仮面ライダー鎧武・鎧武を目指す者と戦いの歌姫達 作:にゃはっふー
残る力は三つ、そしてまた目覚める。
止まることはできません。では、どうぞ。
ある場所で戦う、ライダー達、怪人達の戦い。
譲れないものを守るため、人を捨てたそれらの戦いに、剣は思う。
自分はどちらでもあり、どちらでもない。
残る力は三つ。そして自分は選ぶだろう。
響の顔が浮かぶ、翼、クリス、切歌、調、マリア。
そして、キャロル。
まだ終われない、終われる物語はない。
彼女を救うために・・・
「・・・」
墓参りなんてもの、なぜしているのだろうと思う剣。
人としてもうすぐ終わるからか、両親が眠る場所へと今日は訪ねた。
忙しい日々の中でも、ちゃんと来ていたが、いまは遠い記憶のように思える。
いまは一人、さすがに護衛らしき黒服の人達が見えるが、苦笑しながら彼らを見た。意味がないと思いながら、
「父さん、母さん・・・」
たまたま飲酒運転に巻き込まれ、たまたま二人でいた優しい家族。
たまたま息子を置いていった大切な家族。
「・・・俺は、やっぱり無理だよ」
顔半分を覆うステンドガラスのような模様。止められない身体の変化に、苦笑しながらも空を見る。
「・・・人として終わる気はない、まだ終われない、終われるはずがない」
剣はそれを背にして、静かに苦笑する。もしかしたら、もう来られないかもしれない場所を見ないために。
そしてその腰には、ギアドライバーが巻かれている。
超感覚と言うべきか、物語に関われと言わんばかりに感じ取りながら、通信機を見るが、なにも応答はない。なにかあろうと、呼ばないだろうが、
「・・・ごめん」
分かるようになる。星の記憶、Wの力でいま起きていることは分かる。
いま、響、切歌、調が戦っているのなら、やることは一つ。
「変身・・・」
『ドライブ・タイプトライドロン・トップギアッ、ひとっ走りつき合えッ』
ドライブになり、ロイミュードの力を取り込む剣。その力を手に入れながら、
「さあ、乱入させてもらうぜ、キャロル・・・」
そうつぶやき、黒服の人達を無視して駆け抜けた。
地下室のような場所で、響を守る二人の前に現れた赤い戦士。それにミカはん?と嫌な顔をする。
「お前はまさか邪魔者かぁ? いつもいつも出てきてうんざりだぞっ」
「剣っ!?」
「なんで剣がいるんデスかっ、戦いのことは知らないはずデスっ」
「悪いが、乱入が俺のやり方でな。シフトカーッ」
『アタック・ワン・ツゥ・スリィッ』
分身含めて四体になり、棘と手裏剣のようなエネルギー破を炎と共に放つ。
それにノイズが吹き飛び、ミカはムゥ~と睨む。
「いつもいつも邪魔してっ」
「そういう奴でな、ハンドル剣ッ」
ハンドル剣を取り出し、斬りかかる中、無数の赤い水晶が放たれるが、ドリフトターンしながら切り、その様子にすぐに薬瓶を投げて逃げる。
どうやら向こうは剣と戦いを避けている。それを感じながら、また身体がブレた。
「・・・」
心が何も感じなくなる。まるで機械のような感じに、何も分からなくなる。
「「剣っ」」
二人が駆け寄り、変身を解いた剣の手を握る。
息をのむ。まるで機械のような冷たい手に、二人は、
「問題ない」
まるで操られていた頃のようにこちらを見ず、剣は振り返る。
その顔は優しい笑顔であるが、装者達には痛々しく思えた。
司令室の別室、弦十郎が静かにメディカルチェックの結果を告げる。剣、オペレーター達とエルフナイン以外、その場には居合わせない。
「単刀直入に言おう、剣」
「身体はすでに変化始めてるだろ」
「・・・ああ」
もう人間ではない。身体は気を付けなければ何か壊してしまうほど強くなっている。それを知りながら、弦十郎は苦々しく、はっきり言う。
「お前はこのまま化け物になる気か」
「響達を放っておくのなら、怪物になるさ」
「・・・馬鹿者が」
そう言うしかない。止められないと、弦十郎達は黙り込む。
戦いをやめること、それさえできればいい話なのだろうが、剣と言う男は選ばないと知るからこそ、なにもできない。
「いまならわかる、蛇やコウガネは、この世界の果実の森で情報を得ていたとか、そういうこと。いまはどうでもいいけど、なんか昔の話だよ」
「・・・」
まるでどこか諦めがついたかのような言い方に、誰もなにも言わない。
だが、
「俺は終わらないよ」
「!?」
「もう護衛とか無しにしてくれ、人として、一人で過ごしたいんだ・・・」
そう呟いて、剣は出ていく。
その後ろ姿を見ながら、エルフナインは心配そうに見つめる。
夕暮れ時、一人で考え込む剣。
響は少しケガを負い、入院していて、切歌と調は何か口論していたなと思いながら、一人で過ごす。
人気のない神社で、座り込みながら、町並みを眺めていた。
「なにしてるんデス剣ッ」
そう言いながら、と怒鳴り現れた切歌。そして別の方角から調も現れた。
二人はお互いの顔を見ると、ふいっと顔を逸らす。
「どうした、いつも仲良しなのに」
「別に」
「なんでもないデスっ」
そう言うがと思うが、剣は二人の手を握る。
二人はびくっと体を震わせ、頬を少しだけ赤く染めた。
「デ、デスっ」
「つ、剣!?」
「なんかこうしてると落ち着くんだ、いいだろ?」
そう意地悪を言う。操られていたとき、ずっとこうされていたのは覚えている。本人達は知らないと伝えているが、そう言われ、嫌じゃないのか、強く握る。
「剣、お願いデスから戦わないで」
切歌は両手で握り、それに調も同じように握る。
「私からもお願い、私たちはもう、貴方に守られる側はいやなの」
「・・・」
その言葉を聞き、少しだけ考え込む。
二人は強く、強く握りしめる手を見ながら、
「・・・二人とも、それは無理だ」
その言葉に、二人は絶句して叫ぶ。
「なんでデスっ、そりゃ私たちは剣より弱いデスっ」
「だけどっ、これ以上剣が傷付いて欲しくないッ、もう戦わないでッ」
そう泣きそうな顔をして叫ぶが、それに優しく微笑む。
「二人とも、俺は」
と言う前に、二人を担ぎ、その場から離れ飛ぶ。
ただでさえ身体能力は高いが、いまの状態はそれを簡単に越える。
剣達がいた場所は、赤い水晶に貫かれていた。
「ちっ、外したぞ」
「お前は」
機械人形、ミカが現れ、二人はすぐに手を放して前に出る。
「剣は戦わないでデスッ」
「お願いッ」
そう叫び、二人はシンフォギアを纏い、駆ける。
「・・・二人とも」
悲しそうにその後ろを見ながら、ノイズも現れ、その場から距離を取る。
戦いの中、切歌達が苦戦している。
だが剣は見ていた。考えながら、静かにしていた。
「終わるのか?」
そう言い、ノイズを家知らす一人のライダーが現れた。
「・・・あんたは」
「仮面ライダー二号、始まりのライダーと同じ、その二番目だ」
そう言いながら、彼はノイズを蹴散らして、剣を見る。
「君はここで終わるのか?」
「・・・終わりたくないな」
「ならばどうする?」
「・・・こうするよ」
ライダーギアを見せながら、ベルトを腰に付ける。
それを、ただ静かに見守る二号。
「後悔するぞ」
「・・・しないよ、それだけは」
『セットアップ』
「それだけは絶対にしないッ、変身ッ」
『ブレイド・キング・運命のカードッ、掴む勝利ッ』
切歌の前に調が、その前に、ブレイドになった剣が、『メタル』を使い現れ防ぐ。
その光景に、二人は絶句する。
「つる・・・ぎ・・・」
「私たちは・・・私たちは戦って欲しくないッ、戦って欲しくないって言ってるのにッ、どうして戦うのッ」
泣き叫ぶ調。座り込む切歌に、剣は静かに、
「そんなんお前らも同じ理由だッ」
「「ッ!?」」
驚き顔を上げ、剣は『リモート』を使い、複数のアンデットを解放させて戦わせ、二人との話の時間を稼ぐ。
「お前達が俺に傷付いて欲しくないように、司令官、響に翼、クリスにマリア。マムやセレナだって、切歌が調を、調が切歌を。守りたい、傷付いて欲しくないッ。誰だってそうだッ、どこの世界に大切な人が傷付くのを放っておける奴がいるッ」
「デスけどッ」
「剣はこのままじゃッ」
泣き叫ぶ二人だが、剣は静かに、
「なら信じろ」
「えっ」
「俺を信じろッ」
「なに言ってるんデスかッ!?」
二人は困惑しながら、剣は『重醒剣キングラウザー』を構え、アンデット達はカードに戻り、剣のもとに戻る。
「邪魔ばっかして、そろそろ怒るぞ~」
「俺は守る、キャロルを、みんなを守るッ。ただそれだけにいるッ」
重醒剣キングラウザーを掲げて、ただ叫ぶ。
「俺は必ず、その思いに答えるッ。信じろッ、俺は負けない、絶対にお前達の笑顔を守り通すッ。そんな未来以外、この俺が全部壊し尽くすッ」
ばかばかしい、ほんとばかばかしい。
そうだ自分はそういうものなんだから、そうすればよかった。
「俺は俺の戦いをするッ、もう悩むのはやめだッ」
一降りで周りのノイズを吹き飛ばし、それでも巨大なノイズが現れた。
「あれは俺がやる、お前達もお前達の戦いをッ。俺は信じるぜっ、切歌、調ッ」
そう言いながら、巨大ノイズへ立ち向かう。
「乱入させてもらうッ、切歌や調には近づけさせないッ」
二号は静かにそれを見守る。二人の少女は何かに気づき、吹っ切れたかのように、新たな力を使い戦う。
その歌を聴きながら、アンデットの力を手にする戦士は、戦場を駆ける。
「・・・仮面ライダーツルギ・・・」
彼もまた見守ろうと決め、その場から離れる。
「お前なら、もしかすれば・・・」
そう呟きながら、この戦いは終わりを迎える。
高く飛び上がり、五つのカードを取り出す。
『スペードⅩ・J・Q・K・A・ロイヤルストレートフラッシュ』
その一撃が大地を振るわせ、ノイズを倒すと通すと共に、ミカを撃退した二人はすぐに剣へと駆けつける。
「二人とも」
「剣っ」
「だいじょ」
そのとき、無数のカードが身体から吹き出し、力があふれ出す。
「「剣ッ」」
無数のカードはトランプの絵柄、突如一つの車が現れる。
武器を構える二人、そして現れたのは、
「変身ッ」
白い車から飛び降り、風と共に現れた3号。
その拳が剣へと放たれるが、その拳を受け止める。
『リフレクト』
それに拳が反射された。
「!?」
『バイオ』
無数の蔦が3号を抑える中、3号が驚き、剣を見る。
「全てのアンデットの力ッ!? それが白銀剣と言う、ブレイドが辿る未来かッ!?」
何も答えず、剣は変身を解いた。
二人は背筋が凍り付く。目の前にいる剣は、剣ではない、なにかだった気がした。
「つる・・・ぎ・・・」
その言葉は届かず、無表情のまま手をかざす。
『アドベント』
黒い龍が現れ、そのはき出す黒紫の炎が3号の周りに飛来、そして3号を石化させる。そのドラゴン、暗黒龍ドラグブラッカーを従えながら、
『ファイナルベント』
空中へ浮く剣、その周りを飛ぶドラグブラッカーは静かに炎を口にためる。
「今度は龍騎ではなくっ、リュウガだとッ!?」
石化と蔦を払いのけながら、拳を固め、剣は炎と共にキックを放つ。
「ライダーパンチッ」
激突する力に、二人はただ見つめる。
吹き飛んだのは3号であり、ドラグブラッカーはどこかに消えた。
「龍騎のモンスターも全て従えているのか? いや、リュウガとオーディンは定められた人間は存在しない・・・だから使えるのか・・・」
そして虚空から飛んでくる剣を掴む。それは魔皇剣ザンバットソード。
ただし、それは本来の姿、三体の従者とも言える種族の力を借りていない、純粋な力のみの姿だった。
「ファンガイアの王が使う剣・・・」
『スペード6』
「!?」
雷を纏う、鹿のカードが雷を放つ。
『ダイヤ6』
炎をともす蛍が、刀身へと宿る様子を見ながら、
「くっ」
駆け出す3号、だが『ハート6』と風と共に飛翔する鷹が吹き荒れる。
『クラブ6』
氷の爪持つ白熊が吼えると共に駆け出す。
『スペードK・フォーカード』『ウェイクアップ』
満月が世界を包む世界、自然の力を宿す魔剣を振るう。それを止めようと二人が動くが、剣から何かが放たれ、身体が遅くなる。
「!?」
思考だけはそのままだが、身体の動きだけは遅い。
3号だけは構わず、飛び上がる。
「ライダーキックッ」
その刀身へと激突する中、二回目の攻撃は、地震のように世界を振るわせた。
吹き飛んだ3号は、地面へと激突。引きずりながら、剣を見る。
その身体から紫の炎、セルメダルなどが吹き荒れるが、制御下にあるように見え、3号は構える。
「アンデットカードの全能力、キバの完全な力を制御し・・・リュウガ、いや、オーディンの力も手に入れたのか・・・」
それにおそらく、他の力もまたと呟く。
「まさか仮面ライダーをほとんど使えるのか・・・」
その顔に浮かぶステンドガラスの模様、満月が見下ろす中、剣はザンバットソードを構えながら、月へと掲げた。
刀身は紅へと染まり、トドメを刺す。そう思ったが、
「・・・だが」
3号は駆けながら叫ぶ。
「変身ッ」
それと共に紅の斬撃が放たれるが、それを拳で吹き飛ばす。激突する拳、だが、
「俺もまた仮面ライダーッ、俺のような存在は、俺だけで十分だッ」
紅の斬撃は砕け散り、その拳を構える。
「ライダーパンチッ」
その拳が身体を吹き飛ばし、満月の夜が消え、ザンバットソードも消える。
剣はなにも言わず、ただ見続けた。
「トドメだッ」
そう言い歩き出そうとしたとき、二人が前に出た。
「切歌・・・調・・・」
剣はそう呟く。二人は武器を構え、力強く睨む。
「もうやめてくださいッ」
「これ以上」
「「私の大切な剣を傷付けないでッ」」
そう揃って言う。3号はそれを見ながら、静かに剣を見る。
「・・・あと一つだ」
そう呟くと共に限界が来て、膝をつき、変身を解く3号。
血を流しながら、二人に告げる。
「あとはオルフェノク・・・死した人間が、新人類として進化して蘇ったもの達。その王を守護するために作られた。だが、旧人類を守るためにその力を使った者。ファイズの力が最後だ」
誰も乗っていない車が近づき、それに乗り込む3号。
そして去っていく彼を見送りながら、二人は戦慄する。
「あと一回・・・」
「あと一回で剣は・・・」
「・・・」
剣はその言葉を胸に刻み込みながら、空を見上げ、意識を手放した。
・・・あれ、切歌と調、告白してないか?
剣の置かれているのは、全てのライダーと怪人になると言う定められた宿命です。
故に、ただでさえ龍騎のように、すでに存在する人が使うライダーの力を使えるうえに、誰とも言われていないライダーである、オーディンやリュウガまで使え、ブレイドは全てのアンデットの力を使うという存在となります。
これにより他にも響鬼達、鬼の力もまた響鬼よりもバリエーションは多いです。
そしてライダーも使えたどんよりも使えました。
最後はファイズ、この力を使ったとき、破滅の未来が待っています。
どうなるか楽しみに、お読みいただきありがとうございます。