三度の食事縛りプレイ   作:みんみん

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手作りボロの釣竿

 コガネデパートで30個入りの怒り饅頭(300円)を購入し、そのままポケモンセンターへと向かう。

 ジョーイさんにやきさかなとそうざいの回復をお願いし、待っている間にやるべきことを済ませてしまおうとロビーの隅へ向かう。

 リュックサックから取り出したのは、ポケギアとポケモン図鑑、その充電用プラグ。手際よくコンセントを繋ぎ、ソファーに座って充電の回復を待ちつつ、怒り饅頭のラッピングを丁寧に外し、包装紙は綺麗にたたんでリュックサックへ、透明なビニールはゴミ箱へと捨てる。

 しばらくして、ジョーイさんが、回復が終わったと伝えに来た。

 礼を言ってモンスターボールを受け取ってボールベルトに装着し、充電していたものはリュックサックへ仕舞い込む。

 既に夕方、肌寒さを感じ、ウインドブレーカーの前をかき合わせながらポケモンセンターを出て南下、コガネシティを出て草むらへと入っていく。

 西へ十数分歩き、湖だか川だか判断に迷う水辺へと出る。そこで、やきさかなは水の中へ、そうざいは自分の傍らへと出して、岸に座る。

 

「みんな、夕飯だ。30個入りだから、ひとり1食3個とすると、9×3+3……今含めて3回、つまりは明日のお昼までは確実に食べられるね。残り3個は回復用として、明日また新しく買えば大丈夫。個数厳守で食べよう」

 

 9個饅頭を出して、箱を仕舞う。3つそうざいに渡し、自分用にひとつ口に放り込む。やきさかなは自力では食べられないので、千切って食べさせてやる。

 ひとくちひとくち噛み締めて食べたはずなのに、ものの数分で食べ終わってしまった。

 時計を確認し、そろそろ寝るか、と呟く。

 

「残りの食糧、野生のポケモンに盗られたりでもしたら元も子もないから、交代で見張りをしよう」

「コイ! コイィ、コイ!」

「サンキュー。やきさかな、最初で次俺。1時間経ったら交代だから、起こしてくれ」

「コイ!」

「ナゾォ?」

「そうざいは、俺のあとだ。それまでゆっくり休むんだぞ」

「ナゾ!」

 

 大きな木に寄りかかり、ウインドブレーカーを脱いで自分とそうざいの身体にかける。やきさかなは陸で見張りをするようで、ぴょんと水から跳んだ。

 

「じゃあ、おやすみ……」

「ナゾォ……」

「コーイ」

 

 俺は襲いかかる睡魔に、抵抗せずに身を委ねた。

 

 *

 

 昨日の夜は、結局俺とやきさかなで交代で見張りをした。

 そうざいは寝ている間に自分に眠り粉をかけていたらしく、揺すっても起きなかったのだ。

 大声を出すとポケモンたちが寄ってきてしまうため、そうざいは抜きで見張りをすることになった。

 

「コイィ、コイ?」

「ナゾォ……」

 

「もうしないでね?」「反省してます……」こんなところだろう。

 そうざいも反省しているようだし、飯にするか。

 

「飯の時間だ。そうざい、昨日のことでうじうじするな。失敗は成功のもとと言うだろう。次から気をつければいいんだ」

「……ナゾ!」

「ひとり3個だぞ、それ以上食べるなよ」

 

 言いながら配り、自分も口にする。

 

「ナゾ!」

「ああ、美味いな。次はぽにぎり買うか。元はおにぎりだから力もつくだろうし。昨日パッと見てきたところだと、一個30円……コスパでいうと怒り饅頭の方がいいんだが、飽きてバトルに支障が出てもなぁ……」

「コイィ……」

「ウバメの森に戻って木の実を取ってくるのもありだな。そうしたら、タダで大量に手に入るし。考えておくか」

「コイ! コイ?」

「ああ、今日は猛特訓するぞ。ミルタンクがレベル20くらいだったから……できればレベル30を目指すんだ。いいな?」

「コイ!」

「ナゾ!」

 

 とりあえず、お相手はコイキングがいいだろう。ここらへんのコイキングは跳ねるしか覚えてないし。

 大きめの木の枝と長いツタを探してきて、早速作業を開始する。ツタをキツく細かく編み、その先端を太い枝に結びつける。手頃なサイズの石ころにやきさかなが体当たりして形を整え、釣り針にして、編んだツタの先端につける。

 

「ボロの釣竿の完成だ! よし、コイキングバンバン釣っていくから、陸に乗ったのを順番に倒して行けよ!」

 

 言っているうちに、すぐさま何かが掛かる。

 

「行くぞ、おらぁ!」

 

 釣りあがったのはコイキング。やきさかなが瞬間で体当たりをかまして戦闘不能に追い込み、そのまま水の中に落ちていく。

 続けて釣れたクラブは、そうざいがいつの間にか覚えていたソーラービームでぶっ飛ばした。……地味に日本晴れも覚えたんだね。技マシンなしで。

 そうやって、釣れるだけ釣り、ボコれるだけボコった後は、回復用怒り饅頭を三等分してひとりと2体で食べ、もうひとつは細かく千切って水面にばらまいておく。勝手に食べて回復するだろ。

 

「あー、タブンネかラッキーあたりが欲しいわぁ。いや、タブンネが欲しい!」

 

 そうすれば、野生のポケモンをボコったあとも癒しの波動で回復させ、自然に返せばいいのだから。だが、現実は非情だ。そこまで上手くはいかないだろう。

 休憩を挟み、ボロの釣竿をリュックサックに仕舞ったあと、今度はやきさかなとそうざいを直接水に投入した。

 

「やきさかなぁ! 体力つけるぞ! 滝登りできるくらいになるんだ!」

「コイィィイイイ!!!」

「そうざいぃ! 今後の為に泳げるようになるんだ!」

「ナz、ボコボコボコォ……」

「やきさかな助け出せ!」

 

 やきさかなと俺をコーチに、そうざいの水泳特訓が始まった。




昨日投稿出来ませんでした、申し訳ありません……。
日曜日に2話投稿してあったので、お許しください。
感想など頂けると嬉しいです。
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