秘封倶楽部 ~宇佐見蓮太郎~   作:都会の翁

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現代人と幻想人

蓮太郎said

 

 

 えーと……ハローワールド蓮太郎です。

 元気ですか?暇ですか?セコム入ってますか?該当者は俺に分けてください。(切実)

 また、何でこんなにテンションが低いかと言うと、もうこいつらのテンションについていけなくなってきたからです。

 「妖怪ー♪幽霊ー♪何でもいるよ♪我らの理想♪幻想郷♪」

 ……怪しい宗教かな?

 助け……というか理解と希望を求めメリーさんの方へ向くと……

 「もし、幻想郷が存在するとしたらどのようなシステム、法律、力関係が……」

 えー、期待した俺が間違いでした。

 

 とまあ、そんな胃が痛くなるようなカオスな空気に挟まれながら着いたのは、昨日早苗さんと約束した茅野駅だ。

 普段は大人しく常識的な早苗さんも、うちの姉と合わさると化学反応をおこしてしまうのだ。

 「貴女も入信しましょう!」と、手を握って来たときは恐怖を感じてしまった。

 まあ、この妖怪バカよりはましか……

 「蓮子さーん!蓮太郎君ー!メリーさーん!」

 茅野駅のロータリーで手を振っている。

 手を振って返しながら合流した。

 「早苗ー!おはようー!」

 「早苗さんおはよう」

 「早苗さんおはようございます。」

 

 「皆さんおはようございます♪」

 それぞれ挨拶すると早苗さんは元気な声で返してくれた。

 「で……今日は何処へ行くんだ?」

 早苗さんがプランを練ってくれていたようだ。

 「今日は、守矢資料館➡諏訪大社前宮➡諏訪大社本宮➡北斗神社って感じですね。」

 「じゃあ早速資料館へ行きましょう!」

 遠足の様にはしゃいでいる姉をおいて道中では、早苗さんと雑談していた。

 ほとんど俺は話さなかったが早苗さんは様々な事を教えてくれた。

 今年は七年(六年)に一度の御柱祭があること。

 幻想郷には素敵な巫女さんがいること。

 昔上諏訪には、コンビニとくっついた蕎麦屋や、スワプラザというショッピングセンターがあったことなど、話題は尽きなかった。

 俺はふと疑問に思い聞いてみた。

 「どうしてそんなに話してくれるの?」

 そんな悲観的にも思える質問をすると、早苗さんは笑顔で、

 「蓮太郎くんは聞き上手なんですよ。話していて楽で楽しいです!」

 と言ってきた。

 その太陽の様な笑顔に少し照れてしまい顔を逸らすと、早苗さんは不敵な笑顔で弄ってくる。

 「あれー?照れてるんですか?」

 顔を逸らして目を泳がせると、近くで姉とメリーさんがジト目で凝視していた。

 俺が駆け寄るとメリーさんとお姉ちゃんは

 「あらー、早苗ちゃんとお話し中じゃないの?」

 「蓮太郎君お邪魔しましたね」

 彼女たちから口撃を受けた。

 「わ、わかった……今度奢るから……」

 嫌な空気に耐えきれなかった俺が吐き出すように言うと、姉さんとメリーさんは満面の笑みでうなずいた。

 はぁ……まあ、毎回払ってるのは俺だけどね……

 そんなこんなしていると、資料館へ着いてしまった。

 「う、兎の串刺し?……初めて見たわ」

 「すげぇ、鹿の生首の剥製とか初めて見たわ……」

 「広い敷地ね……」

 資料館の中は様々な物があり、退屈しなかった。

 そんなテンションが高い俺たちの中で、手を合わせている早苗さんがいた?

 「誰かの……お墓ですか?」

 そうすると早苗さんは此方に気づいたのか、先程の神妙な顔からいつもの優しい顔へ戻った。

 「父が眠ってるんです。幼い頃に亡くなってしまいましたが……」

 そう言って懐かしむような目をした。

 「す、すいません。無配慮な質問でした。」

 「いえ、いいんです。なんだか、ここに来れば幻想郷に戻れるきっかけになるかと思って……」

 そう、俺たちは忘れてしまっていたが、早苗さんの目的は幻想郷へ帰ることだ。

 きっと早苗さんは縁が強い諏訪を回ることによって帰る方法を模索しているのだ。

 「帰れる方法を……帰れる方法を一緒にさがしていきましょう。きっと見つかりますよ皆で探せば。」

 あまり、気のきいた答えではなかったのかもしれなかったが、早苗さんは笑顔で「ありがとうございます♪」と笑ってくれた。

やっぱり幻想郷の人からすれば懐かしい世界なのだろうか……

 

 早苗said

 

 不思議な気分です。

 私は卑下しているわけではありませんが周りから避けられたり、嫌われたりすることが多いのです。

 緑の髪。蛇のアクセサリー。

 知名度の低い神社の巫女。

 人間は自分と相容れないものを嫌います。

 嫌われることはなくても、好かれることはありませんでした。

 でも、蓮太郎君……蓮子さん、メリーさんは違いました。

 理解し、受け入れてくれました。

 蓮太郎君は気をつかって、話を聞いてくれたりした。

 「一緒に」この一言がこんなにも力をくれて、暖かい言葉だとは思って無かった……。

 幻想郷に来てから一度も無かった。

 何よりも嬉しかった。

 

 蓮太郎said

 

 「山奥の神社……なにかありそうね!」

 うん、選択は間違えてないはずだ

 なんだか、不安になりながら平常運転の姉を見て安心する。 

 

 はぁ、幻想郷かぁ……楽な生活はいつ来るの?

約束を果たしますか……

まあ、どうせこの目が必要にあるだろうし……

 さて、秘密を暴きにいきますか。

 

 

 

 

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