東風乃扇です。
気がつけば半年近く更新が出来ず申し訳ありません。
リアルが忙しかったのとアーキタイプブレイカーが終わってしまいそっちのシナリオ確認とかで遅れました!
本当にごめんなさい。
では久しぶりの更新!第64話!始めます!
GEAR本社の地下アリーナで、俺─天野星夜─は電童とデータウェポンのテストを行っていた。
「イリュージョンフラッシュ!」
バイパーの力で分身し、フィールドに散らばったターゲットを一気に破壊する。
『シミュレーションパターン12、クリア。』
アリーナ内に形成されていたホログラムのターゲット達の欠片が消える。
『星夜くん、一度休憩にしよう。』
「わかりました。」
開いたゲートをくぐり、電童を解除する。
「ふぅ。データウェポンの調子も良さそうだ。」
待機状態の電童を見て呟く。
そこにベガさんがやって来た。
「お疲れ様。調子は良さそうね。」
差し出されたドリンクを受けとる。
「ありがとうございます。」
「スバルはどう?ちゃんとやってる?」
「大丈夫ですよ。しっかりとクラスの皆に馴染んでますし。」
何だかんだで弟の事が気になるようだ。
「良かった。あの子、兄さんに似てぶっきらぼうな所があるから。」
「そんな所が『クール系!嫌いじゃないわ!』とか言われてるんで大丈夫ですよ。」
「ふふっ大丈夫そうね。何かあれば、私たちに相談してくれてもいいからね?」
「はい、その時はお願いします。」
そんな話をしてると休憩も終わり、テストが再開された。
──
真耶と共に迎撃の準備を進める銀河達、エリス以外の4人はそれぞれ機体を展開する。
「ウィラメットさんのはGEOSとは違うんですよね?」
「はい、私のは情報処理特化の〈GOVERNOR(ガバナー)〉です。戦闘能力はありませんがGEOSを補佐して、よりISに近い運用が出来るようになります。」
周囲に仮想ディスプレイを展開しながらエリスが答える。
「わかりました。ウィラメットさんはこの部屋で皆さんへの指示等をお願いします。」
「了解です。」
「で、俺達は敵の注意を引けばいいんだよな?」
「はい、指定ポイントに誘導してくれればそれで勝ちです。」
「敵の増援が来ない内に片付けよう。」
「数ではこっちが勝ってるんだから、落ち着いてやれば大丈夫だよ。」
「草薙くんの言う通りですが、もしも危険だと思ったら迷わず引いて下さい。あなた達も大切な生徒なのですから。」
真耶は銀河、北斗、スバルを見ながらしっかりと口にする。
「大丈夫だって、逃げ足ならそこそこ自信あるし。」
「兄さんや姉さんにも同じことを言われてます。」
「無茶はしませんよ。安心してください。」
3人はしっかりと頷き、部屋を後にする。
「皆……。」
「ウィラメットさん、こっちも準備を終わらせましょう。」
「はい!」
真耶とエリスは準備を急いぐ。
──
「…………。」
ぎゅっと、ブーツのベルトを締める。
強化スーツの状態を確認して、近くに置いてある、IS用のブレードを改良した刀を左右3本、合計6本太股のホルスターに取り付ける。
「この髪型も久しぶりだな。」
紐で髪を纏め、ポニーテールにする。
「このお守り、使わずに終わればいいが…。」
先日、スバルを通してアルテアから渡された物を懐に入れ、両手に刀を持つ。
「さて、行くか…。」
千冬は部屋を出る。
──
楯無は灯りの消えた通路を一人歩く。
「さて、避難は済んだみたいだし、後は…。」
独り言を喋りながらパッと扇子を開く、そこには《熱烈歓迎!》と書かれている。
と言っても歓迎方法は主に拳なのだが。
『E3、反応6。』
端末から無機質な報告がくる。
更識家が学園内に独自に設置した、完全独立型のセンサーの物だ。
端末の画面に表示される映像には、最新装備を身に纏った敵が6名写し出されていた。
(システムダウンから突入までの時間が短すぎる。─やっぱり常時監視されてる訳ね…。)
IS学園は多くの女子が居る所だ。そんなところを24時間監視とは、気持ちの良いものでは無い。
「……。」
楯無は正面を見据える。
そこには何も見えないが、『何かが居る。』
次の瞬間、パシュッと小さな音と共に楯無に数発の弾丸が迫る。
「その程度じゃあ、私には届かないわよ?」
弾丸は空中で何かに捕まれたように止まった。
「これが私流のAICよ!」
右腕のみを部分展開したミステリアス・レイディが空気中の水を制御し、弾丸を止める。
「さぁ!反撃よ!」
楯無が指を鳴らすと廊下が爆発した。
正しくは廊下に散布されていたアクアナノマシンだ。
敵は完全に動揺している。
「まるで弱いものイジメよねぇ……完全に私が悪役じゃない?」
だが、あくまでも楯無はIS学園の生徒で、相手は不法侵入者、大義名分はこちらにある。
「少しは正義の味方っぽくしますか!」
そう言うと同時に楯無が5人に増える。ランスを持った楯無がそれぞれ構える。
\『「水流戦隊!楯無ファイブ!」』/
アクアナノマシンの力を使い、水人形やレンズに映し出された幻。
敵は迷わずに弾を放つが、実体を持たないそれらに効果は無い。
「どっかーん!」
「ぐわぁぁぁぁっ!?」
「ひいいぃぃっ!はっ班長!!」
他のエリアから来た敵の増援も、まとめて相手にするが、楯無の一方的な展開は変わらなかった。
「ひ、退け!退くんだ!」
様々な訓練を受けていたであろう兵士も、ISをもってすればこの程度なのだ。
相手を容赦なく攻め立てる楯無の姿はまるで悪役のようだった。
──
「ここがアクセスルーム?」
「まさかこれ程の施設があるとは…。」
「一体何の為に…。」
アクセスルームに入った箒達は、部屋に置かれた様々な機材を見ながら呟く。
「さっきのオペレーションルームも謎だよね。スッゴイ耐久構造だったし。」
「シャルロット…あんたまさかスキャンしたの?」
こっそり機体を起動させていたシャルロットが、秘密だよ?と人差し指を唇に立てる。
「じゃあ、皆はそこの椅子に座って待ってて。私は準備するから。」
簪に促されて、全員がベッドチェアに座る。
「解らないと言えば、彼らも…だな。」
「あぁ、GEARからの推薦とは言え、この間まで一般の学生だったのだろ?」
箒が呟いた一言にラウラが反応する。
「えぇ、そうですわね。」
「普通に考えて、この状況で何が出来るのよ?」
「織斑先生が呼んだって事は大丈夫なんだろうけど…。」
全員で話してると、簪が準備を終え、声をかける。
「皆、準備出来たからISをソフトウェア優先処理モードで起動して。」
「あ…前に星夜が見てたアニメで電脳世界に入るって言うのがあったけど、そんな感じになるのかな?」
ふと、シャルロットがワクワクした様子で語り、他のメンバーがぽかんとしている。
「あ~…確かに…。」
「そんな感じ…かも?」
鈴と簪がシャルロットの言うアニメの事を考え、肯定する。
「簪、準備は出来てるのだろう?早くやろう。」
「ご、ごめんなさいっ!」
ラウラが簪を急かす、全員がベッドチェアにしっかりと座っている事を確認する。
「中は仮想空間で、データやプログラムを認識しやすい形に置き換えてあるから、最初は驚くかも知れないけど落ち着いてね。」
「承知した。」
簪の注意に箒が答える。
「システム、接続開始。」
簪が端末を操作すると、5人の意識は吸い込まれるような、落ちるような不思議な感覚に包まれた。
──
「んん…ここは?」
セシリアは目を開けると、周囲を見渡す。
そこは辺り一面が緑に包まれた草原のようだった。更に正面には大きな森が広がっている。
「成功したって事でいいのよね?」
横で倒れてた鈴も起き上がりながら、周りを見る。
そこにラウラ、箒、シャルロットも集まり、簪からの通信を待つ。
『皆…大丈夫?』
「あぁ、全員大丈夫だ。指示を頼む。」
5人の前に少しノイズの混じった仮想ディスプレイが現れる。
そこから簪の声が聞こえ、ラウラが答える。
『今、その空間は皆が認識しやすい形として、森の見た目になってる。』
「うん。そうだね。」
『一本の木、それぞれが学園内の端末を表してる、一番大きな木が学園のメインターミナルだから、そこを目指して。』
「ふむ、あれか。」
簪の話を聞き目の前に広がる森の中で、一際大きな木を見て箒が 確認する。
『敵がどんな風に妨害してくるか解らないから、注意して。そこで大きな怪我をしたりすると起きれなくなるから。』
「了解!」
全員が返事と同時に目標に向かって走り出す。
「おい!誰かいるぞ!」
少し走ると、ラウラが遠くに人影を見つける。
『こっちでも確認した。気を付けて──』
簪の通信が途中で途絶える。
目の前の人物がジャミングをした、と全員が身構えながら囲む。
「貴様!何者だ!?」
「…。」
「答えろ!」
相手はラウラと同じ綺麗な銀色の髪を持った女性だ。
相手の女性は目を閉じたまま、ゆっくりと喋りだす。
「今、貴女方の相手をしている時間はありませんので。」
次の瞬間、全員の視界が光に包まれ、倒れた。
「幸せな夢を…。」
銀髪の女性は倒れた5人を無視して歩き出した。
──
IS学園の地下通路を進む影が一つ、それはアメリカで採用されているISファング・クエイクと非常に似たシルエットを持つステルス試験機だ。
それを纏うは今回IS学園に侵入した特殊部隊の隊長。
ISのセンサーは地上施設で活動して居る部下達が、学園側のISと戦っている影響で発生している僅かな振動を感知していた。
(囮としての役割は果たしているな。)
全て計画通りに進んでいる。目標は先日IS学園を襲撃した無人機のデータの回収、可能なら現物の回収だ。
(さて、そろそろこちらにも来る頃だろう…。)
隊長は自分を迎撃する為、学園側が何かを用意してることは想定している。
そしてそれを肯定する様に、センサーに反応が現れる。
「ここから先は行かせねぇよ!」
被っていたステルスマントを投げ捨てながら、1体の白いGEOSが飛び込んで来る。
「ふっ!」
「…。」
飛び込みながら放たれた拳を冷静に受け流す隊長。
観察すると、市販されているGEOSと違う箇所がいくつか確認される。
(高コスト故にオミットされたドライブユニットか、出力は高いだろうが、IS相手に無駄な事だ。)
1対1の状況でISに勝つ事は不可能、それが世の中の常識である。
だが、目の前のGEOSはそんな常識は知らんと言わんばかりに攻撃を続ける。
「どぅおりゃ!」
「ふん…。」
声から判断すると、IS学園に入ったばかりの男子生徒だろう。
シールドエネルギーの無い、通常装甲ならISの拳一発で事足りる。そう考えながら隊長はGEOSの蹴りを避け、隙を見せた腹部に握り拳を放つ。
「一人じゃ!」
「無い!」
十字路の左右から同じ様にステルスマントで隠れていたGEOSが2体現れる。
紅いGEOSはライフルを持っており、腕を的確に狙い撃ち、GEOSに迫っていた拳を弾いた。
青いGEOSは飛び蹴りを入れて、隊長の体制を崩させる。
「1体も3体も同じだ。」
「それは!」
「俺たちを倒してから言いやがれ!」
「行くぞ!」
隊長は構え直しながら、3体のGEOSを見る。
互いに踏み込むと同時に拳を叩きつける。
──
GEOS達が戦いを繰り広げる地下通路より、もっと中枢に近い場所で、千冬は立っていた。
鋭い目が正面を睨み付ける。
「やはり来たか…。」
「お久しぶりですね。」
学園祭でも、地下の特別区画に現れたスキンヘッドの男だった。
「今日こそは貴様らの目的を聞かせて貰うぞ。」
「出来ますかね?」
千冬は踏み込むと同時に両手の刀を相手に叩きつける。
「なるほど…悪くない一撃です。」
男は手にした棒で防ぎながら笑う。
そのまま切り抜け、後ろに回る千冬。
「ふん、上から目線もいつまで持つかな?」
「それはそちらもでしょう?」
人間とは思えない速度で走り出す2人、刀と棒がぶつかり、火花を散らしていていた。
──
GEARで訓練をする俺だったが、それは突然終わりを告げた。
「よし!これで……あ、あれ!?」
『どうしたんだ!?えっ飛焰!?』
訓練中にいきなり飛焰が飛び出して来た。
それと同時に他のデータウェポン達が電童の中に居ない事に気づく。
「データウェポン達が…居ない!?」
『なんだって!』
飛焰はこちらに緊急事態を知らせるメッセージを送ってくる。
「すみません!IS学園に連絡はできますか?」
『いや、こちらからはつかない…まさか!?』
恐らく、IS学園に襲撃があったのかも知れない。
前にユニコーンとレオがセシリアさんと鈴のピンチに駆けつけた事を考えると間違いないはず。
「すぐにIS学園に戻ります!」
『わかった。15番ゲートを開ける、そこなら周りは海だから、あまり騒ぎにはならないはずだよ!』
「ありがとうございます、飛焰スライダー!」
開くゲートに飛び込むように入り、飛焰をスライダーモードして乗り込む。
『気を付けるんだよ!』
「天野星夜、電童!行きます!」
ゲートに設置されたカタパルトを使い、初速を得て、一気に加速し、学園に向けて急ぐ。
──
敵を倒し終えた楯無は、気絶した敵を縛っていた。
「さて、こんなものかしら。」
楯無は敵の装備を確認する。
(この進行ルートなら、ダミーデータ31のはず…巧妙に隠しているけど、装備もアメリカ仕様とほぼ同じね。)
相手の素性を予想しながら、次の行動を考える。
現在、学園内の隔壁等が全部降りている為、場合によっては隔壁を壊して、外気をいれないといけないかも知れない。
「生徒会長自ら学園の破壊活動はどうなのかしら?」
そんな独り言を言いながら、楯無は一度部分展開していたミステリアス・レイディを解除する。
「えっ…?」
解除した瞬間、楯無の体に衝撃が走る。
背中に何かが当たったのだ。いや、何かではなく弾丸だ。
後ろを見ると気絶させ、拘束したはずの敵は全員隠し持っていたカッターで拘束を外し、自由になっている。
「やっと隙を見せたな…。」
(くっ……やられた…。)
「ISが無ければただのガキよ。拘束しろ。連れていく。」
「はっ!」
男達は素早く楯無を拘束し、注射器で薬を打ち込み意識を奪う。
(たすけて………くん…。)
無意識の内に1人の名前を呼ぶがそのまま楯無は意識を失った。
──
IS学園の地下で戦う銀河、北斗、スバルの3人。
エネルギーシールドの無いGEOSでは一撃でも当たれば、即戦闘不能もありえる。
狭い通路の中、相手の拳をギリギリで避ける。
「っぶねぇ!」
「よく耐える…。何の為に戦う…?」
「知らねぇよ!」
つい出てしまった隊長の呟きに銀河の叫びが答える。
「ただ仲間を守ってくれって言われただけだ!」
「だから、全力でお前から皆を守る!」
銀河の叫びに北斗、スバルが続く。
「わかったか!この真っ黒ISが!」
予想外の答えに僅かながら隙を見せてしまった隊長。
銀河の拳が胸部に当たり、押し込まれる。
その隙を逃さず、スバルの射撃、北斗の蹴りが連続で叩き込まれる。
全体からすれば1割程のエネルギー消費だが、ISでは無い、ただのパワードスーツにやられた事が隊長のプライドに傷をつけた。
「調子に…乗るなよ!」
ファング・クエイク系の特徴である瞬時加速を使い、一瞬で距離をつめ、銀河のGEOSを殴り飛ばす。
「がっ!」
「銀河っ!?」
「北斗!止まるな!」
「遅いっ…!」
壁にめり込む勢いで吹き飛ばされた銀河を北斗が見る。
戦闘中に敵から目を離すという最大限の隙を隊長は見逃さなかった。
そのまま北斗に蹴りを入れ吹き飛ばす。
「後は…お前だっ!」
「くっ!」
スバルに向けて瞬時加速で接近し、拳を振るう。
スバルは後ろに大きく跳んで回避しながら、ライフルを放つ。
「逃げられると思うなよ…。」
引き撃ちをするスバルを追う隊長、本来なら追撃は必要なく、目的の物を探すべきなのだが、女尊男卑の世に置いて、IS使いのプライドが全員を倒さねば許せなかった。
「ここだっ!」
「なにっ!?」
スバルは相手の瞬時加速のタイミングに合わせて、横に移動、反対の壁に向かい何かを投げつける。
「ぐふっ!?」
スバルの横を通りすぎる瞬間、隊長が顔を歪めた。
壁に向かって投げたのは、ワイヤーアンカーで調度人の首の高さにある。
「姉さんや織斑先生曰く、『絶対防御頼りの奴にはよく効く』そうだ。」
当たった衝撃でアンカーは簡単に抜け、首にかかったワイヤーはシールドエネルギーが焼く。
ほんの一瞬だが、首が締まり意識が持っていかれる。
速度のある状態で制御を失った機体は、そのまま壁にぶつかる。
「きっ貴様あぁぁっ!」
自分より年下の男に二度もやられ、怒りの絶頂を迎える隊長。
全力で走るスバルの背中を見て、なにも考えずに追う。
直前で閉められたドアを蹴飛ばして、部屋に踏み込む。
「観念したか…、これで終わりだっ!」
「そちらがなっ!」
そう言いながらスバルはステルスマントを掴み、バサッと音をたてながらめくる。
そこには1体のIS『ラファール』が隠れていた。しかし、その姿は普段と違い大きく形が異なっていた。
巨大な4門のガトリングガンとその質量を支えるために伸びた補助脚、圧倒的な火力と反動を制御を行う為固定砲台となったラファール。
〈クアッド・ファランクス〉を構えた真耶は即座に叫んだ。
「クアッド・ファランクス!全門斉射!」
遮蔽物も無く、後ろの通路も直線で逃げ場が無い。
隊長はその弾幕を全身で受けるしかなかった。
「エリス、こっちは終わった。銀河と北斗は?」
『大丈夫。ちょっと打っただけみたい。気絶してるだけね。』
エリスが銀河達の状態を確認し、命に別状は無いことを伝える。
「すぐに医療班が向かいますから、ウィラメットさんはその場で待機してください。」
『了解しました。』
「アルクトスくんと私で、この方をオペレーションルームまで連行します。」
真耶は倒れた相手から待機状態のISを外すと、スバルに渡し、自分で拘束した相手を持ち上げ移動を始める。
「はい。」
スバルはその後を追うように歩く。
──
IS学園上空。
そこに近づくひとつの影。
(なんなんだ!?この胸騒ぎは!?)
それは白式を纏った一夏だった。
今日は開発元である倉持技研でメンテナンスを行ってた為、学園の異常を知らなかった。
だが、倉持技研でのメンテナンス中に白式のコアを通じて輝刃が現れた。
その瞬間、何か起きたと察した一夏はすぐに倉持技研を飛び出し、連続瞬時加速を行い駆けつけたのだった。
「みんなは無事なのか……。」
機体の中に入っていた輝刃を隣に召喚しつつ、一夏は学園を見渡す。
そこでセンサーが何かの反応を捉えた。
「あれは…!」
学園の中庭を進む見慣れない男の集団、その中に見えたのは拘束された楯無の姿だった。
「その人を──」
即座に体を傾け、加速する。
「離せぇー!」
集団に向かって進む一夏、気づいた集団は慌てて楯無を人質として使おうとする。
「ぎゃあっ!?」
「ぐえっ!?」
しかし、浮き足だった一瞬の隙を突き、ドラゴンフレアが楯無のミステリアス・レイディから出現、楯無を担いでいた男達を突き飛ばして楯無を確保する。
「なっ!?」
「容赦しないからな!」
その間に近づいた一夏と輝刃によって瞬時に制圧される男達。
「楯無さん!」
一夏がドラゴンから楯無を受け取り、名前を呼ぶ。
センサーが生体反応を示してるので死んでは居ないのはわかるが、目を覚まさない事に一夏は不安を覚え、名前を呼び続ける。
白式のセンサーが接近するISの反応を示す。
それは星夜の電童だった。
「一夏!どうした!?」
「星夜!楯無さんが!」
近くに降りてきた星夜の質問に慌てながらも答える一夏。
星夜も一夏の腕の中に居る楯無に呼び掛ける。
「楯無先輩!」
「楯無さん!」
「んぁ……。」
2人からの呼び掛けでようやく目を覚ました楯無。
しかし、薬でも使われたのか、その目は上手く焦点を結べずにいる。
「楯無さん!すぐに医務室に連れていきますから!」
「だが、この状態で医務室が機能してるのか?」
「ふたりと……も……ここに……むかっ……て。」
楯無が何とか一夏の白式にオペレーションルームの位置データを渡す。
「わかりました!」
「最短ルートで行く!隔壁は俺が破る。先輩を頼むぞ。」
示された場所へ最短ルートを通る2人、降りている隔壁は先行する電童が砕いていく。
「ここか!」
オペレーションルームにたどり着くと、そこには拘束された女性と真耶、スバルが居た。
「スバル!山田先生!」
「一体なにが!?」
「織斑くん!天野くん!」
2人は再び眠ってしまった楯無をスバルに渡すと、真耶から簡単な状況説明を受ける。
「織斑くんはアクセスルームに向かってください。向こうには更識簪さんが居ますので細かいことはそちらで聞いてください。」
「わかりました!すぐに向かいます!」
一夏はすぐに部屋を飛び出し、走り出した。
「天野くんは私と一緒に織斑先生の援護に向かいます。」
「了解です。」
「アルクトスくんは更識楯無さんをお願いします。」
「はい。星夜、気を付けろよ。」
「わかってる。楯無先輩を頼むぞ。」
その場をスバルに任せると真耶と星夜は部屋を飛び出した。
今回はここまで、織斑先生が居ないので、ファング・クエイク戦は数で押しきりました。
次回は夢の中と織斑先生の方ですね。
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