待ち合わせ場所に迎えに来たのは面識の無い者で未だ両親の遺体すら見付かっていないのだからな
私は心理学については全くの門外漢だから推測をべらべら喋るべきではないし私自身あくまでも遠縁の寮生…
まぁ、平日の朝メシや土日の飯はかなり期待できそうだからその意味ではちょっとだけ特別扱いしそうだが…
だから下手な同情なんかするより先輩として後輩の一人として接してやってくれ…」
そう言って立ち上がり苦笑いを浮かべながら
「煙草を吸ってくる」
そう言って煙草の入ったポーチを手に取ると食堂を出て行く寮監の背中を見送る部員達だった
② カンガルーの袋
文具一式、手動式鉛筆削り(電動はつまらないから趣味じゃない)、絵の具、裁縫セット、ミシン、運動靴を買い
服はデニムのサロペットとデニムのショートパンツにプリントシャツに父さんが好きだったNYロゴ入りのシャツとパーカーにスウェットをお揃いで買ってもらった
基本的に食事は家で、外出時はお弁当持参がもっとうの里山さんのお母さんに育てられた僕は生まれて初めてフードコートに足を踏み入れた
僕が食べたのはお子様ランチで中学のくせに頼む僕も僕だけど違和感無い外見に感謝…
うん、普通に大人の一人前は多すぎるしジュース、デザート付は高ポイントで僕の場合端から見ても違和感無い
お昼からは箸やコップの日用雑貨にお弁当持参だからお弁当箱に保温ポットがシュラフと買いまくり前を見ずに歩く僕はついに人にぶつかっちゃたんだ
その様子を見ていた部長さん達が蒼い顔をしてるのに気付かず
「ぶつかってごめんなさい…僕、前をちゃんと前を見てませんでした」
そう言って頭を下げるとその人は僕の顔をじろじろ見てから部長さん達を手招きして呼びつけると
「この子何者なんだい?」
そう小声で聞かれた部長さんは
「沖ノ鳥島先生の親戚の子で男の娘…らしいです
先日も知り合いとディズニーリゾートに行った際にはアリスコーデを着て行ったそうで…因みにこれが証拠の画像で先生からいただきました」
そう言って見せた画像は確かにアリスコーデでダブルピースを決めてる僕の画像で
「君、セーラムーン知ってる?」
そう聞いてきたから
「知ってる、母さんが好きでDVD全巻持ってたからよく見てたよっ♪」
そう答えたらその人
「あんな格好してみたいかい?」
そう言われた僕は全力で
「えーっ…無理無理絶対無理っ!、恥ずかしいよぉーっ…だって僕あんな可愛く無いもん…悲しいけどこれ現実」
そう言って悄気る僕を呆れ顔で
「イヤ…そうゆー問題なのか?君の場合…」
そう言われて
「うん、大事…誰かが言ったよね?可愛いは正義ってね
勿論興味はあるし似合う似合わないは別にして母さんも喜びそう…着て見せたら多分喜んだと思う」
そう呟く僕に
「君、名前は何て言うの?お母さんの旧姓知ってる?」
そう聞いてきたから
「僕の名前は羽鳥甘草で母さんの旧姓は確かでじま……だったよーな?」
「そう言って考え込む僕に出島(でじま)と書いていずしまって読むんじゃないのかい?」
そう言われて
「あ…うん、うん、そんな感じ…母さんの事知ってるの?」
小首を傾げて聞く僕に
「何度かサークルに…あ、君…前にキュアミューズのコスした事有るんじゃない?」
そういきなり言われて
「う、うん…ウィッグつけてカラコンして…」
そう答えると
「期待値大だね、この子はさ…中途半端な物真似じゃなく実写版を自分ならこう演じるって感じでさ…あの日はスッゴい人気でねぇ~っ
先輩、息子さん一人って聞いて聞いてたから何処の娘だろって噂になってたんだけどいくら聞いても笑って教えてくれなかったんだよねぇ~っ…
そっかぁ…出島先輩の息子さんなら何か有ったらうち等でよけりゃ力になるから声掛けなよ?いつでも力になるからさ…じゃあなっ♪」
そう言って振り向いたその人に
「優子おばさんが今夜寮で僕の歓迎会の鍋パーティーしてくれるから良かったら貴女も来ませんか?」
そう言ったらその人は右手を挙げて
「ええっ、時間都合つけて顔ださせてもらうよっ♪」
そう言って甘草達の前から去っていきましたとさ