俺は、やきさかなが使える唯一の技、『はねる』を何とか技として確立させることから始めた。
それは単純明快、やきさかなが思いっきり跳ね、ポケモンの上に着地して体力を奪うというものである。
そして、野生のポケモンを倒していくうちにレベルが上がっていき、『たいあたり』と『じたばた』を覚えることに成功した!
で、わかったこと。
・此処はウバメの森。
・御守り小判が欲しい。
以上だ。
とりあえず、何か良いポケモンがいないか探そう。壊れてないモンスターボールを何個か見つけたし、ポケモン1匹の捕獲は何てことないだろう。
———現実はそんなに甘くはなかった。
遭遇したナゾノクサ。コイツが、あまりレベルが高そうには見えないのに、めちゃくちゃ強かった。トレーナー歴1日だから、観察眼がアレなのかもしれないが、とにかく強い。
やきさかながじたばたを覚えたからレベル30にいったのかと思いきや、なんと此奴、焼き魚になりたくないがために気合いで覚えたらしい。
ナゾノクサの痺れ粉で麻痺状態、加えて眠り粉で眠り状態となっているやきさかなに代わり、俺自身がナゾノクサとバトルしている。
痺れ粉を必死で避け、拳を叩きつけ、眠り状態を浴びながらも前世3日連続の徹夜で鍛えた眠り耐性を存分に活かして蹴りを入れる。
「や、き、さ、か、な、起きろー!」
だが、これじゃあまりHPを削れない。目には目を、歯には歯を、ポケモンにはポケモンを、だ。
「焼くぞー!」
ヤケクソで叫んだのだが、やきさかなは飛び起きた。
「よし! よくぞ起きた! たいあたりだぁっ!」
ナゾノクサに向かって、覚醒したやきさかなの体当たりが決まる。多分、これでレッドゾーンに入ったのであろうナゾノクサは、目を回してふらふらしている。
「よし、捕獲だ!」
慣れない動作———とは言い難い。今まで出会ったポケモンには問答無用でモンスターボールを投げつけていたため、かなり慣れた動作。
最後のモンスターボールを手に取り、叩きつけ、願い、そして———
カチッ!
やっと、捕獲に成功した。
「やきさかな……新入り入ったぞ……」
「コイィ……」
モンスターボールを展開し、捕まえたばかりのナゾノクサを出す。
「これからよろしくな。お前の名前は……そうざいだ! 三度の食事のために、精一杯頑張ろうではないかぁ! そして、切羽詰まったらお前は惣菜となってしまうから頑張ってくれたまえ!」
「ナゾッ!?」
謎じゃねえよ、自然の摂理だよ。
あ、鳴き声か、今の。
・解説
「はねる」
ゲームでは何もできない技だが、現実ではいくらでも応用できる。
「じたばた」
コイキングがレベル30で覚える技。しかし我らがやきさかなは、焼き魚になりたくがないために気合いで覚えた。
「そうざい」
新入りナゾノクサ。切羽詰まったら惣菜となってしまう。
「ナゾッ!?」
ポケモンの鳴き声は適当です。