予め定められた調子の和まない話   作:真神 唯人

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今ある世界だけが、1つじゃ無い。
世界は、整然と横並びに配列されている。

これは、今ある世界の「隣の世界」での話。
もしかしたら、の、「並行世界」での話。


カミサマノ イウトオリ

未だ陰に潜みし、「誰か」は....それらと世界と人を見ている。

その手に、幾つもの線を張り巡らして、余す事無く見ている。

 

 

 

()、幾つかの胚珠をいじって幾つかの「変種」を創った。退屈だったから。

そうしたら、そこから沢山の「変種」や「亜種」ができていた。....いつのまにか。

しばらくほっといたら、最初の「変種」とは更に違う「種」が出来ていた。

何だか面白くなったので、「環境」や「エサ」を替えてみたりして()()()

 

やがて「原種」は淘汰されて絶滅し、「変種」だけが生き残り、その血脈を繋いでいった。

....そして全ての生命に、様々な「変種」の性質が備わるという世界に成った。

故に、きっかけが「変容」を起こす要素なのは、命持つ者の避けられぬ定めとなった。

誰も、()()に気付かぬまま....命の営みは続き、「今」に至る。

 

ヒトが「変容」して人外のモノとなり、人を襲う。

その、受け容れがたい現象を歴史や物語は、隠し濁しているに過ぎない。

やがて()()が日常化し、当たり前になるほどヒトが「麻痺」した時代になった。

様々な「資質」を持った者と「変容」した者が攻防を繰り広げるという「今」に。

 

....最初こそ、その「攻防」は面白いものだったが。

 

「変容」の方が多岐に渡り強く、あまりにも差が出来てしまったので、「資質」在る者に、更に「力」を与えてみることにした。これなら、もっと面白くなるに違いないと期待して。

 

ところがどういうわけだか、保たないのだ。何故だ??。

望み与えし「力」を受け容れるも、使いこなせぬ者ばかりの「受け皿」。

ずいぶん長い間をかけて、何度も作りなおしてきたというのに、使えないモノばかりで。

限度を超えると、紙を丸め潰すように「あっさりと壊れる器」しかいない世界に、飽きかけた頃。

やはりリミッターをかけたままでは、「力」を活かせはしないかと思い始めた頃。

試しに幾つかの「器」の、リミッターを外してみた。すると。

 

水が染み込むように全身が「力」に馴染み、しっくりと収まるべくして収まった「器」が二つ。

ようやく出来たそれらは、もはやヒトと云うには、かけ離れてしまったけれど。

 

ここにきてやっと「成功」かと思いきや、「人生」という幾重にも絡めた「糸」を全部切ったら。

片方は簡単に壊れ、もう片方は「変質」して()()()()()()()()()()をやらかすという結果になる。

頭にきて何度シミュレートしてみても、結果は1ミリも動かなかったのだから....大したものだ。

上手く育てば、最高に面白い攻防が見れるに違いないのに。惜しい、あまりにも惜しい。

 

....だがこれは、別の意味でまずいかもしれない。今はまだいいが。このまま生けば。

世界どころではない、「苗床」を壊す()()になるかもしれない。それはダメだ。

ならばどうする?。対策を立てねばなるまい。そうだ、幸いにも「声」を受け取れる者達がいる。

それらを使って、世界を守らせればいい。そうすれば、面白い攻防はまだ、見れる。

 

学者には「進化」という道しるべを。感受性の最も強い者には「予言」を。

 

 

それぞれに与えて、備えさせればいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰か」が、どこかで、低く嗤った。遊び続けられる愉悦に浸りながら。

 









....閑話休題?。
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