仮面ライダー鎧武・鎧武を目指す者と戦いの歌姫達 作:にゃはっふー
大量のインベスを従えたそれは、まさにオーバーロード。大きさはスイカアーム土ほどであり、そりに困惑する。
それは、全てのインベス達が全く知らない姿形をしていた。
「どうなってる」
オーバーロード達がこちらに迫る。それらしきものを見るが、紘汰達と違う。インベスがオーバーロード並みに強化された。そんな印象だ。
「数が数か、なら」
『ギア・オレンジ』『オレンジギアアームズ。聖剣無双』
シンセイバーと白銀刀を振るい、インベスを断ち切る。その後、巨大な腕で掴みかかるオーバーロードを剣で防ぐ。
「この」
シンセイバーの弾丸を放ち、離れた瞬間、白銀刀の刀身を切り放ち、切り刻む。
オーバーロードと考えられるが、その強さはインベスを強化した程度。ならばと、
「俺の敵じゃないッ」
『ファーストギア・オレンジストリーム』
高く跳び、そのまま蹴り飛ばしながら切り裂き。オーバーロードを撃ち取る。
白銀の鎧を纏いながら、よしと辺りを見渡す。
海面ではなく陸地になり、翼もクリスもいない。
「・・・司令」
すぐに通信機を使う。内容は察していたとおり、フロンティアが浮上したらしい。
「オーバーロードも気になるが、いまはそっちか」
『少し戦場が混乱しているが、君は迷わすフロンティアのコアへと向かってくれ』
「はい」
そのときまだ知らなかった。クリスや翼達。響の行動など、そしてザクロギアを取り出して、戦場をかける。
マリアが歌う声が響く。世界を救うため、彼女の歌が世界を救う。
だが足りなかった。
「くっ」
全てを目の前の男、ウェルに否定されるマリア。
そのとき、ウェルはマムがいる施設を打ち上げた。
それにより、マリアは我を失いかけたが、
「セイッハァァァァァァァァァァァァァ」
その施設の打ち上げを、止めた戦士がいた。
それは知る人が聞けば分かる。黄金の果実に選ばれた男の叫び声だ。
「な、なんだっ!?」
そのとき、ウェルをぶん殴る男が現れ、それにとまどうマリア。
「あなたは・・・」
「弱者だな、貴様らは」
それはそう見下しながら、ウェルを見る。
「自分が英雄になるために、救世を止める。実に弱者の考えそうな浅はかな考えだ」
「黙れッ、お前こそ何者だッ」
それはばかばかしいと言った風貌で、静かに鼻で笑い、あるものをマリアに投げる。
「それは」
ウェルは困惑して叫び、マリアは赤いリンゴのモチーフにしたそれを見た。
「リンゴギアロックシード。フロンティアを持ち上げたロックシード、ヘルヘイムの果実だ。奴らに渡せ、果実の戦いのためにも」
「果実の戦い?」
マリアの問いかけに、ああと呟く。
「次元と次元、時間と時間、空間と空間。別の世界から根を張り、世界を壊し、新たな世界を創造させ、その世界を進化させる森。名は数多あり、俺の世界ではヘルヘイムと呼ばれた」
「そんな、ものが」
「月の落下程度で、国割れ仲間割れしていれば、森に食われるぞ」
「そんな、そんな危機が、いまこの世界でっ」
ウェルはその話を聞き、嬉々として聞いているが、それを無視する。
「そんな戦い、この僕、いや、ネフィリムの力を持ってすれば。それだって僕がデータ解析して作り出したんだっ。僕が英雄になる絶好の機会じゃないかッ」
「無駄だ、お前に参加資格はない」
「なんだとッ」
激昂するウェルだが、それを流しながら、告げる。
「もう一度言う、月の落下程度で世界が割れるくらいなら、お前達の未来は森で終わるだけだ。だが、それを壊す歯車がある」
そして草木が生え、それは静かに宣言する。
「この世界の戦いは、お前が終わらせろ。仮面ライダーツルギ」
『ギア・オレンジ』『オレンジギアアームズ。聖剣無双』『オレンジシャイン』
光に包まれ、ウェルはまぶしさと熱さに後退する。
それに一撃、ぶん殴る剣。
壁まで吹き飛び、悲鳴を上げる中で、その人を見た。
「・・・戒斗さん」
「来たか、果実の戦士。仮面ライダーツルギ」
剣が見たのは、死んでいるはずの男だった。それは静かに剣を見ながら、
「月の落下を止めろ。お前の装者なら、それができる」
「デスッ」
突如壁を壊し、切歌と調が誰かを抱え現れた。
「っ!?」
「あとは任せたぞ」
そう言ったあと、紅い閃光が辺りを包み、彼が消え、残ったのは、
「お前ら、なんで」
「話はあと」
「いまはマムの指示で、力を」
「マムっ!?」
施設らしきものは飛んでおらず、剣は正直何がなんだかわからない。
「えっと、とりあえず壊すのか?」
『壊さないでくださいっ』
マムの声が聞こえ、剣は制止する。マリア達は驚く。
「マム、無事なのっ!?」
『一時施設を切り離されて連絡が途絶えただけです、装者達歌ってくださいっ。まだエネルギーが足りず、このままでは月の落下を止められませんっ』
「エネルギー・・・っ!? マム、フロンティアを浮上させたギアロックシードはあるわっ」
「私たちも歌うデスっ」
『マリア、ガングニールを彼女にっ。適合率は彼女の方が上です』
それにマリアはとまどう、だが、
「マリアっ」
剣はその手を掴み、静かに、
「お前は世界を救いたいのは、自分のためか、それとも、いま苦しむ誰かのためかッ」
「!!?」
それを言われ、すぐに顔を引き締め、ガングニールを響に渡す。
「お願い・・・」
とまどう中、それでも響は、
「はい、お願いッ。撃槍ガングニールッ」
ガングニールを纏った響を見ながら、その様子にウェルが走り出す。
「なっ」
片腕を床に着けた瞬間、穴が開き、その穴から姿をくらますウェル。
そこに弦十郎と緒川も現れ、そちらに近づく。
「司令、少し何がなんだかわからないんですが」
「いま月の落下を止めている最中だが、エネルギーが足りない上、ウェル博士が暴走している」
「ならあのマッド野郎を倒せばいいんだろ、紘汰さんっ」
『おうっ、マムって人のほうは任せろッ。装者の子達はそっちを頼むっ』
「行くぞっ」
「はい」
「デスっ」
「いきますっ」
マリアはそして飛び立つもの達を見つめながら、彼らは戦場へと走る。
「それでも微妙によくわかってないんだけどね俺」
「あっははは、実は、私も~」
響達と共に、とりあえず、そんな二人に調と切歌は呆れた顔で見る。
「テメェらは相変わらずだな」
「クリス、翼」
翼達と合流した瞬間、地面から高エネルギーを感じ飛ぶ。現れたそれを見て、剣は困惑する。
「これは」
「気配からしてネフィリム?」
「これは厄介デス」
襲いかかるネフィリムの火球だが、それを切り伏せる。
「この程度ッ」
シンセイバーを用いて、一撃で切り裂く剣。
それに装者達は驚きながら、
「こいつは俺がメインでやる、任せろッ」
「だからって」
「お前一人でやらせられるかッ」
クリスも翼も参加しながら、それでも、
「問題ねぇッ、俺は」
『ファーストギア・オレンジストリーム』
「俺はお前達を守るッ」
「くっ、くっははははは」
その様子を見る蛇は笑う。
光の聖剣と化し、ネフィリムを切り払う戦士。
「物語は書き変わり始めているッ、まさか歯車一つでここまで代わり始めるとは」
「なにが目的なの」
その後ろから、舞が現れ、蛇はそれに振り返りながら、静かに笑うが、
「!?」
蛇と舞の間に、戒斗が現れ、舞は驚いていた。
「歯車、俺達という遺物の所為で回り始めた物語。いや違う、止まった物語が動き出したんだ」
「止まった、物語?」
「そういうことだ運命の女」
そして立ち上がる。装者達もまた、エクスドライブを発動させ、共にネフィリムを追いつめ、討ち取った。
「この物語ももうすぐ終幕か、と、これだから器のない奴は」
巨大な暴走ネフィリムが現れ、蛇は呆れながらそれを見る。だが戒斗はその場から離れていく。
「待って戒斗っ」
舞が引き留めるが、後ろを見せながら、戒斗が言う。
「問題ない、あの男はヘルヘイムの毒、ガングニール、デュランダルと言う力を、自分の力で飲み込み、人間のまま自分の力へと変貌させた。そいつが仲間と共なら、俺達の出る幕はない」
視線の先には、宇宙へと飛び出そうとする施設の一角を、念力で止めている、ある男。自分を倒し、新たな世界を生み出した男を見る。
「紘汰、お前の弟子は強い・・・だが俺達はまだ、負けるわけにはいかない。奴にそう伝えておけ」
彼らは消え、舞はそれを苦々しく見る。極アームズと言うコアがない自分では、彼らを追うことはできない。
「この世界でも、果実の戦いが起きるの・・・」
舞は静かに、装者達と紘汰を見る。
そして物語は、バビロニアの宝物庫へと変わる。
「邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ」
ノイズ達を切り払いながら、装者達はマリアを救出していた。
「やはり邪魔をするか」
「出口はッ」
剣の叫びに、全員が出口を見る。巨大なネフィリムが前に立つ。
「あの爆弾野郎、俺らごとか」
「全員力を集中させろッ、剣、殿を頼んでもいいかッ。お前の脚撃と共に駆けるッ」
「応ッ」
『ファーストギア・オレンジストリーム』
全員がそれと共に駆け抜け、どこかの浜辺へと降り立つ。
途中ネフィリムの攻撃、炎を蹴散らしながらため、剣はその場で変身が解け、装者達も纏っていない。
「まずっ、入り口を閉じなきゃ爆発で星が炎上するぞッ」
剣が立ち上がろうとするが、ある人影を見た。
「大丈夫ッ、へいきへっちゃらですっ。私たちには」
その影がソロモンの杖を持ち、入り口へと投げ飛ばす。
「まだ仲間がいますッ」
未来がソロモンの杖を投げ、入り口が防がれ、爆発も何もなく、全員が黙り込む。
「・・・やったデスか」
「切歌、それ死亡フラグ。ま、さすがに」
そのとき、空が爆発した。
全員が顔を上げ、それを見た。
海に何かが落ち、それが咆哮した。
「ネフィリムっ!?」
「核が暴走して爆発したのではないのかッ!?」
翼の叫びに、紘汰が話しかける。
『全員逃げろッ、それはオーバーロードッ、果実のネフィリムだッ』
「どういうことだ無職神ッ」
『いまマムって人から聞いたッ、あれは果実を取り込んだネフィリムッ。聖遺物は食わなくなったが、その分、インベスとかわらない、いやオーバーロード完全聖遺物だッ』
クリスの叫びに返ってきた答えに、舌打ちしながら立ち上がる剣。
「剣ッ」
翼が驚くが、剣はザクロを握りしめ睨む。
「相手がオーバーロード、果実の怪物なら、俺が戦わないで誰が戦うッ」
「ざっけんな、お前だけで戦わせるか」
「そう、デスよ・・・」
「私たちはまだ」
無理して体を起こす装者達だが、剣は、
「問題ないッ、俺はお前達を守るッ、そう誓った、代理品の力だッ」
『ギア・ザクロ』
空に現れる鎧に、マリアは思いだし懐からリンゴギアを取り出す。
「これを、フロンティアを浮上させたギアロックシードよ」
「応ッ、任せろ」
「剣さんっ」
響の声に、静かに頷く。
「信じろ響ッ、このロックシード、響の力。お前のアームドギアをッ」
そして静かに、叫ぶ。
「変身ッ」
『ザクロギアアームズ。歌姫・ザ・ナイト』
「行くぞ、ネフィリムッ」
ネフィリムは叫び、剣は飛翔する。
ガングニールピースを振るい、海上で戦う剣。
いまローズストライクを足場にして戦う剣に対して、ネフィリムは翼らしきものを広げ、炎をまき散らす。
「ちっ、海がっ」
海水が蒸発するほどの熱力。このまま長期は剣自身の問題もあり、長くは続かない。
「泣き言言っている暇無いか」
腰に下げられたギアロックシード、リンゴを見る。
「正直、どうなるかわからないがやるしかないかッ」
『ギア・リンゴ』
そう鳴り響くと同時に、ローズストライクが勝手に動く。
「なっ」
現れたのは巨大なリンゴで、それが稼働して、二首の飛竜になり、ローズストライクが変形して一つになった。
まるで双頭の飛竜に乗るように、ハンドルを持ちながら、へえと呟く。
「これはいいな」
二首の飛竜と共に空を駆け、ネフィリムと対峙する剣。
機関銃やブレスでの攻撃の中、剣はガングニールピースを見る。
「ギアロックシードを設置する部分がある。なら」
『セットアップ』
「これで決める」
引き金のようなものを引き、剣を肩に乗せて空を飛ぶ。
『一・十・百・千・万・億・兆・撃剣烈断』
「セイッヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
紅い閃光は巨大な刃となり、飛竜に乗る剣はネフィリムを両断。
「まだだッ」
『ギア・オレンジ』『オレンジギアアームズ。聖剣無双』
その言葉の通り、まっぷたつになってもなお動くネフィリムだが、まだ一カ所にいる間にけりを付ける。
空高く飛翔する剣。ハンドルを一回倒す。
『ファーストギア・オレンジストリーム』
それと共に飛竜に変化が起きる。槍のように鋭い矛先へとかわり、それに足を乗せ、共に駆ける。
白銀に包まれるそれは、まさに槍か剣だった。
「それでなにがなんだかわからないが、とりあえず終わりでいいのか?」
「それでいいんですか剣さん」
響が呆れる中で、さすがに砂浜に倒れている剣。
「正直フロンティアが大気圏付近にあったのもいま知ったぞ」
全てを終えて、夕焼けが近づく中でそう告げる剣に、全員が呆れていた。
ウェルは弦十郎達が捕縛。マム達、マリア、切歌、調はいま弦十郎達のもとで投降することは決定した。
それ以上のことは何もできないが、できるのならやれることはしようと思いながらと、紘汰を見る。
「俺なんか、極アームズできてすぐに駆けつけたら、果実の力感じて来て、そしたら人が乗ったものが、なんの準備無く宇宙に飛ばされそうだから防いでただけで、なにがあったかお前以上によくわからないぞ」
「お前は本当に神か」
クリスはすでにため口辺りになっている。紘汰はそう言われてもと苦笑する。
そんな中で、マム達が彼らに近づく。弦十郎達や、その部下の人も念のために側にいる形で。
「マム、みんなはこれからどうなりますか?」
剣はそう聞くと、少しばかり驚く顔をするマム。それに関して少し苦笑する。
「あなたまでそう呼ぶのですか」
「ぶっちゃけ、本名知らないですし、操られた頃の影響からか、そっちの方がしっくり来る」
それに切歌と調はうれしそうにしていて、マリアは苦笑する。
マムはそうですかと頷きながら、剣を見る。
「貴方には色々と迷惑をかけましたね。残り短い命ですが、罪滅ぼしのためにがんばります」
「・・・」
マムは色々な無理がたたって、寿命が残り少ない。
それにみんなが静まる中、マムは切り替えるように本題に入る。
「あなたの使う果実、それは聖遺物ですか?」
それは剣にとっては以外な言葉だった。
「いえ、マムは知らなかったんですか?」
「ウェル博士から、果実の聖遺物としか聞いておりませんでしたので」
「私たちもそう聞いてたわ」
マリア達も同意して、弦十郎は腕を組みながら紘汰を見る。紘汰も難しい顔をしながらギアロックシード。ザクロとリンゴを見る。
「それは明らかにヘルヘイムの果実だ。だが」
それは、
「それはフェムシンムや葛葉紘汰の世界の果実じゃないぜ」
唐突に現れたそれ。全員が身構える。
サガラ、蛇、ヘルヘイム。数多の名前を持つ森の意志が現れた。
「どういうことだサガラ。ならこの果実はどこの果実だ」
「お前も知っているはずだ葛葉紘汰。俺は他の世界でも根を張り、世界を試した」
それを聞き、ある世界を思い出す。森の危機に、世界を機械化させて回避した世界。
蛇は静かに笑う。剣を見ながら、
「ガングニール、デュランダル、そして毒を闘争心。願いと言う原動力でロックシードの中に閉じこめる意志の力。また俺の想像を超える者が現れるとはな」
「・・・」
そんな中、剣は前に出て睨みながら聞く。大切な、大事なこと。
「なんでオーバーロードが現れた。あれは俺が知らないインベス強化体だった」
それにぶっと吹き出す蛇。
「なんだお前、暴走中は記憶がないのか、さんざん倒してただろ」
「・・・」
「・・・まさか、極アームズを再生していたときに感じた、果実の力。だが」
紘汰が驚く中、蛇は手を広げ、司会者のように演説する。
「それでは血の歌を歌う、歌姫達の演目第二章はここで幕を下ろそう。次の演目はまた歌姫達の物語か、はたまた」
剣を、静かに見つめながら、指を指す。とても楽しそうな顔で、
「乱入した歯車で起きる、仮面ライダーと言う物語か。まあすでにプロローグは起きてるがな、マリア・カデンツァヴナ・イブ」
「!?」
突如名前を呼ばれたマリアの前に、ロックシードを構える剣が前に出る。
「なんでそこでマリアの名前を」
「物語はすでに起き始めてる、ってことだ」
そして静かにお辞儀をして、蛇は笑う。
「それではつかの間の幕引きだ、俺は観客席に戻るよ」
そう告げたあと、草木しか残らず姿を消す。
それに弦十郎は苦い顔をしながら、構えをやめる。
「どうやら、まだまだやるべきことがあるらしい」
「だな、しかも果実が絡んでる」
紘汰はそういいながら、剣は手に持つザクロギアを見る。
「まあ、なんとかするしかないか」
そう言いながら、剣はザクロを懐にしまい。新たな決意を固まるのであった。
一つのものが、海に再度沈んだフロンティアから、あるものを回収する。それは鏡の破片だった。
それと似たものがそれの周りに浮かび、一つの鏡になるが、まだ破片が足りず、もとの形にばらけて宙に浮く。
「・・・まだ足りない」
ノイズが混じる言葉を口にしながら、手をかざす。
クラックが開き、その中へと姿を消す。
辺りに静寂が戻り、こうして幕が下ろされた。新たな物語の兆しを見せながら・・・
次回GX? 果たしてどうなるかはお楽しみに。
その前に番外編やります。
お読みいただきありがとうございます。