初めまして。   作:狂音 李莉

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サイコキネシス・ガール
サイコキネシス・ガール01


「クラウス……」

「スティーブンか、随分と遅かったが……。……?」

事務所の扉を少しだけ開き、覗き込むように顔を出すスティーブン。

クラウス・V・ラインヘルツが声を掛けたため、その場に居たギルベルト・F・アインシュタイン、ザップ・レンフロ、チェイン・(すめらぎ)、レオナルド・ウォッチら全員が、スティーブンを見る。

 

しかし、隠れている訳でもないために、別にそんな事はさして気にする様子もなく、スティーブンは顔の下に人差し指を持ってくると、手の平を上に向けちょいちょいと曲げた。

それが自分に向けて、「来い」と言っているのだと気付いたクラウスは、何かあったのだろうと、疑う様子もなくスティーブンと部屋を出て行った。

バタンと静かに音を立てて扉が閉まり、一瞬の間、部屋が沈黙に包まれる。

 

「な……なんすかね、アレ」

「さっきガキが来るっつってただろ、どうせその事だろ?」

その一部始終を見ていた一同。

子供を連れて来る、と伝えられていた為、スティーブンの後ろに10歳前後の人間(ヒューマー)の女の子が立っていた事に、全員気付いていた。

子供(ガキ)が嫌いだと言うザップは、その話を聞いてからずっと邪険な表情を浮かべていたが。

 

「……誰なのかしら、あの子」

一方チェインは、ザップが冗談で「隠し子じゃねぇの?」と言った事をずっと気にしていた。

ちなみに、その後はいつものように二人で罵り合う大喧嘩をした。

 

「スティーブンさんって、自分の事情を持ち込まない人だと思ってました」

レオナルドの一言が胸に突き刺さるチェイン。

自分の事情→隠し子→奥さんがいる?

 

「あー、確かにな、スターフェイズさんなら仕事とプライベートきっちりわけてそうだしな」

仕事とプライベートはわける→仕事仲間の私には興味が無い

 

 

「クソモンキー、13階の窓から落ちて車に轢かれた後に、異界の野良犬(バケモノ)に喰われればいいのに」

「は~ぁ!?テメーこそさっきから何喧嘩ふっ掛けてきてんだよ、犬女!!」

「あっ、ごめんねレオ騒がしくして……コイツの顔見てたらつい」

「俺の顔に文句付けんなよ生まれつきだバーカ!」

止めるのも面倒、巻き込まれるのも面倒、この二人、一回始まるとキリがないんだよなぁ

レオナルドが呆れた顔で、喧嘩から避けるように座っていたソファーを立つと、丁度クラウスとスティーブン……そして少女が帰ってきた。

 

「あ、おかえりなさい……と、初めまして」

レオナルドが声を掛けると、二人に気付き喧嘩も止まった。

その挨拶に、少女は小さく会釈をする。

「……自分で言えるかい?それとも、僕が説明しようか」

「あ……えっと、挨拶は自分で、します」

初めて聞く繊細な声に、慣れていない感じがした。

もしかして、この街に来たばかりの子なんだろうか?

レオナルドは、およそ1ヶ月程前の自分を思い出していた。

 

「えぇと……初めまして、ライブラの皆さん、ベルと言います。

今日からライブラの一員になることになりました、これからよろしくお願いします」

 

「え」

「えっ……?」

「は?」

 

ただただ驚愕していた。

勿論、ギルベルトを除いて。

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