七夕『はぁ・・・、嫌だなぁ・・・・。』
希『もぅ、そんなこと言ってたら、皆と仲良くなれんよ。』
僕と東條さんは今駅でμ’sの皆を待っている。今日は西木野さんの家の別荘に行くんだけど、僕にとっては憂鬱で仕方ない。何せ僕は他人の事を信用するのは苦手だからね。え?何で東條さんとは話せるのかって?それはね、彼女から発せられるオーラがそうさせているからだよ。彼女のオーラは人を安心させる、母性のあるオーラだからだ。
希『あっ、えりちとにこっちだ。』
絵里「希、七夕、おはよう。」
希「おはよう。えりち、にこっち。」
にこ「おはよう。」
七夕『うっ、あの二人か。』
希『大丈夫?緊張してるみたいだけど。』
七夕『な、何とか。』
希「皆来るまで話していよっか。」
絵里「そうね。七夕のことも知りたいし。」
絢瀬さんはそう言うと、僕に向けてウインクしてきた。
絵里「希、通訳お願い。」
希「OK」
絵里「そうねぇ、じゃあ一番ベタな質問から行きましょうか。誕生日は何時なの?」
七夕『7月7日だよ。』
希「7月7日だって。」
にこ「名前のままね。」
にこ「じゃあ次はにこから。さっきから気になってたんだけど、その私服は何なの?」
矢澤さんが僕を指差して言った。
僕の今の服装は、白のTシャツにベージュの短パン。頭にはニット帽の上から三度笠。背中には昔の旅人が使っていたマント。靴は草履。荷物も最小限に纏めて、肩から振り分け荷物をぶら下げていた。確かに道中は周りの視線が凄かったけど、そんなに可笑しいのかな?
七夕『ねぇ、東條さん。僕の格好そんなに可笑しいかな?』
希『うん。少なくとも現代の人間からしたらかなり可笑しいと思うで。』
希「なゆっち、自覚してないみたいやけど。」
にこ「あんたどういう生活してたのよ。」
七夕『僕、ずっと沖縄の
東條さんが訳すと、絢瀬さんが言った。
絵里「そうだったの。」
にこ「テレビも新聞も雑誌も何も無いの?」
七夕『前はととが情報屋をやってたんだけど、死んじゃってからは知る術が無くなってしまったんだ。』
東條さんが訳し終えると、矢澤さんが質問した。
にこ「ととって何?」
七夕『ととはお父さんって意味だよ。』
それから色々話して、僕が触れたくない話題になってしまった。
絵里「そのニット帽の中はどうなっているの?」
七夕『知りたい?』
東條さんが訳し終えると、絢瀬さんは言った。
絵里「えぇ。病気とかでじゃないのなら、どうしてなのか尚更知りたいし。」
七夕『分かった。今夜皆の前で話すよ。』
東條さんがそこまで話し終わった所で、残りの皆がやって来た。
凛「十六夜先輩かっこいいにゃー」
星空さんがそう言ってくれた。
全-絵里「「「「「「「「「先輩禁止⁉」」」」」」」」」
絵里「そう。前から気になっていたの。確かに先輩後輩も大事だけど、ダンス中にそんなこと気にしてたら、失敗しかねないわ。」
海未「確かに私も3年生に合わせてしまう時がありますし。」
絵里「というわけで、早速今から始めるわよ。穂乃果。」
穂乃果「は、はい!良いと思います!えぇと、絵里ちゃん!」
絵里「よくできました。」
凛「じゃ、じゃあ凛も!えぇと、ことりちゃん?」
ことり「うん!」
絵里「真姫、貴女もよ。」
僕等は西木野さんの方を見る。
真姫「なっ、何もわざわざ言う必要ないでしょ!」
絵里「それもそうね。そう言えば、七夕。貴女、皆のことなんて呼んでいるの?」
希「皆のことは名字にさん付けして呼んでるで。」
絵里「それじゃ堅苦しいわね。貴女も名前で呼びなさい。」
希『試しにうちのこと呼んでみて。』
七夕『じゃあよろしく。希。』
希「呼び捨てで呼んでくれたで。」
絵里「よかった。じゃあ、部長の矢澤さんから一言。」
にこ「に、にこ⁉えぇと、しゅっぱーつ!」
穂乃果「それだけ?」
にこ「考えて無かったのよ!」
その後、何やかんやあって、真姫と希が夕飯の買い出しに行くことになった。
僕は話すことも無く暇だったので、十六夜家に代々伝わる妖怪大図鑑を読んでいた。すると、凛がこっちに寄ってきた。
凛「何を読んでるんだにゃ?」
僕は表紙を見せる。
花陽「妖怪大図鑑?」
タイトルを読んだ花陽に頷きを返す。
凛「妖怪が好きなのかにゃ?」
僕は予め持ってきたノートにペンを走らせ書いた文を見せた。
『好きなのもあるけど、僕の家は代々霊媒師をやっているからね。』
凛「そうなのかにゃー。所で、霊媒師って何?」
僕はまたペンを走らせ、ノートを見せた。
『超自然的な存在と直接仲立ち、つまり、とりもつ人の事を言うんだよ。』
凛「よく分からないにゃー」
その後は色んなことを話した。
お風呂の時間になった。だけど僕は別で入った。頭と目を見られてしまうからだ。穂乃果は一緒に入ろうと駄々を捏ねていたけど、希に説得してもらって、何とかなった。
そして話す時が来た。
絵里「皆、七夕が話すことがあるらしいの。」
その言葉で皆がこっちを振り向く。
僕はニット帽を取り、眼帯を外し、絆創膏も外した。
皆が僕の姿を見て驚いた。
何故なら、僕の髪は上から順番に穂乃果、ことり、海未、真姫、凛、花陽、にこ、希、絵里の全員の髪色が混じっているからだ。因みに僕の髪は女とは思えない程短い。目は右目はオレンジ、左目は青のオッドアイだ。絆創膏が貼られていた箇所にはばってんの傷がある。
穂乃果「こ、これは・・・」
希『なゆっち、これって・・・』
七夕『僕は生まれつきこんな髪と目なんだ。顔の傷は昔付けたやつ。』
穂乃果『あれ、七夕ちゃんの声が聞こえる。』
ことり『ことりも聞こえるよ。』
海未『私もです。』
真姫『私もよ。』
凛『凛も。』
花陽『私にも聞こえました。』
にこ『私にもよ。』
絵里『私もはっきりと聞こえたわ。』
七夕『僕が皆に心を許したから、聞こえるようになったんじゃないかな?』
絵里『それで、何で私達の髪色が全部混じってるの?』
七夕『それはね、多分君達の血が全部混じってるからだと思うんだ。』
にこ『どういういこと?』
七夕『これを見て。』
僕はいつも持ち歩いている手帳の中から9枚の写真を取り出した。
μ’s『こっ、これは⁉』
そこには9家族の写真があった。
穂乃果『何で私達の家族写真を持ってるの⁉』
七夕『これは想像で写したものなんだ。』
海未『七夕、貴女はいったい何者なんですか?』
七夕『僕は・・・・』
まさかの七夕の秘密が明かされましたね。
思った以上に長くなってしまったので、後半に続きます。