仮面ライダー鎧武・鎧武を目指す者と戦いの歌姫達 作:にゃはっふー
「このバカ弟子ッ、なに考えてるッ」
『パインアイアン』
取り出した鉄球のようなものがからみつき、パインをもした鉄球が当たる前、それを気合いで引きちぎる剣。
「あんただって、つるぎって名前で呼びやがって無職神ッ」
森で暴れる二人の戦士。紘汰こと、鎧武のかけ声と共に、草木が剣へと襲いかかるが、
「セイッハッ」
ほとんど気合いと言っていいほど、力業でそれらを防ぐ。
鎧武は極アームズを連続で使用、武器を召喚する。
『大橙丸・バナスピアー・キウイ撃輪・イチゴクナイ・・・』
次々と向かってくる武器の弾丸に、無双セイバーをすぐにナギナタ形態に変え、撃ち込まれる武器、バナスピアーを奪い取る。
その後は襲いかかる武器や、それを構える鎧武。さらに森の攻撃をさばき、対峙する。
いま鎧武は二つの槍、影松と影松・真を振るう。
「どうして戦ったっ、答えろッ」
「あの剣士が自分のことを、防人と言って仲間に斬りかかったからだッ」
ぶつかり、つば競り合う中、剣は鎧武を見る。
「相手は自分の身は剣だとか、防人だとかには興味ないッ。だが仲間に、どんなことがあろうと向ける刃なんて、あるはずないッ」
「それはお前の押しつけだろッ」
「だからあんたの説教を受けてるッ」
お互い何度も刃を交わしているため、あまりにも手の内を知り尽くしている。
そんなぶつかり合いの中でも、剣は善戦している方だ。
だがそれでも、オーバーロードにかなうはずもない。
「セイハァァァァァァァァァァ」
そのかけ声と共に、武器ごと吹き飛ばされ、地面をバインドし、変身が解ける剣。
それを静かに見据えながら、槍を手放しながらも、立ち上がり、ロックシードを手に取る剣を見る。
「俺はまだ弱い・・・弱く、あんたの足を引っ張るし、彼奴らの事情を背負えるほど、余裕もない・・・それでもッ」
『オレンジッ』
「どんな理由があろうと、傷つける奴が防人だの、その身が剣だからって防人だの、言う資格はないッ。その身が剣なら、その力をなにに向けるか分かっていなければいけないッ。防人なら、守る者に刃は向けないッ」
立ち上がりながら、剣は叫ぶ。
「なにより、そう言い聞かせなきゃ立っていられない奴が、あんな場所にいちゃいけないッ」
「・・・それが本音かバカ弟子」
『オレンジアームズ・花道、オンステージ』『無双セイバー・火縄大橙DJ銃』
取り出した武器は一つの剣へとかわり、バカな弟子へと向ける鎧武。
同じ鎧武でありながら、結局剣はコピーであり、偽物。
それでも、引く気はない。
「俺はまだ弱い・・・それでも、俺は強くなきゃいけないんだッ」
「この、バカ弟子がァァァァァァァァァァ」
ぶつかり合う閃光、そんな日々が続いた。
「・・・」
学校では普通に過ごしていた。ノイズとの戦いの際、あの剣士はノイズを倒し終えるもこちらを警戒するが、手を出してこない。なにか言われたのだろうか。
茶髪の子は何度も話しかけてくるが、聞くことはできない。
そしてバイトは最近していない。身体が付いていかない。
それもそのはず、紘汰からの本気の攻撃を毎日防いでいる。正直、正面上取り繕うのでやっとだった。
いま人気のない自販機を背に、気絶しそうなのを耐えている。
ジュース買うはずが、手が震えて、小銭を落とし、それを取ろうとしたら立てなくなった。
「・・・」
弱い自分が嫌になる。そう思いながら、静かにしていると、
「あの・・・」
座り込む剣に、誰かが話しかけてきた。
白いリボンをつけた、ショートの女子学生。心配そうに剣を見ながら、小銭を拾う。
「大丈夫ですか、気分でも悪いんですか」
そう聞いてくる少女に対して、
「いや、少し立ちくらみしただけだから」
小銭を渡され、こちらの顔色を見ている。
「・・・貴方も無理してるんですね」
「も?」
「私も友達も、そんな顔してますから」
悲しそうにそう言うが、すぐにすいませんと謝る少女。自分に言うことでもないだろうとすぐに思い返したみたいだ。
「なんだか知らないけど、その子もバカってことか・・・」
そんなことを言いながら、やっと回復した身体を動かし、ジュースを買う。
その様子を心配しながらも、
「バカ、ですか・・・」
「俺は自分がバカなことしてるって、わかってるからな・・・」
缶ジュースを飲みながら、静かに考え込む。
「・・・俺が弱いから、中途半端なことしかできない」
あの剣士の事情を知らずに、勝手に物事を押しつけた。
向こうの事情は分からない。だけど納得もできない。
「強ければ・・・」
強ければ、彼女たちの事情を知りながら、あの人達を助けることもできるはずだ。
慢心でも傲慢でもいい、そう思う限り、力が欲しい。
あのときの光景が蘇る。
ノイズを滅ぼす、鎧武の力。
だが、一番惹かれたのは、二人の戦い。
譲れない思いと思いの、あの戦いだけは忘れられない。
越えたい。ただそれだけが心の中で燃えている。
「・・・強ければ、誰にも傷付けずに守れるんだけどな」
そう思いながら、空を見つめる剣。少女も自販機で飲み物を買いながら、こちらを心配な顔で見ている。
「・・・そんなに」
言っていいのかわからない顔のまま、それでも、
「そんなに無理しなきゃ、いけないことですか?」
その問いかけに、剣は少し考え込みながら、
「君の知り合いは、いい人? 悪い人?」
その問いかけにはいい人ですと答えられ、ならと、
「なら、その友達がなにに無理してるか分からないけど、それは誰かのためだよ」
「誰かの、ですか・・・」
「俺は自分の価値観だけど、俺はある人達の力になりたいって思っているし、勝手に押しつけたりしてる。まあ、俺よりかマシな理由だろうけど、その子はきっと誰かのために無理してるんだろう」
「・・・なにも話して、くれないんですけどね」
悲しそうにそう呟くが、
「話さないで欲しい、そう頼まれたら、その友達はどうする?」
それを言われ、黙り込む。しばらく黙りながら、時間が過ぎる。
「・・・んじゃ、文句や愚痴は言っていいだろうけど、その友達のことは、大事にしろよ」
「・・・はい」
そう言って帰り道。剣は空を見る。
(・・・強さか)
思い返すは二人の戦い。映像を見せられたあの戦いが、懐のロックシードを握らせている。
戦いの参考、なにが自分達に起きたかの光景を見せられた剣。その光景の中、あの戦いに挑み、そして、
「俺は鎧武、そして戒斗さん。あなた達を越えたい・・・」
そう思いを改め、そのために、
「まずは自分の世界か」
ロックシードを見つめながら、今日の鍛錬へと挑む。
「・・・少しだけ、楽になったかな」
後ろ姿を見て消えた人に対して、彼女はほほえむ。
「名前聞くの、忘れちゃったな。また会えたらいいな」
そうつぶやき、彼女もまた歩き出した。
剣は鎧武が呼び出す武器、全てを使用した訓練を受けてます。
ですけど自分の世界では、オレンジ以外はコウガネを見落とす可能性があるので、使用しませんが、ロックシードは持っています。
愛車はローズアタッカーで、鎧武活動時にはためらい無く使いますが、普段は乗りません。免許だけは取りました。
インベスは倒したことはありませんが、戦闘は紘汰監修の元で行われており、いざとなれば斬る覚悟も持ち合わせてます。
それでは次回、よろしくお願いします。