超次元ゲイムネプテューヌ~異世界からの鋼糸使い~ 作:三代目エリオット
「あれ?ここは?」
目が覚めると見慣れない天井があった。
ここは俺が寝泊まりしている宿じゃない。
というより、俺、あの崖から落ちて生きてたのか。
いくら下に川があるとはいえ、落ち方によっては死んでもおかしくなかったんだがな。
「あら?目が覚めた?」
急に女の子の声が聞こえ、ベッドから飛び起きる。
そこには、茶色のロングヘアに緑の若葉型のリボンを付け、青いコートを着た女の子が居た。
「えっと…………君が俺を助けてくれたのか?」
「ええ、そうよ。偶然森で川の上流から流れて来る貴方を見かけてね」
「そうか。それは助かった。俺は神奈紅眞。紅眞って呼んでくれ。危ない所を助かった。感謝する」
ベッドの上ではあるが、頭を下げ、最大限の感謝を伝える。
「別にいいのよ。私が勝手にやっただけだし、気にしないで」
女の子は笑って手を振りそう言う。
良い子だな。
最初、この世界に来た時、俺を騙した人の良さそうなおっさんとは大違いだ。
ちなみに、この説明文から分かる通り、俺はこの世界、つまりゲイムギョウ界の人間じゃない。
中学卒業のあの日。
俺は家に帰る途中、今にも潰れそうなゲーム屋で一本500円の古いゲームを見付けた。
しかも、店の怪しいおっさんが、そのゲーム対応のハードも付けてくれるとのことだったので、俺は千円でそのカセットとハードを購入した。
古いゲームにしては中々に面白く、俺は夢中でやり込んだ。
だがレベルを20程度まで上げた所で、急にフリーズし、変な選択肢が画面に出て来た
もっと面白い世界に行ってみたいですか?
▶・はい
・いいえ
最初はただのゲームのシナリオだと思い、俺は迷わず「はい」を選択した。
そして気が付くと、俺はこの世界、ゲイムギョウ界にいた。
以上が、俺がこの世界に来た経緯だ。
自分でもどうしてこうなったかよくわからない。
「そうだ。私の自己紹介がまだだったわね。私はアイエフ。よろしく」
差し出された手を握り返し、互いの自己紹介を終わらせる
「それで、なんで川で流されてたの?」
それを聞くか…………
「実は、ギルドのクエストでスライヌ退治を…………」
「あー、なるほど。ギルドで言ってた、もう一人のクエスト受注者って紅眞だったのね」
「それで、スライヌぐらいなら楽勝だと思って、いつもの武器じゃなくて昔使ってた剣で倒してたんだ。その時、剣が折れて、その折れた剣先がうっかりスライヌの巣って言うか群れを直撃して追われる羽目になり、そして、崖から落ちて川に……………」
「つまり慢心で流されてたのね」
「うっ……悔しいがその通りだ」
「まったく。ベテランのハンターでも、雑魚モンスターにやられる時はやられるんだから、気を付けなさい」
アイエフは俺に注意され、俺はもう一度頭を下げる。
「アイエフの言う通り、確かに俺の慢心が原因だ。だから、本当に助けてくれてありがとう」
「だからお礼なんて良いって」
「いや、助けてもらいながら、お礼もしないのは俺のプライドが許さない。頼む、俺になんかお礼をさせてくれ」
そう言うと、アイエフは暫く何かを考えると、手を叩いた。
どうやら思いついたらしい。
「じゃあ、紅眞。私の旅に同行しない?」
「え?」
「私、ゲイムギョウ界の国を渡り歩いてる旅人なのよ。でも、もうソロで旅をするのも辛くなってきてね。だから、紅眞さえよかったら、私の旅に同行しない?」
それは願っても無い提案だった。
俺も旅人みたいなもんで、あっちこっちを渡り歩いてる身だ。
それに、俺もアイエフと同じでソロ活動には限界を感じていた。
嬉しい申し出だ。
だが……………
「いいのか?出会って間もない男と旅なんて?」
「私は気にしないわ。それに、そう聞いて来る男が何かすると思う?」
まぁ、普通は思わないだろうけど、する奴もいるんじゃないか?
「私、これでも人を見る目はあるつもりよ。少なくとも、紅眞はその辺信頼できる。それで、どう?」
「……分かった。俺も、ソロは限界を感じてたし、アイエフさえ良ければ同行させてもらう」
「よし、決まりね。それじゃ、改めてよろしくね、紅眞」
「ああ、よろしく、アイエフ」
俺たちは握手をし、互いに笑いあった。