日本人、ホグワーツでフラグを立てる   作:府七尾

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(よっしゃゃゃゃ!後は上手く事が運べば...)

 

ネビルの思い出し玉を見事地面スレスレでキャッチしてみせたハリーと僕は、興奮して歓声を上げているグリフィンドール生によって囲まれた。

フォイとスリザリン生達は、皆一様にハリーに向かって悔しそうな顔をしている。

フォイが持っていた思い出し玉を指で弾いたのは、多分死角になっていて地上からは見えなかったであろう。

そして、フォイの手から誤って滑り落ちた(と思っている)思い出し玉を、箒で競争して、スリザリンのナオではなく、グリフィンドールのハリーが勝ち取った事に対しての悔しさだろう。

 

ま、全部計算してたけど。この後の展開を予想して...ね。

 

「Mr.ポッター!Mr.ハセガワ!」

 

校舎の方から凄い形相でエメラルドグリーンの女性、マクゴナガル先生が駆けてきた。

その後から、渋々連れ出されて来た感満載のスネイプ先生も。

 

「...やったね」

 

「?なんか言った?ナオ」

 

思わずポツリと呟いた言葉にハリーが反応したが、何でもない、と誤魔化す。まだ聞きたそうにしていたがそれも直ぐに別の事へと気が取られ、ハリーの顔色は青白くなっていった。

 

「Mr.ポッター!何という事を...こんな事は1度も...!付いてきなさい!」

 

マクゴナガル先生がハリーの腕を引っ掴み、そのままズルズルと校舎へと引きずっていく。

 

フォイを始めとするスリザリン生が馬鹿にしたように笑い、反対にグリフィンドール生は顔を青ざめてハリーの心配をした。

 

でも、それらはスネイプ先生が僕の首根っこを掴んだことにより、逆転した。

 

「来い、Mr.ハセガワ」

 

その言葉だけでこの場に居ないネビルならばまるで『 ロコモーター・モルティス』を掛けられたかのように硬直したであろう低い冷たい声色に、流石のスリザリンも皆顔が少なからず青くなる。

 

当事者の僕はこれから起きる事がだいたい予想が付いているので余裕綽綽である。

 

ハリーよりはましだが、引きずられるようにして飛行訓練の授業からログアウトした。

 

というか、マダム・フーチも戻ってきてないし、収拾つくのか?あれ。

 

「く、首が締まりますよっ...スネイプ先生!」

 

校舎内に入り、地下室のスネイプ先生の研究室か、フリント先輩の所に連れていかれると思いきや、先生が僕の首が締まるのにも関わらず引っ張って行ったのは、職員室だ。

 

(何故に職員室!?)

 

こればかりは予想外だったので、自然体でキョトンとする他ない。

そこで漸く首を開放したスネイプ先生は先客に声を掛ける。その声から、不機嫌さが十分伺える。

 

「フーチ。ハセガワを連れてきたぞ」

 

先生の口から出た名前に、勢いよく顔を開けると何やら興奮が冷めやらない感じのマダム・フーチが目を輝かせていた。

 

(あれ、ネビルを医務室に連れていったんじゃ)

 

なんて事を思いつつも、この雰囲気じゃあ、マダム・フーチの言いつけを破った事による罰則の取り決めでは無いようだ。

じゃ、何故職員室に?

 

そんな感情が顔にでも出ていたのか、僕の横に腕を組んで立っていたスネイプ先生が嫌そうに口を開いた。

 

「我輩が地下牢でレポートの採点をしておったらこの時間は授業が入っている筈のマダム・フーチ殿が許可もなく入って来たのだ『スリザリンの新しい選手が現れました!』とな」

 

あー、レポートの採点ですか。それってこの間僕に構ってたから溜まっていたんでしょうか?...違いますよね?あれから1週間弱経ってますし...でしょ?

 

「ええ!そうですセブルス!この子の箒さばきには、目を見張るものがありました!きっと最高の選手になる事でしょう!」

 

成程、スネイプ先生がマクゴナガル先生と同時にやって来たのは、たまたまだったのか。

 

「ほう。何をしたのかね?」

 

「Mr.ハセガワは、ホグワーツの箒、『 流れ星』で槍よりも速い速度でMr.ロングボトムを受け止めたのです!」

 

「『 流れ星』でか...」

 

僕をそっちのけにして、話し込む2人の教師。

あれー?原作のハリーはもっとあっさりと決まってたのになー。

見つけたのが、マクゴナガル先生か、箒に関してのプロのマダム・フーチかの差か?

 

「ですから!Mr.ハセガワはクディッチの選手にするべきです!」

 

マダム・フーチって、こんなキャラだったっけか?あれだ、きっと。飛行術に関してだけなんだろうな。

 

「...ハセガワは、どうしたいのかね?」

 

そんなマダム・フーチに若干引いているスネイプ先生が今まで黙って聞いていた僕に聞いてきた。

 

「僕は、クディッチ、やりたいです」

 

その何処か陰がある黒い瞳から目を離さずに、自分にも言い聞かせるようにして区切って言う。

 

暫くそのまま見つめ合う。

 

(ナニコレ!!スネイプ先生と見つめあっちゃってるよ!!そこに愛はないけれど!僕は愛情いっぱいですよ!)

 

そんな僕の心情を読んだのか『開心術』をごく自然に使ったのかは分からないがスネイプ先生は1度眉間のシワを揉んだ後、盛大なため息を吐いた。

 

「良かろう。ただし、ダンブルドアの承諾を得てからな」

 

「あ、それなら大丈夫だと...「わたくしが既に校長に進言致しました!!」...」

 

僕がハリーも同じ事になってるから、大丈夫だと思います、と言う前にマダム・フーチがもうダンブルドアに許可を得たという。

ネビルを医務室へ運んでからあんまり時間経ってないのに...凄い速さだな。

 

マダム・フーチの熱に圧倒されつつ決まったクディッチの選手になる事が!

 

そう、これはすべて計算ずくだったのだ!マダム・フーチがスネイプ先生に報告したのは予想外だったが。

 

クディッチの選手になってまで、僕がしたい事、それはズバリ...

 

(目立ちたいんです!僕の名前を学校中に広める為に!え、なに?ただの目立ちたがり屋だって?ノンノン。名前を広めることで、少なくとも今後僕が皆に進言する時に、『誰だアイツ?』ってならなくて済むじゃん)

 

「ハセガワ、クディッチに出場するからには、さぞ素晴らしい成績を我がスリザリン寮に残してくれるのだろうな?」

 

わぉ、お目目が怖いです。

 

「ええ、勿論です。スネイプ先生」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

あの後、箒の話やらクディッチの話やらで開放されたのは、夕食の時間になってからだった。

話してたのは主にマダム・フーチだけれど。

 

大広間に入ると、グリフィンドールの席に、フォイとクラッブ、ゴイルがいた。

どうやら今、ハリーに決闘を申し込んだようだ。

 

ハリーの近くには、ロンとネビルが座っていた。その斜め向かいにハーマイオニーが聞き耳を立てている。

 

「真夜中の決闘か...」

 

確か、トロフィー室だったっけ?

フォイも行く気がないのによくいつも鍵が開いてる部屋を知ってるよね。

 

話が終わったのか、手下従えたフォイが大広間のトびらに(すなわち僕の方に)歩いてきた。

 

「ナオ!」

 

僕に気づいたフォイはトロイ2人を置いて駆けてきた。

 

「やぁ、フォイ。まだ夕食は残っているかな?」

 

「多分デザートなら...、って、大丈夫なのか?君もポッターのようには…」

 

なんだ、心配してくれてるんだ。

 

「大丈夫さ。僕はホグワーツから出ていく気は無いからね」

 

「...そうか、僕らは先に戻っているぞ」

 

そう言うとフォイは大広間から出ていった。

 

僕はハーマイオニー対ハリー&ロンで話しているグリフィンドールの席に近づいた。

 

スリザリンのローブが近づいてきたことにより、3人は初めは嫌な顔をしていたが、それが僕だとわかると途端に表情が変わった。

 

「ハリー、ロン、それにハーマイオニー。さっきは何だかフォイが迷惑かけたみたいだね」

 

「ねぇ、ナオ!貴方からも2人に言ってやってちょうだい!」

 

ハーマイオニーは2人を止めたくて少しプンスカしていた。それをハリーとロンは鬱陶しそうにしていた。

 

(あー、早くハロウィンになればいいのに)

 

そしたらこんな食い違いはちょっとはマシになるのにな、と思った。

 

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