初めまして。   作:狂音 李莉

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サイコキネシス・ガール02

「ちょッ、旦那!?新入りとか聞いてないんスけど!しかもよりによってこんなガキとか!!」

ありえないと言わんばかりに、ベルを指差し怒鳴るザップ。

突然謎の秘密結社に入れられ、早々に拒絶された所為か、彼女も訳がわからないままに、泣きそうな顔になる。

「う、えぇ……ガキでごめんなさ……」

「謝らなくていいよ、アイツは脳ミソが類人猿なだけだから」

「聞こえてんだよオイ」

再び睨み合う二人。先程から二人の仲は__いや、正確には普段からなのだが、今回はより一層__かなりと言っていいほどに悪い。

不安そうにするベルに、レオナルドは「大丈夫だ……ですよ、あの二人はいつもあんな感じだから」と話し掛ける。

少々納得のいっていない様子だったが、ベルはそれに頷いた。

 

「たった今、決まった事だ。突然で済まない」

クラウスが詫び、話を元に戻した。視線はクラウスら二人に集まる。

「ああ、急で悪い。クラウスがどうしてもこちらで引き取りたいって言ってるんだ」

スティーブンが軽く説明を加え、言い直した。

違和感を覚えたレオナルドは、手を挙げ、質問をする。

 

「引き取りたいって?保護者はどうしたんですか?」

「それが……彼女が記憶喪失らしくて、身元がハッキリしないんだ。

偶然ライブラに……と言うか、僕に接触してきたスパイの可能性も多いにある訳だし、

本来なら危険だから要注意しなくちゃいけないんだけどね」

スティーブンが答える。今度は、考えている事を出来るだけ詳しく伝えた。

そこまで話すと、続けてクラウスが言った。

「彼女はまだ幼く、この街で一人にするのも危険だと判断した。

聞くところによると、PSI(サイ)の保持者で、街でスティーブンを救ったそうだ。

いざというとき、役に立つかも知れない」

 

すると次は、得体の知れない"ガキ"に興味が湧いたのか、身を乗り出してザップが口を開いた。

「PSIって、あの?協会とかあるヤツっすよね?」

「ああ、psychic(超能力)だ。さっき轢かれそうになったのを彼女が助けてくれてね」

「え、お怪我は無いんですか……!?そんな小さい子がどうやって車なんかを……」

「あーあー、いちいち大袈裟だな、HL(ここら)じゃよくある話だろ?」

苦笑いして答えるスティーブンに、思わずレオナルドが聞いた。

さっきまでの興味は失せたのか、乗り気になる彼に呆れて面倒臭そうにザップが言う。

 

「車と言っても、異界のデカブツだけどね。最初は黙っていたんだけど、どうやら念動力(サイコキネシス)が使えるらしい。ま、玉突き事故が起きたからすぐに逃げてきたけどね」

「……さっき少しだけニュースに取り上げられてたけど、もしかしてその事かしら」

チェインがポツリと、ふと思い出して呟く。

そんなことをテレビで言っていたかも知れないが、場所が場所だけあって、そこまで大きな事故とも言えない。レオナルドやザップは気にしてもいないし、とっくに忘れていた。

 

そして、クラウスがベルに体を向ける。

突然だったので、それに慌ててベルも体ごとクラウスの方を向いた。

「改めて……」

「?」

一呼吸入れてベルを見据えると、やや口角を上げ微笑んだ。

 

「ようこそライブラへ。歓迎しよう、ベル」

「……。」

 

その微笑みに、その言葉に、全ての不安が取り除かれた様な安心感を覚えた。

 

「よろしく、お願いします」

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