SKY VALKYRIE & Silver Arrows   作:中井 修平

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最終戦争開戦

作戦当日

 

「よし、行きますか」

 

アルメリア空軍基地に展開している第3レンジャー連隊が行動を開始、レンジャーは国境付近の防衛戦に参加する手筈になっている。

 

第1ポイント、第2ポイントにはそれぞれ空挺旅団が展開、戦闘に入っているフライハイト防衛隊の増援となる。

 

レンジャーが降下するのは第3ポイントだ。

第3ポイントは強固な要塞で、特殊戦と通常戦の切り替えが出来るような柔軟性を持つレンジャーが必要とされているのだ。

 

レンジャーB中隊がアルメリアからMH-47G(チヌーク)MH-60M(ブラックホーク)に乗って出撃、しかし、残っている部隊がいた。

 

ARC'TERYX(アークテリクス) LEAF(リーフ)の黒いアサルト・バラクラバとOPS(オプス)-CORE(コア) FASTバリスティックマリタイムヘルメットを被り、ACS(コンバットシャツ)ACP(コンバットパンツ)に身を包み、JPC2.0を身につけて、各々のカスタムを施した黄土色の小銃・FN SCAR-L Mk16を装備した30人______胸元や腕のワッペンには銀の矢が描かれている。

約1個小隊のその部隊は装備を整えると、C-17ERに搭乗し、飛び立っていった。

 

同じ基地で、空軍はまだ日の登らない内に準備を始めていた。

耐Gスーツを身につけ、F-22(ラプター)パイロットはJHMCS(ジェイヘミクス)を装備したヘルメットを被る。

 

「ふぅ〜……」

 

ヒロキ中尉は緊張を解す為に溜息を吐く。

それを見てか、バルクホルン大尉が声を掛けてくる。

 

「緊張しててもしょうがねぇよ、上手く生き残る事を考えろ」

 

「……ま、そうですよね、ありがとうございます」

 

バルクホルン大尉はそう言い、ヒロキ中尉がお礼を言うと肩越しに手を挙げる、気にするな、のジェスチャーだ。

ハルトマン大尉と合流すべく、待機所を出て行く。

 

その背中に、ヒロキ中尉は敬礼をした。

そしてもう一息つき、目を閉じる。

いつも作戦前にやっている精神集中方だ。

そして次に目を開けたヒロキ中尉は、決意を固めた戦士の目をしていた。

 

「……タケル!ケン!ナルミ!行くぞ!」

 

「「「了解!」」」

 

既に準備を終えていた3人が呼応、各々のラプターに向かって歩き始める。

ここからは全員、同じ動作でエンジンを始動させる。

ヘルメットを被り、酸素マスクをぴったりと装着。

機体に電源を入れ、タービンを回し始める。

計器のチェック、回転計、燃料計、共に異常無し。バルブを解放してエンジンに燃料を流し、火を入れる。

 

モーター音が甲高いガスタービンの音に変わる。

エンジンが自律回転を始めた為、回していた電源をカット。

酸素・チェック。

フレアー・チェック。

マスターアーム・チェック。

通信感度良好。

 

電子機器等のチェックは済んだ、次は補助翼の動作チェックに移る。

フラップ、スラット・チェック。

エルロン、ラダー、エレベータ・チェック。

操縦桿を動かしたり、ラダー・ペダルを踏んだりすると、準備体操の様にエルロン、ラダー、エレベータがぱたんぱたんとテンポよく動く。

 

地上の整備士がミサイルと機関砲の外部安全装置を外した。この瞬間から、ミサイルは発射可能(ホット)な状態になる。

 

エンジンの暖機終了、僚機に合図を出し、キャノピーを閉じる。

すると、耳元から無線が。

 

『ブルームーン01(ワン)より全機へ、離陸次第、フィンガー・チップを組んで空中給油機からの支援を受けろ。その後、戦闘空域へと突入する。生きて帰るぞ!』

 

Roger(了解)

Roger(了解)

Roger(了解)

 

既にF-15CJ(スワロー隊)は滑走路へ離陸準備に入っている、F-2A(バイパー隊)もそれに続く。

因みに、スワロー隊でソエルと合流があり、恐らく任務飛行隊の中で最もソエルと互いに呼び捨てにする位仲良くなったユニス・フレミング中尉は3番機、ヒロキ中尉から紹介されていたリョウ大尉は1番機だ。

 

管制塔から滑走路の離陸状況、風向き等の天候情報が送られてくる。

 

離陸許可______確認した。

 

『ランウェイイズ・クリアー、ブルームーン01(ワン)、テイクオフ』

 

02(ツー)

 

ハルトマン大尉とバルクホルン大尉の2機がほぼ同時に離陸滑走に入る。

下げたフラップが揚力を捉え、6.8秒の滑走の後、離陸。

 

ブルームーン03(スリー)04(フォー)もそれに続く。

 

ブルームーン隊の離陸が完了したら、次はミーティア隊だ。

 

エンジン出力を調整し、指示のあった場所までタキシング、ラダー・ペダルを踏み込んで滑走路へ進入。

ゆっくりスロットルを絞って推力を落とし、フットブレーキを使って機体を停止させる。

管制塔から離陸許可が出る。

 

さぁ、行くぞ。

 

『ミーティア01(ワン)、ランウェイイズ・クリアー。テイクオフ』

 

02(ツー)、テイクオフ!』

 

スロットルを開き、推力を増していく。

フットブレーキ解除、機体が前に進み始める。

対気速度(エアスピード)が80ノットを超えた。

ゆっくりと操縦桿を引くと、F-22Aの機体はふわりと浮き上がった。

高度を十分に上げ、待機位置へ。

 

03(スリー)、テイクオフ』

 

04(フォー)、テイクオフ』

 

通信でブラン(ケン)フェネック(ツバサ)も離陸に入ったと確認した。

 

全機が合流した第2任務飛行隊は1度ヨルジア空軍のKC-767やKC-30の空中給油機の支援を受け、洋上へ抜けてヴァルキリーと合流する。

 

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「……司令、時間です」

 

「了解、"しょうかく"より全艦へ、作戦開始。繰り返す、作戦開始!」

 

その命令から遅れる事数秒、空母や揚陸艦の5マイル外側を囲む輪形陣から、白煙が上がる。その外側の水中からもだ。

 

海軍艦艇が一斉にBGM-109タクティカルトマホークを発射したのだ。

 

Operation(オペレーション) Ragnarok(ラグナロク)、海軍作戦の第1段階、射程距離の長いトマホーク巡航ミサイルと海軍航空隊による、敵海軍軍港への飽和攻撃。

 

100発近いトマホーク巡航ミサイルが中央海上空の低空を滑る様に飛び、40・40・20の3つのグループに分かれる。

 

1グループ40発は、軍港の存在するサラマス半島を迂回、海側から軍港を目指す。

 

2グループ40発はサラマス半島の山を越え、軍港の背後から襲い掛かる。

 

3グループは半島の海岸線を沿う様に軍港へ向かっていく。

 

敵の軍港に殺到、迎撃されたミサイルを除き、施設や艦艇を蹂躙していった。

命中弾は1グループ32発、2グループ35発、3グループ14発と、大半が命中。

同時にレーダー施設の1/3を喪失した傷だらけの軍港は、遠征打撃群から発艦したAV-8BJ+やF-35Bの攻撃隊に対処せねばならなかった。

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