IS戦士電童   作:東風乃扇

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みなさんお元気ですか!
東風乃扇です!

久しぶりの投稿です。

もう年末ですね~みなさんはやり残したことはありませんか!?

真冬だけど夏の話です。
47話!レベルアップ!


第47話《それぞれの夏休み》

8月3日…欧州合同IS演習2日目に当たる今日だが昨日の襲撃事件の為、当然ながら残りの予定は全て中止となった。

俺─天野星夜─達は会場に一番近いGEARフランスのビルで一夜を過ごした。

何かあった際に守りやすい様にIS学園生で纏められている。

 

「ふあぁ~。昨日は大変だったな…ん?」

 

朝、起きるとベットに覚えの無い膨らみがある。

 

「なんだ?」

 

とりあえずめくってみる。

 

「んん…朝か…おはよう、星夜。」

 

「おはよう、なんでラウラが俺のベットで寝てるんだ?」

 

ラウラだった。

 

「もう忘れたのか?昨日はあんな襲撃があったばかりだ、星夜が襲われないよう私が護衛として一緒にいるのは当然だろう?」

 

「いや、気持ちはありがたいがそこまでする必要は無いんじゃないか?」

 

「むぅ、そうなのか?何時襲われるかわからないと言うのに…。」

 

「まぁ、心配してくれてありがとな。」

 

ラウラを撫でる。

 

「ふふ、悪くない…。」

 

ラウラ幸せそうだな~。

 

「さて、そろそろセシリアさんやシャルも起きるだろうし朝御飯にしようか?」

 

「あぁ、そうしよう。」

 

ガバッと起き上がるラウラ。

 

「ってなんで裸なんだよ!?」

 

「ん?」

 

キョトンとするラウラ。

 

「なにかおかしいか?」

 

「とりあえず隠して!パジャマとかは無いのか!?」

 

「あぁ、特に必要性を感じないからな、起きたらそのまま服を着ればいいだけだからな、余計な手間を省ける。」

 

「そ、そうか…。」

 

ラウラの中では正論なのかもしれないが…。

 

「星夜さんおはようござい…ま…す…。」

 

「星夜~おはよう。ラウラがこっちに来て…るよね。」

 

セシリアさんとシャルが部屋に入ってきた。

 

「お、おはよう…2人とも…。」

 

「おはよう、シャルロット、セシリア。」

 

シャルはこの状況が予想できていたのか苦笑しているだけだ。

 

「これは…一体どうゆう事でしょうか?」

 

「いや、起きたらラウラが居てね…?」

 

「星夜を守る為に近くに居ただけだぞ。」

 

「セシリア、ラウラは寝るときにパジャマを着ないのはいつもの事だよ。」

 

やっぱりか…。

 

「と、兎に角ラウラは服を着ようか。俺も着替えたいし…。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

そのままラウラがベットから出る。

俺は視界を自分の荷物の入った鞄に向ける。

 

「皆が居ると着替えられないのですが?」

 

「あぁ!そうですわね!申し訳ございません!」

 

「そ、そうだね!じゃあ食堂で待ってるからね!?ほら、ラウラの服はあっちの部屋でしょ!?行くよ!」

 

「あ、あぁそんなに手を引っ張らなくても平気だぞ?シャルロット…。」

 

バタバタと音を立てながら部屋から出ていった。

 

「まさかラウラがあんな格好で寝てるなんてな…。」

 

夜、寝る前にしっかりと鍵は掛けたはずなんだが…。

 

「まさか…ピッキングか何かで開けたのか…?」

 

ラウラはこれから大丈夫なのか不安を抱きながら着替えて食堂に向かうのだった。

 

──

 

4人でテーブルを囲みながら朝食。

 

「俺は今日、GEARが用意した飛行機で帰るらしいけど皆は?」

 

「僕はそのまま星夜に付いていけってさ。フランス政府としては噂の男性操縦者に何かあったときに責任を追及されたくないんだろうね。」

 

「私もだ、ドイツも同じ考えだな。元々合同演習の後は帰るだけだから問題は無いがな。」

 

「私もですわね。荷物も午前中にはこちらに着くと思いますわ。」

 

今回は事件の規模が大きかったからこちらにかかる負担は少ない様だ。

その代わり結構な量の書類を近日中に提出しなければならないが。

 

「しかし、あれに驚いたな。」

 

「まさか既存兵器を取り込むとはな。」

 

「どう見ても元の兵器や量産機の性能を超えてたよね。」

 

「あれは一体何でしたのでしょうか?」

 

全員で考えるが当然ながら答えが出るはずもなく。

 

「わからないことを気にするより解ることを気にするか。」

 

「どうしたの?ラウラ?」

 

ラウラの発言にシャルが反応する。

 

「星夜、昨日GEOSが使ったあの武装は何なのだ?」

 

「あぁ、あのデカイ電池だよね?映像を見せてもらったけど僕も気になるな~。」

 

「気にならないと言ったら嘘になりますわね。」

 

3人がこちらを見る。

 

「一応資料は貰ったけど、俺も昨日知ったから概要しか説明出来ないからね?」

 

3人は頷く。

 

「あれの名前はそのまんまだけど〈ハイパーデンドーデンチ〉略してHDDだね。」

 

待機状態の電童から仮想ディスプレイを展開し、資料を映す。

 

「電童やGEOSのバックパックにはこれを2本入れることが出来るんだ。電池をそのまま交換するから即座にエネルギーを回復することが出来る。」

 

「この電池はどれ程のエネルギーを蓄えているのだ?」

 

ラウラが仮想ディスプレイを見ながら聞いてくる。

 

「1本で通常のIS1機分はあるみたいだよ?」

 

「えぇ!?そんなにっ!?」

 

「常々電童が大量のエネルギーを使う技を多用されてると思いましたがこのような秘密があったとは。」

 

シャルは驚き、セシリアさんは納得したような顔をする。

 

「ただ、電池の交換でもシールドエネルギーは回復出来ないから要注意だね。」

 

「それだけでも充分だと思うよ。」

 

「一夏さんがこれを知ったら付けたがりそうですわね。」

 

「そうだな。瞬時加速と荷電粒子砲のエネルギー問題が一気に解決できる。ただ、あの白式が改造を受け入れるかの問題だな。」

 

「GEOSもこれを使ってるから強力なパワーアシストと長い稼働時間の両立が出来るんだ。」

 

「そっか~。昨日はミサイルみたいに発射してたけどバックパックの中に直接展開したら駄目なの?」

 

シャルが当然の疑問を口にする。

 

「バックパックの中に直接出そうとすると僅かな誤差も許されないからね。外から入れるしか無いんだよ。」

 

「なるほど、戦闘中は激しく動くしな、仮にバックパック内に直接展開し、失敗するとどうなるか計算はでているのか?」

 

「ただ内部機構が壊れるだけなら御の字、高確率で電池のエネルギーが暴発する。」

 

「それは非常に危険ですわね。」

 

「パイロットの俺も危ないし周囲にどれだけの被害がでるかも分からない。」

 

「それなら仕方無いね。」

 

「まぁ、電池に関してはこれくらいかな。現状は電童とGEOS専用の装備だし。」

 

「ありがとう、参考になる。」

 

「今度の訓練で一夏達の目の前でやってみようよ。きっと驚くよ。」

 

「その場合はしっかりとした連携が必要ですわね。」

 

そのまま皆でどう電池を交換するのか等を軽く話ながら朝食を食べた。

 

──

 

「吉良国さん、あとお願いします。」

 

「あぁ、任せてくれ、こう言うのは大人の仕事だ。」

 

「僕たちも乗せてもらってありがとうございます。」

 

「各国から頼まれてるのもあるけど、目的地は一緒なんだ、気にしなくていいよ。」

 

「世話になる。クラリッサ、後はたのむぞ。」

 

「はっ、隊長もお気をつけて。」

 

「チェルシー、屋敷をお願いするわね。」

 

「お任せください。」

 

空港まで来てくれた人たちと挨拶してから飛行機に乗り込む。

吉良国さん達一部のスタッフは今回の事件の後処理があるためしばらくはGEARフランスに居なければならない。

 

「やっぱりニュースでもデカデカと扱ってたな。」

 

「世界でもこれだけ規模の大きいIS関係の催物は少ないからな。」

 

「自然とどの国も目が向くよね。」

 

「そこを襲撃したのですから、次はどこの何が狙われるか予想が付きませんもの。」

 

今朝、テレビを付けたらどのチャンネルも昨日の襲撃に関するニュースをやっていた。

 

「トップクラスのセキュリティを持つはずのISを持っていかれている。どこも警戒するのは当然だろう。」

 

「一体どうやってセキュリティを解除したんだろう…。」

 

「スタッフ達もセキュリティを確認してから運び出しを始めたと言っていたのですが…。」

 

「高度なセキュリティを簡単に突破する方法か。」

 

昨日から何度か話になるISの強奪、これは自分もやられる可能性があるので深刻だ。

 

「一番簡単なのは内部協力者を作り、セキュリティを解除させるか、自分のデータを前もって登録させる事だな。」

 

「今回の展示前にサイレント・ゼフィルスのコアは初期化しております、その方法ですとイベント中にデータの登録をすることになりますわ。」

 

ラウラの仮定にセシリアさんが答える。

 

「ん~、そもそもセキュリティが無かったなんてのは無いしなぁ…。」

 

「それだっ!星夜!それだよ!」

 

俺の呟きにシャルが反応する。

 

「ど、どう言うことだ?シャルロット?」

 

「きっとその時はサイレント・ゼフィルスにセキュリティはなかったんだよ!」

 

「え?でもスタッフ達が全員しっかりと確認したと…。」

 

「星夜、セシリア、サイレント・ゼフィルスを奪った犯人はラゴウを連れていたんだよね?」

 

「あぁ、サイレント・ゼフィルスからラゴウが…そうか!ラゴウのウイルスか!?」

 

「そう!あのラゴウのウイルスならただのセキュリティシステム何て一瞬で壊せるんじゃないかな?」

 

「確かにそれなら頷けるな。」

 

シャルの予想に全員が頷く。

 

「しかし、そうなると防ぐ手段はあるのか?」

 

「具体的な解決策が思い浮かばない…。」

 

「出来ることは…自分の専用機を信頼できる人以外には触らせない位でしょうか?」

 

相手がデータウェポンだとこうもやりにくいとは…。

 

「こう言うのは専門の人に任せるしかないのか…。」

 

「個人で出来る事は少ないからな。セシリアが言ったように不用意に触らせなければ大丈夫だろう。」

 

「そうだね。そうだ、みんなは宿題終わった?」

 

シャルが暗くなってきた雰囲気を壊すため少し明るく聞いてくる。

 

「シャル、安心しろ日本に7月の間に終わらせたよ。本当は自由研究を今回のイベントで少しやろうとしてた位だがまぁ、念のためやっておいた予備の方を提出しよう。」

 

「私も一通り終わっているな。問題集等が少しだけ残っているが寝る前にやれば今日にも終わる程度だ。」

 

「私も宿題でしたら直ぐに終わらせましたわ。問題集に関しては見直しも終わっております。」

 

「よかった。皆終わってるなら心置きなく遊んだり出来るね。」

 

さすがにIS学園に入学するような奴が9月1日の朝まで宿題やることは無いだろう…銀河じゃないんだし。

 

「シャル的には一夏とデートしたいんだろ?」

 

「一夏さんの宿題が終わっていないようなら手伝って差し上げればその間は2人きりになれるのでは?」

 

「そ、そそそ、そんなことは無いからね!?」

 

俺とセシリアさんが言うとシャルは顔を真っ赤にして慌てる。

 

「実際、一夏の奴何ヵ所か解らない~って泣きついて来たから一度見てやったら?」

 

「そ、そうだね。困ってるなら助けて上げないとね?」

 

その日は空港に着いた後、学園に戻って織斑先生に簡単に報告と挨拶をした。

 

──

 

後日。

 

「鈴、おはよう。」

 

「おはよう、星夜。」

 

朝の走り込み中に鈴に会った。

 

「夏休みだってのにこんな朝早くからやらなくてもいいんじゃない?」

 

鈴がドリンクを差し出してくる。

 

「自分で決めた量のトレーニング位はしっかりやらないとな。サンキュ。」

 

ドリンクを受け取りつつ答える。

 

「一夏も少しは星夜を見習って欲しいわ。」

 

「やり方は人それぞれだろ。朝からどうした?何か俺に用があるんだろ?」

 

わざわざ来たのだから何かあるはず。

 

「ねえ、明日って予定ある?」

 

「明日ね…ちょっと待って。」

 

鈴に言われ、予定を確認する。

 

「特には無いな。」

 

「そ、そう。なら…。」

 

鈴は2枚のチケットを取り出す。

 

「これさ、一緒に…行かない?」

 

「えーと…。〈ウォーター・ワールド〉の入場無料券?」

 

確か今年出来たばかりの場所だったな。

 

「そ、たまたま2枚手に入ったから2人で行かない?」

 

つまり、プールデートのお誘い。

 

「あぁ、わかった。朝から行く感じでいいのかな?」

 

「うん、ありがと。9時に駅で待ち合わせね。」

 

約束をすると鈴は軽やかな足取りで歩いていった。

 

「さて、残りを片付けるか。」

 

残りのトレーニングメニューを片付けた。

 

──

 

翌日。

鈴と一緒にウォーターワールドに向かう。

 

「ここか結構デカイな。」

 

「そりゃあこの辺に作るんならレゾナンスからの客とか見込んでるんじゃない?」

 

それぞれ更衣室に向かい着替えて中へ。

おお、中も豪華だな~。

ビーチをイメージしたプールや海賊船?見たいなアスレチック的な物とかある。

 

「さて、どこから向かうか?」

 

「スライダーとかは順番待ちが面倒だし、最初は普通の奴でいいんじゃない?」

 

2人で話ながら準備運動してプールへ。

軽く泳いでいると。

 

『水上ペア障害物レース!参加受付は12時までです。参加ご希望の方はフロントまでお越しください。』

 

ん?なんかイベントやってるのか。

よく見ると近くの柱にポスターが貼ってある。

 

「今言ってたのはこれの事かしら?」

 

鈴も気づいたようで2人でポスターを見る。

 

「参加条件はペアで水着着用。」

 

「コース上の障害物を上手く避けて水に落ちずにゴールすればOK、落ちたらスタートからやり直し。」

 

「妨害有り。当然武器など持ち込み不可。」

 

「ペア旅行券等、豪華商品有ります。」

 

2人でポスターに書いてある事を声に出して読む。

 

「おっ!誰かと思えば星夜じゃねぇか!?」

 

後ろからやたらと元気な声が聞こえる。

 

「銀河…久しぶり、家族で来てるのか?」

 

「残念!北斗とエリスの3人だ!」

 

銀河が元気よくこちらの質問に答える。

 

「なぁ、星夜の隣にいるのは彼女か?」

 

銀河は鈴を指差して聞いてくる。

 

「あたしは凰鈴音、中国代表候補生。まだ彼女じゃないわよ?あたしの事は鈴ってよんでね。」

 

「へへっよろしくな鈴!俺は出雲銀河だ!所で星夜達はそれに出るのか?」

 

「これにか?」

 

「さっき俺とエリスでエントリーしてきだんだ!星夜がいるなら盛り上がると思ってよ!」

 

銀河とエリスのコンビか…。

エリスも昔は逆上がりも出来ない位だったけど銀河と張り合ってる内に出来るようになったんだよなぁ…。

 

「鈴、どうする?」

 

「ん~、別にどっちでも…。」

 

あまり乗り気では無いようだ。

 

「ちょっと銀河~!どこ行ってんのよっ!あら、星夜じゃない。」

 

鈴とどうするか話してると銀河を追いかけて赤髪の女の子…エリスがやって来た。

 

エリス・ウィラメット…彼女は小学生の頃にアメリカから転校してきた奴だ。

勝ち気で負けず嫌いな所があり、当時はよく銀河と喧嘩してたな。

祖父が日本人のクォーターでその人に日本語を習って居たそうだ。

余談だが銀河に惚れてる。

 

「おっエリス久しぶりだな。」

 

「久しぶり、元気みたいね。その娘は彼女?」

 

「それ、銀河と同じ事言ってるぞ。」

 

「あたしは鈴、凰鈴音。」

 

「私はエリス・ウィラメット、星夜とは小学生の頃からの付き合いよ。」

 

エリスと握手する鈴。

 

「折角だしよ、星夜達もあれ、参加しようぜ?」

 

「考えておくよ。」

 

「参加するなら最大の敵ね、絶対負けないから!行くわよ、銀河。」

 

「じゃあな!星夜後でな~!」

 

エリスが銀河を引っ張っていく。

 

「ペア旅行券貰ってもな。」

 

「こう言う奴のって大抵日程決まってるのよね…。」

 

2人で参加するか話していると。

 

「あら~!?そこにいるのは星夜くんじゃない~?」

 

「「え?」」

 

後ろから声を掛けてきたのは楯無先輩だった。

 

「なんで…楯無先輩がここに…?」

 

「私だけじゃないわよ~。簪ちゃ~ん、星夜くん見つけたわよ~。」

 

楯無先輩が声をあげる。

 

「えぇっ!?聞いてないよ!」

 

簪さんが驚きながらもこっちに来た。

本音さんと虚先輩も居る。

 

「ぐぬぬ…折角2人で来たのに…。」

 

鈴が小さい声で文句を言っていた。

 

「き、奇遇ですね~。」

 

この人の場合どこかで聞いてた可能性が否定できないが。

 

「ソウネーグウゼンヨー」

 

露骨な棒読み、知ってて来たな。

 

「お姉ちゃん!知ってて来たでしょ!?」

 

簪さんが楯無先輩に聞く。

 

「簪ちゃん、鈴ちゃんに星夜くんを独り占めされていいの?」

 

「そ、それは…。されたくないけど…。」

 

「ならいいじゃない。」

 

「じゃ、あたしたちはこれで…。」

 

鈴が俺の手を引いてこの場から離れようとする。

 

「ちょっと待ったあぁぁ!」

 

楯無先輩が鈴が引く逆の腕に絡み付くように引っ付く。

色々当たるからやめてくれっ!

絶対狙ってるけど!

 

「ねぇねぇ星夜くん、おねーさん達ともイイコトしましょうよ~♪」

 

「何言ってんの!?星夜はあたしと来てるの!離れなさいよ!」

 

負けじと鈴も身体全体を使い俺を引っ張る。

これ、男としては幸せだけどさぁ…。

 

「じゃあ、こうしましょ?あの障害物レースで決めない?」

 

楯無先輩はポスターを指差して続ける。

 

「鈴ちゃんと星夜くん、私と簪ちゃんで参加して、勝ったら私と簪ちゃんも混ぜてもらうわよ。」

 

「じゃあ、あたし達が勝ったら去ってくれるのね?」

 

「そう。分かりやいでしょ?」

 

「やってやろうじゃん。」

 

「早速受付に行かないとね~♪」

 

なんかトントン拍子で決まってく…。

 

「あまのんも大変だね~。」

 

「天野くん、頑張ってください。」

 

「はい、やれるだけやります。」

 

布仏姉妹の優しい言葉…。

受付に向かい、俺と鈴ペア、更識姉妹のペアでそれぞれエントリー。

 

「やるからには全力でやらないとな。」

 

「星夜、楯無先輩は絶対あんたに色仕掛けしてくるから気を付けなさいよ。」

 

「あの人ならやるな…。」

 

内容が内容なだけに転んだフリをして色々と押し当たりして来そうだ。

 

「やられたいな、とか思ってる?」

 

すごい表情でこちらを見る鈴。

 

「こんな大衆面前でやられたくない…。」

 

「つまり、物影ならOKって事よね!?」

 

いつのまにか隣に居る楯無先輩。

 

「お断りします。虚先輩、どうにかなりません?」

 

「お嬢様、あまりやり過ぎますとまた姉妹喧嘩になりますよ?」

 

「えっ?」

 

虚先輩に言われ、簪さんの方を見る楯無先輩。

 

「やっぱり…男の人は胸なのかな…。」

 

「大丈夫よ簪、あれとかが異常なだけよ、あたし達が普通だわ…。」

 

角のほうでいじける簪と鈴。

 

「簪ちゃん~!大丈夫よ!簪ちゃんはこれからだから!」

 

「戦う前から内部崩壊始まってますね。」

 

簪さんを励まそうとする楯無先輩。

 

「開始は13時30分からだからそれまでに昼飯食べておくかな。鈴、行こうぜ?」

 

「うん…そうね。」

 

鈴と一緒に昼飯を食べるため、フードコートに向かう。

 

「折角だから一緒に食べましょうよ~。」

 

「楯無先輩、引っ付かないで下さい。」

 

「当ててるのよ!これで反応しないなんて…まさか星夜くんってホ…」

 

「違います!」

 

後ろから引っ付いて胸を押し当てて来る楯無先輩を引き剥がす。

この人の水着、布面積が少ないからすごい柔らかいのが伝わってくるので理性に対するダメージがデカイ。

 

「星夜くんもおっきい方が良いのかな…。」

 

「ぐぅ……。あんなにはいらないけどやっぱりもう少し

……。」

 

鈴と簪さんが何か言ってる。

 

「楯無先輩、そう言うのは彼氏を作ってから存分にやってください!」

 

「ふふ…慌てる星夜くん見るの楽しい~。」

 

楯無先輩に弄られながらフードコートに向かい皆で飯を食べた。

 

──

 

『さぁ!遂にこれが決勝戦!激戦を勝ち残った選手達の入場です!』

 

司会の男が声をあげる。

周りの観客から歓声があがる。

この障害物レース、元々は下心丸出しの企画で水着の女性が動き回り色々と揺れるのを楽しみたいという企画だったらしい。

だが、予想に反して参加者に猛者が多く、純粋に水上番のSASUKEの様になっていた。

 

『まずはエントリーNo.4!パワー&ブレイン!並の罠ではこのふたりは止められない!出雲銀河&エリス・ウィラメットペア!』

 

スタートラインに銀河とエリスが並ぶ。

 

『次はエントリーNo.10!現代のくの一姉妹!?スピードはどのペアにも負けません!更識楯無&更識簪ペア!』

 

楯無先輩と簪さんが銀河達の隣に立つ。

 

『続いてエントリーNo.11!小細工無用!正面突破!勢いが一番あるのはこのペアだ!天野星夜&凰鈴音ペア!』

 

俺と鈴でスタートラインに立つ。

 

『最後はエントリーNo.18!テクニック!華麗な技で我々を魅了する!篠ノ之箒&シャルロット・デュノアペア!』

 

最後に入場したのは何故かここにいて参加していた箒さんとシャルだった。

予選の待ち時間に待機室で会ったので話を聞いたら…

 

シャルがここのチケットを購入して、一夏を誘ったら直前になって急用が出来たそうだ。

それだけならまだ良かったがよりにもよって一夏はそのチケットをシャルになにも言わずに箒さんに渡した。

渡された箒さんも一夏に誘われたと思ってきてみたら一夏の代わりという事実を知る。

 

人から貰った物を勝手に渡すとかどう言う神経してんだ?

普通は急用が出来た時点でシャルに連絡取れよ…。

電話が通じなくてもメールとかさ…。

どうせ箒さんにも「ここに行かないか?」とか言葉足らずだったのだろう。

 

「で、この商品を手に入れて一夏と2人で旅行に行きたい。と…。」

 

「そうだ。この勝負、負けられん!」

 

「皆には悪いけど、勝たせてもらうよ。」

 

この2人から発せられる気は怒りによるものか…。

 

「この面子だ、簡単には勝てないな。」

 

「あたしと星夜なら平気よ!」

 

「負ける気は当然ない、全力で行くぞ!」

 

『では!決勝戦!位置について…スタートォ!!』

 

スタートの合図と同時に全員が走り出さなかった。

 

『おっとぉ!!各ペア開始と同時に妨害だぁ!』

 

全員がそれぞれ自分の隣に居るペアに対して牽制をしたのだ。

 

「この面子じゃあこうなるよな!シャル!」

 

「誰か一人くらいはそのまま走ると思ったけど!」

 

「シャルロット!星夜を頼む!私は先に行く!」

 

蹴りをこちらに向かって放ったシャルと箒さん。

全員がやりあってる間に走り抜けようと箒さんは下がり、駆け出す。

 

『どのペアも相方を残し走り出した!』

 

足止めを目的としたファーストコンタクトはほんの数秒で終わり、エリス、簪さん、鈴、箒さんが全力で走り出す。

 

俺、銀河、シャル、楯無先輩はそれぞれ牽制しながら動く。

 

『前方、ダッシュ組は箒選手、簪選手、鈴音選手、エリス選手の順で動いています!しかし!ここの障害物は二人でないと抜けられない!どうするのか!!』

 

そう、本来はペアでの参加が前提で作られた障害物達だったが。

 

『おおっと!本当はそれぞれ支え合って渡る丸太橋を全員が軽やかに!丸太が沈む前に駆けていく!』

 

それはあくまで一般人の基準、専用機持ちは訓練の量が違う。

銀河とエリスに関しても並みではないためそれに食い付く。

一つ目の障害物は全員が苦もなくクリア。

 

『五つある障害物!その一つ目がまるで無かったかのように終わってしまった~!現在のトップは簪選手だ~!』

 

流石に多少の減速が合った中、全く速度を落とさずに更識姉妹が駆け抜ける。

 

「流石に速い!」

 

「私と簪ちゃんをなめないでよね!」

 

後続の先頭に立つ楯無先輩が速度を上げる。

 

『さて!第二の障害物!滝登り!勢い良く流れる滝!その中をロープに掴まり登っていきます!』

 

正面にはスロープ状の滝がある。

そこには5本のロープが下がっている。

水の勢いが登ろうとする人を押し返す。

更に水のせいでビニール製のロープも滑って登りにくい。

先行しているチームが苦戦しているうちに全員が追い付く。

 

「これは妨害の余裕がないな。」

 

しっかりとロープを握り、滝の中を少しずつ上がる。

 

「銀河!そのままそこで止まって!」

 

「えっ!ここでか!?」

 

「そう!そのまま!」

 

エリスが追い付いた銀河を先に登らせていたがまん中辺りで止める。

 

「なんかやるなら早くしろよなっ!」

 

「すぐに終わるわよっ!しっかりと掴まってなさいよ!」

 

エリスは距離をとり、助走をつけると思いっきり飛んだ。

 

『おっとぉ~!エリス選手は銀河選手を足場に上まで飛んだ!』

 

銀河をまん中で止まらせてその肩を足場に一気に上に飛んだエリス。

そのまま滝の上に上がり、銀河を引っ張り上げる。

 

「じゃ!お先に!」

 

「星夜~!あばよ!」

 

怪盗の如く捨て台詞を言い2人は走る。

 

「鈴!」

 

「物まねってのはシャクだけど!」

 

鈴と俺は即座に同じ作戦を決行。

鈴が俺を踏み台に一気に飛ぶ。

 

「くっ!あの作戦は我々では!」

 

「どっちが足場になっても安定はしないね。」

 

「まだ追い付けるわ!簪ちゃん!」

 

「うん、負けない!」

 

4人の声を後ろに三つ目の障害物を目指す。

 

『さぁ!早くも三つ目の障害物です!ヌルヌル一本橋!この橋はただ渡るだけなら簡単だが!当然他からの妨害があるから油断できない!』

 

長さ3m、幅5cmほどの板の上にはローションの様なものが撒かれており、良く滑る様になっていた。

橋の前では銀河が構えて待っていた。

 

「へへっ!ここで全員止めちまえば俺たちの優勝だぜ!」

 

「なら、すぐにお前を叩き落としてエリスも落とす!」

 

「覚悟しなさい!」

 

拳を握り、銀河に殴りかかる。

 

「当たるかよ!」

 

「甘い!」

 

一歩後ろに下がり、拳を避ける銀河。

直後に鈴がスライディングしながら足元を狙う。

 

「うわぁっと!?」

 

「落ちろっ!」

 

すぐに跳び跳ねて何とか避けた銀河をそのままプールへ落とす。

 

「残念だったな、銀河やり直しだ。」

 

「あたしと星夜に敵うわけ無いじゃない。」

 

「 すぐに追い付いてやるからな!」

 

スタートに向かう銀河を横目に鈴は一本橋を渡り始める。

 

「うぅ、ヌメヌメするぅ~…。」

 

「ゆっくり進めよ~。」

 

板が揺れないよう押さえる。

摺り足で確実に進んだ鈴。

 

「む、次が来たか…。」

 

俺が渡り始めようとすると後続が追い付いてきた。

 

「星夜!こっちに飛んで!あたしが引っ張る!」

 

「っ!わかった!頼むぞ!」

 

距離をとり、思いっきり助走をつけて飛ぶ。

伸ばした手を鈴が掴み、飛んできた勢いを殺さずに対岸から引っ張る。

 

「あんた重い!」

 

「背もあるし、筋肉ついてるからな!」

 

そのまま後続を引き離してエリスを追いかける。

 

『次は第四の障害!泥プールの中に隠された鍵を見つけ、2ヶ所にある鍵穴に同時に差しこみ開けなければならない!』

 

先には四つに分けられた道があり、上にはNo.が書かれている。

つまりはそれぞれ別々に泥プールが用意されてるのだろう。

 

「鍵をさがすだけね!」

 

「泥だから手の感触だけで探すのか。」

 

2人でしゃがみ、泥の中に手を入れて探る。

プールといっても小さい子が使うようなビニールプールみたいなものだ。

 

「いくらエリスが先に来て鍵を見つけても銀河が来なければ開けれないな。」

 

「他のやつらも近いから速攻で見つけるわよ。」

 

なかなか見つからない…。

 

「これか!」

 

「あった!」

 

2人で同時に鍵を見つけそれを掴み持ち上げる。

 

「うぇっ!?」

 

鈴が体勢を崩し、こちらに倒れてきた。

そのまま顔が泥に入る。

どうやら見つけた鍵が同じ物だったようだ。

探すのに夢中で同じ辺りを探していることに気がつけなかった。

 

「だ、大丈夫か!?」

 

「ぺっ!!大丈夫よ!とっとともう一つ見つけるわよ!」

 

顔全体が泥まみれの鈴に言われてすぐに探す。

 

「よし!あった。」

 

「これで行けるわね!」

 

2人で鍵を開け、扉を開ける。

 

『鈴選手、星夜選手!鍵を見つけて扉を開けた!これで3ペア目です!』

 

鍵探しに時間をかけてしまったらしい、前を見ると更識姉妹とシャル、箒ペアが最後の島で戦っている。

 

「最後の障害は強力な水鉄砲か…。」

 

「あのスイッチを押してる間は止まる見たいね。」

 

だからこそ、あそこで4人は戦ってるのだろう。

落ち着いてコースを見渡す。

最後の島から横に出た道を通って中央の島に行くんだよな。

中央の島はステージが組まれていて高い所にある。

天井から吊るされた飾りが多数。

 

「おい、鈴。」

 

「なに?星夜。」

 

「あそこにゴールが─」

 

「いや、流石にあそこまでは飛べないわよ。」

 

上を見上げながら鈴が俺の言葉を遮る。

 

「違う、天井から下がってる飾りがあるだろ?俺を飛び台にしてあれに掴まってターザンロープ見たいにいけないかな」

 

「なるほど、それは盲点だったわ。あの高さなら星夜に押し出してもらえば行けるわね。」

 

俺は肩に手の平を上にして置く、その手に鈴が乗る。

 

『おっとぉ!鈴選手が星夜選手に乗った!これは何をするのか!それをさせまいと追い付いてきた銀河選手が妨害しようとします!』

 

「行くぞ!鈴!」

 

「えぇ!」

 

「「はぁっ!」」

 

銀河が来る前に 腕を思いっきり伸ばし発射台の如く鈴を投げる。

鈴はそのまま腕を伸ばし近くの飾りを掴むとその勢いでターザンの如くゴールの島へ飛ぶ。

 

『まさかの大胆ショートカットォ!鈴選手そのままゴールまで飛び移れるかぁ!?』

 

鈴が島の縁に掴まる。

 

「よし!これで!」

 

鈴が声を上げる。

そのまま登ろうとした、次の瞬間。

島全体が揺れた。

 

「えっ!?」

 

「鈴っ!」

 

本来は想定されていない力が加わったせいか島が徐々に倒れてきたのだ。

鈴は手を離してしまいそのまま落ちる。

 

「きゃあぁぁっ!」

 

「うわぁぁ!!」

 

「逃げろぉ!」

 

バッシャーンッ!!と大きな物を水に叩きつけた音と大量の水飛沫。

 

『まさかの大ハプニングだぁ~!ゴールの崩壊に巻き込まれた選手は無事なのかぁっ!?』

 

「よっこいしょ!」

 

「危機一髪ね。」

 

俺と鈴はISを展開し、身を守った。

 

「しかし…これは無効試合かな?」

 

「そうね…。」

 

『おおっとぉ!あの2人はISを使って身を守ったようです!と、言うことは彼が噂の男性操縦者だったのかぁ!!』

 

司会の声が響く、まさかここでISを見れると思っていなかった人達が気がつくとこちらにカメラを向けていた。

 

「他の皆は無事みたいだな。」

 

「そうみたいね。」

 

ハイパーセンサーで参加してた皆の無事を確認する。

安全のためとは言え機体を展開したままなのは良くないので足場に近付いててから2人同時に解除する。

 

「これってさっきの勝負はどうなるんだ?」

 

「さぁ?もう疲れたから帰りたいけど。」

 

2人で話してるとスタッフが近付いてくる。

 

「あの~ちょっといいですか~?」

 

「あっ俺達のせいでステージ壊れた上にレースも台無しにしてすみません。」

 

俺が鈴に無茶な作戦を立案したせいでこのハプニングは起きたので何か言われるのなら俺だけで良いだろう。

 

「あっ、そうではなくて、お怪我はありませんか?」

 

「はい、大丈夫です。」

 

「あたしもです。」

 

「そうですか、少しお話をしたいので事務室に来ていただいてよろしいですか?」

 

「はい、わかりました。」

 

「まずは着替えね。」

 

 

当然の如く野次馬が大量に出たので自分の荷物をスタッフがスタッフ用の更衣室に持ってきてくれた。

着替えたあと、事務室に案内される。

簪さん達には時間がかかるからとメールを送っておいた。

 

「私がウォーターワールドのオーナーです。よろしく。」

 

机の向かいに座った男性がオーナーのようだ。

 

「天野星夜です、男性操縦者として今はGEARグループの所属になってます。」

 

「凰・鈴音、中国の国家代表候補生です。」

 

自己紹介をする。

とりあえず相手からは怒りとかは感じない。

 

「先程はすみませんでした。折角のイベントを台無しにしてしまって。」

 

「いえいえ、思っていたよりも盛り上がってこちらとしてはうれしい誤算ですよ。」

 

オーナーは笑う。

 

「そうですね、このままではお二人の立場に良くないのでしたら…一度ここのCMに出演してもらえませんか?専用機持ちの方に出演してもらえるだけでも話題性がありますからね。」

 

「そのくらいでしたら良いですよ。」

 

「まぁ、CMの出演位なら問題にはならないわね。」

 

そのあとはいくつかの確認をしてウォーターワールドを後にした。

 

「もう夕方か…何か食って帰るか?」

 

「そうね、星夜が奢ってくれる?」

 

「最後に無茶な作戦立案したのは俺だからな、奢らせてくれ。」

 

鈴と近くのバーガーショップで食ってから帰る。

そんな夏の日だった。




今回はここまで、夏休みネタまだ沢山あるのに…あと2話位使いそうな感じ…?

エリス初登場!原作だと運動ダメダメでしたけどもう高校生ですからね!
ちょっと盛ってあります。

この作品のエリスは銀河推しです。

では、また来年!みなさん!よいお年を!

────

エ「うーん…結構自信あったんだけどな。」
銀「なんだ?プールの話か?」
エ「そうよ。」
銀「いや~星夜だけじゃなくて他の奴らもすごかったよな!」
エ「プールはプールでも、そっちじゃないの。」
銀「はぁ?他に何かあったかよ?」
エ「あったのよ。銀河が気づいてないだけで。」
銀「それってなんだ?」
エ「秘密っ!!」
銀「なんだよ、それ。」

次回!IS戦士電童

第48話《花火》

エ(銀河の奴、ちっとも誉めてくれなかった…。)
銀「なんで不機嫌なんだよ!?」

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