日本人、ホグワーツでフラグを立てる   作:府七尾

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血、流れます。流血?表現注意。


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ハリーポッター15 

 

気がついたら、薄暗いじめっとした部屋にいた。つい数時間前にも嗅いだ色々な薬草の香り。

すぐに気づいた。

 

スネイプ先生の部屋だ…と。

 

 

(うぅ、気持ち悪…)

 

 

随分と汗をかいていて、身体がべたべてして気持ち悪かった。目を開けたは良いものの、ふわふわしていて起き上がる気が無かったので、じっと寝たままにしていたら、カリカリとホグワーツに入学してから大分聞き慣れた、羽ペンで羊皮紙に書き込む音が聞こえた。

 

少しだけ、頭をそちらに向けると、扉が半分開いていて、その向こう側から音が聞こえているようだった。

 

ん?ここは、スネイプ先生の部屋で…、扉の向こう側でなにかしているとしたら、スネイプ先生しか居ないはずで。そして僕は寝ている。

 

ふわふわ?てことは…?

 

「クァwセdrftgyフジコlp!?え、え、えちょ、は?まさか…スススススススッ!!!???」

 

kokowa、senseino、beddo

 

ココハ、センセイノ、ベッド

 

ここは、先生の、ベッド

 

 

(…ここは先生のベッドォォォォォォォ!!??)

 

 

スネイプ先生が寝起きしている神聖なる場所だと!?いや、先生はソファで寝ることも多いはずだけど、それでも一回以上は寝ている場所!ヤッバ。ちょっと枕の匂いを…

 

あ、鼻血出た。

 

「起きたのかね、ハセガワ」

 

丁度先生が扉を開けて入ってきた。さっき叫び声を思わず上げたので、先生の仕事の邪魔をしてしまったのだろう。

 

「体調は…、まだ改善しておらん様だな」

 

スネイプ先生は、僕の鼻血を見て、また面倒臭い仕事が増えた、という顔をした。

反射的に手で鼻を押さえる。当たり前だが、ヌルッとした温かい液体の感触。そして、流れて僅かに口に入った鉄の味。

それで僕を汗だくにさせた原因を思い出した。

 

また、夢だ。

 

それも、血の味を覚えているほどリアルな夢。

 

鼻血を流して、押さえている指の隙間からも血が出ている状態のなんとも情けない格好であったが、僕はそれを一瞬の内に忘れ、ただただ恐怖に囚われた。

 

 

とてもとても寒い、冬

 

『止めて、来ないで…』

 

「止めて…来ないで…」

 

「ハセガワ?」

 

手にキラリと光る物を持った女性。ソレは赤に染まっていて

 

『お母さん、ごめんなさい』

 

「お母さん…ごめんなさい」

 

未だにポタリ、ポタリと滴が落ちる

 

『たくむさん…』

 

「たくむさん…」

 

「おい、ハセガワ?どうしたのかね」

 

助けを求めて愛しい人の名前を呼ぶ

しかし目に入るのは赤い水溜まりに沈む身体

 

『いやぁ!たくむさん!』

 

「いゃ…いやぁ!たくむさん…!」

 

あたしがその名前を呼ぶ度にその手の物を降ろして来る母

 

『ごめんなさい、ごめんなさい』

 

「…ごめんなさい!…ごめんなさい!」

 

そして、そして…あたしは…

 

 

「ハセガワ!」

 

 

突如、血の味から強い薬草の味へと変わり意識が引き戻された。

これは…、気付け薬?

 

「…せん、せい?」

 

目の前に立っているのは、返り血を浴びた母ではなく、眉間にシワを寄せて片手に瓶を持った黒ずくめの男性。

 

「手間を増やすのはお得意の様ですな?Ms.ハセガワ」

 

「スネイプ先生」

 

そうだ、今の僕はホグワーツに入学した長谷川 直だ。あんな、嫌な女じゃない。

 

先生のベッドを拝借しているのを思い出し、すぐに立ち上がろうとすると

 

クラッ…

 

「あれれ?」

 

「貧血だな。しばらく寝てなさい。…チッ」

 

…先生、舌打ち聞こえてますよ。

 

先生は再び向こうの部屋に行き、少し後にまたカリカリと羽ペンの音がする。

どうやら、鼻血は先生が魔法で綺麗にしてくれた様だ。

でも、身体の汗はまだべとべとしている。自分でスッキリさせようと杖を取り出して気がついた。

 

手首が細い。ベッドに越しかけたことにより、見えた足は制服のズボンで隠れているとはいえ細く、柔らかい。

 

「あぁ、魔法が解けたままなのか」

 

一度杖を左手に持ち替え、右手で指を鳴らす。そうすることで、僕の姿はいつものナオ・ハセガワになる。

『異性モドキ』をかけ直す事により、気分が大分すっきりしたので、この気分の悪さは魔力過多にも原因があったのだろう。

 

杖をまた右手に持ち替えて、校長室でしたように自分に杖を向ける。頭でイメージを固めて無言呪文で身体の汗を拭き取り、サラサラにする。更にサイドテーブルに丁寧に畳んで置いてあるローブを手に取り、内ポケットから試験官に入った増血剤を取り出す。

 

お世辞にも美味しいとは言えない自作の薬を飲み、数秒じっと目をつむる。

すると、たちまち心臓が早く脈打ち貧血でクラクラしていた頭がハッキリしてくる。

 

この自作した増血剤は、服用者の魔力を使用することで血を増やす変わった薬だ。数秒で終わったのは僕の魔力が半端ないからで、恐らく他の魔法使いや魔女がこれを使っても、ますます気絶するだけで、普通の増血剤を使った方が効率が良い。

 

これは、島にいた頃から開発していた薬の一つだ。

 

「ふぅ、これでよし」

 

『異性モドキ』と特製増血剤の使用で、魔力過多も貧血も元通り治ったところで、ベッドから立ち上がりスネイプ先生の居る部屋へと移動する。

 

その前に…良いよね?

 

音を立てないようにベッドにダイブして枕に抱き着く。

 

(やっば!スネイプ先生のベッド!枕!うーん、やっぱり薬草の匂いがするー!これだけでご飯8回おかわり出来るよー!!)

 

暫くごろんごろんと、枕を抱いたままベッドを転がり、満足したところで立ち上がる。

杖を無言で振り、後で屋敷しもべ妖精がベッドメイクするとはわかっていても、転がったことでぐしゃぐしゃになったシーツを置いておくのは、嫌だったので清潔にして直しておく。

 

そうして、ようやくスネイプ先生の居る部屋へ。

 

静かに今度は閉じられている扉を開けると、スネイプ先生は執務机に向かって生徒のレポートの採点をしていた。

 

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