超次元ゲイムネプテューヌ~異世界からの鋼糸使い~   作:三代目エリオット

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第7話 ラステイション

「うわぁ!なんか鋼鉄島ーって感じ!ここはなんて大陸だっけ?」

 

ラステイションに着くなり、ネプテューヌは子供の様にはしゃぎだす。

 

「守護女神ブラックハート様が治める大陸、ラステイションよ。重工業が盛んで工場なんかが多いの」

 

「こういうさ…ディテールって言うの?大陸ごとに建物が違ったり雰囲気がちがうのってさ、やっぱり女神様の趣味なのかな?」

 

「違うと思うわ。確かに大陸を守護するのは女神様だけど、文明を築くのはあくまでも人だしね」

 

「むぅー…アイちゃんは夢が無いね。コンパと紅眞はこの大陸どう思う?」

 

「工場とか煙突とかが目立っていて産業革命って感じがするです」

 

何と言うか、模範的な回答だな

 

「そうだな、どちらかって言うと苦手だな。工場が多いとどうも環境問題とか考えちまうし」

 

「紅眞まで夢が無いな………」

 

「夢が無くて結構。でも、ラステイションに住んでる人達は好きだぞ。人情味溢れて良い人ばっかだからな」

 

そう言えば、アイツは元気にしてるかな?

 

近くまで来たら顔ぐらい出してやるか。

 

「紅眞、教会に行くわよ!」

 

気が付くと、三人は既に歩き出していた。

 

「あ、待ってくれよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、あいちゃん。教会にはまだ着かないの?」

 

歩き始めて数十分、最初は元気だったネプテューヌが疲れたような声でアイエフに尋ねる。

 

「おかしいわね…。こっちの方向だと思ったんだけど…」

 

「もしかして…迷ったとか?」

 

「んー…暫く来てなかったからなぁ。紅眞はどう?」

 

「俺がラステイションに居たのは一年前だが、教会には興味が無かったから場所は知らないな」

 

「そっか。とりあえず、誰か捕まえて訊いてみましょ」

 

「じゃあ、あのいかにも冒険者って人はどうかな?」

 

そう言ってネプテューヌは人影の方に走っていく。

 

「あのー、そこの赤髪の人ー!すみませーん!」

 

「ん?あたしに何か用かな?」

 

「ブラックハート様って女神様に会いたいんだけど、どこに行けば良いか知ってたら教えて欲しいんだ」

 

「ブラックハート様?…あぁ、ノワール様の事か。それなら、この道を真っ直ぐ行って、突き当たりを右に曲がった所に教会があるよ」

 

そう言って丁寧に教えてくれる赤髪の女の子。

 

「どうやら、方向は合ってたみたいね。助かったわ」

 

「困った時はお互い様だからね」

 

そう言って女の子は笑う。

 

おっ、笑顔が可愛いな。

 

そう思った瞬間、足の甲に激痛を感じた。

 

見ると、アイエフが何故か不機嫌そうな顔で俺の足を踵で踏んでいた。

 

「アイエフ、何を……?」

 

「なんか邪な気を感じたのよ」

 

こいつ、エスパーかよ?

 

「ここで会ったのも何かの縁だし、名前を教えてよ!わたしはネプテューヌ!でこっちがコンパとアイちゃん。それから紅眞!」

 

「あたしはファルコム。駆け出しの冒険家なんだ。こっちで会ったのも何かの縁だし、もし困った事があったら声を掛けてくれれば力になるよ」

 

「ほんと!?」

 

「助かるわ。それじゃ私達は急いでるから、これで失礼するわ。また会いましょ」

 

「うん、またね」

 

そうして俺達は教会へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラステイション教会

 

「すみませーん!ブラックハート様に会いに来たんですけど、ブラックハート様いますかー?」

 

「誰だ貴様等は。生憎ここは子供が遊びに来るような場所ではない。帰れ帰れ」

 

教会に着くなり、教会の職員はそう言って俺達を追い返そうとする。

 

「えー。せっかくブラックハート様に会いにわざわざ来たのにー。ケチー!」

 

「ねぷねぷの記憶を取り戻すのに、どうしても女神さんに聞きたい事があるです。お願いしますです!」

 

負けじと二人が食い下がる。

 

「…あ!もしかして“誰だ貴様等は”って聞かれたって事は、名前さえ言えば会わせてくれたりするのかな」

 

どうしてそんな発想が出てくるんだ………

 

「私、ネプテューヌ!こっちはコンパとアイちゃん。それから紅眞!」

 

「仮令名乗ろうがどんな事情があろうが関係無い。仕事の邪魔だ、さっさと出て行け」

 

鬱陶しそうに俺達を睨み付ける職員

 

「教会って随分不親切なのね。女神様に仕える貴方達がそんなんじゃ、ブラックハート様も大した事無いんじゃない?」

 

アイエフは挑発気味にそう言う。

 

「なんとでも言え。たかが女神をどう言われようが痛くも痒くもないわ」

 

………こいつ、いくらなんでも女神への信仰心が薄くないか?

 

いや、薄いって言うより、信仰心そのものがない。

 

アイエフの方を見ると、アイエフも同じ意見らしく、頷く。

 

「少しくらい会わせてくれたって良いじゃん。こんなに可愛い女の子がお願いしてるんだからさ、ちょっとだけ、ちょっとだけで良いから!」

 

食い下がるネプテューヌの肩を掴み、俺は引き寄せる。

 

「ネプテューヌ。帰るぞ」

 

「紅眞の言う通りよ。これ以上は時間の無駄」

 

「何でさ!アイちゃんと紅眞は此処で諦めちゃって良いの!?諦めたらそこで試合終了だよ!」

 

「良いから…さっさと帰るぞ!」

 

ネプテューヌをそのまま持ち上げ、肩に担ぐと、俺たちは教会を後にする。

 

 

 

 

 

 

「あーもう!あったまくるなぁー!」

 

教会から少し離れた場所。

 

ネプテューヌは相当腹が立ったらしく、足をバタバタさせて言う。

 

「あの教会の人もそうだけど、アイちゃんと紅眞!どうして引き下がっちゃうの!?」

 

怒りを爆発させ、俺の肩の上でネプテューヌはアイエフに指を突きつける。

 

ちなみに肩に乗せてるのは、ネプテューヌの暴走を抑えるためだ。

 

溜め息一つ吐きアイエフが口を開く

 

「気付かなかったの?あの人、女神様に仕える身でありながら女神様を呼び捨てにしていたわ」

 

「確かに…言われてみればあの人、女神さんを呼び捨てにしてたです。呼び捨てにするなんて絶対におかしいです!」

 

アイエフに賛同するように、コンパも口を開く。

 

「どうして?実は超仲良くてお互いを呼び捨てる、超フレンドリーな関係って可能性は無いの?」

 

「その可能性は無いだろう。仮にそうだとしても人前で女神様を呼び捨てにはしない。それに、あの職員は女神様を“たかが女神”って言ってた。大陸を治める女神様をそんな扱い……普通なら有り得ない」

 

「アイちゃんとコウくんは私達と会うまでは世界を旅していたですよね?何か知らないんですか?」

 

「ごめんなさい、コンパ。最近はずっとプラネテューヌに居たし、ここに来たのだって数年ぶりだからあまり詳しくないのよ」

 

「俺もラステイションには三ヶ月しか滞在してなかったから、あまり詳しいことは知らない」

 

「旅人キャラなのに、二人とも使えないなー」

 

「悪かったわね。って言うか、記憶喪失のアンタに言われたくないわ!」

 

「てか、そろそろ下ろすぞ。首が痛い」

 

ネプテューヌを下ろし、首を数回、回してアイエフに顔を向ける。

 

「で、アイエフ。これからどうする?」

 

「そうね。取り敢えず、クエストを受けようと思うの」

 

「クエスト?………ああ、そう言う事か。じゃ、手頃なクエストでも受けるか」

 

アイエフの考えに納得し、賛成する。

 

「え?何々?二人して分かった様な顔して!私にも教えてよー!」

 

子供の様に俺のコートの裾を掴んでぶんぶん上下に動かすネプテューヌ。

 

「はっ!もしかして、二人とも、私やコンパの知らない内に、使い込んでるとか!」

 

「ねぷ子じゃあるまいし、プリンの買い食いなんかしないわよ」

 

「ねぷっ!?バレてた!?」

 

「むしろバレないと思ったか?」

 

俺は溜息を吐いて、ネプテューヌに言う。

 

「鍵の欠片はエネミーディスクがあった所で見つかったよな。なら、ラステイションでもモンスターの被害にあってる所を探して、そこを探せばエネミーディスクと一緒に鍵の欠片も見つかるかもしれないだろ」

 

「そう言う事。紅眞は理解が早くて助かるわ。それに、ギルドに行けば、ラステイションの現状も分かるかもしれないわ」

 

「おおっ!?流石アイちゃんに紅眞!さっきは使えないとか言ったけど、前言撤回だよー!まさしく、汚名挽回だね!」

 

ドヤ顔で言うネプテューヌ。

 

「ネプテューヌ、そう言うなら、汚名返上か名誉挽回だ」

 

「ねぷねぷ……それは死亡フラグです…」

 

取り敢えず、ギルドに向かいクエストを探すと、“モンスター討伐”のクエストがあったので、それを受けることにした。

 

「おっ、これは」

 

そこに書かれてる依頼主の名前を見て、俺は思わず声を漏らした。

 

「紅眞、どうしたの?」

 

「え?」

 

「顔。笑ってるわよ」

 

どうやらいつの間にか、笑ってたみたいだ。

 

「ちょっとな。久しぶりに懐かしい名前を見たんだよ」

 

クエストを受注し、待ち合わせ場所の工業区へと向かう。

 

「あ、きっとあの人です!モンスターさんを倒して欲しいって社長さんは!」

 

指定された場所へ行くと1人の女の子が立っていた。

 

そして、その人物を俺は知ってる。

 

「あ、紅眞!」

 

アイエフの声も聞かず、俺は走り出す。

 

「よぉ!シアン!」

 

「ん?おお!紅眞じゃねぇか!」

 

俺は依頼主、シアンを握手をし笑い合う。

 

「久しぶりだな!一年ぶりか?」

 

「ああ、そのぐらいだな!変わらない様でなによりだ!」

 

「えっと、紅眞、もしかして知り合いなの?」

 

アイエフが近づいて聞いて来る。

 

「ああ、紹介するよ。一年前にラステイションを訪れた時に知り合った友人のシアンだ。シアン、こっちは俺の旅仲間のアイエフとコンパ、そしてこの小っこいのがネプテューヌだ」

 

ネプテューヌの頭に手を置き、紹介をする。

 

「なるほどな、仕事を引き受けてくれる女の子三人組とおまけってのは紅眞のパーティーだったのか」

 

おい、おまけとかヒデェ扱いだな。

 

「私はシアンだ。この町でバッセって小さな工場の社長をやってる。立ち話もなんだし、詳しい話はうちでしようか」

 

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