無事地獄の一週間から解放されました。
まだまだ文章が拙い駄作ですがよろしくお願いいたします。
やけにしょっぱい朝食を食べた後、フォイを従えて授業へと向かう。
『魔法薬学』の授業、それはスリザリン寮があるのと同じ地下で行われる。薄暗く、夏なのに肌寒くさえ感じるこの空間は、初めて来る一年生には少々薄気味悪いものがあるだろうが、僕にとっては落ち着く数少ない空間だ。なぜなら薬草の匂い即ち、スネイプ先生の匂いがするからだ。
(ふわぁ〜〜〜〜!!先生の、NI・O・Iだぁ!やばばば!先生に包まれてるぅ!!)
様々な薬草のが混ざった独特の匂いに思わず鼻をつまんでいる者が居たが、僕はその逆で嗅ぎまくっていた。
この匂いを味わう(?)為に少し早めに来ていたので、今居るのはフォイとゴイルにクラッブ、それと、数人のスリザリン生だけだ。
だから、思う存分嗅いでいると……
「あれ?……ナオ、速いね。えと、何してるの?」
「あ、ホントだ。それにフォイも」
ハリーとロンが入ってきた。
「あぁ、ハリーにロン。久方ぶりだね」
「久方ぶりって……、まぁ組分けの日ぶりだけどさ」
思っていた程以上に、動揺していたようだ。変な受け答えをしてしまった。
数分もしないうちに教室内には今日合同授業をするスリザリンとグリフィンドールの一年生が集まっていた。
まだ11歳の少年少女が集まれば、そりゃうるさくなる訳で。ざわざわと話し声が地下室に響いていた。
それが、一瞬でピタリと止まった。
スネイプ先生が扉からマントを翻して入ってきたからだ。それまで喋っていた生徒も口を閉じてじっと先生の方を見ていた。え?僕?ボクはもちろん…
(先生!スネイプ先生!本日もかっこいいです!サイコーです!ああぁっ、そのマントに包まれたい!)
顔には出さずに悶えていた。
『妖精の呪文』のフリットウィック先生の様に、始めに出席を取っていく。
次々名前を呼んでいき、ある名前の
所で、その歩いていた足も止める。
ハリーの所だ。
(羨ましいぃ)
「ああ、さよう。ハリー・ポッター…我らが新しいーーースターだね」
隣でフォイがクスクスと冷やかし笑いをしていたが、とりあえず無視しておく。
スネイプ先生は出席を取り終わると、『魔法薬学』の授業の説明を始めた。
「このクラスでは、魔法薬調剤のが微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ」
呟くような、低い声なのに、それを聞き逃す者はいない。マクゴナガル先生のように、一瞬で周りを静かにさせる能力を先生は持っているらしい。
「……ーーーただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロ達より諸君がまだましであればの話だが」
先生の大演説が終わった。
グリフィンドール側から、すぐにでも自分がウスノロではないと証明したいらしいハーマイオニーがウズウズとしていた。
「ポッター!」
スネイプ先生がハリーを呼んだ。
「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」
(あー!例のあれキタァー!先生!僕わかります!『生ける屍の水薬』です!入学前に島で作りまくりましたぁ!)
心の中でテンションが上がりまくっている僕をよそに、質問されたハリーの方は全くわからない様子で隣のロンに目線で助けを訴えていた。が、答えが分からないのはロンも同じようで、「降参だ」といった顔をしていた。
ハーマイオニーの方は、自分の事をアピールするかの様に手をまっすぐ挙げている。
「分かりません」
正直に分からないと言うハリー。
それに先生は口の端を僅かに上げせせら笑った。
(あーーーーー!!カメラが!カメラが欲しい!もちろん僕の脳内ファイルに保存済みだけど、こう、形として残しときたい!!!)
ハーマイオニーの手と、僕の脳内の叫び声は無視されて、続けて先生はハリーに質問する。
「ポッター、もう一つ聞こう。べアゾール石を見つけて来いと言われたら何処を探すかね?」
(はい!はーい!山羊の胃でーす!)
べアゾール石とは、あれだ。簡単に言うと毒とか色々ちゃらにしてくれる万能な石のこと。その正体は石というよりも結石であり、山羊の胃から採れる。だから、この質問に対する答えは『山羊を探しに行きます』だ。
だが、その事を一年生のハリーが知るはずも無く、今この教室の中で分かっている者は僕とハーマイオニーぐらいか。
フォイの知識などは知らん。興味がない。
ハーマイオニーが、椅子に座った状態で出来る限界まで高く手を伸ばしているが、それを先生が当てることはない。
「分かりません」
隣でフォイが笑っているが、知らんぷりしておく。だって面倒くさいし。
「クラスに来る前に教科書を開いて見ようとは思わなかった訳だな、ポッター、え?」
スネイプ先生……、楽しんでいますね。
(………………分かります!苦悩に満ちた人の顔って何とも言えない気持ちがわきますよね!苛めたくなっちゃうというか、もっと泣け!というか!)
3つ目の質問を先生が言う。
「ポッター、モンクスフードとウルフスベーンとの違いは何だね?」
(はい!!モンクスフードとウルフスベーンは別名アコナイトと呼ばれていて、それは全てトリカブトです!なので、答えは『同じ』です!)
とうとうハーマイオニーは椅子から立ち上がって手を地下室の天井につかんばかりに伸ばしている。ハリーが質問に答えることもなく、3度目の「分かりません」を言う。
それに加えて「ハーマイオニーが分かっていると思いますから彼女に質問してみたらどうですか?」
と言った。
それに対して、数名のグリフィンドールの生徒が小さく笑った。
先生は不快そうに少し眉間の皺を深くした。
「座りなさい」
ハーマイオニーにピシャリと冷たく言った。
僕は先生の次に発する言葉に耳を澄ませていた。原作通りなら、ここで先生の説明が始まる。ノートと羽ペンの用意は既にしている。
痛い程の沈黙の時間が過ぎていく。
(さあ、来い!)
「ふむ、ではハセガワ。君になら我輩の質問に答えることができるだろう。夜中に出歩いていた程だ、よほど授業に余裕があると見た。さぁ、答えたまえ」
え
夜中ってあれか?先生に壁ドン(キャーキャー)されたあの入学してきた日の夜のこと?
もしかして悪い意味で目ぇ付けられた?
僕はマグル出身だから、スリザリンだからといって………
等と考えを巡らせていると、
「答えられないのかね?」
とスネイプ先生。
いけない!このままでは僕の評価がだだ下がりだ!
先生のお気に入りどころか、退学させられるよ!それはそれで、乗り込むなりなんなりするけどさ!
カタッ……
小さな音を立てて椅子から姿勢良く立ち上がる。
そして、黒い洞窟の様な、冷たいスネイプ先生の目を見つめたまま、僕は口を開いた。