日本人、ホグワーツでフラグを立てる   作:府七尾

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“セブルス・スネイプ”

 

そう書いたプレートがはってある扉の前に僕はいる。

『魔法薬学』の授業で怪我をして、スネイプ先生に連れて来られたからだ。

 

この状況に、僕の妄想脳が静かにしているはずもなく…

 

 

(え?え?え?どゆこと?マジっすか!憧れの地下室!!!)

 

 

固まってしまっている僕の腕を強く掴んだまま引きずるように中に連れて入るスネイプ先生。

 

そして、黒い皮張りのソファに投げ捨てるように座らされた。

 

「…、あの……」

 

「勘違いするな、Mr.ハセガワ。我輩は校長の命令を受けて貴様を治療するのだ」

 

治療…あぁ治療ね。なぁんだ、先生に押し倒されてチョメチョメじゃぁなかったのかぁ……今はありえないけどさ。

 

あれ?でも、それなら医務室があるし、……それが校長の命令なのか?

 

「ダンブルドア先生はなんと…?」

 

「それを我輩が言うとでも?…そうだな、これだけは言っておこう。貴様が怪我をすれば我輩が全て手当をしなければならない。」

 

「あ、はい」

 

「生憎我輩は忙しい身なのでね、Mr.ハセガワ、せいぜい傷を作らぬ事だな」

 

 

そう言うと、口を再び硬く閉じ、眉間に皺を寄せて薬を負傷している左腕に振りかけてくる。

 

「……っ!」

 

「… グリフィンドールの奴など、放っておけばいいのだ。あやつらは、失敗してその身で学習するのが良かろう。ましてはロングボトムなど」

 

こちらが痛みに顔をしかめているのもお構いなしにグリフィンドールへの嫌味を言っている。ま、それこそがスネイプ先生らしいんだけど。

 

 

薬の次は包帯を巻いていく、その手つきは普段の授業の先生からは想像できないほど丁寧だった。やはり、このようなところに先生の生真面目さが伺える。

 

丁度先生が綺麗に巻き終えた所で口を開く。

 

 

「確かに、グリフィンドール生は後先考えずに行動する面があると思います。それには幾つもの迷惑と失敗が伴います。ですが、今回のような危険な失敗は、止める必要があると僕は考えています」

 

綺麗に巻かれた包帯を右手の指でなぞる。さっきまでジクジクと痛かったのが、薬のおかげか引いている。

 

「例えそれが半純血でも、マグルでも僕は助けていたと思います。…偽善だと思われても構いません。怪我をすると分かっている人をそのままにしておくなんて、気分が悪いですから」

 

最後に先生の方を見る。とっくに自分の隣から動いているかと思えば、まだ僕の傷の手当をしていた位置から動いていない。

 

「要するに、お節介なんですよ、僕は」

 

先生の表情は、眉間の皺は健在だが目は少し見開いていて、驚いているようにも、何か嫌なものでも思い出したかのようにも見える。

 

「…手当は終わった。寮に戻りたまえ」

 

杖をひと振りして薬の入った小瓶や包帯を片付けながら、先生は目も合わせずにそう言った。

 

「はい。ありがとうございました、スネイプ先生。次からは怪我をしないようにしますね」

 

先生の様子が少し気になったが、ここは素直に従っておく。

 

お礼を言い、部屋から出ようとすると

 

「今夜、夕食後、ダンブルドアがお呼びだ」

 

それだけ言うと、杖を振ってバタンと扉を閉じられた。

 

「えー、また呼び出しかよ」

 

今度は何かなー、と考えながら取り敢えず寮に戻ろうかと歩いてあると、魔法薬学の教室からハリー達が出てくるのが見えた。

 

「ハリー。今片付けが終わったのか、すまない、途中で抜けてしまって」

 

「ナオ、全然大丈夫だよ。フォイが仕切っていたのがあれだったけど…」

 

「そうそう。あいつ、自分がスネイプに頼まれたんだ!って、何様だよ」

 

フォイの口調を真似するロン。

ああ、そういえば僕を連れ出すときに先生がフォイに頼んでたな。それにしても、フォイ呼び定着したな。

 

 

「そうなんだ。フォイは今どこ?」

 

「まだ教室にいるよ。…それよりもナオ、腕の傷どうだい?」

 

「大丈夫、少し痛むけど薬のおかげで今は引いてるよ。包帯が大袈裟なぐらいだよ」

 

「あ、スネイプに連れていかれたよな。あれどうしたんだ」

 

「別に。医務室に連れていってくださっただけさ」

 

「へぇ、あのスネイプがねぇ。やっぱりスリザリンとグリフィンドールは扱いが違うな」

 

もっと深く聞かれるかとも思ったが、いつものスリザリン贔屓て事で収まった。

 

「そうだ!ナオ、僕らハグリッドのお茶会に誘われてるんだ。良かったら一緒にどう?」

 

そうか、ハリーとロンは朝食の時にハグリッドから手紙が来たんだったな。いやー、今日はいつもよりもぼぅっとしていて、忘れてたよ。

 

「いや、僕は寮に戻れって言われているからね。楽しんできてよ」

 

「あー、マダム・ポンフリーか。そうだろ?」

 

「ああ、そうさ。じゃ」

 

「うん、次は一緒に行こう」

 

「オーケー」

 

そこで僕とハリー達は別れた。

 

そのまま地下の寮に戻る。

 

 

 

あ、フォイ……まいっか。

 

 

ーーーーーーその頃ーーーーーー

 

「おい!クラップ、その鍋を洗え!…ゴイルこの薬草を片付けろ」

 

クラップ&ゴイル「「(自分は何もしてないくせに…)」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

寮の部屋に戻りローブを脱ぐ。

 

「夕食後って事は…時間があるなぁ。午後は授業無いし……。よし!寝よう」

 

金曜日は午後から授業が無いので、夕食まで暇だ。寮を出ているところをスネイプ先生に見られたら何か小言を言われそうだから、特に何もすることが無い…だから、寝ることにする。

 

寝やすい服装に着替えてフカフカのベッドに潜る。

 

最近、アクロマンチュラとの追いかけっこにも慣れてきて、バック転しながらとかアクロバットな運動を増やしたからか、直ぐに寝ることができそうだ。

 

先生の……夢…、見たい……な………ぁ

 

スー… スー…

 

昼間の部屋に、静かな寝息が聞こえ始めた…

 

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