ハリーポッター23
「っ!やはり寮を抜け出した奴が居たのかっ!」
スネイプ先生はそう言うとマントを翻しながら部屋を出ていってしまった。
え、ナニコレ、僕は放置なんでしょうか?
先生も居ないトロフィー室には、沢山のトロフィーと盾と、僕のみが居るだけだ。
「……部屋、帰ろう…」
どうせハリー達がピーブスに見つかるのは原作の通りだし…(ただしスネイプ先生がオプションで付いたけど)
あ、帰るのは勿論スネイプ先生の部屋だよ?当然だ!まだ僕の部屋は完成していないのだから!
よって、僕が先生のベッドで寝ていても今日だけは合法である。前回の鼻血の時は例外とする
(先生の枕をスーハーして抱きしめちゃるっっ!!!!)
僕はそんな変態紛いなことを考えつつ、トロフィー室を後にした。…変態はいつもの事だったな…
いや、これは先生への愛だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー翌日
いつもの如く、僕はまだ日が上らないうちに目を覚ました。
「…行くか」
そしてまたいつもの如く森へ行こうとベッドを降りるときに違和感を感じた。
ベッド……あれ……?
確か僕はあれから先生の部屋に戻って来て…トランクから甚平取り出して着替えて…部屋の主が居ない隙きに思いっ切り枕を抱きしめてベッドを堪能した後にそのまま寝たんだっけか?
これは…
このクイーンサイズ並にでかい寝具の反対側、つまり僕が寝ていた反対側に、膨らみがあるのに気が付いた。
は…ッ!?え、ちょ…待てや…っ!
(こここここっ、これは、…酢すススっスネイプ先生が此処で寝ていらっしゃるのでショウカ?)
いやそうだ、そうに違いない!
だって
此処
先生の部屋だもんっ!!
先生のベッドだもんっ!!
っ、と言う事は……
(コレが朝チュン⁉)←違う
ヤバイ、、、先生からベッドに入ってくれたなんて嬉しすぎるっ!
僕は膨らみの主を起こさぬよう、注意しながらベッドの上で向きを変える。
せいぜい、叩き起こされるか、僕か先生どちらかがソファだと思ってた。
それが、いきなり一夜を共にできるなんて!!
完全に頭の上まで掛け布団を引き上げているみたいで、先生の寝顔は拝見できない。
チョット、チョットぐらいなら、怒られないよね。…うん。寝てるんだから分かんないさっ!
音を極力出さないように、静かな動作を心がけてはいるが、内心心臓バックバクだ。
僕は、布団の端をそっと摘み、寝ている先生を起こさぬよう最新の注意を払い持ち上げた。
そこに居たのは
シーツに艶やかな髪を僅かに広げ
幾分かマシになった眉間のシワを携えた
愛しい愛しい
セブルス・スネイプ先生
「残念だったな」
では無くて、
「出て行きやがれ!
この腐れポルターガイストがぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ポルターガイストのピーブスでした。
ガタタッ
「…あっ」
「あ~ぁあ、起っこしちゃった〜♪」
ピーブスはそれだけ言うと、イタズラが成功した事に満足したのか、はたまたこれからやって来る蝙蝠に恐れを成したのか、その何でも通り抜ける身体でそそくさと何処かへ行ってしまった。
ガチャ…
僕は、音がした寝室から居間兼執務室を繋げる扉の方へ振り向いた。
「ハセガワ…」
「ヒィッ」
僕は、スネイプ先生の寝起きボイスにも関わらず、思わず悲鳴を上げてしまった。
今、先生は超絶不機嫌オーラを垂れ流しにしておられる。
なんか、もう黒ーい怒りのオーラが。
「今は、何時かね?」
寝起きだからか、先生の声はいつにも増して低い。
「え、えー…と、4時前…デスネ?」
あれ?先生、よく見ると昨日の服装のままなのか?
って
(何ですとぉーーーっ!!!シャツのボタンを2,3個外してある事によって、スネイプ先生のその麗しき首筋と胸板が見事にチラリズムしているじゃありませんかぁ!!!!!!ハァ…ヤヴァい…袖のところもボタン外してあるから腕の筋まで見える…何だろう、此処に悪魔が居るはずなのにその悪魔の色気で最早天国と化しているっ!!)
「―ワ、ハセガワ、聞いているのかね?我輩は保護者として『睡眠と日中の集中力』について説かねばならんのだ。そもそも―――くどくどくどくどくど」
あ、コレは長引くな…
そろりそろりと足をおり、ベッドの上で正座になる。少しでも反省の態度を示そうとね。
それにしても
先生、その頭に付いているハネはもしや寝癖ですか?
何なんですか猫ですか。黒猫ですか。色気ムンムンの雄猫デスネ。分かります。
等と考えていたのがバレたのか(いや、バレてたら恥ずかしさで死ねる)、先生のお説教は途切れることなく続き、気がつけば何と朝食の時間になっているではありませんかぁ。
「…もうこんな時間か、分かったかね?Mr.ハセガワ」
「はい。次からは己の行動に気をつけます」
時間に助けられた。
クローゼットから服を取り出して、寝室から出ていこうとする先生。着替えるのだろう。
僕も甚平から制服に着替えようと、ベッドから立ち上がろうとする………
「スネイプ…先生…」
声が震えてしまう。
「どうした?」
「足がぁ…足が痺れて動けません…」
数時間に及ぶ正座のせいでスッカリ足が痺れてしまった。
「ハァ、仕方がない…」
一度手に取った服をその辺の椅子に掛けると、先生は此方に来てくださった。
…一瞬そのため息を吸い込みたいと思ったが、今は悶えるのは足の痺れでいっぱいいっぱいだ。
そのために、廊下に面している執務室の扉から物音がするのに気が付かなかった。
「はぅ…先生ぇ…」
「もう少しだ、我慢しろ」
「うぅ…無理ですよぉ…(力)入んない…デス」
少し動いただけでも足に響き、とてもじゃないが踏ん張れる気がしない…
そもそもの原因は僕では無くピーブスなのだ。許さぬ、ピーブスめ。
ガタッ!!
「は?え、…ちょ…」
執務室から突然聞こえた物音に、驚いた拍子に漸く片足を救出したにも関わらずベッドに当たり、バランスを崩してしまった。
「っ!」
「はぅぅ…くぅ…」
すみません、先生。巻き添えにしてしまって。
僕は先生の腕と肩を掴んでいたので、後ろに倒れる僕と一緒に先生が引っ張られるのは当然のことだった。(ベッドに座っている僕に合わせた体制なら尚更だ)
つまり、この場面だけを見た第三者視点からは所謂『押し倒している(押し倒されている)』状況だ。
「す、すみませんでしたー!!!」
たー!!!
たぁー…………
たぁぁ…………
地下だからか、それともそれ程大きな声だったのか、よく響いていた。
「ちっ、あれは5年のドーキンスだな……、もう立てるだろう。我輩は行くぞ」
先生はそれだけ言うと、ぱっと離れて向こうの部屋へと行ってしまった。
さっきのか効いたのか、足の痺れが大分マシになったようだ。
……
……
ナニモカンガエナイナニモカンガエナイナニモナンガエナイナニモカンガエナイナニモカンガエナイナニモナンガエナイナニモカンガエナイナニモカンガエナイナニモナンガエナイニュニュッ
…よし、着替えてご飯食べよう。
そして今朝は何もなかった。実際そうだし、あったとしても先生にお説教されて僕の足が痺れただけ。
そうそれだけだ。