IS戦士電童   作:東風乃扇

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お久しぶりです!
東風乃扇です。

3月中に上げようとか思ってたら気がつけば4月……。

次はもう少し早く上げるようにしたいですね。

では49話!開始します。


第49話《データウェポンの夏休み》

夏休みの終わりも迫ってきたある日。

 

俺─天野星夜─は自室にてアルバムの整理をしていた。

最近はデジカメの写真が主だからパソコンでフォルダ分けしてその中から気に入ってる物はプリントしてファイリングしてる。

 

「結構撮ったなぁ。」

 

デジカメだとフィルムの枚数とかの制限がほとんど無いから沢山撮ってるな。

まぁ、理由はソレだけじゃないんだが…。

 

「おーい、星夜居るか~?」

 

「一夏…人の部屋入るときはノックして了承得てからにした方が良いぞ。」

 

一夏が部屋に入ってきた。

 

「わ、わりぃ。」

 

「で?何か用事か?」

 

「ほら、施設の点検が昨日で終わって今日からアリーナが使えるから皆で模擬戦やらないかって誘いに来たんだよ。」

 

「あぁ、夏休みを利用して学園全体の施設点検してたから、ここ最近はろくにやってないもんな。いいぞ。片付けるから待っててくれ。」

 

「わかった。…星夜も色々写真撮ってるんだな。このアングルとかどうやって撮ったんだよ。」

 

一夏が机の上にある写真を見て言う。

 

「あぁ、元々写真はとる方だったが最近はデータウェポン達も撮るからな。俺の知らない写真まである。」

 

そう、データウェポン達は見聞きしたことを保存する事が出来る。

写真や動画を色々撮ってはパソコンのストレージに保存している。

 

「そうなのか。なんだこれ?シャルとラウラじゃないか。」

 

「あぁ、それか。この前2人で出掛けた時にバイパーとブルがついていったみたいでな。その時のだってさ。後で2人にわたそうかと思って。」

 

「へぇ、じゃあ俺の事も撮ってるのか?」

 

「幾つかあるから後で見せてやる。ほら、訓練やるんだろ?行こうぜ。」

 

「よし、今日は俺が勝つからな。」

 

「その言葉、そのまま返す。」

 

軽く片付け、部屋を出て一夏とアリーナへ向かう。

 

────

 

数日前、寮のとある部屋にて。

枕元の目覚ましが鳴り、手を伸ばして止める。

 

「ふあぁぁぁ…。」

 

大きな欠伸をしながらシャルロットは起きる。

夏休みだからと言って怠けたりせず、毎朝しっかり同じ時間に起きる。

 

「ん~…おはよう。ラウラ?」

 

いつものように隣のベットで寝ているであろうラウラに声をかけようとするが今日はラウラの様子がおかしかった。

 

「うぅ…あぅ…ぅ。」

 

「うなされてる?ラウラ大丈夫?」

 

苦悶に満ちたような表情のラウラ。

シャルロットは心配になり、ラウラに手を伸ばしながら声をかけようとする。

 

「うあぁぁーー!」

 

「うわぁっ!」

 

その瞬間、ラウラはベットに隠してあるナイフを取り出しながらシャルロットに跳びかかる。

寝転がっている状態から跳びかかられるとは思ってもいなかったシャルロットはそのまま床に倒れ込んだ。

ラウラはシャルロットの首筋目掛けてナイフを降りおろそうとする。

 

「ラ、ラウラっ!」

 

必死にラウラに呼び掛けるシャルロット。

ラウラの動きがピタリと止まる。

 

「えっ…?」

 

何が起きたのか一瞬理解出来ないシャルロットだったがすぐにその原因を見つけた。

 

「バ、バイパー…ありがとう。」

 

ラウラの後ろにはいつの間にか通常形態のバイパーウィップが居て尻尾を器用に使いナイフを握った右腕を止めていたのだった。

 

「う……?」

 

エイリアス体のブルホーンがラウラの右手にあるナイフを弾く。

ラウラも意識がハッキリとしてきたのかこの状況を理解しようとする。

 

「え~と、ラウラがうなされていたから起こそうと思ったんだけど…。」

 

「そ、そうか…。」

 

ラウラが落ち着いた事を確認したバイパーウィップはエイリアス体になる。

 

「そろそろどいて貰えるかな?」

 

「す、すまない。」

 

シャルロットに言われて思い出したようにラウラはシャルロットの上から退く。

 

「いいよ、気にしてないから…何か怖い夢でも見てたの?」

 

「助かる。そうみたいだ。バイパーとブルもすまない。」

 

バイパーウィップとブルホーンは「気にするな」と言うような仕草をする。

 

「ところでさ、ラウラ。」

 

「ん?なんだ?シャルロット。」

 

「パジャマ…着ないの?」

 

「着る服も無いし必要も無い。」

 

この問答は初めてでは無いし、回答も変わらない。

シャルロットはどうすればいいか考えているが答えがなかなか出ない。

 

「寝汗がすごいな…シャワーを浴びてくる。」

 

「僕も変な汗かいたから浴びよう…。」

 

「一緒にか?」

 

「ラ、ラウラの後でだよ!」

 

「冗談だ。」

 

ラウラの冗談という珍しい物にポカンとするシャルロット。

その間にラウラはシャワー室の扉を閉めた。

 

(まさかラウラが冗談を言うなんて…それよりパジャマどうしよう…。また星夜の部屋とか潜り込んだら大変な事になりそうだし…。)

 

シャルロットはこの間ラウラが星夜のベットに潜り込んだことを思い出す。

 

「どうすればいいかな?ブル?バイパー?」

 

何となく隣にいるブルホーンとバイパーウィップに聞くも首を横に振られててしまうシャルロットだった。

 

──

 

「買い物?」

 

「うん、もう少しで夏休みも終わるし、その前に纏まった買い物をしたいなって。」

 

朝食を取りながらシャルロットはラウラに提案した。

 

「ほう、新学期に向けた装備の新調か…悪くない。」

 

「そうでしょ?特にラウラは秋に向けた私服も無いでしょ?」

 

「確かに、以前皆に選んで貰ったのは夏用の薄い布地の物しか無いからな。幾つか長袖の物を揃えておくか。日本の季節は急に替わると聞いているからな。」

 

「そうそう。じゃあご飯食べたら行こうか?」

 

「あぁ、そうだな。他の皆には声をかけてみるか?」

 

「うん。食べ終わったら連絡してみよう?」

 

「ところでシャルロット、ひとついいか?」

 

「ん?何かな?」

 

「それはなんだ?」

 

「それ?」

 

シャルロットはラウラの指差しているものが何か理解できなかった。

 

「そのフォークとマカロニだ。わざわざ刺さずに通しているのは何か意味があるのだろう?」

 

「え?あぁ、これね。」

 

シャルロットは無意識の内にフォークの先端にマカロニを通して食べていたのだ。

 

「ん~…癖かな?何となく通しちゃうんだよね。」

 

「ん?つまり、理由は無いのか?」

 

「そ、そうなんだ。ラウラもやってみたら?意外と難しいよ。」

 

「試してみるか。」

 

ラウラも自分の皿の上に乗るマカロニをフォークに通そうとする。

 

「む、く、なるほど。一、二本なら簡単だが全部の先端に通すのは難しいな…くぅ。」

 

シャルロットはそんなラウラを見て昔飼っていた猫を見ているような気持ちになった。

 

「やっと出来た。」

 

「ね?難しいでしょ?」

 

やっとすべての先端にマカロニを通して満足したラウラ。

二人は談笑しつつ食事をとるのだった。

 

──

 

食事が終わり、二人は皆に電話をして予定を聞いていた。

 

「─あぁ。わかった。邪魔をした。」

 

携帯を操作し、通話を終了する。

 

「ラウラ、どうだった?」

 

「あぁ、星夜は何でも今日、撮影があるそうだ。鈴も一緒らしい。簪は家族の予定だそうだ。」

 

「あ、星夜と鈴はこの前のプールかな…。」

 

「シャルロット、そちらの方はどうだ?」

 

「こっちもセシリアと箒はすでに出掛けてる見たい、一夏は反応なし。」

 

「友人の呼び掛けを無視するとは…ひどいやつだな。」

 

「一夏も色々と大変なんだよ、きっと。二人で行こうか。」

 

「あぁ、そうしよう。」

 

二人は準備をして、寮を出る。

バイパーウィップとブルホーンはそれぞれの携帯の中に入る。

 

「今日は洋服を見てお昼を食べてから日用雑貨を見ようと思うんだけどどうかな?」

 

「任せる。私はそう言ったことに疎いからな。」

 

「わかったよ。」

 

シャルロットは今日の流れを頭のなかで描きながら歩く。

こういった時に非常に便利な大型ショッピングモールのレゾナンスに向かう。

 

「えっと…1階で秋物先取りフェアをやってるね。」

 

「まだ夏だと言うのに気が早いものだな。」

 

ラウラは思っていたよりも大々的に秋に向けた物が大量に置かれたコーナーを見て驚く。

 

「さ、沢山あるから色々試してみよう!」

 

「あ、あぁ。わかってるからそんなに押さないでくれ、シャルロット。」

 

シャルロットに押され歩くラウラ。

 

「いらっしゃいませ。本日はどのようなものをお探しですか?」

 

2人でいくつか服を見比べていると近くにいた店員が声をかけてきた。

 

「今日は秋物を見に来たんですけど、おすすめはどれですか?」

 

「はい、今年の流行色が──でして──」

 

「なるほど。あとは──」

 

シャルロットと店員が話している横でラウラも様々な商品に目を通していく。

 

(むぅ、夏服に比べて布地は多いがどれも武器を隠すには不適切だな。もう少し膨らみがバレにくい物があれば─)

 

いつもの様に軍事的な倫理に基づいた服選びをするラウラ。

 

(─でも、確かクラリッサは……)

 

『おおっ!隊長の私服、素晴らしいですね!』

 

『こ、これか…?友人達が選んでくれた奴だ…。』

 

『あぁ、隊長のかわいらしい姿…。良いセンスです!』

 

(皆、誉めてくれたな…。)

 

夏休みに基地に戻ったときに着ていた服を皆が可愛い、似合っていると誉めてくれたのを思い出す。

 

(あれは気分が良かったな…どんなのを選べば誉めてもらえるんだ…?)

 

「ラウラ、どうしたの?気になるのあった?」

 

「あ、シャルロット…。」

 

考え込んでるとシャルロットが声をかけてくる。

 

「いや、どんなのが可愛いのかわからなくてな…?」

 

「可愛いの!?わかった!僕に任せて!」

 

目を輝かせて店員とラウラに合う服を選び始めるシャルロット。

 

「はい!これっ!さっそく試着してみて!」

 

「ああ…わかった。ありがとう。」

 

すぐに5、6着の服をラウラに渡し、試着室にラウラを押し込む。

 

(シャルロットがあんなに強引に来るとは…。)

 

渡された服の中からひとつを選んで着替える。

 

「どうだ?変では無いか?」

 

「うん!いいねっ!」

 

「はいっ!お客様にぴったりです!」

 

ラウラが試着室出るとシャルロットと店員は妙に高いテンションで答えた。

 

「そ、そうか。わかった。残りも試してみよう。」

 

「うん!わからなかったら言ってね?」

 

そのまま暫くの間、ラウラは一人ファッションショーの様にシャルロットが選んだ服を試着し続ける事になった。

 

──

 

服いくつかを選び、買ってから二人で昼食へ。

 

「しかし、最後の方はすごかったな。」

 

「そうだね。周りの人達が集まって来て写真まで撮ってたしね。」

 

それぞれ注文した料理を食べながら話す。

 

「午後はどうする?」

 

「生活雑貨を見て回りたいな。腕時計がほしくてね。」

 

「腕時計?」

 

「うん、日本製の腕時計ってちょっと憧れがあってさ。ラウラはそう言うの無いの?」

 

「うーん……日本製か…日本刀だな。」

 

ラウラが考えて出した答えがこれではシャルロットは少し不安になった。

 

「もっと…こうさ。日常的な物は?」

 

「特に無いな。困っている訳でもない。」

 

「そ、そう。」

 

ラウラにはもう少し常識的な女の子の発想が出来るようになってほしいと思うシャルロットだった。

 

「ん?何やら外が騒がしいな。」

 

「そうだね?何かあったのかな?」

 

2人は食事を終え、店を出ると周りの雰囲気が変わっている事に気づく。

 

「あっちか?」

 

「みたいだね。行ってみよう!」

 

少し歩くとそこには沢山の人が集まっていた。

 

「すみません、これは一体…?」

 

「この先にある店に強盗だって。なんでも銃を持ってるらしいからこれ以上は近づけないよ。」

 

シャルロットが近くの人に訪ねると驚く情報が入って来た。

 

「ふむ、この国で銃を入手するのは容易ではないはずだ。米軍の横流し辺りか?」

 

「確かに、日本じゃ銃を持ってる人が居ても猟銃位の筈だし…ってそうじゃなくて。」

 

「わかっている。本来なら我々が関わる状況では無いがな。」

 

「なにか出来ないかな…。」

 

──

 

本来なら沢山の客で賑わっているはずの店内は静まりかえっていた。

なぜならいきなり銃を持った男達が表れてこの店に立て籠ったからだ。

 

「よし、これで全員か?」

 

「へい、倉庫の中まで確認しました。ここに集めた奴等で全員です。」

 

「ちっ!こんな所で見つかるなんてついてねぇぜ。」

 

「人質が居るんだ。簡単には手を出してこないはずだ。」

 

客を含め、30人近い人を一ヶ所に集め、店にあったガムテープ等で目隠しと手足を拘束していた。

 

『速やかに人質を解放し、投降しろ!』

 

外から警察が拡声器を使い呼び掛けてくる。

 

「囲まれたか…。だがこのままでは終わらんぞ…。」

 

リーダー格の男が呟きながらドアに寄る。

 

「警察に告げる!人質を解放して欲しければ逃走用の車を用意しろ!勿論発信器なんか付けんじゃねぇぞ!返事は拡声器じゃなく、ガキを1人だけこっちに寄越せ!それ以外の奴が来たら問答無用で撃つぞっ!」

 

男は警察に向かって叫ぶと狙撃されないようすぐに建物の中に戻る。

 

「こんなことになるなんて…。」

 

店から距離を取り、強盗犯達を刺激しないようにしていた警官の1人が呟く。

 

「下手に動くとこちらが撃たれる…。こちらに向かっているヘリも一端待機させろ、ヘリの音で刺激したくない。」

 

現場の指揮をとっている男が頭を抱える。

 

「了解しました。そのように。先程の要求についてはどうしましょう?」

 

「子供を1人か…。危険すぎる。人質を増やすだけだ。」

 

すでに大勢の人質が居るとは言え、子供を送り込むなんてことはあまりにも危険すぎる。

人命を最優先する日本の警察ではこの要求を無視する事も飲む事も出来ない。

 

「なら、その役目は私がやろう。」

 

突然1人の小柄な異国の少女が立っていた。

片目を眼帯で隠した銀髪のきれいな少女─ラウラだ。

 

「き、君は何者だ?ここは危ない、帰りなさい。」

 

極めて冷静に警察は対応しようとする。

 

「私はこう言う者だ。」

 

ラウラは懐からパスケースを取り出す。

 

「そ、それは……。」

 

「専用機所有者……。」

 

それは専用機持ちであることを証明するパスだった。

このパスは貴重なISコアを与えるに相応しい人間だと所属国家及びIS委員会が認めている証である。

何らかの非常事態の際、便宜を図るためのものだ。

 

「さっきの奴の要求は聞こえていた。私なら問題なく近づける。当然ISもあるから速やかに鎮圧出来る。」

 

「しかし、犯人が複数人で人質が何処に居るかもわかりません。」

 

「大丈夫だ。人質の場所はもう特定している。フロア中央に集めて拘束している。犯人グループは3人、 全員が銃を持っているが同時に対処できるから問題ない。」

 

「一体どうやって…。」

 

あまりにも出来すぎているのでつい呟いてしまった。

 

「私には頼りになる仲間が居るのでな。」

 

そう言うとラウラは犯人が立て籠るレストランに歩いて行く。

 

「い、いいんですか?」

 

部下が聞いてくる。

 

「今の我々では何もできん。だがすぐ動ける様にしておけ。」

 

──

 

「リーダー!ガキが1人でこっちに来ますっ!」

 

「なに?本当か?」

 

その言葉を聞き、外を見ると確かに1人だけで近づいて来ていた。

 

「本当だな…。」

 

「どうします?」

 

「とりあえず中に入れろ。話を聞いてやる。」

 

ラウラが入口に近づいてきたタイミングでドアを開けて中に入れる。

 

「外国人のようだが…警察はなんだって?」

 

「交渉するつもりはない、とっとと人質を解放しろ。」

 

ラウラは言葉を言い終わると同時に目の前の1人を蹴り飛ばす。

 

「ガハッ!!?」

 

「なっ!?」

 

「ガキが調子に乗るよ!」

 

残りの2人が銃を構える。

 

「そんな狙いで当たる物か。」

 

ラウラは生身でその銃弾を避ける。

 

「なっなにぃ!?」

 

「素人が銃を片手で撃って当てれるものか。ブレブレだぞ。」

 

驚く相手を笑って見据えるラウラ。

 

「なら!こっちを撃つぞ!動くんじゃねぇっ!」

 

人質に向け、銃を向ける男達。

ガムテープで目と口は塞がれているが耳はそのままだったので人質達がビクッと反応する。

 

「終わりだ。」

 

ラウラが指を鳴らすとこっそりとエイリアス体で男達の足元に移動していたブルホーンとバイパーウィップが手元に襲いかかり銃を落とさせる。

 

「え…?」

 

「甘い。」

 

何が起きたか理解しない内にラウラによって速やかに気絶させられる犯人達。

 

「バイパー、警察が来るまでそいつらを頼むぞ。」

 

ラウラに言われ、通常形態になり犯人達を纏めて締め付けるバイパー。

 

「ぐっ…だがこのまま捕まる物かよ…。」

 

何とか意識を持ち直したリーダー各の男が言う。

 

「ほぉ、もう持ち直したか。お前達がここに来る前に置いてきた爆弾なら先程処理したぞ。」

 

ラウラは犯人に見向きもせず人質になっていた人達の拘束を解きながら告げる。

 

「な、なに…?」

 

「最近は爆発事件を起こしその隙に近くの宝石店など金になるのもを盗んでいく窃盗団が居ると聞いていた。お前達がそれだろう?」

 

「そ、そんな……。」

 

がっくりと項垂れるリーダー各の男。

 

「ふん、しっかりと反省し、更正することだな。」

 

拘束が解けた人から順番に外に出ていき替わるように警察が中に入ってくる。

 

「よし、ここはこれで終わりか。後は任せるぞ。」

 

「ご協力、感謝します。」

 

現場で指揮を取っていた警官がラウラに声をかける。

 

「あと、何人か私と来てくれないか?こいつらが仕掛けた爆弾がある。起爆装置は無効にしているが念のためしっかりと処理してくれ。」

 

「えぇっ!?爆弾っ!?」

 

涼しい顔で物騒な事を言うラウラに驚く警官達。

 

「私の仲間が確保している。そっちも専用機持ちだ。安心してくれ。」

 

「わ、わかりました。おいっ!誰か本部に爆発物処理班を要請してくれ!私は先に現地に向かう!」

 

「は、はいっ!」

 

バイパーウィップとブルホーンを連れ、歩いて行くラウラ。

警官は後ろを着いていくのであった。

 

──

 

「ラウラ~!こっちこっち。」

 

「あぁ、シャルロット待たせた。」

 

「えっと…もしかして…貴方が……。」

 

人が余り来ない裏路地のような所で待っていたシャルロットの所に着く。

シャルロットの周りにはエイリアス体のレオサークルとドラゴンフレアが居る。

 

「はい、フランスの代表候補生のシャルロット・デュノアです。」

 

礼儀正しく挨拶をしながらパスを見せるシャルロット。

 

「確認しました。で、こちらがその爆弾ですか?」

 

警官は足元にあるバックを確認する。

 

「はい。起爆装置は壊したので、もう大丈夫ですが残りの処理をお願いします。」

 

「私たちはこれで失礼する。報告書等は後程そちらの警察署に送っておく。」

 

「はいっ!ご協力感謝します。」

 

2人はそのまま爆弾を任せてその場を歩いて行く。

 

「でも、ラウラはよく近くに爆弾があるかもって解ったね。」

 

シャルロットは歩きながらラウラに訪ねる。

 

「ここ数ヶ月そう言った事件が多発しているとニュースでやっていたからな。それに…。」

 

「それに?」

 

「あの辺りで人質をとって立て籠る理由が無い。ならば本来は別の目的で来ていて偶然にも警察に見つかって立て籠ったと見るのが普通だろう。」

 

「なるほど。じゃああの犯人達は…。」

 

「火が燃え広がり易い所のに爆弾を置きに来ただけだったのだろう。その後、違う場所で起爆しそこに注目が集まっている間に盗んでいく予定だったんではないか?」

 

「そっか。レオとドラゴンもありがとね。」

 

シャルロットの言葉に反応し、レオサークルとドラゴンフレアはうなずいた。

 

「爆弾を速やかに処理するならやはりドラゴンが一番だな。」

 

「レオで探してドラゴンで爆破装置の無効化。これなら時限式の爆弾は問題ないね。」

 

「さて、少し時間を取られたがまだ余裕はあるな。次はどうする?」

 

気持ちを切り替えて休みモードに入るラウラ。

 

「そうだね。とりあえず雑貨を見て回ろう。」

 

このまま暫く2人はショッピングを楽しんだ。

 

──

 

ショッピングが終わり、近くの公園でベンチに座る2人。

 

「沢山買えたね~。」

 

「あぁ、非常に有意義な時間だった。ありがとうシャルロット。」

 

「急にどうしたの?」

 

シャルロットとしては礼を言われる様なことをしたつもりが無いのでラウラに訪ねる。

 

「いや、私1人では『普通の』買い物と言うものをする事はできなかったと思ってな。」

 

「ふふっ大丈夫だよ。だってラウラは自分から『可愛い物』を探してじゃないか。」

 

「だが、探していただけで見つけられなかったし、判断もできなかった。」

 

「その時には店員さんに聞けば良いんだよ。今日も一緒に探してくれたでしょ?」

 

「な、なるほど…。」

 

「そ、『普通』に正解はあるようで無いからね。」

 

ニッコリと笑いながらラウラを見るシャルロット。

 

「なかなか難しいな。」

 

2人は笑顔で帰りの道を歩く。

 

──

 

別のある日。

夏休みなのでいつもより遅めにセットしたアラームが鳴る前に何かに小突かれ目が覚める一夏。

 

「んぁ……。なんだ輝刃か…。」

 

エイリアス体の輝刃が一夏を小突いていた。

 

「いてて!わかった。起きるから!」

 

起き上がる一夏。

 

「どうしたんだよ?何もないからたまにはゆっくり寝てても良いじゃないか。」

 

文句を言いながらも起きて着替える一夏。

あとアラームの設定も直しておく。

 

「ん?メール?」

 

一夏が携帯を見ると着信が一件。

 

「箒からか…。」

 

20分ほど前に送られて来ていたメールで内容は『暇なら剣の稽古に付き合え』と言うものだった。

 

「そっかだから輝刃は起こしたのか。」

 

輝刃がなぜ自分を起こしたのか理解し、準備をしてから道場に向かうのだった。

 

「恐らく寝ていて来ないと思ったのだがな。」

 

「輝刃が起こしてくれなきゃそのまま寝てたな。」

 

箒はきっと寝ていて参加しないと思っていた剣の自主練に一夏が来て驚きを隠せない様子だった。

 

「輝刃が?そうなのか。そのだらしない生活態度も直してもらえばどうだ?」

 

「あれ?てっきり箒が輝刃に言って俺を起こさせたのかと思ったんだけど。」

 

「いや、特に頼んではいない。」

 

一夏は箒が輝刃を使って自分を起こしたと思ったが違ったらしい。

 

「輝刃もお前に強くなれ、と言いたいのではないか?星夜は毎朝走っているぞ。」

 

「ぐ、それを言われるとぐうの音も出ない…。」

 

何かと比べられるのは2人しかいない男性だからだろう。

比べられる以上少しでも上にいたいと思うのは思うのだがここ数年は録に運動もしてなかった一夏は簡単に勝てるとは思っていない。

放課後はしっかりとISを使った訓練等もやってるしだらけてるつもりは無い。

ただ、疲れからか朝はどうしても睡眠に時間をさいてしまっているのであまり差は縮んでいない。

 

「まぁいい。私も出来る限り協力する。だから一夏も努力しろ。」

 

「わかってるさ。すぐに箒も星夜も追い抜いて千冬姉においつかないとな。」

 

「ふっ私は通過点か…良いだろう。千冬さんを越えるつもりならそれぐらいは必要だろうな。」

 

お互いに竹刀を構えながら対峙する。

 

「はぁっ!」

 

「たぁっ!」

 

IS学園に来て、久しぶりにやることになった剣道、自分の愛機はついこの間まで刀一本しかなかった一夏には非常に大きな助けになっている。

これまで何度も箒とやっているが勝率は良くない。

それでも最初の頃よりは良くなっているのは解る。

 

「少しは前の勘を取り戻して来たか?」

 

「あぁ、どれだけ錆び付いてたのか嫌でも解るくらいな。」

 

どんな物でも続けなければ意味が無い。

『継続は力なり』この言葉を今一番実感してる一夏だった。

 

「毎日やれとは言わないが、もう少し鍛練の回数を増やしたらどうだ?」

 

「そうだな。もう少しな。」

 

輝刃が見守る中、箒と訓練を続けるのだった。

 

──

 

「少し遅くなったけど朝飯行こうぜ。」

 

「わかった。シャワーを浴びてから行くから先に食堂で待っていてくれ。」

 

少し特訓に熱の入った2人はいつもより遅めの朝御飯を食べることになった。

 

「そう言えばもう少ししたらアリーナがまた使えるんだっけか。」

 

「そうだな。そうしたらISの訓練も再開出来るな。」

 

「そしたら俺は射撃訓練しないとなぁ。」

 

「私はまだ紅椿に慣れきっていないからな。もう少し感覚を掴まないと。」

 

一夏は夏休み前に機体がセカンド・シフトを果たし戦術が根本的に変わってしまったし、箒はいまだに高性能すぎる能力を活かしきれずに居る。

やるべきことを見つめ、考える。

 

「まだまだ課題はたくさんあるけどお互い頑張らないとな。」

 

「あぁ、いつまでも足を引っ張りたく無いしな。」

 

2人は食事を終え、食堂を出る。

 

「なぁ箒。今日ってこのあと暇か?」

 

「なんだ?藪から棒に?特に予定は無いぞ。」

 

「じゃあさ、付き合ってくれないか?」

 

一夏から「付き合ってくれ」と言われ、乙女心が反応したがすぐに以前のことを思い出す。

 

「か、買い物か?」

 

「あぁ、1人で行っても良いんだけどさ、やっぱり1人よりは2人のほうが良いだろ?」

 

「う、うむ。そうだな幼馴染として付き合ってやらんこともない。」

 

一夏と2人で出かける上に向こうからの誘いだ。

恋する乙女としては嬉しいがここでにやける訳にもいかずいつも通りのツンとした態度でかえす箒。

 

「じゃ、準備出来たら寮の前でいいか?」

 

「あぁ、わかった。」

 

一度部屋に戻り箒は急いで取って置きの服に着替えるのだった。

 

──

 

「なぁ、これなんてどうだ?」

 

「一夏には少々派手じゃないか?」

 

2人は普通にショッピングをしていた。

普段ならレゾナンスまで行くが今回は近場の店だ。

 

「じゃあこっちか?」

 

「あぁ、そっちの方が一夏らしいと思うぞ。」

 

「そっか、じゃあこれにするか。」

 

一夏は手にもった篭に選んだ商品を入れる。

 

「しかし、今日はどうしたんだ?雑貨とかなら別に今でなくてもいいだろうに。」

 

「いや、ほんとに意味は無いんだけどな。ただ朝早く起きたし思い立ったが吉日って言うだろ?」

 

「そうだな。たまにはこう言うのも悪くない。」

 

何だかんだでデートみたいになっていて箒としては大満足だ。

 

「よし、こんなもんか。」

 

「これからどうする?帰るのか?」

 

会計を済ませて店を出た所で箒が訪ねる。

 

「必要なのは揃ったけど箒は何かあるか?」

 

「いや、特に無いが…。」

 

「折角だしこの辺少し歩いてから帰ろうぜ?余り来ない場所だし。」

 

「そうだな。少し散策するか。」

 

2人で並んで歩く。

 

「まだまだ暑いな~。」

 

「ふん、心頭滅却すれば火もまた涼し、つまりは気の持ちようだ。」

 

何となく一夏の口からでた言葉に箒は厳しめに答える。

 

「相変わらず厳しいな。」

 

「ただでさえ一夏は遅れているのだ、甘やかして良いことなどあるまい。」

 

「そうだけどよ…少し位優しくしてくれよ…。」

 

「なら、一夏は少しシャキッとしろ。」

 

幼馴染に言われて背筋を伸ばす一夏。

 

「それでいい…こっちの方が格好いいしな…。」

 

夏の日差しに照らされた一夏の横顔を見てつい本音が出るが呟く感じだったので一夏には届かなかったようだ。

 

「おい、箒!」

 

いきなり一夏が声を上げる。

 

「ど?どうした?」

 

まさか今のが聞こえていたのかと顔を紅くするがそれは一瞬の事。

一夏の顔が真剣な物だったからだ。

 

「あれ!火事じゃないか!?」

 

一夏が指を指す先には黒い煙が上がっている。

 

「あちらは確か駅の方だ。その可能性は高いな。」

 

「行くぞ!なにか出来るかもしれない!」

 

言い終わるよりも早く一夏は走り出す。

 

「い、一夏!?ええいっ!」

 

その後を追うように箒も走り出す。

しばらく走ると一つのビルが燃えているのが確認出来た。

 

「ここかっ!」

 

「一夏っ!無闇に近づくなっ!」

 

周りを見るとなんとかビルから出てきた人たちが居る。

しかし、何やら揉めてるようだ。

 

「今戻ったら危ないっ!」

 

「で、でもウチの子がっ!」

 

聞こえてくる話からするとまだビルの中に少なくとも1人残されているようだ。

まだ消防車等も来ておらず火の勢いを考えるとこの中に居るのなら早く救助しなければ。

そう考えると一夏は自然と動いていた。

火の勢いが増すばかりのビルに向かおうとする女性を必死に止めている人達に近づき。

 

「任せてください!」

 

「え?」

 

それだけ告げると白式を展開しながらビルの中に突っ込む。

 

「あ、あれは…IS…。」

 

「しかも男だったぞ。」

 

「あれが噂の…。」

 

助けないと。

ただそれだけを考えて飛び込んだ一夏。

 

「どこだ~!」

 

周りを見渡しなが探す一夏。

 

「闇雲に探しても見つからんぞ。」

 

紅椿を展開し後を追ってきた箒。

 

「でも!早くしないと!」

 

「馬鹿者っ!落ち着いて各センサーを使えばすぐに見つかる!それ位頭を使えっ!何のための力だ!?」

 

箒に言われて気がつく。

今、一夏は目の前の事に捕らわれて「子供を探す」事しか考えていなかった為、センサーも使わず目視で探そうとしていた。

 

「わ、悪い。」

 

「全く。2人で子供の1人も助けられなかったとなれば笑い者ではすまされん。あっちか。」

 

センサーを使って子供の位置を確認した2人は燃えるビルの中を進む。

 

「居た!もう大丈夫だぞ!」

 

「よし、怪我はしてないな。あとは外に出るだけだな。」

 

2人は4階に居る2人の子供を見つけた。

見た感じ怪我や火傷は無さそうなので速やかにつれてこうとする。

 

「とりあえず窓まで行けば俺と箒で抱えて出れるな。」

 

「そうだな。ん?」

 

「どうした?箒。急ごうぜ。」

 

「この反応。もう1人居るぞ!」

 

箒がが上を見る。つまりは上の階に居るようだ。

一夏もセンサーを再度確認する。

確かに微弱な反応がある。

 

「わかった。俺が行く。箒はこの子達を。」

 

「あぁ、気を付けろよ。」

 

ここにいる2人は箒に任せ一夏は上の階を目指す。

念のため再度センサーを確認し、他にも人がいないか慎重に向かう。

 

「じっとしてるんだ。そう。いい子だ。」

 

箒は子供を2人同時に抱えて近くの窓を目指す。

ISなら壁を壊して脱出することも出来るが壁を壊した影響がビル全体に出ると困るのでそのような事はしない。

 

「大丈夫。大丈夫だ。」

 

子供達をシールドエネルギーで包み守りながら進む。

ブースター等を使えば当然子供達にも良くないので歩きだ。

その時、目の前の棚か扉だった物が焼け落ち、それにつられ周りの物も崩れ落ち、道を塞ごうとする。

 

「輝刃!?」

 

だがそれは 輝刃が突飛ばし道をあける。

 

「助かる。」

 

輝刃が先行する形で進み外に出た。

 

「消防隊も来たようだな。これで大丈夫だろう。」

 

4階の窓からゆっくりと飛び着地して子供達を下ろす。

 

「あぁ!!ありがとうございますっ!」

 

すぐに親が来て子供達を抱き締めながら箒に感謝を言う。

 

「一夏は…まだか?」

 

まだビルの中に居る一夏を案じ視線を一度向けるがすぐに状況を消防隊に報告する為そちらに向かって行くのであった。

 

「大丈夫ですか!?」

 

一方、一夏は倒れた家具の下敷きになっていた男性を見つけ、運び出そうとしていた。

 

「だ…だれだ…。私はもう駄目だ……。」

 

「諦めるな!絶対に助けますから!」

 

見たところ火傷と怪我をしているようだ。

諦めている男性に対し一夏は声を掛ける。

 

(でも、どう運べばいいんだ?下手に動かして傷が開いてもヤバイだろうし…。)

 

家具に潰されかけた時に出来たのか大きな傷があるらしく血も出ている。

しかし、時間をかけていられないのも事実なので兎に角安全な場所に行こうと考えるといきなりガトリングボアが出てきた。

 

「ボア!?どうしたんだ?」

 

ボアは男性に向けてクロックマネージャーを使う。

 

「そうか!時間が止まってる間なら傷も開かない!」

 

即座に男性を持ち上げ素早く移動しようとする一夏。

その直後に頭上の天井の一部が焼け落ちる。

 

「なっ!?」

 

このまま生き埋めになるとクロックマネージャーに割いているエネルギーがすぐに尽きてしまう。

その直後にユニコーンが現れてフャイヤーウォールを展開、一夏達を頭上の瓦礫から守る。

 

「助かった!」

 

そのまま一直線に窓を目指し一夏は急ぐ。

 

「よし!外だ。」

 

脱出した一夏は消防隊の人間に男性を預ける。

 

「あとは頼みます。」

 

「あぁ、任せてくれ。ありがとう。」

 

消防隊の人々が一夏と箒に礼を言う。

 

「いえ、たまたまですから。」

 

「むしろ勝手な行動をしてしまい申し訳ありません。」

 

「いいえ、お二人の迅速な行動のお陰で人の命が救われたのです。胸を張ってください。」

 

その後、火が収まり一通りの処理が終わるまで2人は現場に残ることになった為、気がつけば周りが暗くなっていた。

 

「ふぅ、悪いな箒。」

 

「どこに謝る必要がある?さっき言われただろう胸をはれ。」

 

「あぁ。助けられて良かったよ。」

 

「そうだな。」

 

2人はやり遂げた達成感から笑顔になる。

 

「あ……。」

 

「一夏?どうした?」

 

いきなり一夏が何かを思い出すような仕草をしてとまる。

 

「時間!時間見ろ!門限過ぎてる!」

 

「あぁ!?本当だ!」

 

2人は寮の門限を過ぎてることに気付きすぐに学園の寮監である千冬に電話をしようとする。

 

「─あれ?千冬姉からメール?」

 

「私にも来ているな。」

 

2人の携帯には千冬からのメールが来ていた。

 

『お前達の状況はデータウェポン達から聞いた。門限に関して今回は不問とする。終わり次第速やかに帰ってくるように。』

 

「なんか今日は朝からデータウェポンに世話になりっぱなしだな~。」

 

「色々と助けられたのは事実だな。ボア達は輝刃がよんだのか?」

 

箒に聞かれ横を飛ぶエイリアス体の輝刃が頷く。

 

「ホント、ありがとな。箒、急いで帰ろうぜ?」

 

「そうだな。早く戻らないと食堂がしまってしまうな。」

 

ちなみにその日のニュースでこの火事が取り上げられていた為、一夏と箒が2人っきりで出掛けていた事に関して箒はクラスメイト等から色々と聞かれるのであった。

 

──

 

アリーナでの模擬戦が終わりいつものように反省会みたいな事をしようとピットに集まる。

 

「ちょっと!今の何だったのよ!?」

 

「ファイナルアタック使ったはずなのになんで紅椿みたいにエネルギー回復してんだよ!?」

 

「なんなのだ!?あれは!?バカデカイ電池にしか見えなかったぞ!?」

 

「ねぇ!あれってGEARの新兵器!?そうなの!?」

 

久しぶりの模擬戦だったし、全員揃ったので4対4のチーム戦をやったのだがその中でハイパーデンドーデンチを試した結果がこれである。

 

「あぁ、この前の合同演習で受け取った新装備だ。」

 

対戦相手だった一夏、箒さん、簪さん、鈴はまさか電童から2回もファイナルアタックが飛んでくるとは思っていなかった為驚いているようだ。

 

「いやぁ、面白いくらいに引っ掛かったね。」

 

「うむ、電池換装をした瞬間の皆の顔はなかなか愉快だったぞ。」

 

「これも私の射撃の腕が有ればこそ…。」

 

こちらのチームのシャル、ラウラ、セシリアさんは予想通りに事が進みご満悦のようだ。

 

「とりあえず軽く説明すると電童専用の電池、戦闘中でもああして交換すれば瞬間的にエネルギーを回復できる。シールドエネルギーは回復しないけど。」

 

「いや、十分だろ!というか白式にくれ!荷電粒子砲と瞬時加速の燃費が改善できる!」

 

「白式って勝手に改造していいのか…?」

 

「そうだよな……。」

 

がくっと項垂れる一夏。

 

「あれ、何発持ってるのよ……。」

 

鈴が半ば呆れながら聞いてくる。

 

「いや、今の所1セットだけ。」

 

「その電池の初使用シーンって映像ある?」

 

「え?えーと、戦闘記録の中にあるよ?簪さん、見たいの?」

 

「興味があるの!」

 

「じゃあ、後でデータ見せてあげるから。」

 

何だかテンション高いな。簪さん。

 

「しかし、この見た目に意味はあるのか?」

 

「まぁ、わかりやすさかな?GEARもこの規格で色々作るみたいだし。」

 

箒さんは見た目がただデカイ電池なのが気になっているようだ。

 

「ま、今後は多少無茶した後にファイナルアタックを使えるようになったのは大きいかな。」

 

「そうだね。クロックマネージャーとかで大きく使っても余裕があるわけだし。」

 

「やはり、電池換装は隙が大きかったな。もう少しフォーメーションを考えて使わないと危ないかも知れん。」

 

「そうですわね。今回は相手の意表を突く形でしたし。」

 

そのままいつも通り模擬戦の内容を確認してそれぞれの動きなどに関して話し合っていた。

 

もう少しで夏休みが終わり、新学期が近づいて来ている。




はい、今回はここまで次回から新学期に入ります。

主人公が今回、空気…。

ご意見、ご感想などは御自由にどうぞ!

────

楯「うーん…。」
星「楯無先輩が考え事なんて珍しいですね?」
楯「それは私が何も考えてないって思ってるって事かしら?」
星「いや、楯無先輩はすぐに答えを出して行動に移すイメージがあったので。」
楯「流石にわからないことは有るし考えることだってあるわよ?」
星「そうですよね。もしよろしければ相談位乗りますよ?」
楯「いや、最近どうもね…。」
星「どうしたんですか?」

次回!IS戦士電童

第50話《新学期》

楯「虚ちゃんが変なのよ…。」
星「虚先輩が?」
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