あまき   作:春の雪舞い散る

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 もちろん本人はそんなこと思ってませんけどね


妖精の戯れ

 翌朝の事…何故だろう?いつもより身体が軽く感じられる…

 

 無心にステップを踏むボクの様子を自室の窓から呆然と見る俺様先輩と大野木先輩に見られていられていることに気付かなかった

 

 当然二人が寮内に漂わせる微妙な空気の発生源がボクであることは気付いてたらしく慌てて佐武先輩と部長の檜垣先輩を起こしてデジカメとビデオカメラで撮影を始めた

 

 月明かりを浴びて宙を舞うようにステップを踏むボクの姿は妖精の見えたんだって…ジャージ着た妖精ねぇ~っ…まぁ良いんだけどさ

 

 シャワーで汗を流してからお弁当のおかずの仕度を始めた

 

 使い回しのほうれん草を湯がいてお弁当の油炒め用と朝食の白和え用とに分けて白和えは加東さんに任せて紀藤さんはアジの干物を焼いてる

 

 今朝の味噌汁は長ネギ、油揚げ、ワカメの三種の具で他にはほうれん草の白和えに納豆とキュウリの一夜漬け

 

 お弁当のおかずはほうれん草と油揚げの炒め物に唐揚げ、アスパラのベーコン巻きにひじき煮とプチトマトプラス希望者のお握り

 

 授業を適当にすごし放課後になり今日は部長さんだけが留守で発生練習の後は衣裳方の先輩方と衣裳のチェック

 

 役者と大道具の担当者は基礎体力作りのロードワークで出掛けてだけどそろそろ帰ってくる頃だからお湯を沸かしてお茶の用意しなきゃね…

 

 「お茶の仕度してきます」

 

 そう言ったら

 

 「バスケコートのバスケ部に声掛けて手伝ってもらいなよ?向こうもそろそろ休憩する頃だろうからさっ♪」

 

 と、衣裳方のリーダーの布目君枝さん(二年生)が言ってくれたからその助言にしたがいバスケコートを覗いたらこちらは既に柔軟体操を終えて止まった状態でひたすらドリブルしてる

 

 そんな中練習の指揮してる部長さんに

「演劇部の方は今からお茶の仕度しますからご一緒にどうですか?」

 

 そう声を掛けると

 

 「力仕事を頼む…か?」

 

 睨むような表情でそんな言い方されちゃったら仕方無いよね?

 

 「すいません、変なこと言っちゃて…」

 

 頭を下げながら?そう言ってバスケコートを後にして部室に向かって歩きながら

 

 「怒られちゃった…」

 

 そう呟いて仕方無いから方法を考えながら歩いた…寮や調理実習室と違ってパイプ椅子しかない部室には足場がないから僕一人じゃ何ともしようが無い

 

 そう考え事してたら誰かに肩を叩かれ

 

 「どうしたの?甘ちゃん、暗い顔して…可愛い顔が台無しよ?」

 

 そう言って笑う相手の顔を見たら大野木先輩で

 

 「元々そんな可愛くないし根暗ですから気にしないでい良いですしお茶の用意しなきゃねいけないですから失礼します」

 

 そう言ってトボトボ歩く僕に聞こえるように

 

 「ほら、一味屋っ!甘ちゃんが困ってるからお茶の仕度を手伝ってあげなさいっ♪で、今日のお茶請けは何?」

 

 そう聞かれたから

 

 「ホットケーキです、一枚を切り分けますから一人分は少ないですけどハチミツで疲れもとれると思いますから…」

 

 そう答えると

 

 「ねっ、言った通りでしょ?裏方の多い演劇部は舞台が決まる迄は結構ゆとりあるから仲良くしてて損の無い所なんだからね

 

 じゃあ一味屋、甘ちゃんの手伝い任せるよ、後の連中はホットケーキを楽しみにもう一踏ん張りしなさいっ!」

 

 大野木先輩が声を掛けると

 

 「おーっ!」

 

 と、言う頼もしい声が返りコートに戻っていったんだ

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