SKY VALKYRIE & Silver Arrows 作:中井 修平
空母"しょうかく"甲板上では、海軍の航空機が発艦準備に追われていた。
8機のF/A-18Eが攻撃隊の直掩に入り、20機のF/A-18Fが攻撃隊へ、4機F-35CJが更に上空から援護する。
艦隊の直掩に就くのは、8機のF/A-18Eと4機のF-35CJだ。
しかし、攻撃隊に全戦力を投入するのではない。
フライハイトの第2波航空隊、第3波航空隊にも加わるのだ。
第2波航空隊では4機のF/A-18Eが、第3波航空隊では8機のF-35CJが加勢する。
海軍の戦闘ドクトリンは、「イージス艦が航空優勢を握り、航空機が制海権を握る」だ。
だが、そのドクトリンがあっても、対空戦闘における航空機の優位性は変わっていない。
それにイージス艦の対空ミサイルの射程にも限界がある為、その外側のエアカバーに就くのが航空機だ。
CVN-21"しょうかく"の
『ネプチューン・リーダーより各機へ、
『
艦隊上空を旋回するE-2D
その母艦"しょうかく"の横を、波を割って大海原を走るフライハイト海軍の原子力空母"エインヘリヤル"から、チーム・ヴァルキリーのF/A-18E、F-15E、JAS-39E、ラファールM、F-16Cが発艦していった。
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『
『
高度
既に空中給油の支援を受け、中央海上空、ワールドエンドに向かうフライハイト・ヨルジア連合艦隊の付近を飛行中だった。
右下を見ると、白波を立てて海上を走る艦隊がポツリポツリと見える。
広い飛行甲板を持つ空母の甲板上に、ルビーレッドに発光する機体が見えた。
赤い機体はF-16C……ソエルの機体、と言うことはあの広い甲板の空母はエインヘリヤルだ。
その赤いF-16Cが甲板を蹴って大空へと飛び立った。
『
『
『
『
バリゲイド上昇とは、アフターバーナーを焚いて上昇する事で、スクランブル発進などで高度が欲しい時に行う上昇だ、スクランブル以外のこうした場合にもバリゲイドは使われる。
16機のエンジンが一斉に噴火する。
アフターバーナーに点火して、一斉に上昇していった。
高度
前方には鮮やかに発光するヴァルキリーの戦闘機がデルタ編隊を組んで飛行している。
『ヴァルキリー・リーダーへ、こちらブルームーン・リーダー。貴編隊を援護する』
『ヴァルキリー・リーダーよりブルームーン・リーダー、援護に感謝する』
『こちら
『エターナルへ、こちらヴァルキリー・リーダー。こちらこそよろしく』
航空機間の通信を交わしている内にヨルジア空軍は援護位置に着く。
ブルームーン隊のF-22Aとスワロー01から04のF-15CJは左翼側、ミーティア隊のF-22Aとスワロー05から08は右翼側に展開し、攻撃態勢を取った。
『エターナルより全機へ、早速お客さんのお出ましだ。前方40
その数の多さに全員が驚愕する。
情報は耳元に更に届く。
『開口レーダーによりスキャンした、Tu-95M 12機、MiG-29、MiG-31各24機、その下をMi-28が飛んでいる』
『
ハルトマン大尉のその通信と共に、全機がレーダー上で敵機を"マーク"、目標の重複を出さず、効率よく撃破する準備を行う。
『ヴァルキリー・リーダーより全機へ、チェック・シックス。常に後方には警戒しろ』
『『『
『『『
『『『
『ヴァルキリー、出撃!』
ノワリー少佐がそう叫ぶと、ヴァルキリーの機体の輝きが増す。
その輝きは光の粒子となり、その粒子は周囲の色と溶け込んでヴァルキリーの機体を包む。
この光の粒子がロービジの元だ。
『タスクフォース02全機、FOX3!』
8機のF-22が2発ずつのAIM-120D-6 AMRAAMを、8機のF-15CJが2発ずつのAAM-4"ダーインスレイブ"をそれぞれ発射。
合計32発の中距離AAMは機体から放たれた後ロケットモーターに点火、
レーダー上で確認、命中まで1分無い。
30秒前……20……10……5、4、3、2、1……
『エターナルより全部隊、命中弾
『当然だエターナル、次弾発射する』
今度はF-22Aのみが再びFOX3、16発が宙を舞った。
次の中距離AAMは命中まで30秒程、こちらもミサイル
遂に敵も中距離AAMを撃ってきた、MiG-31フォックスハウンドのR-40だ。
初弾の
全機がブレイク、チャフとフレアーを散布しつつ回避機動を取る。
第2波のAMRAAM命中とほぼ同時に______敵のR-40も命中した。
空中で2つの花が咲く。
『Fuck!こちらスワロー04被弾!イジェクトする!』
『スワロー06!被弾した!被弾した!』
『了解、こちらエターナル、SARヘリを要請する』
2機のF-15CJが必死の回避の末、被弾。1機のパイロットは機体を棄て、ベイルアウト、
もう1機のパイロットは被弾するも機体は何とか飛ばせるらしい。
『スワロー01よりスワロー06、ダメージは?』
『右垂直尾翼脱落、エンジンにダメージ、右エンジンの燃料流入をカットした。戦闘不能!』
見ればスワロー06は右側のダメージが酷い。
垂直尾翼を失い、水平尾翼も3分の1を喪失、主翼も傷だらけで、エンジンからは黒煙を吹き出している。
『了解、アルメリアに引き返せ、任せろ!』
『
『こちらヴァルキリー・リーダー、スワロー06、心配するな、ここは任せてくれ』
ノワリー少佐がそう言うと、スワロー06のパイロットは酸素マスクとヘルメットの下の表情を苦く歪め、操縦桿を倒して戦闘空域を離脱した。
ブレイクによって乱れていた編隊を組み直し、整える。
その頃には敵の姿は遠くにポツリポツリと見えてきた。
第2波は16発中11発が命中、開口レーダーの判断の結果、爆撃機は姿を消し、MiG-29は16機、MiG-31は9機しか残っていなかった。
第1波のAMRAAMはどうやらヘリにも命中したらしい。
既に3分の2近くを喪っているが、引こうとはしない。何故だ?
その時、
複数発射された
そのラファールMが撃ち漏らした敵機を他のヴァルキリーのパイロット達が片付ける。
タスクフォースはその援護に入った。
F-15CJが一斉に増槽を投棄、身軽になり、ドッグファイトに突入する。
F-22Aを駆るハルトマン大尉は、その内の1機のMiG-29に目をつける。
そのMiG-29は、ソエル機______アストライアの後方に着こうとしていた。
『させるか!ブルームーン01、
素早く旋回、二次元推力偏向パドルのおかげで、MiG-29と同じかそれ以上の機動性を持つF-22A。
F-22Aに気付いたMiGは、アストライアを追うのを止めた。
両者は巴戦に入る。
先に巴戦から離脱したのはハルトマン大尉のF-22A、何故なら更に後方から2機のMiG-29が追ってきたからだ。
操縦桿を左に倒して離脱、半ロールを打って急速に降下する。
後ろを見て追いかけて来るのを確認、よし、来い!
右に操縦桿を倒し、旋回、スロットルを押し込んで加速し、戻した操縦桿を引いて上昇、速度を高度に変える。
と、ハルトマン大尉を追っていた3機の内1機がミサイルによって爆散する。
『ライガー、大丈夫か?』
『大丈夫だったがね、助かったよ、レオン』
ブルームーン02、バルクホルン大尉だ。
1機が殺られて動揺した2機は、ハルトマン大尉をを追うのを止めて回避に入る。
ハルトマン大尉は十分な高度をとり、スロットルを急激に絞ってエレベータ・アップ。機をワザと失速させる。
機首が下を向く直前に再びスロットルを押し込み、速度を回復、凄まじい速さで降下。
正面には、先程まで追いかけられていたMiG-29が見える。
徐々に操縦桿を引いて戻し、上部後方を占位する。
JHMCSの
『FOX1!』
機関砲カバーの開く若干のタイムラグの後、毎分4000発の光の奔流がMiG-29に襲い掛かった。
スプラッシュ・ワン。
撃墜を確認したハルトマン大尉は既にもう1機を見つけていた。
後方から追って来るMiG-31だ。機速は向こうの方が僅かに速い、普通のパイロットなら気付かない位にだ。
それが好都合、ハルトマン大尉は左に操縦桿を倒し、バレルロール。
その勢いのまま左旋回し、後ろを向いた敵機が機体の陰に隠れた。
操縦桿を左に、MiG-31と背面を向け合うと、MiG-31がオーバーシュートした。
エルロンを右に切り、敵機の後ろにつく。
HMDのサークルがMiG-31の巨大なノズルを捉えた。
『FOX2!』
コール、操縦桿のスイッチを押す。
機体側面の
機体の摩擦熱とフレアーの熱を識別する為、欺瞞も困難だ。
巨大なエンジンに金の矢が飛び込み、MiG-31は爆散した。
一方、ブルームーン02のコールサインを持つ
『へっ、おやすみ坊や』
完全にMiG-29を捕捉したバルクホルン大尉は、HMDのレティクルと敵機を重ねてトリガーを引く。
バルルルルルルルルルルッ!
重い重火器の音と共に、
バルクホルン大尉は次の目標を見つけて操縦桿を操る。
狙いはノワリー少佐機______ブリューナクを追うMiG-31。
上空を飛び、長距離から狙いを定めでいるようだ。
『ブルームーン02、ヴァルキリー01、4時方向にMiG-31、援護する』
『すまない!』
東側直線番長の発展型のMiG-31、いくら改良によって格闘戦能力が上昇したとはいえ、この猛禽類の敵ではない。
MiG-31は機関砲の射線から逃れようと
『FOX2』
操縦桿をボタンを押すと、副兵装庫から
機械の目でガッチリ捉えたミサイルは、敵機を無慈悲に撃ち砕いた。
『スプラッシュ・ツーだ!』
『こちらブルームーン01、こっちはスプラッシュ・スリーだぜ!……しかし、何かおかしいぞ』
やはり、撤退しないのは何か理由があるはずだ。
そう考えた2人は間違っていなかった。
次の瞬間、エターナルからオープン回線で通信が入る。
『エターナルより全機へ、洋上の敵空母から新たな機影、恐らく増援だ』
これが目的か、近距離まで誘い出し、増援部隊で叩くのが目的だったようだ。
『こちらミーティア01、我々が向かいます』
『ブルームーン・リーダーよりミーティア・リーダー。任せた』
『
ちらりと目をやると、4機のF-22Aが敵艦隊の方面へと向かって行くのが見えた。
彼らに増援は任せるとして、こちらも集中しよう、ヴァルキリーを護るんだ、そう思い、意識を再び戦闘へと突っ込んでいく。
その頃、敵艦隊へは、"青い影"が向かっていた。
尚、バリゲイド上昇はバリ "ゲ" イドなのかバリ "ケ" イドなのかうろ覚えの模様(え
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