予め定められた調子の和まない話   作:真神 唯人

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今ある世界だけが、1つじゃ無い。
世界は、整然と横並びに配列されている。

これは、今ある世界の「隣の世界」での話。
もしかしたら、の、「並行世界」での話。


叶えたいのは 些細な事

「サイタマさん、地球を滅ぼす宣言したって....本気?」

「おいカナ、何だよいきなり。顔怖いんだけど」

「..............。」

「..............。」

「何なんだよその沈黙!何かビリビリくるんだけど!!」

「....嘘だよね。夕飯無しで安眠妨害されたくらいで、地球滅ぼすとか」

「あ?そういや、何かそんな事言った気ぃするわ....って、待て待て待て!!」

「サイタマさんのバカあ!毛根ぜんぶ死滅したらいいんだっ!」

「....おまっ!?不吉な事言うなッ!!俺は諦めてねえんだぞっ!!」

「ただいま帰りました....って、先生?!カナもどうしたっ!?」

 

サイタマの顔には、くっきりと、赤い手形。

そして、その傍でべそべそと、泣きじゃくるカナ。

これは....まさか。

ジェノスの脳裏を過ぎる、色々な、何か。

 

「....先生。よもや、あり得ないとは思いますが、カナに?」

「は?....おいジェノス、お前何か勘違いしてるだろ!違うって!」

 

冗談を言うように交わす、日常での他愛無い会話が出来る事。

そんなことが、明日の保証が無いこの世界で生き抜くには過酷な日々を、癒す。

普通に生きているようで、同じ毎日を繰り返しているようで。

今日が終われば、明日が来ることは。....当たり前じゃ、無いのだと。

 

明かされない「真実」。知る者が隠している「その時」。

自分だけが知っているという「根拠」に伴う、「思惑」。

知りたいという欲求を阻む、「何か」が見え隠れする世界は、陰謀の匂いで満ちていて。

地球は今日も、存在している。根絶できないモノを抱え、危うい均衡を保ち続けている。

 

「....カナ。お前、過剰反応しすぎだろ。言葉の()()ってあるだろ」

「サイタマさんなら、やりかねないもん。本気で闘えるのなら、地球も壊しそうだもん」

「....なあ。お前の中の俺って、そんなバカなのか?幾らなんでも、そりゃ無いって」

「先生の力なら、もしかしたら可能かもしれません」

「....そこ、同意すんな。んな事したら、行けなくなるだろ」

「どこに?。ていうか、なんか違くない?論点が」

「違わねーよ。地球壊したら行けないじゃん、特売」

「....うん、ごめん。過剰反応しすぎた、私」

「おい。何、泣くほど笑ってんだよ。てか、笑い過ぎだろーが!!」

「実に先生らしい。カナ、心配は無用だと思うぞ」

「何気にどういう意味か聞きたいんだけど、ジェノス?」

 

 

こんなに笑えることが、他愛の無い日々が、これほどに 愛しい。

思い返せば、なんてこと無い時を、共に歩き、過ごせることが泣きたくなるほど。

単純なようでいて、緻密に編まれた世界の、ほんのワンシーンに過ぎなくても。

 

この大切な時を、維持したいという「願望」。私のその「罪」を叶えるために。

 

 

 

あなたたちは、強すぎるその所為で。繋いできた人たちと、繋がった「糸」を。

自ら、手放すかもしれない。彼らを壊さないために。....或いは。

彼らから、離されるかもしれない。あなたたちを、恐れて。

 

 

 

 

 

 

 

 

怪人でさえ傷1つつけられない「強さ」が、2人のヒーローを傷つけるなんて。

でもきっと、傷ついたとさえ思わない。しょうがないと、思うだけなんだろう。

 







....地味に、続けられてます。
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