超次元ゲイムネプテューヌ~異世界からの鋼糸使い~ 作:三代目エリオット
「紅眞!今よ!」
アイエフのカタールがモンスターを切り裂くと、俺はその横から刀を抜き、モンスターに止めを刺す。
モンスターが消滅するのを見て刀を鞘に納める。
「お疲れ」
カタールを仕舞い、アイエフが労って来る。
「アイエフもお疲れさん」
アイエフとコンビを組んで一ヶ月。
俺たちは現在プラネテューヌを拠点とし活動してる。
特に理由はないんだが、プラネテューヌは技術的水準が最も高く、俺の暮らしていた日本と割と近い感じがして俺が気に入ってる。
後、こう言っては何だが、モンスター被害も多く日々の収入に困らないってのもある。
ギルドにいけば、何かしらモンスター討伐や素材採取のクエストがある。
ちなみに今日のクエストは、魔窟の調査で、内容は魔窟内にいるモンスターや怪しいところなどを調査するものだ。
「しかし、こう暗いと調査も楽じゃないな」
「岩とか結構あるから気をつけなさいよ………きゃっ!」
俺に注意した矢先、アイエフが転ぶ。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫よ!」
アイエフは顔を真っ赤にしながら立ち上がり先に進もうとする。
すると、まだ岩につまずき、転びそうになる。
「アイエフ!」
とっさにアイエフのコートを掴み、引き寄せる。
おかげでアイエフは転ばずにすんだ。
「ふぅ~。アイエフ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だから放しなさいよ!」
顔をさっきよりも真っ赤にして怒るアイエフを放すと、アイエフは前の方を向く。
「さっさと終わらせるわよ!」
「あ、アイエフ、危な…」
「痛っ!?」
「ねぷぅっ!?」
警告虚しく、人影とぶつかりアイエフが転ぶ。
そのとき、俺は見てしまった。
アイエフのまな板といっても過言じゃなかった胸が僅かに揺れたのを。
…………………服の上からじゃわからないが、確かにそこに胸はあるんだな。
「いったーい、もう誰!?ぶつかってきたのは!暗いんだから気を付けてよ!」
アイエフがぶつかったのはアイエフよりも小さい女の子で、紫がかった銀のショートヘアーに十字ボタンの様な髪飾りをとめ、パーカーを着た子だった。
「いったぁー…ぶつかってきたのはそっちでしょ!だいたいあんた達みたいな子供が、こんな所で何してんのよ」
いや、アイエフも傍から見れば子供っぽいぞ。
「そう言う君だって大して変わんないじゃん。だいたい誰?」
「私はアイエフ。ゲイムギョウ界に吹く一陣の風、とでも名乗っておくわ」
やっぱその名乗り痛いな………
まぁ、あれもアイエフの良い所と捉えればいっか。
アイエフの自己紹介に少女はぽかーんとする。
「……あ、あれ?」
「え、えと…ゲイムギョウ界に吹く…なんだっけ?」
「一陣の風よ。まぁ、簡単に言うとギルドの仕事で生計を立てながら世界中を旅してる旅人みたいなものよ」
「へぇ…じゃそっちの子も?」
俺を指差し、女の子が言う。
「俺は神奈紅眞。アイエフと一緒に旅をしてる旅人だ。よろしくな」
「で、あんた達こそ、どうしてこんな危険な所に?」
「私達も、ギルドのお仕事で来てるんだ。あ、因みに私はネプテューヌ!そんでもってこっちは、コンパ」
「コンパですぅ」
少女もといネプテューヌはそう言って隣の少女を紹介する。
「嘘でしょ…」
「むー…失礼だなー。洞窟の調査くらい私達だって出来るもん!」
「あのねぇ、調査に入った人達が何人も謎のモンスターに襲われて大怪我負ってるのよ!」
「……え」
「呆れた…。そんな事も調べないで仕事を受けたのね」
頭を抱え、アイエフはぼやいた。
「ねぷねぷ…それって…」
コンパが何かを言おうとした瞬間、突如咆哮が響く。
「出たぁぁぁぁー!!!」
そして、魔物が咆哮と共に現れた。
「どうしよう、こんぱ!あいつ絶対私のこと探してたんだよ!」
「何!?あんた達、あいつ知ってるの!?」
「はいです。この間、あのモンスターさんをねぷねぷが、ボッコボコにやっつけたんです」
「あわわわっ!どうしよう、これが噂に聞くお礼参りって奴だよー!」
ヤンキーじゃあるまいし、そんなわけないだろ
「…にわかには信じられない話ね。けど、戦えるなら協力してもらうわ」
「ねぷねぷ、プラネテューヌの人達の為にも、ここであのモンスターさんを倒すです!」
「おっけー!なら、最初からクライマックスでいっちゃうよー!」
光を纏い、ネプテューヌが変身する。
「ふぅ、こちらの準備は出来たわ」
ネプテューヌはいつの間にか、やたら扇情的な服装になり、胸も身長も大きくなり、モデル顔負けの抜群の美女になった。
「はいっ!?ちょ、ちょっと…何が起きたの!?てか…デカくなってる!?」
「一体どう言う事だ!?」
「ねぷねぷはなんと、変身する事が出来るんです。そうすると…とーっても強くなるんですよ」
「どう?これなら私が、あいつに一度勝っている事を信じてくれる?」
「信じるも何も、そんなの見せられたら信じるしかないわ…ねぇ紅眞」
「そうだな…」
するとモンスターがもう一度咆哮する。
「殺る気満々ね。けど…それはこちらも同じよ。これ以上被害を出させない為にも…今ここで討たせて貰うわ!」
蜘蛛の顔の上に人型のモンスターがくっついた様なモンスターが手にした剣で切りかかってくる。
俺はそれを刀で受け止め、威力を受け流しつつ、足の一本を切る。
間接部分を狙って切りつけたおかげで足は見事に切り落とされる。
ちなみに、俺は別にゲイムギョウ界に来る前、何か武道をやっていたわけでも、特殊な力が使える一般人でも、特殊能力を持った家系の人間でもない。日本のサラリーマンと主婦の間にできた普通の子だ。
俺のこの力は、あのゲームのステータスと同じだ。
この世界に来たとき、俺は自身の持ち物が、直前までやってたあのゲームと同じことに気づき、調べると使えるスキルや魔法もゲームと同じだった。
つまり、向こうの世界ではノーマルな俺でも、この世界ならそこそこ強いというわけだ。
まぁ、どこぞのSでAでOな世界みたいにウインドウを右手操作で出したり、ソードなスキルが使えるわけじゃないが、頭の中で直感的に、大体のレベルと使える技みたいなのがわかる。
ちなみに、今のレベルは30手前。
たぶん、27、8だと思う。
技もそこそこ増えてきてる。
「魔界粧・轟炎!」
アイエフが火属性の魔法を使い、モンスターを攻撃する。
虫っぽい見た目の通り、火には弱いみたいだ。
後、必殺技の名前はアイエフが名付けらしい。
ちなみに、俺の技にもいくつかアイエフが命名してくれたが、正直使うのが恥ずかしい。
でも、技名を言わないとアイエフが悲しそうな顔するし…………
「紅眞!今よ!」
もうヤケクソだ!
「天剣・覇靜乱舞!」
剣から風の魔法を放出し、その風で敵を音もなく宙に上げ、まるで躍らせるように連続斬りを叩き込む。
「これで終わりよ!クロスコンビネーション!」
ネプテューヌの攻撃が決まり、モンスターは消滅する。
「所詮は手負いのモンスター。私の敵じゃないわね」
「やるじゃない。正直私と紅眞だけじゃ危なかったわ。ありがとう」
「俺からも礼を言わせてくれ。二人のおかげで助かった。ありがとう」
コンパは戦いは危なっかしいものの、俺たちのサポートをしてくれたりと非常に助かった。
「元は私が仕留め損なったのが原因だもの。気にすることはないわ」
なんと言うか、変身すると見た目だけじゃなくて性格も大きく変わるんだな。
「にしても変身って凄いのね。もう別人じゃない」
「私も最初見たときはビックリしたです」
「ぷはぁ…疲れたぁ!」
「お疲れ様です。ねぷねぷ。とっても格好良かったです♪」
笑顔でコンパがネプテューヌを労う
「いやぁ…褒められるのも照れますなぁ…あ、そうだ!ねぇねぇ、あいちゃん、紅眞。良かったら私達のパーティーに入らない?」
「あいちゃん?それって…もしかして私の事?」
キョトンとした顔でアイエフはネプテューヌに問い掛ける。
「そうだよー。アイエフだからあいちゃん!その方が可愛くて良いでしょー?」
「…あいちゃん、か」
何だか恥ずかしそうに…それでいて嬉しそうに呟くアイエフ。
愛称で呼ばれるのってやっぱり嬉しいんだろうか?
「どったの?もしかしてそのあだ名で昔、苛められたとか?」
「そんな過去無いわよ。名前くらい好きに呼んでくれて構わないわ」
「本当?じゃこれから、あいちゃんって呼ぶね!で、話は戻るけど私達と一緒に行かない?経験者が居ると心強いし…何より人数は多い方が良いでしょ?」
「…どうする?紅眞?」
アイエフが俺に聞いてくる。
「そうだな…折角だしそうさせて貰おうぜ。さっきの魔物クラスの奴が来たら、俺達だけだったら太刀打ち出来ないだろうし」
「そうね…じゃあ一緒に行きましょ」
「やったー!これから宜しくね、紅眞、あいちゃん!」
「えぇ…此方こそ」
「よし、話も纏ったし、どんどん行こー!」
元気良く歩き出すネプテューヌを先頭に、俺達は洞窟の奥へと進む。