夏鼻下延びてる。

 

「ふむ、一夏はしっかりとみておいた方が良さそうだな。」

 

「そうだね。しっかりと教えないと駄目だね…。」

 

一夏の両隣の2人が黒いオーラを放ち始めていた。

一夏、強く生きろ。

 

「楯無先輩、あまり後輩をいじらないで下さい。」

 

「だって皆の反応が楽しくって♪」

 

先輩の扇子には《愉快痛快》…。

 

「で?星夜くんも勉強大丈夫?」

 

「しっかりとやってますから安心してください。」

 

赤点は無いはずだ。

 

「わからなかったら私に頼ってね♪」

 

楽しそうに笑う楯無先輩。

扇子は《課外授業♪》

 

「課外授業って、なんか違いません?」

 

「そうかしら?」

 

そんな他愛の無い会話をしながら休憩もそこそこに帰る俺達だった。




はい、今回はここまで。

凰鈴音!参戦!

これは大物です、セシリアと簪の明日はどうなる!?

ご意見、ご感想等お気軽にどうぞ!

────

セ「ついに恐れていた事態に…。」
簪「星夜くん、鈴さんとのデートしてたなんて…。」
セ「しかし!この学園に来て最初にデート(?)をしたのは私です!」
簪「うぅ、私2人で出掛けた事無い…。」
セ「まぁ、次がありますから。」
簪「もっと大胆に行かないとダメかな…?」
セ「大胆に…ですか。なるほど…。」
簪「セシリアさんに大胆にされたら私の勝ち目無いかも…。」

次回!IS戦士電童

第42話《期末試験》

セ・簪「鈴さんには負けない!!」
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