仮面ライダー鎧武・鎧武を目指す者と戦いの歌姫達 作:にゃはっふー
司令室でふうと一息つく青年。左翔太郎。
少し落ち着いたあと、全員の自己紹介などをすませる。
ここには未来がいるが、説明だけでもしなければいけないと判断された。
中にはアランもいて、彼もまた状況を飲み込めていない。本人曰く、左翔太郎に眼魔が暴れていると言われ、駆けつけたら違う場所にいたらしい。
「さてと、まずは仮面ライダーについてか? それとも眼魔かな?」
そう呟く翔太郎に対して、目の前にいる弦十郎は考え込む。
「まずは俺達側の状況説明だが、見えない敵に対して、政府は全面協力することになった。その際にナスターシャ教授を始め、マリアくん達の身柄が一時俺達が預かることになった」
「その見えない敵は、私の世界、眼魔だ」
そうアランは言う。
「私の世界ということは、君は」
「私の世界については私が説明しよう」
アランが言う眼魔の世界。完璧な世界を目指し、父上が作り出した完璧な世界。のはずだった世界について語り出す。
別の世界への進行、15の英雄眼魂、完璧ではなかった世界の事実。そして父親の死と、兄の行動など、アランもまた色々と事情があることを知る響達。
「それじゃ、アランさんは家族と戦ってるんですか・・・」
「・・・正直、兄上が何がしたいのかは分からない。ただ、兄上のやり方、私たちのやり方は間違っていると自覚した。友を始め、多くの者に、心の大切さを教えてもらった。私はその心の赴くまま、世界を守ると誓った」
その言葉を聞き、弦十郎はうむと頷く。うそは付いてないと判断して続ける。
「眼魔がこの世界まで進行したことについて、なにか推測でもいいが、思い当たることはないか?」
「眼魔、兄上はいま、我々の、私がいた世界の進行計画を進めているはずだ。したとしてもそれを終えたあとのはずだ。だからこそ、この世界が私の知るあの世界と違うのに、少々とまどっている」
それもまた真実と思い、次は翔太郎を見る。コーヒーを飲み、翔太郎は語る。
「この世界は元々、俺達仮面ライダーの世界とは無関係なのは知っているな」
「そもそも、仮面ライダーの世界ってなんデス?」
切歌の質問に対して、翔太郎は帽子を傾けながら静かに語る。
「俺達仮面ライダーが生まれる世界、必ずと言っても過言じゃないが、別の形、あるいは違う可能性で、仮面ライダーと呼ばれる戦士が必ず生まれる世界全部のことを言う」
「つまり、別可能性世界のことですね」
マムの言葉にああと頷き、話を続ける。
「だがむろん、仮面ライダーが生まれる世界だけではないのも事実。この世界も、本来はその一つだった」
「だった・・・剣のことか」
翼の答えに頷く。
それには紘汰は苦々しい顔になるが、話はそれだけで終わらない。
「仮面ライダー鎧武が関わる前、この世界はすでに俺達仮面ライダーの世界が関わっていた。コウガネはそれにたまたま気づいてここに逃げ込んだんだ」
「なんだってっ!?」
紘汰が驚き、全員が翔太郎も見る。
「俺もある男、仮面ライダーディケイドから聞いた話だ。この世界はすでに仮面ライダーが関わり、そして、その敵が暗躍している」
その言葉に全員が黙り込む。マリアは険しい顔をしながら翔太郎を見る。
「敵って」
「さあな、俺もそこまでは聞いてない。だが、間違いなくこの世界で災いになる存在なのは確かだ」
そして翔太郎は自分が知る情報をあらかた説明する。
この世界はすでに仮面ライダーの世界と関わり合いがあり、コウガネはたまたまそれを察して逃げ込んだこと。
この世界にいる敵は動きだし、この世界で誕生した仮面ライダーツルギ、仮面ライダー鎧武、仮面ライダーWことジョーカー、仮面ライダーネクロムがたまたまいたということらしい。
「仮面ライダーの宿命かは知らないが、この戦いは俺達の戦いなのは間違いない。ディケイドは、この世界と俺達の世界の繋がりを壊すため、道のど真ん中にいて動けないから、仮面ライダーであり、探偵である俺に依頼した」
この世界といま仮面ライダーの世界の繋がりは曖昧であり、下手に繋がれば仮面ライダーの世界の敵が、仮面ライダーの世界にこの世界の災いが流れ込む。
「それを止めるため、ディケイドはその繋がりのど真ん中に居座り続けている。そして時間の進み方もゆがめているから、仲間の方は安心しろネクロム」
「・・・」
アランの仲間の方は時間がないらしい。だがそれを聞いても安心はできず、かといって、
「少なくとも、私は眼魔がこの世界を進行しているのを見てしまった。見過ごすことはできない」
アランは協力すると言っているようなことを言い、翔太郎も協力すると言う。
あとの問題は眼魔についてだ。モニターに映る眼魔達との戦闘を見て、クリスは苦々しく睨む。
「やっぱ、なにかいるのしかわからないな」
虚空で何かに命中する弾丸や、斬撃など、見えない敵との交戦。だが、オペレーターの一人が操作すると、画像が変わり、大まかではあるが姿が分かる。
「温度などのセンサーを使って、やっといるのを視認できるレベルか・・・」
「実戦では意味のないことですね・・・」
弦十郎とマムはそれに苦渋を見せ、それに翔太郎は、
「本来眼魔はそれに関わる者か、俺達のようなこの世界にとって異物の力、仮面ライダーの力を持つ俺達にしか見えない」
時間を歪めて訪れた、翔太郎とアラン。神の力を持つ紘汰と、その弟子である剣以外に眼魔を見ることはできず、問題があるとすれば、
「さてと、ならはば次は敵の目的だ。なにか聞いてないか?」
弦十郎の言葉に翔太郎はここにきて顔を歪める。
「すまない、俺達の世界が関わっていることしか、ディケイドも把握してなかった。だが、仮面ライダーの世界の敵は、この世界で同一だ」
それを聞き、紘汰と弦十郎は響達に、某国の事件を初めて教える。
驚きつつも、森も関わっていることに、剣達は重々しい顔になった。
「となると、此度の襲撃と、某国の事件を照らし合わせて考えねばならないか」
今回の狙いは地下にいたもの達だが、響、ナスターシャ教授、マリア達だが、
「この場合、私たちかマムのどちらかね」
「響が見えないことをいいことに、致命傷の攻撃で終わらせないのは、目的としてな」
「もともと暗殺が目的ではないとしても、響くんは除外しても問題ないだろう」
響との戦いは、響を警戒していることもあったが、いつでも倒せる相手に無駄に時間をかけたことから、響は無関係と判断。
そして遺跡についてだが、
「その遺跡について少し調べましたが、ある心当たりがあります」
マムの言葉に全員が見る。マムは静かに、
「神獣鏡をご存じですか?」
「私たちがステルスに使ってた聖遺物だね」
調の言葉に頷き、マムは話を進める。
「かろうじて調べられた壁画から、この遺跡には神獣鏡の聖遺物があると判断されます。それだけでなく、妙な文面もありました」
「妙な文面?」
かろうじてと付け加え、内容は砕いて説明すれば、
「その聖遺物で森を封じた、という伝承です」
「森を?」
関係ないと言い捨てられない言葉に、神獣鏡が深く関わっていると思い、マリアは弦十郎達に訪ねた。
「私たちが所持していた神獣鏡は確か」
「いまだ回収されていない。いや、正確には見つからないだ」
そんな中、アラン達もこの世界の出来事を教えられ、ふとアランが訪ねる。
「ならその神獣鏡というものを探し出せばいいのでは?」
「確かに、欠片として多数存在していてもおかしくない品物だが、おいそれと見つかるものでもない。なにより」
「神獣鏡は確か、櫻井了子、フィーネが見つけだしたのです・・・」
「ならその者に話を聞けないのか?」
「いまはいない」
剣の言葉に、アランもすまないと告げて、話を終えようとしたとき、
「待って」
調が前に出る。が、剣は後ろに下がらせた。
「調」
「剣、私の中にフィーネはいるんだよ、もしかすれば」
「どういうことだ?」
アランの問いかけに、マムは静かに答える。
フィーネと言う人物は、遺伝子操作にて、生まれ変わりの転生が可能という、砕いての説明だった。
そしてその転生体が、調であると伝える。
「私の中のフィーネに話を聞ければ、もしかしたら」
「だめデスっ、フィーネが目覚めたら、調が調で無くなるデスっ」
切歌の叫びに、みんな頷く。
アラン達も詳しい話を聞き、んと翔太郎が首を傾げた。
「待った、つもり、嬢ちゃんの意識を奪わず、フィーネって言う奴と会話できれば問題ないんじゃないのか?」
「不可能です。フィーネの意識覚醒は、調の意識を塗りつぶしてしまいます」
「だけど、嬢ちゃんの中には、確かにフィーネっていう奴の精神がある。つまり、フィーネという人物の精神世界が存在するんだよな?」
その言葉に、マムは首を傾げながら頷く。
「なら、その世界に俺達に出向けば」
「そうか、月読の意識を塗りつぶさずに、フィーネと言う人物と会話できる」
アランはそう言うが、待て待てと弦十郎が止める。
「君達の言いたいことは分かる。だが、フィーネの精神世界に行く装置なんて」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
叫びを揚げたのは剣だった。
「紘汰さん、他人の精神世界に干渉できるじゃないかッ。戦極ドライバー使用しなきゃいけないけどできません?」
「・・・・・・・・・・あっ」
まず医務室のベットに横になる剣と調。
調にはブレードの無い戦極ドライバーがつけられ、剣はお供として付いていく。
「よくよく考えれば、我々にも仮面ライダーの力を渡せないのですか?」
翼の言葉に、紘汰は首を振る。
これはただでさえ異物と思われる力の使用者を増やせないと言うことであり、それに翼達は黙り込む。
「問題は、了子くんが知恵をかしてくれるかだが」
「大丈夫ですよ師匠っ」
響がそう言い、剣もそれに頷く。
そして調は切歌と剣、二人に手を握られながら、紘汰は言う。
「それじゃ、精神世界に二人を連れて行くから、なにかあっても守れよ剣」
「わかっているさ」
「気を付けてデスよ調、剣」
「うん、わかってる」
二人は横になり、紘汰は手をかざす。光が二人を包み込み、意識が飛ぶ。
「!?」
突然浮遊感に襲われ、調がバランスを崩すが、剣がよっと手を伸ばし、抱きかかえるようにして調が倒れるのを防ぐ。
「ここは・・・」
精神世界だろうか、砂浜のような場所だが、やはり部屋というか、世界が違う気がする調。
「あら、妬けるわね」
その言葉に、調は少しだけ頬を紅く染めて、剣から離れる。剣は知っている、といっても、彼女の姿で出会うのは初めてだったため、少し驚き見る。
「こんにちは、了子さん」
「その名で呼ばないで欲しいわね、仮面ライダーツルギ」
砂浜に座り込む女性。フィーネがそこにいた。
「あなたに聞きたいことがあります」
「はあ」
ため息を吐きながら、調よりも前に出る剣。それを見つめながら、
「いまさら私に何のようよ、って言いたいところだけど、どうもきな臭いようね」
「わかるんですか?」
「貴方達がこの世界に干渉した時点で少しね」
しばらく沈黙後、二人を見ながら、
「条件としては、もうこの手を使わないことね。私はもう表に出る気はない、このままここでリンカーネーションのシステムを停止させて消滅する気だから、貴方は私にならないから安心しなさい」
調にそう言いながら、剣は少し黙り込む。
その様子に微笑みながら、
「何年悪役していたと思うのよ、いまさら善人になる気なんてない。今回で最後よ」
「ありがとうございます」
剣の言葉にまたため息を吐く。
「こっちに来なさい、知識と情報、それと仮説だけ渡すわ」
「わかりました」
剣が前に出るので、調も前に出る。
調を見た了子は少しだけ意地悪な顔をする。
二人に一瞬の情報が流れ込む。それは、
「発掘途中の遺跡に神獣鏡があるんですかっ!?」
「狙われる可能性が高いわね、急いだ方がいいわ」
「わかりました、ありがとうござ・・・調?」
調の様子がおかしい。顔を真っ赤にして、口を開き、なっ、なと呟いていた。
「・・・なにしたんですか?」
「ちょっ~とっ、お・と・ななアドバイスをね♪」
そう言われた調は、いつの間にか剣と手を結んでるのに気づき、顔を真っ赤にして放す。本当になにしたんだろうと睨むが、無視している。
「それじゃ、その子のこと『大事』なら、もうこの手を使わないようにねナイトくん」
「はい、肝に銘じます」
なにかよくわからない。大事と言う部分が強く言われているが気にせず頷くと、調はまた真っ赤になる。
そのまま帰る道を考えれば、光の道が現れた。
手を振る了子に頭を下げて、二人は去っていく。
その様子を見守りながら、
「はあ、な~にやってるんだか」
「いいじゃないか、いまさらでもいい人すればいいのに」
そう返す者を振り返り睨みながら、
「そう言うのなら、貴方はどうなのよ? 殺した私が言うのもなんだけど」
「死因は直接関係ないだろ。ま、私は私で、力貸す時期を見るよ。まだ中で大人しくしてる」
「貴方が大人しくね~」
そう言い合いながら、静かにまた世界が消えようとしている。
「まあ、貴方は貴方で生きなさい。死んでる者同士で言うのも変だけど」
「は~い」
そして世界が別れる中、フィーネは自分の意識をまた奥深くへと追いやる。
「まあがんばりなさい、少年少女・・・」
そしていま、剣、アランは剣のバイクに乗り、翔太郎達はバイクを走らせている。
「それで、その遺跡はこの先か?」
「ええ、もう司令が了解を得てます。俺達は護衛兼、遺跡探索です」
「まさか近場にあるとはな、世も末だ」
調はあのあと、顔を真っ赤にしていたが、了子の知識を弦十郎達に教えたあとは、紘汰を残し、彼らは遺跡へと向かう。
「・・・ん」
そのとき、通信機から連絡が入る。
『大変だ、少し出遅れた』
「!?」
それを言われ、バイクのスピードを上げる。すると悲鳴と叫び声、怒声や銃声が聞こえる。
目の前に広がるのは、
「インベスっ!?」
「眼魔もいるようだっ」
アランはそう叫び、眼魔とインベスが、研究者達を襲いかかる。のだが、妙だ。
武装しているもの達もいて、そのもの達も襲われている。
「また襲撃かよっ」
『ギア・オレンジ』
「だが、見殺しにはできないな」
『ジョーカー』
「だな」
『イエッサー』
「「「変身」」」
某国の工作員が、研究者達を一カ所に集めていたおかげで、彼らは無事だが、工作員の多くはインベスや眼魔の手で倒される。
そこに仮面ライダー達が現れ、対峙する。
「さあ、お前の罪を数えろ」
黒い仮面ライダージョーカー
「心の叫びを聞けッ」
ネクロムは叫び、剣は剣技にてなぎ払う。
「乱入させてもらうッ」
敵をなぎ払う中、一人の男が叫びながら遺跡から出てくる。
「く、来るなぁぁぁぁぁ」
だが、緑の液体が大量にかかり、それは姿は悲鳴と共に木へと変わり果てる。
奧から出てくるのは、オーバーロード並みの力を感じるインベスと、
「誰だ?」
あらかた片づけたいま、現れたもの達以外は、民間人のみ。
全員が構える中、無数の鏡の破片を周りに浮かせる黒いローブがいた。
木が持つ破片も浮かび上がり、それは一つの鏡になるはずだった。
中心に鏡、最後のピースと思われる破片を除けば、鏡は完成するといった状態だが、全員が困惑する。
鏡に映る世界は、
「ヘルヘイムの森だと?」
剣はそう疑問に思う。鏡の先にあるのは、森だった。
映し出された世界に、剣は疑問に思いながら、それは静かに笑う。
「これはこれは、アラン王子、まさかここで会おうとは」
「誰だ貴様・・・」
「私は『エリス』ですよ、アラン王子」
それにアランは驚き、構える。
「知っているのか」
「ああ、父上が前に追放した科学者だっ」
それに全員が構え、にらみ合いが続く。
「ええ、あなたの父君に、完璧な世界を否定され、世界から追放された者ですよ。おかげで色々と苦労しましたが、この通り、完璧な世界を作り出す下準備はできました」
「完璧な世界?」
アランはそれに首を振りながら、警戒を解かずに警告する。
「貴様の考えはいまの私も、昔の私でもわかる。完璧な世界とはほど遠いものだ」
「・・・どういうことだ」
翔太郎の問いかけにアランの代わりに、エリスは答える。
「簡単なことだよ、肉体を捨て、魂を眼魂に封じて、永遠を生きる。そして私たち選ばれたもの達がそれらを管理する。これこそが完璧な世界、そう言う世界だ」
「・・・吐き気がするなそれは」
「まだ説明不足だろエリス」
昔のアランなら、まだここまでは理解できる。だが、昔のアランでも完全に否定する決定打を言っていない。
「その封じられた魂は、恐怖。恐怖の心で支配し、自分達の指示のもとに完璧に動き、生きる世界。選ばれた者が支配する世界だ」
「説明不足すぎるだろそれ」
剣は呆れるが、エリスはふふと微笑する。
「恐怖こそが人がもっとも簡単に屈服する感情。それを支配でき、操れる者こそ王にして神ですよアラン王子」
「知ったことかッ、なにより、魂も肉体もない、もはや精神だけのお前がなぜまだ生きているっ!?」
それを言われ、エリスは少しばかり様子が変わる。
「ええ、さすがに焦りましたよ。眼魂はあっても、魂を入れる隙すら与えられず、異次元に投げ出された際は、消滅を覚悟しました・・・」
腕を上げると、インベスが動き出す。三人はそれに構える。
「まだ運命は私を見捨てていない。死にかけた果実の力、そして肉体と魂を得た私は、いまを生きているッ。そして完璧に果実を手に入れ、この身体と魂も完璧に手に入れるッ」
「ということはその肉体」
「誰かのものかっ」
ローブから見えるシルエットからして十代後半。しかもまだ子供のようであり、手を広げる。
「最後のピースはある場所はわかっています。ですがアラン王子、貴方達を排除させてもらいますっ」
「ふざけるなッ、その子を返せッ」
「行くぞ後輩ッ」
「貴様を倒すッ」
三人は駆けるが、その前にインベスが現れる。
それに剣が前に出て、二人に叫ぶ。
「インベスは俺が戦いますッ、お二人はエリスを」
「わかったぜ後輩っ」
「任せろッ」
二人はインベスを足場にして飛び、エリスへ近づく。
エリスは懐から眼魂を取り出した。
『アイ』『プリズン魂』『囚われ歌姫、悪夢の監獄』
見たこともない戦士。女性のようなその姿に、
「仮面ライダーだとっ」
「その姿は」
「ふんっ」
破片の鏡から光の光線が放たれる中、それをよける二人。
その後ろでインベスに斬りかかり、シンセイバーのサックで殴りかかる剣だが、
「堅いというより、再生力が早いっ!?」
打撃は意味無く、斬撃を切り返すが、その前に再生されている身体に、剣は舌打ちする。
「一撃で終わらす火力か」
斬撃を浴びせる中、その液体、血を見る。
それを生身で浴びればおそらく木へと変貌するだろう。
そしてどれほどの量かはわからないが、側には学者など非戦闘員がいる中、下手な攻撃力では、彼らに危険だと理解できる。
獅子が怪人になったそれは、巨大な爪を振り回しながら斬りかかってくる中、どうすればいいか考える。
「くっ」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
二人が自分達の後ろ、避難者のもとまで吹き飛ぶのを見ながら、インベスの後ろから攻撃が放たれる。
斧のようなそれが、インベスを貫き、自分へと斬りかかる。
それをすれすれでよけたが、大量の毒を浴びて、装甲が悲鳴を上げて、ダメージが貫通してくる。
「くっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
インベスはすぐに傷を再生させるが、斧のような鎌を持ち、盾を構える仮面ライダーらしき風貌の戦士を見ながら、にらみつける。
「貴様ッ、いくら再生力があるからと言って、味方を利用するのかッ」
それに鼻で笑うエリスは静かに言う。
「こいつらはもう人間じゃない、支配される生き物だ。どう利用するのは私の勝手だ」
「ふざっけるなッ」
それに立ち上がりながら、シンセイバーと白銀刀を構える。
「その人もまた人だった、生き物だった、命だった。それが森の所為でインベスになってしまっただけだッ」
「ハッ、あれほどの数を倒しておいて、人と言うのか」
「ああそうだッ、俺はインベスを、インベスになった命を多く殺したッ」
装甲がまだ悲鳴を上げる中、それでも剣の闘争心が燃え上がる。
「その覚悟があるからだとか、怪物になったからとか言ういいわけはしないッ。だが、俺とお前は違うッ、彼らを物としか見ない貴様だけは、俺はお前を許さない。それがインベスを切った俺がやらなきゃいけない、責任だッ」
その叫びが響き渡る際、ジョーカーが持つ一つのメモリーが飛び出て、ネクロムも側にあるものに気づく。
「これは」
ジョーカーが持つのは『メタル』と言うメモリだった。
ネクロムの前には、リンゴがあった。おそらく支給品か何かだろう。それが光り輝いていた。
「まさか、いや、これに賭ける」
眼の印を結び、リンゴに描くネクロム。そのリンゴが眼魂になり、ネクロムは困惑するが、それを手に取り、ジョーカーは静かにメモリを見る。
「どうやら、お互い手を貸せるようだな」
「ああ、頼むぞッ」
目の前にはインベスと立ち向かう仮面ライダーがいた。それに、二人は手に持つ力を投げ渡す。
『ニュートン』『メタル』
青いパーカーのゴーストが現れ、インベスをなぎ払い、メタルシャフトと言う武器が、剣の手の中に現れる。
「これはって」
青いパーカーを羽織った剣は困惑しながらも、その力を理解する。
『リンゴが落下、引き寄せまっか』
それを纏い、シャウトを振り回す。メタルのメモリをスロットに入れて、ギアドライバーを押す。
『ダイカイガン・ニュートン・オメガドライブ』『メタル・マキシマムドライブ』『ファーストギア・オレンジストリーム』
シャウトを目の前で振り回し、それが黒い闇を作り出す。まるで吸い込むように暗闇の中にインベスを飲み込もうとしていた。
「これはまさか、ブラックホールかっ!?」
インベスはその中に入り、剣は飛び上がり、シャウトを足蹴にして、聖剣のように敵を突き刺す。
大地に刺さる聖剣に、爆発が起き、インベスの毒を撒き散らかすうち倒した。
「次はお前だ」
それに舌打ちして、いまだ無数のインベスをクラックから呼び出す。
「悪いが遊んでいる時間がなくてな、最後のピースを取りに出向く。そして封じられた森を開放して、この世界を完璧な世界へとかえる」
「封じられた森だと・・・」
それに驚きながら、インベスを倒す剣達。それを見下ろしながら、
「貴様らも森の力を使うのなら、向こうで相対すればいいだけか」
そう言い残し、それは去っていく。
誰も引き留めることはできず、それを見ながら戦い続けるしかなかった。
その場に膝をついたのは、剣だった。
「おい大丈夫か後輩」
「いちおう」
そう言った途端、変身が解かれ、ニュートン魂が光の中に消えた。
「なっ、待て」
それを手に取ろうとしたが、その前に消えてしまい、剣は困惑して、アランもまた驚いていた。
「ニュートン魂は、私の世界でも誰が発現させたかわからない、英雄の眼魂だった。まさか」
「時間と時空を越えているんだ、もしかすればこの世界で目覚めたのが、いま俺達の世界に戻った、って言えばいいのか。こいつもお前と相性がいいらしいな」
メタルのメモリを見ながらそう言う翔太郎。
疲れ切った身体で起きあがり、剣は鏡の森を思い出す。
「エリスって奴は強いですか?」
「正直、油断していたわけじゃなかったからな」
「すまない」
翔太郎とアランはそうつぶやき、剣は首を振る。
「ともかく、いまは司令達に話を聞こう。ここの壁画から、なにか分かるかもしれないですし」
「だな」
翔太郎の返事を聞き、迎えの車が来る。
そこに響達の顔を見ながら、剣は立ち上がった。
「!?」
心臓の鼓動がひときわ高まり、バランスを崩しかけた。なんとか誰にもバレていないが、さっきの技はかなり肉体を行使したようだ。
(・・・それでも、インベスとの戦いに、響達は巻き込めない)
そう歯を食いしばりながら、歩き出す。
次の戦いに備えるために、いまは全員と合流するのであった。
ニュートンは剣達、シンフォギアの世界で目覚めた眼魂。
ちなみに繋がり方は剣と言う果実の戦士、リンゴと言うだけですが、まだ少し理由は弱いですね。一応周りには学者がいますが、それだけで条件が整うかと言う疑問が残ります。それでもこういう形にさせてもらいました。
メタルは闘士、なら剣との相性は高いです。
少しオリジナル設定の説明不足が目立ちますが、次回で挽回できると信じてここまでにします。
お読みいただきありがとうございます。