東風乃扇です!
もう少しでこの作品の投稿が一年…後半大分失速してたからもう少し頑張って投稿しないと。
では!第51話!ステンバーイ…ステンバーイ…ゴッ!
9月。
学園祭に向けて授業の合間に色々と用意をしているIS学園。
俺─天野星夜─はクラスで当日に着る執事服のチェックをしていた。
「よし、これでどうかな?」
クラスメイトから渡された服を着て教室に入る。
『「「ぶ~!」」』
教室に入るなりダメ出しを喰らった……。
あぁ、何となくわかった。
「んん、これでよいでしょうか?お嬢様。」
『「「オッケーーっ!」」』
服を着たらスイッチ入れろって事か……ほんと皆物好きだな。
「うん、やっぱり2人とも似合ってる~。」
「よし!写真だっ!今のうちにツーショット写真を!」
「そうだね!当日は忙しくて撮れないだろうし!」
「これはクラスメイト特権だねっ!」
俺より先に着替えていた一夏共々ケータイ等のカメラを向けられる。
「ど、どうするよ?星夜。」
小声で聞いてくる一夏。
「本日は当日に向けての練習、なら写真を撮影することも必要ですよね?お嬢様?」
あえてクラスメイトに向かって答える。
「そ、そうそう天野くんわかってる~。」
「ほら、織斑くんも!」
「皆様、落ち着いて下さい。こう騒がしくしていると織斑先生に怒られますよ?それに他のクラスの方が押し掛ける可能性もございます。」
「え、えぇ星夜さんの言う通りですわね。」
こちらの言葉にセシリアさんが頷く。
「よし、星夜。まずは『執事にご褒美セット』と『執事のご褒美セット』の練習だ。」
うへぇ、なんかラウラがさらっと難易度高い奴を要求してきてるぞ。
「一夏、お前もだ。」
「はやく、こっちこっち。」
一夏を捕まえたシャルと箒さんは隣のテーブルに引きずって行く。
「かしこまりました。ラウラお嬢様。」
ラウラに向かって笑顔で答えると急に顔を赤くするラウラ。
「こ、これは以外と恥ずかしいのだな…。」
俺と一夏にとっては地獄のような特訓?が始まるのだった。
クラスメイトに一通りの練習を兼ねた接客対応を行ない疲労困憊となった俺と一夏。
「つ、疲れた…主に精神的に……。」
「あぁ、マジで疲れた……。」
執事服から制服に着替え、教室で机に倒れこむ。
「大変だっ!織斑くんと天野くんがお疲れだっ!」
クラスメイトの誰かが芝居がかったように言う。
「誰かっ!この2人を癒せる者は居らんのかっ!?」
「「「「ここに居るぞっ!」」」」
その言葉に合わせるようにメイド服に着替えていた箒さん、シャル、セシリアさん、ラウラが俺と一夏を囲む。
「「えっ………?」」
俺と一夏がシンクロする。
「さぁ一夏、たっぷりと奉仕してやろう。」
「一夏、お疲れ様。コーヒーでも飲む?」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ。これより、天野星夜に奉仕活動を開始する。」
「さぁ、チェルシー直伝の奉仕術!覚悟して下さいましっ!」
「これを、俺達にやる意味あるのかー!?」
残りの力を使って突っこみを入れる。
「あるよ!当日は男の人も来るからねっ!」
「少しでも耐性を付けないとさっ!特に専用機持ちの皆は今回のお店の看板なんだから!」
「さぁ!早くやって!後がつかえてるよ!」
「全員分やるのかよ~っ!?」
今度は攻守逆転……精神的には追撃だったが………。
──
「せ~いやっ!」
「鈴か…どうかした?」
廊下をふらふらと歩いてると鈴が後ろから声をかけてきた。
「ただ見かけたから声かけただけよ。そっちこそ、どうしたの?軽く死にかけてるけど?」
「いや、クラスで演物の練習でな……。」
「あー確か御奉仕喫茶だっけ?こっちに客来るのかしら…?」
鈴が納得しながら当日の事を危惧する。
「そっちも喫茶店なんだっけか。」
「そ、飲茶喫茶ね。」
「まぁ、被ったのは偶然だからな。頑張ってくれ。……俺も死ぬ気でがんばる…。」
「そんなになるってどんなことしてたのよ?」
「執事服来て奉仕活動の予行練習。」
「クラスメイトに?」
「あぁ、セシリアさんとかラウラに。」
それを聞いた瞬間、鈴は羨ましそうに。
「今からあたしにもやりなさいよ。」
「断る。」
「なんでよ!?」
「だだでさえ疲れてるのにそんなのやってられるか!そんなにやってほしけりゃ当日来い!その時は歓迎してやる、盛大にな!」
「いいわよ!絶対に一番に並んでやる!」
「クラス代表がそれでいいのか?」
「いいのよ。代表特権よ。」
うわぁ~横暴だぁ~。
「あぁそう。じゃ俺はこれで。疲れてるから部屋で休みたい…。」
「なら、折角だからこれ、食べなさいよ。」
鈴が小さい包みを出してきた。
「これは?」
「芝麻珠、日本だと胡麻団子って言えばわかるかしらね?疲れてるなら甘いのは調度いいんじゃない?」
「あ、ありがとう。」
鈴から包みを受けとる。
「いいのよ、どうせメニューの練習で沢山作って余ったやつだから。じゃあね~。」
鈴と挨拶してわかれる。
部屋に帰ってから食べたがやっぱり市販の物よりもこう言う物の方が美味しいな。
いや、これはこんどお礼をしないと。
──
翌日の放課後。
「せっ星夜ぁっ!?」
「一夏、いきなりどうした?」
若干涙目になった一夏がこちらに向かって走ってくる。
「き、来てくれ!」
「わ、わかった!わかったから引っ張るな!」
こちらの腕を掴むなり走り出す一夏。
ついた先は一夏の部屋の前だった。
「こ、この中にな……。」
「あぁ、なんかいるのか?」
「と、兎に角頼む。」
「……はぁ、わかったよ。」
仕方ないのでゆっくりと扉をあける。
「おかえりなさぁい♪私にする?私にします?それともぉ…わ・た・し?」
扉をあけると裸エプロン姿の楯無先輩が立っていた。
「一夏、こう言う時は俺じゃなくて虚先輩か簪さんに報告した方が効果的だぞ。」
そう言いながら俺は携帯を取り出し通話の準備をする。
「ちょっ!?星夜くん!どこにどう連絡する気かしら?」
「え?簪さんに『君のお姉さんは男子の部屋に潜り込んで裸エプロンを見せるのが趣味なんだね。』って言うつもりですが?」
「そんな風に言われたら勘違いされてまた嫌われちゃう!?」
簪さんに軽蔑される未来でも見えたのかあわてふためく先輩。
「じゃあ周りに迷惑かかることするのは止めましょうか?」
「私はただ、一夏くんをびっくりさせようとしただけなんだけど。」
「びっくりしすぎて軽いパニック起こしてますからね?」
「な、なんでここにいるんですか!?」
やっと状況が理解出来た一夏が俺の後ろから楯無先輩に聞く。
「今日から私、ここに住もうと思ってね。」
「へ…?」
「はぁ?」
突然の発言に俺と一夏は気の抜けた返事をする。
「こ、ここは一年寮ですよ?」
「生徒会長特権!」
なんか聞く方向性を間違えてるような気のする一夏の質問にいきなり切り札を持って答える楯無先輩。
「ふふ、噂の一夏くんと同棲生活。これは楽しめそうね♪」
「一夏、こうなったらこの人は止まらないから諦めろ。」
「な、星夜!見捨てないでくれ!」
踵を返し、帰ろうとすると一夏が腕を掴んで来た。
「折角美人のおねーさんが誘ってるのにそっちを取るの?つれないなぁ~一夏くん♪」
その腕を楯無先輩が払い、一夏を後ろから抱き付いている。
裸エプロンに見えていたがエプロンの下にはしっかりと水着を着ていたようだ。
そんな格好の楯無先輩に密着されているのだから色々と柔らかい物が当たって思春期の男子としては平然とはしていられないだろう。
「じゃ、一夏。また明日な。」
「ま、待ってくれ!」
「ほらほらぁ~。星夜くんもああ言ってるんだから。楽しみましょうよ~♪」
騒ぐ一夏に背を向けたままドアに向かうとドアが開いた。
「一夏、差し入れを持ってきた。しかし鍵を開けたままなのは不用心だぞ。」
入ってきたのは包みを抱えた箒さんだった。
「や、やぁ。」
「む?星夜か。一夏はどうし……」
目の前に居た俺に気づきそのまま部屋の主である一夏を探す箒さん。
まぁ、少し俺との軸をずらせばすぐ見えるんですけど。
この数秒の間に何があったのか後ろから抱き付いていたはずの楯無先輩と一夏のたち位置が入れ替わっており、ベットに押し倒したような感じになっていた。
当然、そんな一夏を見た箒さんが冷静でいられるはずもなく。
「………………………………………どけ。」
「はいっ!!」
俯いた顔の表情は見ることが出来ないが、確かな殺気を持って放たれた小さな言葉に俺は恐怖を感じ速やかに道を譲る。
手に持った包みを俺に押し付けるように渡した箒さんは一歩一歩確実に歩み寄る。
「あ……あ………。」
一夏は弁明しようとするが箒さんから放たれる殺気に怖じけ付いたのかなかなか口が動かないようだ。
こんな状態でもニコニコ笑ってる楯無先輩ってすごいな。
「一夏ぁ……。」
「あぁ…なんだ?…箒。」
なんとか受け答えた一夏。
「あの世で悔いろっ!」
箒さんは言うのとほぼ同時に直立の状態から腰を落とし、その手に空裂を展開し、振り抜く。
神速と言っても過言では無かったであろう。
そのままいけば一夏の首を切り落とすはずの切っ先は楯無先輩が展開したランスで防がれた。
「なかなかの速さね。すこーし焦ったわ。」
「なっ!?」
「今、一夏くんを亡き者にされるとちょっち困るのよね。」
居合いの振りは速さを求めた型であるため、一度防がれると弱いと聞く。
今も楯無先輩が軽く手を動かすと刀は軽く弾かれ、天井に突き刺さった。
「ぐっ…ま、参りました。」
「うん、よろしい。」
敗けを認め、膝をつく箒さん。
勝ち誇り、どや顔で仁王立ちする楯無先輩。
余りの事態に動けない一夏。
「あっ。」
ふと天井に刺さった刀を見るとちょうど自重により天井から抜けて、一夏の目の前に突き刺さる。
「あ、あぶねぇ…。」
一夏って運がいいのか悪いのか…。
その後、楯無先輩は制服に着替えて、箒さんが持ってきた包みに入っていたいなり寿司を4人で食べている。
「ふむふむ、箒ちゃんは文武両道ね。料理も美味しいじゃない。」
「外の油揚げに味がしっかりと染みてる。それでいて後味もしつこくない。旨いな。」
「い、いや。それほどでも。」
「謙遜しなくてもいいのよ?美味しいわよね?一夏くん?」
「は、はい…そうですね。」
箒さんを得意の口八丁で丸め込めた楯無先輩。
これにより、楯無先輩に対しては警戒心を解いたようだが一夏に対しての怒りは収まってないようだな。
そんな視線にさらされているためか一夏は余り食が進まないようだ。
俺と楯無先輩でどんどん食べる。
「ん~。ごちそうさま♪」
「ごちそうさまでした。」
2人同時に手をあわせる。
それを追うように一夏と箒さんも頭を下げる。
「じゃ、俺は部屋に戻るか。また明日な。」
「お、おう。また明日。」
みんなに挨拶して部屋を出た。
しかし、楯無先輩は一夏と一緒に住んで何するつもりなんだろうか…。
──
学園祭に向けて色々やってはいるが日々の授業や特訓は当然ある。
今日はアリーナで一夏の射撃練習に付き合っている。
「ちくしょ~!星夜は出来るのかよ~!」
「PICのマニュアルなんて一番最初に教わったぞ。」
元々教えてくれたベガさんが高機動射撃型だったのもあるだろうが。
お陰で空中でも地上と同じように技を繰り出せるんだが。
『星夜くん!狙いが甘い!もっとしっかり撃ちなさい!』
「了解っ!」
今、俺と一夏でサークル・ロンドと呼ばれる機動を取っている。
具体的に言うと相手から一定距離を保った状態で左右どちらに常に移動し続ける機動だ。
上から見るとお互いの中間点を軸に円を描く機動になる。
本来、この状態でお互いのマシンガン等の面制圧力の高い射撃武器で牽制し、隙を見つけたらスナイパーライフルのような高火力武器で叩くのが定石だが、一夏には荷電粒子砲しか無いので基本的に避けに徹して近距離に持ち込める隙を伺っている。
「やっぱり白式の加速は凄いな。」
『一夏くん!そこで瞬時加速!早く!』
「えっ!?あっはいっ!ってうあわぁ~っ!」
楯無先輩からの指示でサークルロンドの機動から瞬時加速を使おうとして制御を誤ってアリーナの壁に突っ込む一夏。
「お~い、一夏、大丈夫か?」
「な、何とか……。」
『瞬時加速の準備をしながらもPICの制御を忘れちゃダメよ?』
「は、はい。気を付けます……。」
『星夜くんはもう少し射撃を当てれるようにしないと射撃だけで戦う時に厳しいわよ?』
「そうですね。未だにシャルやラウラには上手く当てれないですし。」
『そろそろ終わりにしましょう。ピットに戻って来てね。』
「わかりました。」
一夏とピットに戻る。
「うん、最初の頃より大分良くなったんじゃないかな?」
嬉しそうに笑う楯無先輩の手には《進歩》と書かれた扇子。
「でも、先輩から見たらまだまだでしょう?」
「でも、前進しているのは確かよ?頑張って続けましょ?」
「はい、お願いします。」
楯無先輩からいくつかアドバイスを貰って今日の特訓は終了。
──
「じゃあ、当日はGEARの方では自分がやることはない感じですかね?」
『そうだ、君はあくまでIS学園の生徒だ。しっかりと楽しむといい。』
学園祭ではGEARも来るのでそちらとの連絡は自分が請け負っている。
当日の担当者になっているアルテアさんと通話中だ。
「GEOSは持ってこないんですね。」
『あんなことがあったからな。むやみやたらと出せなくなってな。代わりにGEOSに使われている技術関連の展示で落ち着いたからな。』
そうだよなぁ、折角の試作機持っていかれた訳だし持ってこないよなぁ。
「では、この資料通り特に変更無しと学園には伝えます。」
『あぁ、よろしく頼む。』
「はい。あ、そう言えば。」
『どうかしたか?』
「織斑先生とベガさんって知り合いなんですね。」
『あぁ、彼女とは2人が現役で代表だった頃からの付き合いだ。私も面識はある。』
なるほど、そう言えばベガさんって短い間だけど代表だったとか言ってたな。
「そうだったんですか。もしかして剣で戦ったとか?」
『あぁ、未だに決着がつかなくてな。』
「──え?」
決着がつかない?
そんなことあるのか?
『何度も打ち合っているうちにお互いの得物が持たなくてな。砕け散って終わってしまうのだ。』
「そ、そうなんですか……。」
人外同士の戦いですかそれは?
見たいような見たくないような…。
『ふむ、学園祭の時にでも話す機会はあるだろう。向こうにはよろしく言っておいてくれ。』
「わかりました。では。」
通話を終える。
「GEARは予定に変更無しと……。」
手元の書類に必要事項を記入、職員室へと向かう。
──
「GEARの方は特に変更はありません。」
「あぁ、わかった。報告ご苦労。」
織斑先生に書類を渡す。
「向こうの担当はアルクトスの兄か、こちらも久しぶりだな。」
「アルテアさんも言ってましたね。久しぶりだって。」
「そうか。近いうちに勝負したいものだ。」
「ずっと決着がついてないんですよね?」
「あぁ、あれほど心踊る戦いは無いな。」
「な、なるほど。」
心なしか織斑先生が嬉しそうに見える…。
「クラスの準備も順調で良かったです。」
自分の言葉に反応して大きく溜め息を吐く織斑先生。
「どうしたんですか?何か問題が?」
「いや、更識のやつがあんなことを言ったせいで部活や委員会なんかが色々と問題を起こしかねない演物をな……。」
あぁ、自重しなかったんですね。
「お、お疲れ様です。」
「お前からも更識に言っておけ、これ以上の騒ぎにはするなと。」
「はい、伝えておきます。」
「まぁ、焼け石に水…か……。」
「今回は騒ぎが大きすぎますね。」
苦虫を噛み潰したような顔をしている織斑先生。
「クラスの方は自分達でしっかりと纏めますので安心してください。」
「あぁ、頼むぞ。」
──
「あ、星夜くん。少しいいかな?」
「ん?どうしたの?簪さん。」
ある日、簪さんに呼び止められた。
「あの、私のクラスが演劇をやるのは知ってるよね?」
「うん、簪さんが主役なんでしょ?」
主役の部分を気にしてか顔が紅くなる簪さん。
「そ、それで劇の演出でデータウェポン達を貸してもらいたいなって。」
「あぁ、そう言うのならいいよ。」
「本当に!?」
「うん、こっちは喫茶店だし、あいつらも暇だしね。」
「ありがとう!早速今日から練習するから借りるね。」
「いいよ~。はい、転送。」
電童から打鉄弍式にデータウェポン達を移動させる。
「終わったら適当に帰るから。」
「うん、わかった。またね。」
「じゃあね~。」
劇であいつら使うってどんなのやるんだろ?冒険物?
「あいつらも楽しめるならそれでいいか。」
こうして段々と学園祭に向けた準備が進んでいくのであった。
はい、今回はここまで。
文化祭とかって楽しいよね!
原作でも色々とやってるけどこっちでも出来るように頑張ります!
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