IS戦士電童   作:東風乃扇

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皆さん!東風乃扇です!

新刊の要素どこまで入れようか悩んでます。
セブンプリンスとか、どうしようかな…。

では!第63話です!


第63話《編入生》

 IS学園の共学化等の話があってから数日たった日曜日。

 俺─天野星夜─はIS学園にある駅に居た。

目的は今日から寮に入る銀河、北斗、スバル、エリスを迎える為だ。

 

「さて…そろそろだな。」

 

 時刻表通りに運行しているので、ホームにそろそろ到着するはずだ。

 

「おーい、星夜。何してるんだ?」

 

「誰かの出迎えか?」

 

「おはよう、2人さん、箒さんの言う通り出迎えだよ。」

 

 腕時計で時間を見ていたら、一夏と箒さんが声をかけてきた。

 

「そう言う2人はどこかに行くのか?」

 

「いや、ただの散歩だよ。天気がいいからな。そしたら箒と会ってさ。」

 

「まぁ、そ、そんなところだ。」

 

 2人を見れば軽装だし、出かけるって感じでもないな。

 

「星夜が待ってるって事は…まさか!新しく来る男子生徒か!?」

 

「GEARが選出したGEOSのパイロットか…興味はあるな。」

 

「当り、寮には今日から入るんでな、案内役を織斑先生に頼まれてるんだ。」

 

 前から男子が増える事に喜んでた一夏は、楽しそうに笑う。

 純粋にどんな人物か気になるのか、箒さんも駅の方に顔を向ける。

 

「星夜、俺も一緒にいいか?」

 

「あぁ、別にいいぞ。予定とか大丈夫か?」

 

「おう!特に予定も無かったしな。」

 

「同じクラスで過ごすのだ。挨拶をしておかねば。」

 

「お、ちょうど来たな。」

 

 大きめの旅行鞄を持った4人が目に入り、手を振る。

 

「おっ!星夜ー!来たぜー!」

 

「銀河は相変わらずだな。」

 

 1番に声を上げるのは相変わらず元気な銀河。

 

「あ~荷物が重い~…星夜、少し持って…。」

 

「エリスはそんなにいっぱい何を持ってきたんだ?」

 

 一際大きな荷物を持っているエリスが俺に荷物を持たせようとする。

 

「おはよう。星夜、案内よろしくね。」

 

「おはよう。北斗。」

 

 横で騒ぐ2人を軽くスルーしながら挨拶をする北斗、何だかんだでこの流れも久しぶりだな。

 

「そこの2人は…一夏と箒だったな。これからよろしく。」

 

「そうそう。一夏と箒さんね。」

 

「お、おぉ!よろしくな。」

 

「よろしく。」

 

 スバルは俺の隣に居た一夏と箒さんに挨拶していた。

 

「じゃ、まずは荷物置くから寮に行くよー。そのあと織斑先生に挨拶して施設の案内な。」

 

「オッケー!」

 

 俺と一夏、箒さんに続くように4人が荷物を持ってついてくる。

 

──

 

「来年度までには男子寮も出来るらしいけど、今はまだ女子寮の一角な。」

 

「銀河、変な騒動起こさないでよ?」

 

「なんで俺だけなんだよ!?エリス!」

 

 俺の説明を聞き、エリスが銀河をジト目で見ながら注意する。

 当然、銀河は反論する。

 

「星夜はここにもう半年居て問題無いし、北斗やスバルが変なことするわけないでしょ?だからあんたに言ったのよ。」

 

「なんだと!?」

 

「ほら、2人共、静かにする。」

 

 北斗がすぐ間に入って、喧嘩になりそうな2人を止める。

 

「星夜、部屋割りはどうなるんだ?」

 

「えっと…3人が同じ部屋でエリスは本音さんと同室だな。」

 

 いつも通りな3人は置いておいて、スバルが部屋割りの確認をする。

 

「え、俺達一緒なのか?」

 

「あぁ、少し大きめの部屋を用意したそうだから、余裕はあるだろ。」

 

「ふむ、なら銀河の遅刻、宿題忘れは防げるな。」

 

「折角部屋が一緒なんだ。有効に使わないとね。」

 

「げげぇ。マジかよ…。」

 

 銀河ががっくりと肩を落とす。

 

「私と一緒の本音ってどんな娘?」

 

「のほほんさんか、のんびりしてるぞ。」

 

「一夏がそれでは伝わらないぞ。独特の雰囲気を持ってるのは確かだが。」

 

 同室の本音さんが気になるエリス。

 一夏が説明にならない説明をして、箒さんが呆れる。

 

「えっと…夏のプールの時にも居たんだが…直接は会ってないか…。」

 

「あ、そうなんだ。ギャラリーに居たってことね。」

 

「そうそう。今頃部屋の掃除をしてるんじゃないかな?」

 

 話をしながら部屋を目指し歩く。

 部屋の鍵は織斑先生から受け取っているので、それぞれに渡す。

 

「エリス、ここがエリスと本音さんの部屋。男子部屋はもう少し先な。」

 

「ここね。ありがとう。荷物おいて挨拶して来るわね。」

 

「あ、箒さん一緒に居て貰っていい?」

 

「ん?あぁ、わかった。」

 

 女子寮の部屋の構造は基本的に一緒だから、箒さんも居ればスムーズに進むはずだ。

 

「じゃ、後でね。」

 

「本音、入るぞ。」

 

 2人がドアをノックして、入っていくのを見届け俺達も3人の部屋へいく。

 

「ここだ。あっちに俺の部屋がある。」

 

「よっし!ここだ!」

 

「なるほど、確かに広めだな。」

 

「流石はIS学園、設備もしっかりしてるね。」

 

「ほぉ~、他の部屋の2倍位ないか?ここ。」

 

 部屋に入るなり、ベットに飛び込む銀河、スバルと北斗は部屋を見回し、設備の確認をする。

 一夏も部屋を見て感想を述べる。

 

「大きめの荷物はもう運び込んであるから、後で整理してくれ、織斑先生に挨拶行くぞ。」

 

「オッケー!」

 

 銀河が元気良く返事をし、飛び上がる。

 

「ここ、寮だから騒ぐなよ。」

 

「騒がねぇよ。」

 

「銀河、今の飛び上がりはダメだよ。」

 

「ま、マジか!?」

 

「その音量もアウトだ。」

 

 今までにない環境で、はしゃぐ銀河を北斗とスバルがたしなめる。

 部屋を一旦出て、エリス、箒さん、本音さんも合流。

織斑先生の元へ向かう。

 

──

 

 寮の談話室、大きめな机に織斑先生と銀河達4人、隣の机に俺や一夏達が座る。

 

「今日からお世話になります。」

 

「よろしくお願いします。」

 

「あぁ、よろしく頼む。すでに資料を読んでいると思うが、一応確認するぞ。」

 

 織斑先生が寮やIS学園で生活していく際の注意事項の中でも基本かつ、重要な項目を4人に確認していく。

 

「よし、生活の部分は問題無さそうだな。授業の方はどうだ?ついていけそうか?」

 

「はい、前もって貰った問題集や資料は一通り目を通しました。」

 

「なんとか、ついていけると思います。」

 

「男子は女子と違ってIS関連に触れる機会が少ない。必要なら放課後に特別授業を行う事も視野にいれている。解らないときは聞くようにな。」

 

 織斑先生が授業に関して質問すると、銀河が思いっきり蒼くなるが、何とか勉強はしてきてるようだ。

 流石に特別処置で入っている以上、テストで悪い点は取れないだろうし。

 

「天野は元々顔馴染みで大丈夫だろうが、織斑、お前も一応は先輩なんだ。しっかりと見本になれるようにな?」

 

「わかってるって千冬姉。」

 

「織斑先生だ。」

 

「す、すみません。」

 

 距離があるため叩かれずにすんだが、しっかりと睨まれる一夏。

 

「私からの話は以上だ。後は学園内を見て回るのか?」

 

「はい、そのつもりです。」

 

「少しでも早く慣れないといけませんし。」

 

「そうか、何かあれば私か山田先生を呼べ。」

 

「ありがとうございます。」

 

 織斑先生が立ち上がり、皆も立ち上がる。

 

「織斑先生、これを。」

 

「ん?これは?」

 

「兄さんからです。」

 

「わかった。ありがとう。」

 

 スバルが懐から小包を出して渡す。

 それを受けとると、織斑先生はそのまま寮の部屋に向かって行った。

 

「スバル、今のは?」

 

「知らん、兄さんから織斑千冬に渡せと言われただけだ。」

 

 軽く質問するが、知らないようだ。

 

「色々あるんだろう。」

 

「そうだな。さて、どこから見るかな。」

 

 気持ちを切り替えて、皆に施設の案内をしなければ。

 

「腹減った。飯にしようぜ!」

 

「全く銀河は…。」

 

「相変わらずだな。」

 

「じゃあ、食堂だな。」

 

「こっちだ。」

 

 何だかんだでいい時間なので、食堂へ向かう俺達。

IS学園の食堂は味、質、量、メニューの多さ、全てにおいていいので皆満足したようだ。

 

──

 

 昼飯を食べて、休憩後IS学園の案内をする。

 教室、グラウンド、アリーナ等どこがどんな時に使うか等も含め説明したりした。

 途中でクラスメイト達に会い、質問責めにあったがそれ以外は特に大きな問題もなく案内は終わった。

 

「まぁ、こんなところか。」

 

「気を付けなきゃ行けないのはトイレだ。男性用は少ないからな、どこにあるかしっかり覚えとかないとヤバイぞ。」

 

 一夏がトイレに関して力説していた。

 まぁ、気持ちはわからなくもない。

 学園全体が広い上に最低限の箇所しかないからな。

 

「マジか、気を付けねぇとな。」

 

「それ、せめて私達が居ないときに話なさいよ。」

 

 真剣に危機感を感じている銀河、そこにエリスが冷ややかに突っ込みを入れる。

 

「ん~、いい景色だね。」

 

「あぁ、夕焼けがきれいだ。」

 

 今は学園に何ヵ所かある広場に居る。

 海岸側のため海が一望できるので今のように夕方はいい色に染まった海が見える。

 

「皆、これからよろしくな。」

 

「おう!よろしくな!」

 

「うん、よろしく。」

 

「よろしく頼むわね。」

 

「よろしく。」

 

 たった半年前まで同じメンバーで集まっていたのに、凄く久しぶりな感じがする。

 きっと、この半年がそれだけ濃かったのだろう。

 そんなことを考えてると、俺の携帯が鳴る。

 

「ん?相川さんから?なんだろ。」

 

 さっき会ったクラスメイトの一人、相川さんからの電話だった。

 クラスメイト全員の連絡先は知ってるので電話が来るは問題無いのだが。

 不思議に思いながらも電話に出る。

 

「はい、天野で『天野くん!転入生の歓迎会やるから!すぐに寮のレクリエーション室ね!』……あ、はい。」

 

 凄い勢いで用件だけ言って通話は終わった。

 

「星夜?どうかしたのか?」

 

「何か問題か?」

 

 余りの勢いに俺が軽くフリーズしていたため、一夏と箒さんが心配そうに聞いてくる。

 

「あ、ごめん。大丈夫だ。それより皆、これから寮のレクリエーション室に行くぞ。」

 

「え?」

 

「なんで?」

 

「お楽しみだ。」

 

 あえて説明せずに皆を連れて移動する。

 

──

 

「では!1年1組の新メンバーに!」

 

\『「カンパーイ!!」』/

 

 急遽決まり、始まった歓迎会。

 俺が案内してる内に準備したとは思えない程の量の料理があった。

 折角の機会なので、転入生である銀河達はそれぞれバラけてテーブルに居る。

 

「相変わらずクラス所か学年すら合わない人が居ますね。」

 

「まぁまぁ、細かい事は気にしないの。」

 

 こんなお祭り騒ぎ、楯無先輩や黛先輩が見逃すはずもなく、普通に紛れ込んでいた。

 当然、鈴や簪さんも居る。

 

「で、楯無先輩は何故こっちに?」

 

「ん~?特に意味は無いわよ?ただ新しく来た人物を良く知る子に話を聞きたいだけだから。」

 

「この前一夏の誕生日パーティーで会ってますよね?」

 

「そうね、あの時はここに来るなんて知らなかったから。」

 

「まぁいいですけど、どこから話せば?」

 

「そんなに身構えなくていいわよ。星夜くんから見た評価が聞きたいだけよ。」

 

「そうですね─」

 

 楯無先輩にそれぞれの話をしていく、一通り聞くと満足したのか、いつもの扇子を取り出し。

 

「ありがとう、後は直接話してくるわ。」

 

 広げた扇子には『協力感謝』の文字が書かれていた。

 

「半年たったけど、あれは未だに解らないな…ん?」

 

 エリスの方へ行く楯無先輩を見送ると、少し離れたところで座るラウラが目に留まった。

 

「ラウラ、疲れたのか?」

 

「ん?星夜か、まぁ少し…な。」

 

 ふぅ、と一息つくラウラ。

 

「元々こういう事には無縁だったからな。気疲れしてるのかもな。」

 

「勢いあるからなぁ。皆騒ぐの好きみたいだし。」

 

「私は大丈夫だ。友人達の所に行ったらどうだ?」

 

「もし、体調が悪いんなら早めに言うんだぞ。」

 

 なんとなく1人になりたそうに感じたので、ラウラの言う通りに皆の方へ向かう。

 

「私は…。」

 

 何かラウラが呟いていたようだが、周りの喧騒で良く聞こえなかった。

 

──

 

 正式に4人が転入してきて数日、平日だが俺はGEAR本社に来ていた。

 電童、データウェポンの受け渡しだ。

 同時にいくつかの確認事項があるそうだ。

 

「やぁ、星夜くん。わざわざありがとう。」

 

「井上さんも修理ありがとうございます。」

 

 待機状態の電童を受けとり、腕に着ける。

 何だかんだで貰ってから数日間手放したのは初めてで、以外と心細かったな。

 

「これからも、頼むぞ電童。」

 

 ついそんな言葉がでた。

 

「一度、展開してくれるかな?一応の確認をかねてね。」

 

「はい。」

 

 すぐに電童を展開する。

 そのまま、軽くストレッチのように体全体を動かす。

 

「どうかな?」

 

「はい、特に問題は無さそうです。」

 

「じゃ、この後は地下の方でデータウェポン達を一通り試して貰っていいかな?」

 

「はい。わかりました。」

 

 一度、電童を解除して、地下のアリーナに移動。

 データウェポン達と久しぶりに会う。

 

「皆、おかえり。」

 

 俺の一言に反応し、全員が電童に入ってくる。

 

「早速やりますか?」

 

「うん、頼むよ。」

 

 俺は井上さんに言われた通り、データウェポンを出しては装備し、試験していった。

 

──

 

 IS学園、午前の授業が終わり、昼休みになろうとしていた。

 

「は~。疲れた…。」

 

「もう、銀河。だらしないわよ。」

 

「僕は銀河の気持ちもわかるかな。」

 

「あぁ、今までやって来た授業よりも内容が濃いからな。それに周りからの目も気になるしな。」

 

 教室の机でダルそうにする銀河。

 それを囲む3人の友人。

 IS学園に来てまだ日の浅い銀河、北斗、エリス、スバルの4人は星夜を加えた5人で行動することが多かった。

 元々専用機持ち達には今現在、2人以上での行動が義務付けられている。

 そして、GEARを通してここに来る事になった4人は当然、星夜と行動を共にしている。

 しかし、今日は星夜がGEARに出向いている為、4人だった。

 

「星夜は今日の夜まで居ないんだっけ?」

 

「そうだ。本社の方で受け渡しと各種確認があるからな。」

 

「丁度いいんじゃない?」

 

「何がだよ?エリス。」

 

 エリスの言葉に銀河が疑問を投げ掛ける。

 

「ここに来てそれなりにたったし、色んな人たちに話を聞いたりするチャンスじゃない。」

 

「聞くって何を?」

 

「そんなの決まってるじゃない…。」

 

 エリスはすっと椅子から立ちあがり。

 

「星夜の色恋沙汰よ!」

 

「なんじゃそりゃ!?」

 

「あはは…。」

 

「女子は本当にそう言う話が好きだな。」

 

 力を入れるエリスを見て呆れる3人。

 

「だって気になるじゃない!星夜はここに半年も居たのよ!?彼女位居たって不思議じゃ─」

 

 エリスが熱弁していると、突然灯りが消えた。

 教室だけではなく、廊下、電子掲示板、全てが消えた。

 まだ昼なので窓からの日光が周りを照らす。

 

「なっなにっ!?」

 

「おいっ!あれっ!」

 

 エリスが驚くと同時に銀河が窓を指差す。

 窓はガシャガシャと音を立て、防壁が閉じていく。

 

「防御シャッター!?」

 

「何故閉じる!?」

 

 全ての防壁が作動し終わり、内部は真っ暗になる。

 ざわざわと騒ぐなか、何人かの生徒は携帯の灯りで照らし出す。

 

「なぜだ、ここに通常用の電源とは別の緊急電源があるはずなのに…。」

 

「それどころか非常灯すらついてないわよ。」

 

 異常事態に身構えていると、それぞれが持つ〈G─コマンダー〉に通信が入る。

 

『G班、聞こえてるか?これからマップを転送する。オペレーションルームへ集合せよ。隔壁に遮られた場合は破壊を許可する。』

 

 千冬の静かだが強い声。

 IS学園に何かしらの問題が発生したのは明らかだった。

 

「行くぞ。」

 

「あぁ。」

 

「うん。」

 

「えぇ。」

 

 スバルを先頭に指示されたルートを4人は急ぐ。

 

──

 

「全員揃ったな。状況説明を始める。」

 

 IS学園の地下にある、オペレーションルーム。

 地下特別区画にあるこの部屋は生徒は当然ながら、教師の中でも一部の者しか知ることの無い場所。

 今は現在学園に居る専用機持ち7人と特別編入生4人が集められていた。

 箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ、簪、楯無が並び、正面に立つ千冬と真耶を見る。

 スバル、銀河、北斗、エリスはその箒達から見た右側に並び説明を聞いていた。

 

「今現在、IS学園は外部からのハッキングにより、各機能が停止している。」

 

 ここは他の施設と独立した電源設備を持ってるのか、正面にある旧式のディスプレイに各情報が表示され、灯りが灯っている。

 

「こんな施設があったなんてね…。」

 

「えぇ。一体何の為に…。」

 

 鈴とセシリアが周りを見ながら、ひそひそと小声で話す。

 

「凰!オルコット!状況説明の途中だぞ!静かにしろ!」

 

「はっはいっ!」

 

「申し訳ありません!」

 

 千冬の怒号で鈴とセシリアは静かになり、背筋を伸ばし直立状態になる。

 

「現在、IS学園で全てのシステムが強制的に停止させられています。これは何らかの電子的攻撃、つまりハッキングを受けていると断定します。」

 

 千冬の隣で話す真耶の声も、いつもより堅さがある。

 

「今現在、生徒に被害はありません。防壁で閉じ込められて居ますが、あくまでも建物外に出れないだけのようです。」

 

 だから、トイレも行けますよ。と付け足したが誰も笑わなかった。

 

「質問がある方は居ますか?」

 

「はい。」

 

 ラウラが挙手する。現役軍人として、有事の際の落ち着きは一番だ。

 

「IS学園は独立したシステムで運用されているはずです。それが外部からのハッキングを受けるなど、あり得るのでしょうか?」

 

「そ、それは…。」

 

 真耶が返答に困ってると、千冬が口を開く。

 

「手段は問題ではない。今、攻撃を受けている事実の問題だ。」

 

「敵の目的は?」

 

「それがわかれば苦労はしない。」

 

 ラウラは納得し、質問を終える。

 

「では、これから敵のハッキング対し、反抗作戦を行います。」

 

 真耶が作戦内容の説明を始める。

 

「篠ノ之さん、オルコットさん、ボーデヴィッヒさん、デュノアさん、凰さん、以上5名はISコア・ネットワーク経由で電脳ダイブをして頂きます。更識簪さんはバックアップを担当してください。」

 

 真耶が作戦を伝える…がそれに対する専用機持ちの反応は少なかった。

 

「あれ?皆さんどうかしましたか?」

 

\『「電脳ダイブ!?」』/

 

「はい。理論上可能な事は知ってますよね?ISを使い電脳世界へ仮想可視化しての進入が出きる。実際にはアラスカ条約で規制されてるので行う事はありませんが、今回は特例になります。」

 

「そ、そう言うことを聞いてるんじゃなくて!」

 

 鈴をはじめとした、専用機持ち達が電脳ダイブに対する必要性を教師陣に聞いてる横で、銀河は隣に居るスバルに話しかける。

 

「なぁ、オレ達って必要?」

 

「必要だから呼ばれたんだ。順番だ。」

 

「星夜が戻ってくる前に解決したいね。」

 

「静かに待ちなさいよ。」

 

 専用機持ち達も納得したらしく、千冬がパンッと手を叩く。

 

「よし!それでは電脳ダイブを始めるため、各自はアクセスルームへ移動しろ。」

 

 その言葉を受け、専用機持ち達がオペレーションルームを出て、アクセスルームへ向かう。 

 

「さて、お前達には別の任務を与える。」

 

 千冬が残った楯無、スバル、銀河、北斗、エリスを見る。

 

「何なりと。」

 

「任せてください。」

 

「何をすればいいんだ?」

 

 楯無はいつものおちゃらけた感じは無く、静かに返事をする。

 スバル達も同様に静かに真っ直ぐ千冬を見る。

 

「この混乱に乗じて、システムダウンさせた勢力とは別の敵が学園にやってくるだろう。」

 

「防衛ですね?」

 

「あぁ、今のあいつらは戦えない。悪いが、頼らせてもらう。」

 

「任されました。」

 

「その為の僕達、ですよね。」

 

「初めてだけど、やりますよ。」

 

 楯無につられるように北斗やエリスも笑って返す。

 

「では、更識楯無は自己判断で、お前達は山田先生の指示で動け。」

 

 楯無はお辞儀をして、オペレーションルームを出ていく。

 真耶も準備の為、スバル達と一緒に部屋を出た。

 部屋のドアが閉まった後、千冬は机に手を思いきり叩きつけながら呟いた。

 

「私達はなにを…守るべき生徒達に……。」

 

 しかし、千冬の後悔とも懺悔とも取れる考えはすぐに終わる。

 

「私がするのはこんなことでは無いな…。」

 

千冬はすぐに準備に取りかかった。




今回はここまで!

次回は原作部分大分減るかも?

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