仮面ライダー鎧武・鎧武を目指す者と戦いの歌姫達 作:にゃはっふー
正直、ストーカーじゃないかと思う今日この頃。
剣はそう思いながら、とある病院の部屋を、望遠鏡を使い覗いていた。
「・・・」
あの部屋からヘルヘイムの果実、つまりロックシードの気配がある。紘汰の話が本当ならばこの病院に、剣士が入院している。
気配を隠して調べてみるが、できる限りではあるが、それらしいものを懐に隠す大人の人やら、警備体制に、本命と知る。
いちおう、手渡す際色々細工はしてある。紘汰さん曰く、外せば灰になる。使用者の容態が完全回復するまで外れない。
建物から隠れてその病室を覗く剣だが、正直どうすればいいのか。
「・・・はあ」
だが、動かなければいけない。自力で動く。
まずは人気を気にしながら、病院に侵入すること。距離はクラックを使用して、うまく穴をついた行動だ。
格好はライダースーツにヘルメットをわざわざ遠出して買ったものだ。できれば目撃されずに日常で使用したい。痛い出費だ。
看護士、医者に警備員(物騒なもの所持)達の目だけでなく、カメラまで気にしながらの移動に、インベスの森の中で駆けめぐったりした訓練が役に立つ。
気配に関係する戦いのため、隠密経験もしてよかったと心底思う。
「・・・ロックシードの気配は、ここか」
なんとか部屋の前にやってきた。次に剣(不審者)の行動は、
「舞さん中の確認お願いします」
『ええ』
舞に頼み、中の様子を見てもらう。こういうとき、味方に女神がいるって頼りになるが、かなり間違っている。舞に申し訳ないと思いながら、剣は警戒を怠らない。
『問題ないわ、彼女一人だし、彼女も眠ってるわ』
「はい」
扉を静かに開け、中に入る。もう俺は死んだ、見つかれば死んだと呟きながら、
『お前な・・・』
紘汰の呆れ声を無視して、ベットに横になる剣士を見つける。
剣士は病人らしく、眠ってはいるが、顔色はよさそうだ。検査機も安定している。
「・・・そんなに重傷じゃなかったか・・・」
剣は知らないが、ロックシードのおかげで彼女はいま奇跡的な回復をしている。それを知らずに、絶唱の効果を考える。
『下手をすればこの子は死んでたな、距離的にも微妙だったな』
ほっとしながら、彼女の腰、ベルトの辺りを見るが、ん?と思う。
「なんで服の下にある」
『・・・あー・・・うん』
紘汰が考えながら、歯切れ悪く、剣も考えに至る。
「もしかして、取れないからそのままにして、衣類はいで、病院服着せたのか・・・」
紘汰達は沈黙する。正直、回収できれば回収していたロックシードだが、まさか衣類の下にあるとは思わなかった。
『手を出すなよ』
「無職神、いくらなんでも泣くぞ」
寝ている、しかも病人の女の子の服を脱がす?
「文字や言葉にしただけでダメだろ・・・」
『しっかし、これじゃ灰決定だな。まあ仕方ないか』
剣はそう諦め、ともかくと剣士を見る。
「まあ無事を確認しただけでいいか、お前の後輩にも、いつか謝るよ」
「・・・」
それだけを告げて、急いで部屋から出ようとする。
正直言えば、クラックを使えばいいが、あまり多様はコウガネを刺激するし、下手をすれば向こうさんにも気づかれる。帰るまでミッションは続くのかとため息を吐くと、
「!?」
人の気配が、部屋の前からした。
「ん?」
「どうしましたか指令?」
「いや・・・」
剣は急いでベットの下に移動した。見舞いかなにかか、足音と声からして男二人が部屋を訪ねてきた。
(落ち着け俺・・・)
明らかな不審者の剣は、指令と呼ばれた男の声が、少しだが穏やかになる。
「バイタルは安定か・・・やはり、翼がいまつけているベルトのおかげか?」
戦極ドライバーのことかと剣は聞く耳を立て、気配を必死に消す。
「はい。医者の話では、すでに回復が始まっていたとのことです」
「異端技術・・・聖遺物か?」
知らない単語を聞きながら、指令と呼ばれた男や、もう一人の男の気配がやばい。
彼らは武術の心得がある。おそらく自分を見つけることは簡単だろう。
それでまだ見つかっていないのは、頭の隅に不審者がいると考えていないからか、あるいは別に考えることがあるからだろうか、いまの剣にはわからない。
「残念ながら不明ですとのことです。聖遺物の反応はなく、なにより、地球上の物質ではないとわかりました」
「地球外物質による、謎の技術か・・・彼らは一体、何者だ?」
椅子に座り、思案に入る様子の指令。剣から魂が抜けていきそうになる。
「これまでの会話からして、鎧武と言う人物と、その名前を借りる、剣と言う人物がいるとしかわかりませんね」
「それと、その、つるぎくんか・・・話し方からして、響くんとかわらないだろうな」
色々バレ初めているよぉぉぉぉぉと心の中で叫ぶ。だが思わぬ収穫だ。彼らが自分達について、どう判断するかわかるのだから、精神に来るが。
「目的は敵がいる、ノイズはその敵と戦うために邪魔、か・・・」
「ノイズ以外の敵と言うと」
「いま俺達と敵対したり、ソロモンの杖を持つ一派ではないことは確かだな」
ひげらしきものをさわる音。バイタルチェックの音。心臓に悪い、剣は体力と精神力が少しずつ削られていく。
「敵、として認識したくないな、響くんも、彼と戦うのは否定的だ。なにより、俺達も翼を救ってもらっているが、目の前に現れたら捕縛しなければいけない、くそっ」
そんなこと言われたら出たくないなと、剣は思いながら気配を消す。
「上層部、別の機関も、彼らについて?」
「上には報告しなければいけなかったからな。ノイズに対抗する技術だ、上からすれば後々のことを考えて、自分のもとに置いて欲しいのだろう」
「他の国も」
「他の国は詳しい情報を詳しく掴んではいない。だがシンフォギア扱いかは知らないが、ノイズへの対抗手段の一つとして知られているだろうな」
(知りたくねぇ情報だな・・・)
元々ノイズは他国関係なく、クラックを使ったりして倒したりしている。ここ最近は日本での活動は多いけどと思いながら、剣は息を殺す。
「・・・」
静かにコーヒーか、飲み物を飲む音を聞きながら、早く去れと心から思う。
「・・・鎧武、剣か・・・」
そして指令と呼ばれた男が立ち上がり、
「以外と、翼のことを心配して、ここに潜んでいるかもしれないな」
世界が止まった。比喩無く思考が止まった。
静寂が部屋を包み込む。そして、
「それは楽観視か」
そう言って、ですねと相打ちを打たれ、部屋から出ていく二人。
足音が遠のくのを確認しながら、剣はやっと息を吸う。
「お、終わったと・・・終わったとおもっ」
次の瞬間、部屋の前に人の気配が現れた。
「!!?」
扉が勢いよく開き、反射的に戦極ドライバーを構えつける剣。
オレンジを片手に、窓際に距離を取る。
「やはり君は子供だな、俺の鎌かけに、一瞬息を吸ったぞ。それまで息を殺していたことはほめておこう」
「・・・」
構える中で、一瞬の隙を見せれば拳が撃ち込まれる。
(この人人間か・・・インベスでも、この距離じゃ攻撃をよける自身があるのにないぞ。確実に生身で撃ち込まれたら終わるって、感覚が言ってる・・・)
距離的に変身もしても間に合うかどうかわからない。もう一人も静かにこちらを見ている。
「この体制のまま話し合おう。君は何者だ」
「・・・」
どうするか考え込む中、仕方ないと警戒は解かずに、
「俺は剣、鎧武に協力する者だ」
「鎧武、それが君の協力者か。何者だ」
「・・・一つだけ」
重々しい雰囲気の中、剣は言う。
「ここは病室で女子部屋だ、屋上で話さないか?」
それには向こうも、
「いいだろう」
というわけで屋上に移動する。逃げられないように警戒はされていた。
夕暮れ時、屋上にて、ヘルメット不審者と、Yシャツ姿の大柄の男、そしてスーツの男性が立つ。
(とはいえ、やはり子供か・・・)
だがかなり鍛えられている。自分の動きと気配に気づき、その行動は感服する。
(よほど鍛えたのだろうが)
翼を助け出そうとしたときの様子、その鍛える原動力を考え苦虫を噛む。
(あの事件で傷付いたものが、いまだ目の前に現れるとはな・・・)
そう思いながら、つるぎと言われる者の言葉を待つ。
「・・・まずは、俺が言うことを真実としてまずは聞いて欲しい。疑うのはそのあとにしてくれ」
「わかった」
頷くのを確認して、つるぎは静かに言葉を紡ぐ。
「・・・にわかには信じられないな」
それはそうかと思いながら、剣は思う。
いま異世界から、コウガネと言う存在がこの世界に来て、コウガネはこの世界で果実の争いを起こすと言う話。信じられない。
「だが事実だ。コウガネはこの世界で、黄金の果実、その争いを起こす」
剣が伝えたのは、鎧武と言う葛葉紘汰達の存在、コウガネと言う存在。そして、コウガネが起こすであろう争いに関すること。砕いて言えば、
「異世界で世界創造を賭けた争いがあり、コウガネは人口黄金の果実として、この世界で果実の争いを起こす気か、もしくばこの世界を踏み台に、紘汰さん達に復讐するつもりらしい」
だが事実それが目的だろう。紘汰達のおかげで、いまだに動いていないが、コウガネの目的は変わらない。
「コウガネは禁断の果実として、この世界に必ず争いを起こす。少なくても、生み出した世界や、紘汰さん達の世界でも、争いを引き起こしてる。それがいま、この世界にいる」
「・・・なぜ君は、我々に接触しなかった?」
「あんたら、病室でした会話で考えてくれ」
そう言われ、それに黙り込む。
その話が本当なら、確かに悪用したり、色々自分達の都合を押しつけるだろう。
しかも、神を生み出す果実の話。それに飛びつく者だって想像できる。
「・・・君達の事情は分かった。君の目的はノイズ撲滅と、コウガネ打倒だね」
「それさえできればいい、俺は分かるとおり、この世界の人間だ。協力者としては、紘汰さん達の事情を優先したい」
あの人達は、この世界の出来事に傷付き、考え、助けてくれようとしている。もう十分だと付け加えながら、
「悪いけど、俺はあの人達の力になる。そのために鍛えた力だ」
それはこちらと協力しないと言っている。そう思ったが、
「だけど・・・」
そうつぶやき、静かにメモを渡す。
「これは?」
「俺の連絡先だ」
それに驚く中、剣は続けて、
「剣士が傷付いたのは、俺が弱かった所為だ。こちらの事情を優先するが、茶髪の子の、戦場サポートは俺が引き継ぐ」
それに驚きながら、メモを見る。
「いいのか」
「むろん、俺の周りに不振な人影が現れれば、俺はあんたらの敵だ」
指令と呼ばれていた男はしばらく考え込み、
「わかった」
そう力強く頷いた。それを見ながら、
「だが、一つ言わせてもらえば、翼のケガは君の所為ではない」
「・・・」
そう言われながらも、首を振る。
「それじゃ、俺は弱いままだ・・・俺は強くなる、全部を守る」
「子供の考えだな」
そう言われたが、ああと頷く。
「俺は子供でいい、子供のまま、必ず全て守る」
そう告げたあとは、普通に帰してくれた。
「いいのですか指令?」
見送る中で、指令は腕を組みながら、
「少なくとも、彼から敵意はない。なによりああいう男は嫌いにはなれないな」
メモを見ながら、できれば頼ることがないことを祈る。
だが、
「ん?」
緊急の連絡に、それはすぐに使うことになる。
物々しい雰囲気だった。
(捨てなくて良かった)
ライダー姿の剣に、多くの人員の視線を感じる。それはそうだ。
剣はいま、彼らの協力者として、とある施設にいる。
話の内容では、重要機密品を、とある場所へ輸送するらしい。前向きではとある人物の暗殺者を見つける名目で、高速道路などを貸し切った。
「すげぇぜ国家・・・」
ローズアタッカーのエンジンを暖めながら待機している。何人かは不信感をいだいているが、当たり前なので無視する。
いま剣は鎧武ではないが、戦極ドライバーはつけている。いまだ不審者の剣に、フレンドリーに話しかけるのは、
「つるぎさ~~んっ」
一人いた。
「茶髪の子?」
近づいてくる子に対して、剣はそう呟く。うれしそうに近づき、学生服(あれ? どっかで見たような)の子が現れた。
「茶髪の子じゃなく、立花響ですっ。今日はよろしくお願いします」
「ああうん・・・立花か、剣だ」
「剣さんですね、私のことは響でいいですっ」
そしてうれしそうに剣の手を取り、うれしそうに顔を近づける。
「あの、ずっと言いたかったんですっ。いつも助けてもらい、ありがとうございます」
「・・・」
そう言われたが、内心複雑だった。
「・・・」
この子の先輩があの重傷は自分の責任、とまでは言えないが、それでも止められなかった。
その負い目に、視線を逸らすと、
「貴方が鎧武、剣ね。始めまして~」
「了子さんっ」
響がそう言い、現れて近づく白衣の女性。へぇ~と剣やローズアタッカーをマジマジ見ている。
「話は聞いてるけど、異世界の技術ね・・・」
「・・・どこまで聞かされたんです」
その問いかけに、一部の人達には、こちらの事情を知らせたらしい。
コウガネのことも響は知っていた。
「ねえねえ、今度身体検査する気はないかしら?」
「人間ドックはこの前受けたので」
嘘だけど。
了子と呼ばれた人が離れていく。輸送品は彼女が持ち、響は剣のバイクで移動する話らしい。
「・・・」
気のせいか、信じられないような感じになる。
自分はなにか気に入らない何かを、彼女はしただろうかと思う中、作戦が始まった。
道路独り占めかと思いながら、何台の車と共に走る剣達。
人気は全くなく、響を後ろに乗せて走行していた。
「・・・」
いまのところノイズの気配はなく、紘汰達もなにも言わない。
ちまみにこの事態に紘汰達は仕方ないと、納得している。
だからこそ、
(なにがあっても、どうにかする・・・)
無意識なのか意識的か、ハンドルを握る力が強まる中、
「・・・!?」
橋を走行中、剣がいち早く気づく。
「えっ、うわっ」
響には悪いが、一気にスピードを上げて、ウィリーで車を飛び越え、先頭を抜く。
それをヘリで見ていた指令が驚くが、
「!?」
突如、道の真ん中から、草木が現れた。
「!」
草木と共に現れたものは、バイクの前輪での攻撃に、片腕で防ぐ。
「そのバイクッ、なぜこの世界の者がロックシードをッ」
そう叫び、車も一斉に止まり、響達はバイクから降りる。
「つ、つる」
「離れろ響ッ」
『オレンジ』
「ロックシードだとッ!?」
突如現れた男は驚きながら、それを無視して、
『オレンジアームズ・花道、オンステージ』
「セイヤァァァァァァァァァァァ」
二振りで斬りかかりながら、クラックが開く音が響く。
中からインベス、下級が現れるが、
「邪魔だッ」
ためらい、無くはないが、それは必ず来ると教えられた。
だからこそ、剣を握りしめ、インベスを斬り、それに襲撃する。
それは剣の姿に驚いていた。
「その姿、鎧武だとっ!? どういうことだっ」
「こういうことだよッ」
突如光り輝く果実が現れ、男を襲撃。剣と共に並び立つ。
「剣さんっ!?」
「響はどけッ、これは俺達の戦いだッ」
それを通信機で聞きながら、ヘリの上で驚く。
「ということは、あの男」
突如現れた男は、顔をゆがませ、彼らを見る。
「まさか巨大な力を手に入れようと、賭に出たが・・・すぐ側にお前がいたかッ。葛葉紘汰ッ」
「ここでお前を倒す、コウガネッ」
マントを翻し、極アームズを取り出す。
『大・大・大・大将軍ッ』
「ついでだッ」
そう言って手をかざすと、周辺からノイズが現れ、爆発する。
「潜んでたのか」
「おそらく別口だろうが、弟子の途中離脱だ。これくらいしないとな」
そしてコウガネは、黒いリンゴのロックシードを取り出す。
「変身」
『ダークネスアームズ・黄金の果実ッ!!』
現れるのは、記録の中で見たコウガネの姿。邪武だった。
武器を構え、こちらへと殺気を放ちながら、紘汰達も叫ぶ。
「いくぞ剣ッ、ここで仕留めるぞッ」
「はいッ、乱入させてもらうッ」
「ここからは俺達のステージだッ」
「なん、だと・・・」
彼らの戦いは、まさに人外の戦いだった。
すぐさまバックした車達、響もまた護衛に付く。
上空の橋の上で、それらは戦う。
いくつもの武器を取りだし、空間から突如現れる怪物達を撃つ白銀、彼が鎧武だろうと判断する。
そして対峙する者もまた、怪物達を呼び出しながら、海を持ち上げ、彼らにぶつけてくる。
「剣ッ」
「エスパーかお前はッ」
水の固まりのような水球を、一本の刀で切り伏せる。
それに空間から木々のツタが伸び、剣へと向かうが、
「させるかッ」
紘汰の叫びに、ツタの動きがかわり、コウガネへと迫る。
「くっ」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
無双セイバーで撃ち込みながら、接近して畳みかける。
「人間風情がッ、私に挑むかッ」
「紘汰さんッ」
「おうッ、受け取れッ」
紘汰からいくつもの光が放たれ、つばぜり合いを解き、その中の一つを手に取る。
『バナナ』
「別のロックシードかッ」
「ああッ」
『バナナアームズ・ナイト・オブ・スピアー』
「それだけじゃないッ」
『メロンディフェンダー・ソニックアロー・ブドウ龍砲』
鳴り響く音の中、ブドウ龍砲から紫の弾丸を避けつつ、紘汰を見た。
「!?」
武器の数が少なく、その手にはソニックアローしかない。
「こっちだ金メッキッ」
バナスピアーを装備しながら、メロンディフェンダーを構える剣。
二人の交互の攻撃を避けつつ、二人は巧みに戦う。
「オッラッ」
メロンディフェンダーを投げる剣、メロンディフェンダーは操られるように邪武を斬りつけながら、ブレードを二回倒す。
『バナナオーレ』『バナスピアー』
突如二振りの槍を掲げ、バナナ状のエネルギーをたたきつけ、ソニックアローによる狙撃を追い打ちに放つ。
「図に乗るなッ」
邪武がそれを受け止めるが、矢が何発も命中する。
だが、海の壁が左右に立ち上がり、響達も巻き込んで迫るが、
『ブドウ・ブドウアームズ・龍・砲、ハッハッハッ。ブドウスカッシュ』
紘汰はオーバーロードの力で止め、剣は的確に銃で撃ち崩す。
「バカな、人間にこれほどまで・・・そこまで私は弱っているのかッ」
それは苦々しく言い、車、とくにあるものを見る。
「それを渡せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「渡すか」
突如黒い輝き、果実へとかわり、接近する邪武だが、黄金の輝きの放つ紘汰に阻まれて、そのまま空中戦に入る。
「響、他の奴らと輸送物は無事かっ!?」
いきなり人外のバトル、しかも継続中に、多くの者は言葉を失うが、ああと、
「オーバーロードの戦いはあんなんだ。山くらい一つ二つ、片手でできるぞ」
「マジですかっ!?」
空の上でぶつかり合う光に、響は驚く。
『ドングリ。ドングリアームズ・ネバーギブアップ』
「外装を返られるのねそれ」
了子は鋭い目でこちらを見て、剣はああと頷き、ブレードを三回倒す。
『ドングリスパーキング』
ドングリの形をしたエネルギーを邪武にぶつけ、その隙に紘汰も動く。
『影松・影松・真』
二つの槍を構え、邪武を捉えた。
「セイッハァァァァァァァァァァァァァ」
「ヌオォォォォォォォォォォォォォォ」
邪武も向こう側に押し込み、それを見る剣は、
「ノイズか」
『ドリアン。ドリアンアームズ・ミスターデンジャラス』
突如海面から現れるノイズだが、また現れた剣で斬られ、それを構えながら響を見る。
「どうやら別口も襲撃してるみたいだな、デュランダル、だったか、そんなに重要か」
「少なくても、そういうことらしいわね。まさかあなた達の敵にも目を付けられるなんて、予想外よ」
了子はそう言いながら、苦虫を噛む。男達も驚き、戦慄している。
「コウガネが俺と紘汰さんが戦う、元々そのために動いてた。絶対にここで討つ、響はデュランダルの警護。あの白い子もいるかもしれない」
「・・・はい」
引きつった顔に、剣は背中を叩く。
「すぐに金メッキ倒したら、紘汰さんと一緒に来てやるよ。それまでふんばれ、必ず助けて欲しいとき駆けつける、約束だ」
それを聞き、響は驚くが、すぐに満面の笑みを浮かべる。
「はいッ、がんばりますッ」
「応ッ」
そしてダンデライナーを取り出し、それに乗って紘汰達の跡を追う。
いまだ交差する輝きに、剣は別のロックシードを取り出す。
『キウイ。キウイアームズ。撃・輪・セイッヤッハッ』
「オッラァ」
斬りかかられる攻撃に、邪武は舌打ちのような音と共に、ナギナタモードのような、大橙丸と無双セイバーを構え防ぐ。
「まだまだッ」
『オレンジ。オレンジアームズ・花道、オン・ステージ』
使い慣れたスタイルによる、攻撃の中、いつの間にかマンゴーパニッシャーを構える紘汰と共に、追撃する。
「諦めろコウガネッ」
「テメェはここで終わりだッ」
「終わってたまるかッ、この年月ッ。貴様らの所為で幾度の時の中、苦汁を飲んだか」
無双セイバーとマンゴーパニッシャーを受け止めながら、邪武は叫ぶ。
「この世界で私は神へと進化するッ、そして葛葉紘汰ッ、必ず貴様を討ち滅ぼすッ」
「ふざけるなッ、この世界は剣の、ましてはヘルヘイムと関係ない世界だッ」
そう叫び、剣は邪武の武器を踏み台に高く飛び、紘汰はそれと共に、マンゴーパニッシャーに力を込めて辺りをなぎ払う。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
吹き飛ぶ邪武は、無人の施設へと吹き飛んだ。
むろん、追撃に無双セイバーの銃弾を当てたが、微々たることだ。
「とっておきだッ」
そう叫び、剣が取り出したのは、エナジーロックシード。
『ミックス・オレンジアームズ。花道、オンステージ。ジンバーメロン、ハハー』
『火縄大橙DJ銃』
吹き飛んだ邪武が起きあがる中、紘汰は火縄大橙DJ銃で追撃し、特別な状態、ジンバー状態で、ソニックアローと無双セイバーを構え走る。
「ウオォォォォォォォォォォォォォォォ」
剣撃のラッシュ、それを受け止める邪武だが、その声は押され、苦渋にゆがめる。
「貴様ッ、人間風情がッ」
邪武の攻撃で、無双セイバーがはじかれたが、そのまま距離を取り、ソニックアローを空へと放つ。
「どこを」
だがすぐにそれは霧散、無数の矢となり、邪武へと降り注ぐ。
「しまっ」
「まだだッ」
「!?」
紘汰ははじかれた、いな、投げ渡された無双セイバーを使い、大剣モードで、邪武を斬る。
それに続くように、剣も斬撃に参加し、邪武を圧倒する。
「バカな、弱っているとはいえ、人間にここまでッ」
「お前を倒すために、さんざん鍛えたからな」
「これで終わりだ、金メッキッ」
そのとき、
「!?」
無数のノイズが吹き出すように現れ、二人の影が粉塵と共に現れる。
「響かっ」
「!? 仕方ないッ」
邪武はそう叫ぶと、雄叫びを揚げる。すると、
「なんだっ!?」
白い子が驚き、無数のノイズが邪武の中に入る。
「彼奴、ノイズを力に変えているだとッ、剣ッ」
「畳みかけます」
「来いッ」
ダメージを追っていたはずの邪武だが、多少回復したらしい。
紘汰と共に追いつめる剣だが、邪武は白い子が出すノイズを飲み込む。
「そこの奴ッ、私の邪魔をするなッ」
「黙れ女ッ」
黒いリンゴのエネルギーが、白い子に放たれる。
「!? ちっ」
舌打ちして、矢を放ち、それを全て撃ち落とすが、
「よそ見をするな小僧ッ」
そこに斬りかかってくるが、身体を回転させ、紘汰に相手してもらいながら、
「ノイズ、テメェらは邪魔だッ」
ノイズに向かって一斉乱射、矢が無数に割れて、手の数が増えるうえに乱射。目に付くノイズは全て貫く。
「すいません剣さんっ」
「響はデュランダルの警護だッ」
「デュラ、はっ」
そのとき、デュランダルのケースが目に入る。
「それは私のものだッ」
「渡すかッ」
「絶対に、渡せないッ」
邪武、白いの、響が叫び、デュランダルへと手を伸ばす。
「させねぇよッ」
邪武に対しては、紘汰と共に妨害する。
「コウガネ、お前はなぜこの世界の力を」
「葛葉紘汰、まさか貴様、気づいてないのか・・・」
「!?」
なにか意味深なことを呟くコウガネに驚く中、そのとき、
「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアッ」
謎の雄叫びに、全員が振り返る。
「響ッ!?」
なにか様子がおかしい、響は剣のようなものを持ち、その顔は黒いなにかに覆われていた。
「この力、もらうぞッ」
「しまっ」
邪武はすぐに距離を取り、響の剣から光を奪う。
「いまはこの程度あればいい」
そう言い、また果実の光に包まれて移動する。
「待てコウガネッ」
紘汰もあとを追い、剣も動こうとしたとき、
「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
悲鳴のような響の声に、一瞬止まる。
「くっ、くっそッ」
響に向かっていく剣。その力を振り下ろそうとする響に向かってだ。
「響ッ」
「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
振り下ろされる一撃に、歯を食いしばりながら向かう。
「響イィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
爆音が鳴り響く中、剣の雄叫びもむなしく消える。
はずだった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
それを肩に担ぎ、響の一撃に耐えていた。
それを見ている者全てが驚愕する中で、剣を掴み、耐える剣。
余波だけでノイズが消し飛ぶ中、剣は耐えていたが、亀裂が走る音を聞く。
「ジンバーメロンッ!?」
メロンエナジーが砕け散り、外装がオレンジアームズだけになった。
それに膝をつき、肩に刃が食い込む。
「がっ」
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
響の雄叫びが響く中で、それでも、
「俺は・・・俺は」
動く右手で、ブレードを握る。
「俺はお前を、助けるって約束したッ。力貸せ、オレンジロックシードッ」
ブレードを倒しつつ、剣は叫んだ。
甲冑がオレンジの球体に替わり、それを振り上げて、
「目を覚ませバカッ」
頭突き、簡単に言えばそれを響をぶつけた。
「ぐあっ」
その一瞬に、拳を使い、デュランダルを掴んだまま響から放す。
「がっ・・・はっ・・・終わった・・・」
そう言って、鎧に変な光を放ちながら、変身が解け、その場に座り込む。
「剣ッ」
クラックから一人の少女が現れ、剣へと近づく。
「君は」
「貴方は、指令さんですね。私は舞、紘汰と同じ、異世界の者です」
そう言われ、指令もまた挨拶する。
「俺の名前は風鳴弦十郎、彼の容態は」
「肩の出血はひどいけど、大丈夫。彼は私が看ます。あなた達は?」
火の手が上がり、ふむと難しい顔をするが、
「死者は出ていないのが奇跡だな、響くんについては、まだ断言はできないが無事だろう」
「そう・・・」
「彼やあなた達には感謝しなければな」
力で止血する中、それに首を振る舞。
「いえ、コウガネの件は私たちの落ち度・・・なにより、この子を巻き込んだことも」
「巻き込む?」
「私たちは最初、この世界の人と関わる気はなかっただけど」
「俺が目につけたからって、その言い方はないだろう」
そのとき、弦十郎は構え、舞は静かに睨む。
その男は、いや、葉っぱの蛇は笑みを浮かべる。
「おお怖い怖い」
「・・・あれは」
「ヘルヘイム、もしくば蛇」
「またはDJサガラ、サガラと呼んでくれ」
そう言いながら、人の姿になるサガラ。
それはおかしそうに笑い、剣を見ている。
突如現れたそれに警戒しつつ、剣は、
「目が覚めてたか」
「・・・メロンエナジーくれ、蛇」
「剣ッ」
剣は立ち上がり、オレンジロックシードを握りしめる。その様子に満足そうに、
「そうしてやりたいが、いまは傷をいやせ。この状態でオーバーロードの闘いは困難だぜ?」
それに舌打ちして、響を見る。それに蛇は、
「大丈夫、ガングニールの子も問題ない」
「・・・なぜガングニールだとわかる」
弦十郎の問いかけに、さあなと仕草だけで答える。
「俺は傍観者だが、葛葉紘汰に続き、実に面白い事態だ。ついついキャストに声をかけてしまう」
そう言いながら、蛇は背を向ける。
「まだまだ物語は始まったばかりだ、舞台から落ちるなよ、剣とガングニールの子」
そう言いながら消える。その前に、
「天羽々斬やイチイバルの子にもよろしく」
「!? 待てッ」
弦十郎の言葉を待たず、蛇は消える。
舞も困惑しながらも、いまは剣だ。
「一度私たちの世界で、貴方の場合、そっちで治癒した方がいいわ」
「響は」
「響くんは任せろッ」
弦十郎がそう断言して、それに頷く。
ヘルメットが少し割れ、顔が見えているが、弦十郎は素性を探る気はない。
だからこそそれ以上の追求はせず、彼らを見送った。
その後、デュランダルは彼らが管理、そしてコウガネは、逃がしてしまった。
「さて、彼女のシナリオに少しばかり関わってしまったが、まあいいだろう。コウガネもなにげにしぶといが、黄金の果実を持つにふさわしくないんだがな」
蛇は森を歩きながら、静かにほほえむ。
「せいぜい、果実を持つにふさわしい者の糧になればいいか・・・さて、このあとはどうするか」
そう呟きながら、一つの果実をもぎ取り、面白そうに笑う。
「白銀の剣に、ガングニール・・・イチイバルや天羽々斬もいたな。さて、どうなることやら、見物だな」
そして彼も姿を消し、静寂が森に訪れた。
パインとイチゴ、あとなに出せなかったッ!?
ちみなにロックシードはオレンジ以外は返品しますが、かなり使いますね剣。
ジンバーメロンは独自の設定として、以下の能力です。
他のロックシードではレモンに次ぐバランスタイプ。
放った矢は自在に操り、曲げたり、増やしたり、相手の力すら操る。
剣の現段階の切り札です。
なにげにヒロイン達と関わり多いですが、ヒロインは考えていません。ですが問題発言させますよ。
物語の中、この子がヒロインだってことになればいいなと思い。いまはここまで。
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