ご注文は従兄ですか?   作:naofree

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ココア「ここは木組みの家と石畳の町。私ココアは、春からこの町の高校に通う為、引っ越して来ました。下宿先のラビットハウスでバリバリ働いてます。妹も出来ました!」

チノ「妹じゃないです。」

然りげ無くココアはチノにギュッと抱き付く。

ココア「この前お客様に、ココアちゃんはシスターコンプレックスだねって言われちゃった!」

チノ「え・・・?」

楽兎「シスコンだと?」

ココア「響きが格好良いよね!リゼちゃーん!聞いてー!私シスターコンプレッックスなんだって!」

リゼ「え!?あ・・・そ、そうか・・・」

ココア「シスターコンプレッックス!シスターコンプレッックス!」

楽兎「ヤバイな、意味も知らず連呼している・・・」

チノ「楽兎さん、シスターコンプレッックスって確か・・・」

楽兎「ああ、女姉妹に対して強い愛着。または執着を持つ状態を言う奴だ。それを略してシスコンと呼ぶ。気を付けろよチノちゃん。」

チノ「はい。」


2羽「小麦を愛した少女と小豆に愛された少女」

数日後、ココアは部屋で高校の制服を試着していた。メガネを掛けて椅子に座って本を読む文学少女になりきったり、リボンを解いて上着を肩に掛けて不良少女になりきったりなどもしていた。

 

チノ「そろそろ行きますよ。」

 

ココア「あ!!」

 

そこに中学の制服姿のチノが来た。

 

ココア「チノちゃんの中学校の制服可愛いー!」

 

チノ「そうですか?」

 

するとココアは、チノが被ってる帽子を見て想像した。帽子の中にティッピーがいるだろうと。目をキラキラさせて帽子の中を見るが、ティッピーは入ってなかった。

 

ココア「あれ・・・?」

 

チノ「何を期待してたんですか?」

 

そして登校の時間になり、2人は楽兎とタカヒロに挨拶する。

 

ココア「行ってきまーす!」

 

チノ「行ってきます。」

 

タカヒロ「ああ。行ってらっしゃい。気を付けて。」

 

ココア「はーい!」

 

そしてチノと一緒に登校する。

 

ココア「チノちゃんもこっちの方向なんだ!」

 

チノ「こっちの方向なんです。」

 

ココア「じゃあ!これから途中まで一緒に!」

 

チノ「行けますね。」

 

一緒に登校出来ると喜んだココア。

 

チノ「では私はこっちです。」

 

ココア「早っ!?」

 

もうチノと別れて登校する。チノが歩いた先に2人の少女がいた。同級生の「条河麻耶」と「奈津恵」だった。

 

マヤ「おっはよーチノー!」

 

メグ「おはよー!」

 

チノ「おはようございます。」

 

マヤ「じゃあ張り切ってーレッツゴー!」

 

チノと合流した時点で学校に向かう3人。ラビットハウスでは、楽兎が店内を掃除していた。

 

楽兎「ふぅー。なんかチノちゃん達が居ないと静かだなー。」

 

タカヒロ「楽兎君、後は私がやるから、コーヒー豆を持って来てくれないかな?」

 

楽兎「はい。」

 

一方ココアは鼻歌を歌いながら1人学校に向かった。すると正面に制服姿のリゼと対面した。

 

ココア「おっはよー!リゼちゃーん!」

 

リゼ「っ!・・・」

 

ココア「おおー!リゼちゃん制服格好良いー!」

 

リゼ「べ、別に普通だろ?」

 

ココア「ブレザーも良いなー!ねぇねぇ!制服交換してみない?」

 

リゼ「自分の学校行けよ。遅刻するぞ?」

 

ココア「あ!うん!じゃあまたお店でね!」

 

リゼ「ああ!迷子になるなよー?」

 

ココアは自分の学校に向かう。

 

リゼ「なんか心配だ・・・」

 

再び学校に向かうリゼ。しかし。

 

ココア「あ!リゼちゃん!また会ったねー!」

 

なんとココアとまた対面した。

 

ココア「じゃあまたねー!」

 

この時リゼはこう思った。

 

リゼ「迷ってる・・・学校への道分かってるのか?」

 

ココア「心配しなくても大丈夫だよー!」

 

また再び学校に向かうリゼ。だがしかし。

 

ココア「すご〜い!また会ったー!」

 

またココアと対面した。また別れてまた学校に向かう。またしかし。

 

ココア「あれあれ?まただー!」

 

リゼ(わ!私は異次元に迷い込んだのか!?)

 

困惑するリゼ。

 

ココア「どうしたの?もしかして、迷子?」

 

自分が迷子だと自覚が無いココアだった。またまた別れて学校に向かうリゼ。そこに。

 

楽兎「リゼじゃねえか!どうしたんだ?そんな暗い顔して?」

 

途中で楽兎と対面した。タカヒロからコーヒー豆の買い出しを頼まれた為、買い出し最中だった。

 

リゼ「楽兎!私やっと異次元から抜け出せた!」

 

楽兎「おいどうしたんだ!?異次元って何だ?」

 

リゼ「実は・・・」

 

これまでの出来事を楽兎に説明するリゼ。

 

楽兎「成る程、ようするにココアは自分が迷子だと自覚が無いって事になるな。」

 

リゼ「私もう疲れたよ・・・」

 

楽兎「今後俺が悩みを相談してやるよ。それよりリゼ、学校に行った方が良いぞ?」

 

リゼ「そうだな。じゃあ後でなー。」

 

楽兎「ああ!」

 

こうしてリゼは気分を転換して学校に向かった。楽兎も散歩を続けた。

 

その頃ココアは、公園に来ていた。

 

ココア「あ!」

 

すると何かを見つけて駆け寄る。見つけたものは白い野良うさぎだった。

 

ココア「あれは・・・噂に聞く、野良うさぎ!」

 

野良うさぎを抱いて満足するココア。

 

ココア「もふもふ天国だー!・・・あ!」

 

するとまた何かを見つけた。

 

ココア「栗羊羹!?」

 

今度は栗羊羹だった。その栗羊羹を持ってるのは、和服を着た長い黒髪で大和撫子のような少女だった。その少女は栗羊羹を持って野良うさぎに向けている。

 

少女「おいでー。おいでー。」

 

だが野良うさぎは栗羊羹を食べようとしなかった。

 

少女「食べないわねー、うちの子は食べるのにー。ん?・・・あら?」

 

その時少女は栗羊羹をじっと見るココアに気付いた。

 

少女(うさぎじゃなくて、女の子が食い付いちゃった。)

 

公園のベンチに座り、栗羊羹をココアに差し出す。ココアは栗羊羹を美味しそうに食べてる。

 

少女「ココアちゃん?暖かそうな名前。私は千夜よ。」

 

少女の名前は「宇治松千夜」。

 

ココア「千夜ちゃん!深みを感じる名前だね!この栗羊羹!凄く美味しいね!」

 

千夜「気に入ってくれた?それ私が作ったの。」

 

ココア「和菓子作れるの?」

 

千夜「ええ!それは私の自信作!幾千の夜を行く月。名付けて千夜月!栗を月に見立てた栗羊羹よ!」

 

ココア「なんか格好良い!意味分かんないけど!」

 

千夜「私達気が合いそう!それに、私と同じみたいね!」

 

ココア「そうなの?あ・・・!」

 

公園の時計を見ると、9時前になっていた。

 

ココア「入学式遅刻しちゃう!千夜ちゃん!一緒に行こう!」

 

千夜「え?でも今日は・・・」

 

ココア「早く!」

 

千夜を引っ張って走って学校に向かうが、また公園に戻って来た。

 

ココア「あーれれ!?戻って来ちゃった!?」

 

走り疲れたのか千夜が凄くばててる。

 

千夜「ちょ・・・ちょっと待って・・・あのね、うちの学校、入学式は明日なの・・・」

 

ココア「え?」

 

千夜「だから、入学式は明日よ?」

 

すると顔を赤くしたココアが、手で顔を隠し、恥ずかしがってその場に縮こまる。

 

ココア「うわー!恥ずかしーー!!!」

 

千夜「面白い子。ココアちゃんが迷わないように、一緒に学校へ下見に行きましょ?」

 

ココア「め!女神様!」

 

そして千夜がココアと一緒に学校へ下見に来た。

 

千夜「ここが、明日から通う高校よ。」

 

ココア「私の新しい学び舎かぁ。見てるだけでワクワクしてくるよー!ここで青春時代を過ごすのかー。友達と泣いて笑って!時には喧嘩して!」

 

千夜(ああ!ここは中学校だったわ!卒業したの忘れて間違えちゃった。)

 

下見に来たのは中学校だった。これが千夜の鬼畜の始まりだった。

 

その後、チノは学校を終えて下校する。

 

マヤ「チノー!また明日ー!」

 

メグ「じゃあねー!」

 

2人と別れて帰宅する。店では、掃き掃除している楽兎とテーブルを拭き掃除しているココアが居た。

 

チノ「ただいま。」

 

ココア「あ!」

 

楽兎「おかえりチノちゃん!」

 

チノ「ココアさん、高校の方はどうでしたか?」

 

ココア「っ!!この町って、可愛い建物が多くて素敵だよねー!」

 

話を誤魔化そうと別の話をするココア。

 

チノ「そうですか。高校はどうでしたか?」

 

ココア「まるで!童話の中の町みたいだね!」

 

チノ「楽兎さん、ココアさんどうかしました?」

 

楽兎「実は、今日入学式だと思って登校してたら明日と間違えちゃったって言ってた。」

 

チノ「そうでしたか。」

 

ココア「バラしちゃダメー!」

 

翌日ココアは高校の入学式を終えて千夜と下校する。

 

ココア「千夜ちゃんと同じクラスになるなんて!」

 

千夜「ココアちゃん、学校でも迷子になっててびっくりしちゃった。」

 

ココア「あ!いい匂いー。」

 

千夜「パン屋さんよ。」

 

パン屋のパンを見る2人。

 

ココア「可愛い!」

 

千夜「パンが?」

 

ココア「実家がパン屋さんで、よく作ってたんだ。また作りたいな〜。」

 

千夜「お手製なの?すご〜い!」

 

ココア「パンを見ていると、私の中のパン魂が高ぶってくるんだよ!」

 

千夜「分かるわー!私も、和菓子を見ているとアイデアが溢れてくるの!」

 

ココア「うんうん!」

 

千夜「でもでも、何より好きなのは・・・出来た和菓子に名前を付ける事!」

 

ココア「格好いい・・・!!」

 

夕方のラビットハウスでは、ココアがチノにパン作りの話をしていた。

 

チノ「大きいオーブンならありますよ。おじいちゃんが調子乗って買った奴が。」

 

ティッピー「ポ。」

 

顔を赤くして照れるティッピー。

 

楽兎(調子に乗って買ったのかよ・・・)

 

ココア「本当!?今度のお休みの日、皆で看板メニュー開発しない?焼きたてパン美味しいよー?」

 

リゼ「話ばっかしてないで仕事しろよ?」

 

するとリゼのお腹が鳴った。

 

ココア「焼きたてって、凄く美味しいんだよ?」

 

リゼ「そんな事分かってる!」

 

またお腹の音が鳴り、赤面してしまうリゼ。

 

楽兎「リゼ大丈夫か?」

 

休みの日、パン作りをする事に。千夜も参加する事になった。

 

ココア「同じクラスの千夜ちゃんだよ。」

 

千夜「今日は宜しくね。」

 

ココア「チノちゃんとリゼちゃん!」

 

チノ「宜しくです。」

 

リゼ「宜しく。」

 

ココア「そしてチノちゃんの従兄の楽兎君。」

 

楽兎「宜しく頼むな。」

 

するとティッピーに目を付けた千夜。

 

千夜「あら?そちらのワンちゃん。」

 

チノ「ワンちゃんじゃないです。」

 

ココア「この子はただの毛玉じゃないよ?」

 

ティッピー「ええ!?」

 

千夜「まぁ、毛玉ちゃん?」

 

ティッピーを優しく撫でる千夜。

 

ココア「もふもふ具合が格別なのー!」

 

千夜「癒しのアイドルもふもふちゃんね。」

 

チノ「ティッピーです。」

 

リゼ(誰かアンゴラうさぎの品種って説明してやれよ。)

 

まずはパン作りの準備をする。

 

リゼ「ココアがパンが作れるなんて意外だったなー。」

 

ココア「えっへへー。」

 

チノ「褒められてないと思います。」

 

ココア「さぁやるよー!皆!パン作りを舐めちゃいけないよ!少しのミスが完成度を左右する戦いなんだからね!」

 

麺棒を持って熱く燃えるココア。

 

リゼ「ココアが珍しく燃えている・・・このオーラ・・・まるで歴戦の戦士のようだ・・・!今日はお前に教官を任せた!宜しく頼むぞ!」

 

ココア「サー!イエッサー!」

 

千夜「私も仲間にー!」

 

敬礼する3人。

 

チノ「暑苦しいです。」

 

ココア「各自、パンに入れたい材料提出ー!」

 

リゼ「イエッサー!」

 

千夜「サ。サー!」

 

楽兎「暑苦しいなおい。」

 

ココア「私は新規開拓に、焼きそばパンならぬ焼うどんパン作るよー!」

 

千夜「私は、自家製の小豆と、梅と海苔を持って来たわ。」

 

チノ「冷蔵庫に、いくらと鮭と納豆にごま昆布がありました。」

 

リゼ「楽兎、これってパン作りだよな?」

 

楽兎「リゼ、お前の言葉は間違ってないぞ?俺とリゼは正常だぞ。俺ブルーベリージャム持って来た。」

 

リゼが持って来た材料はマーマレードとイチゴジャム。楽兎が持って来た材料はブルーベリージャム。

 

ココア「まずは強力粉とドライイーストを混ぜて。」

 

強力粉とドライイーストを混ぜてボールに入れる。

 

チノ「ドライイーストってパンをふっくらさせるんですよね?」

 

ココア「そうそう!よく知ってるねー。チノちゃん偉い偉い。乾燥した酵母菌なんだよ?」

 

チノ「攻歩菌?あ・・・・!!」

 

何かを想像したのかチノが怯える。

 

チノ「そ、そんな危険なものをいれるくらいなら・・・パサパサ感で我慢します・・・!」

 

楽兎「チノちゃん、酵母菌は、パンをふっくらさせる為の菌なんだよ。そんなに危険な菌じゃないよ。」

 

チノ「そう、でしたか・・・ふぅ・・・」

 

楽兎の説明でホッとするチノ。

 

ココア「はい。ドライイースト。」

 

ボールにドライイーストを入れて、円を書くように捏ねる。その後皆もパンの生地を捏ねる。

 

チノ「パンを捏ねるのって凄く体力がいるんですね?」

 

千夜「腕が・・・もう動かない・・・」

 

左肩を回す千夜。

 

チノ「リゼさんと楽兎さんは平気ですよね?」

 

リゼ「な、何故決めつけた?」

 

楽兎「まあ俺男だし、力仕事は楽勝ってな。」

 

ココア「千夜ちゃん大丈夫?手伝おうか?」

 

千夜「ううん。大丈夫よ。」

 

リゼ「頑張るなー。」

 

千夜「(ココアちゃんの手間を取らせるわけには行かないもの。皆に、付いて行けるって見せなきゃ!)ここで折れたら武士の恥ぜよ!息絶えるわけには行かんきん!」

 

楽兎「坂本龍馬かよ。」

 

そしてパンの生地が綺麗な丸に仕上がった。

 

ココア「そろそろ良いかな?モチモチしてて凄く可愛い!」

 

千夜「生地が?」

 

チノ「凄い愛だ。」

 

生地をボールに入れてラップを掛ける。

 

ココア「1時間程寝かせまーす。」

 

そして1時間後。生地が大きくなった。麺棒で伸ばしてそれぞれパンに形を作る。形が出来たパンは鉄板に乗せる。

 

千夜「チノちゃんはどんな形にしたの?」

 

チノ「おじいちゃんです。小さい頃から遊んで貰ってたので。」

 

千夜「おじいちゃん子だったのね。」

 

チノ「コーヒーを淹れる姿はとても尊敬してました。」

 

オーブンにパンを入れるチノ。

 

チノ「ではこれから、おじいちゃんを焼きます。」

 

ティッピー「わーーー!!」

 

楽兎「なんか火葬するように聞こえるんだが・・・」

 

ココア「千夜ちゃん、ちょっと良い?」

 

千夜「何?」

 

ココア「じゃじゃーん!千夜ちゃんにお持て成しのラテアート!」

 

うさぎの絵が描かれたラテアートを千夜に見せる。

 

千夜「わぁー!可愛いー!」

 

ココア「今日は改心の出来なんだ!」

 

千夜「味わって頂くわね。」

 

カフェラテを飲もうとするが、ココアが残念がる。千夜がココアを見ると笑顔になり、また飲もうとすると、またココアが残念がる。またココアを見ると笑顔に、今度こそ飲むと。

 

ココア「あぁ・・・傑作が・・・」

 

千夜(の、飲みにくい・・・)

 

やっとカフェラテが飲めた千夜。

 

楽兎「チノちゃんさっきから張り付きぱなしだな。」

 

オーブンの中をじーっと眺めるチノ。

 

リゼ「そんなに楽しいか?」

 

チノ「どんどん大きくなって来てます!あ!おじいちゃんがココアさんと千夜さんに抜かれました!リゼさんと楽兎さんだけ遅れてます。もっと頑張って下さい。」

 

楽兎・リゼ「(俺)私に言うなよ。」

 

そしてそれぞれのパンが焼きあがった。

 

5人「いただきまーす!」

 

パンを試食する。

 

千夜「美味しい!」

 

チノ「ふかふかです。」

 

リゼ「流石焼きたてだなー!」

 

楽兎「匂いも完璧だな!」

 

ココア「これなら看板メニューに出来るね!」

 

千夜「この梅干しパン!」

 

ココア「この焼うどんパン!」

 

チノ「この焦げたおじいちゃん。」

 

リゼ「どれも食欲をそそらないぞ?」

 

楽兎「まあ俺とリゼのパンがマシなだけだな。」

 

するとココアがバスケットに入ってあるもう1つのパンを出した。それはティッピーの形をしたパンだった。

 

ココア「じゃーん!ティッピーパンも作ってみたんだ!」

 

千夜「まあ可愛い!」

 

チノ「お・・・」

 

リゼ「看板メニューはこれで行けそうだな。」

 

千夜「食べてみましょう。」

 

ティッピーパンを触るチノ。感触は凄くモチモチしてた。

 

チノ「モチモチしてる。」

 

ココア「えへへー。美味しく出来てると良いんだけど。」

 

5人はティッピーパンを試食する。

 

チノ「ん?」

 

千夜「ああ!」

 

ココア「リゼちゃんが持って来たイチゴジャムだよ?美味しいね!」

 

リゼ「あ、ああ・・・でも・・・なんか、エグいな・・・」

 

楽兎「これ子供泣くだろ?」

 

齧った瞬間、口と目からジャムがはみ出てる。一見すると流血してるように見えた。これには流石に引いた楽兎とリゼだった。

 

数日後、ココアとチノとリゼと楽兎はある場所に向かっていた。

 

ココア「この辺りだと思んだけど。」

 

数日前の回想。

 

千夜『パン作りでお世話になったお礼に、うちの喫茶店に招待するわ。』

 

実は数日前のパン作りで、千夜が言ってた。回想終了。

 

ココア「どんな所か楽しみだね!」

 

チノ「何て名前の喫茶店ですか?」

 

ココア「甘うさ、だったかな?」

 

ティッピー「甘うさとな!!」

 

ココア「チノちゃん知ってるの!?」

 

チノ「おじいちゃんの時代に張り合っていたと聞きます。」

 

まだココアは、チノの腹話術だと信じている。

 

リゼ「ここじゃないのか?看板だけやたら渋い。面白い店だな。」

 

そしてその喫茶店に着いた。

 

ココア「俺、兎、甘い?」

 

楽兎「甘兎庵な。昔の看板は右から読んでたんだ。後俺じゃなくて庵(いおり)と読むんだ。」

 

4人「こんにちはー。」

 

来店すると、そこに和服を着た千夜の姿があった。

 

千夜「あら!皆!いらっしゃい!」

 

ココア「あー!その服、お店の制服だったんだ!初めて会った時もその格好だったよね?」

 

千夜「あれは、お仕事で羊羹をお得意様に配った帰りだったの。」

 

ココア「あの羊羹美味しくて3本行けちゃったよー!」

 

リゼ「3本丸ごと食ったのか?」

 

するとテーブルに座ってる黒いうさぎに目を付けたココア。

 

ココア「うさぎだー!」

 

千夜「看板うさぎのあんこよ。」

 

リゼ「置物かと思ったぞ。」

 

千夜「あんこは、よっぽどの事がないと動かないのよね。」

 

チノが近付く。するとあんこがチノの頭のティッピー目掛けてジャンプした。そしてチノがバランスを崩すが。

 

楽兎「チノちゃん!」

 

後ろに立って転ぶチノを受け止めた楽兎。

 

リゼ「チノ!楽兎!」

 

ココア「チノちゃん!楽兎君!大丈夫!?」

 

楽兎「俺は大丈夫だ。チノちゃんは?」

 

チノ「びっくりしました。」

 

楽兎がチノを立たせる。

 

ティッピー「うわ〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

あんこが逃げるティッピーを追いかけ回す。

 

リゼ「縄張り意識が働いたのか?」

 

千夜「いえ、あれは一目惚れしちゃったのね!」

 

チノ「一目惚れ?」

 

千夜「恥ずかしがり屋君だと思ってたのに、あれは本気ね。」

 

ココア「あれ?ティッピーってオスだと思ってた。」

 

チノ「ティッピーはメスですよ?中身は違いますが。」

 

4人はテーブル席に座る。

 

千夜「私も抹茶でラテアートを作ってみたんだけどどうかしら?」

 

ココア「わー!どんなの?」

 

千夜「ココアちゃんみたいに可愛いのは描けないんだけど、北斎様に憧れていて。」

 

抹茶のラテアートには浮世絵や富士山などの葛飾北斎の作品だった。

 

ココア「浮世絵?」

 

楽兎「葛飾北斎かよ。」

 

千夜「芭蕉様にも憧れていて・・・」

 

もう一つのラテアートには、川柳が書かれていた。

 

楽兎「松尾芭蕉かよ。しかも風流だな。」

 

千夜「後、はい。お品書きよ。」

 

4人に品書きを差し出し、メニューを見る4人。だが中は。

 

リゼ「煌めく三宝珠、雪原の赤宝石、海に映る月と星々・・・」

 

楽兎「何だこれ?厨二病のセリフか?」

 

メニュー名で困惑する楽兎とリゼとチノ。

 

ココア「わー!抹茶パフェもいいし!クリーム餡蜜も白玉も捨て難いなー!」

 

リゼ「分かるのか!?」

 

楽兎「通訳者ここにあり!?」

 

何故かココアはメニュー名が分かるようだ。

 

ココア「じゃあ私!黄金の鯱スペシャルで!」

 

リゼ「よく分からないけど、海に映る月と星々で。」

 

チノ「花の都三つ子の宝石。」

 

楽兎「俺も花の都三つ子の宝石。」

 

千夜「はーい。ちょっと待っててねー。」

 

厨房に向かう千夜。

 

ココア「和服ってお淑やかな感じがして良いね。」

 

リゼ「うん・・・」

 

チノ「着てみたいんですか?」

 

リゼ「いや!そう言う訳じゃ!」

 

ココア「リゼちゃんならきっと似合うよ!」

 

リゼ「そ、そうか?」

 

和服を着た自分を想像するリゼ。

 

ココア「うん!」

 

だがココアは、丁半をしている和服姿のリゼを想像していた。

 

ココア「すっごく格好良い!」

 

リゼ「うんうん!」

 

丁度そこに千夜が戻って来た。

 

千夜「お待ちどうさまー。リゼちゃんは海に映る月と星々ね。」

 

リゼ「白玉栗善哉だったのか。」

 

千夜「チノちゃんと楽兎さんは、花の都三つ子の宝石ね。」

 

チノ「餡蜜にお団子が刺さってます。」

 

楽兎「面白いなこれ。」

 

千夜「ココアちゃんは、黄金の鯱スペシャルね。」

 

ココア「おーー☆」

 

リゼ「鯱がたい焼きって無理がないか?」

 

千夜「さあ!召し上がれー。」

 

4人「頂きます!」

 

黄金の鯱スペシャルを食べるココア。

 

ココア「うーん!美味しい!」

 

海に映る月と星々を食べるリゼ。

 

リゼ「!!」

 

花の都三つ子の宝石を食べるチノと楽兎。

 

チノ「このお団子、桜の風味!」

 

楽兎「抹茶アイスが凄く甘いな!」

 

千夜「あんこは栗羊羹ね。」

 

するとあんこがココアのパフェを見つめる。

 

ココア「どうしたの?」

 

チノ「こっちのを食べたいのでしょうか?」

 

ココア「しょうがないなー、ちょっとだけだよ?その代わり、後でもふもふさせてねー。」

 

1口掬ってあんこに向ける。しかし。

 

ココア「本体まっしぐら!」

 

千夜「あらあら。」

 

パフェ本体にガツガツかぶり付いた。

 

リゼ「それにしても、この善哉美味しいなー!」

 

チノ「うちもこのくらいやらないとダメですね。」

 

千夜「あ!それなら、ラビットハウスさんとコラボなんてどうかしら?盛り上がると思うの!コーヒー餡蜜とか!」

 

ココア「良いね!タオルやトートバッグなんてどうかな?」

 

チノ「私、マグカップが欲しいです!」

 

リゼ(ん?)

 

千夜(料理の方じゃなくて?)

 

楽兎(グッズの方かよ。)

 

その後4人は完食した。

 

4人「ごちそうさまでした!」

 

ココア「チノちゃん、あんこには触らないの?」

 

楽兎「チノちゃんはティッピー以外懐かないらしいんだが。」

 

だがチノは勇気を出して恐る恐るあんこに近付く。人差し指であんこの耳を触ると耳がピクンっと反応した。今度はあんこの背中を撫でてから、持ち上げる。顔に近付けた後、見事頭に乗せた。

 

ココア「すごーい!もうこんなに仲良く!」

 

リゼ「頭に乗せなきゃ気が済まないのか!?」

 

あんこを頭に乗せたチノはドヤ顔する。

 

楽兎「じゃあ皆、そろそろお暇するか。」

 

千夜「皆さん、また来て下さいね。」

 

ココア「うん!私の下宿先が千夜ちゃんの家だったら、ここでお手伝いさせて貰ってたんだろうなー。」

 

千夜「今からでも来てくれて良いのよ?従業員は常時募集中だもの!」

 

リゼ「それ良いな!」

 

チノ「同じ喫茶店ですしすぐ慣れますね。」

 

千夜「じゃあ部屋を空けておくから。早速荷物をまとめて来てねー。」

 

楽兎「おい誰か止めてやれよ!!」

 

店を出た4人。千夜が見送る。

 

ココア「千夜ちゃん!またねー!」

 

チノ「ごちそうさまでした。」

 

リゼ「またなー!」

 

楽兎「今度会おうなー!」

 

そして4人は千夜に見送られながら帰る。

 

ココア「昔はあの店とライバルだったんだね。」

 

チノ「今はそんな事関係無いですけどね。」

 

楽兎「っつかライバルだったとは初耳だな。」

 

ココア「私達もお客さんに満足して貰えるように頑張らなきゃね!」

 

リゼ「だな!」

 

だがこの4人は忘れ物をしていた。チノの頭にはあんこが乗せられたままだった。ティッピーは甘兎庵で千夜月を食っていた。

 

ティッピー(何じゃこの栗羊羹!?甘過ぎるわ!甘過ぎ甘過ぎ!美味過ぎ美味過ぎ!甘過ぎ甘過ぎ!)

 

そのごなんとかティッピーを持って帰った4人であった。

 

「END」




    キャスト

 綾部楽兎:斎藤壮馬

  ココア:佐倉綾音
   チノ:水瀬いのり
   リゼ:種田梨沙
   千夜:佐藤聡美

   マヤ:徳井青空
   メグ:村川梨衣
ティッピー:清川元夢
 タカヒロ:速水奨

ティッピー「食器のスベスベ感が堪らん。わしのこのふわふわのもこもこ感も堪らんものがあるがな。公園に居たら、キャーキャーと。」

タカヒロ「フッ。」

ティッピー「何故笑った!?」

次回『初めて酔った日の事憶えてる?自分の家でキャンプファイヤーしようとしたわよね』

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