鉄也のヒーローアカデミア 磁場鉄也:オリジン 作:そうちゃん
ピピピピピピ!バン!無機質な機会音が室内に響き渡る。重たいまぶたと身体を起こしまだ完全に目覚めてない頭で『今日』が何の日かを思い出す。
(そっか...今日体育祭か。)
「今日はとうとう雄英体育祭だ!頑張るぞ!」などと特に張り切る様子も無くいつも通りノソノソと制服へ着替えリビングへと向かう。
「おはよ。」
「おはよー、今日の体育祭頑張んなよ!ちゃんと録画してお父さんと二人で見てるんだからビシッとしてなさいよ?ハイ朝ごはん。弁当も今日の為に元気が出るもんいっぱい入ってるからね!」
「...またカツ系なんだ。」
「今日はカツサンドだから丼よりはいいでしょ。さっさと食べな。」
「いただきます。」
母の気合い注入朝食は食べ終え歯を磨くと支度を終えて玄関へと向かう。
「絶対に1位取ってきて帰ってきな!」バシッ!
「痛っ。分かってるよ。1位取ってくるからご馳走作っといて待っててよ。行ってきます。」
「いってらっしゃい!」
入学式の日の朝を思い出した。母はいつも自分に元気と勇気をやや強めに背中から与えてくれた。これ程自信が溢れるおまじないは無いだろう。鉄也の目には絶対的な自信に満ちていた。
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「いいかお前ら、前にも行ったが雄英体育祭は年に一回しか無い自分をプロに見てもらう大事な場だ。恥ずかしい所は見せるなよ?じゃ更衣室で着替えて時間まで待機してろ。」
朝のHRか終わると男女で別れ更衣室へと向かった。
「とうとうこれから体育祭だな〜。でも出るからには1位を狙うぜ!」
「確かに1位は取りたいけどうちのクラスには才能マンがいるからな。」
「確かに轟は行くところまで行くだろうな。爆豪もいい個性持ってるからな。1位目指すなら彼奴らとも当たるだろうな。」
「いやいやお前も十分才能マンだろ磁場。」
「え?俺も?」
「だって屋内戦闘訓練であの轟を負かすなんてお前も十分強いもんな。」
「それに峰田から聞いたけどお前USJで身を挺して峰田達を助けたんだろ?それ聞いた時お前ぇのこと『漢』だって思ったしな。」
「そうそうお前もA組トップ3の一人だかんな。」
「いやいやそんなんじゃないって。」ニヤニヤ
「...ニヤニヤしながら否定すんなよ。」
「緑谷、お前に勝つぞ。」
「...!」
緊張感がありながらもある程度に賑わっていた更衣室が轟が緑谷に向けた一言でしずまりかえった。
「おお⁉︎クラス最強が宣戦布告か⁉︎」
「なんかいつも以上にピリピリしてんな轟。怖い怖い。」
「急にどうした轟⁉︎体育祭直前にやめろって...」
「仲良しごっこじゃねぇんだ何だっていいだろ。それに磁場。お前もだ。そうやってヘラヘラしてられんのも今のうちだぞ。」
「だからやめろって轟...」
「...本当に怖いな。確かにヘラヘラしてたかもしんねぇけどさ...」
「お、おい。磁場まで...」
切島の忠告を振り払い轟を挑発するかのように笑いながら席を立ち轟へ振り返り目の前へ立つ。
「俺だって負ける気はねぇぞ?」
さっきまでとは違い強い執念を持った目で轟をみる。
「それにクラスのみんな、他の科も同じに決まってるだろ?一つばっか見てると見てないものに足元すくわれるぞ轟。」
控え室に入場のアナウンスが流れた。各自それぞれの思いを胸に抱き体育祭の会場へと進んでいく。
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「選手宣誓‼︎」ピシャン!
雄英高校一年生が全員集まり今年の一年の主審は18禁ヒーロー『ミッドナイト』が務める。
「流石ミッドナイト。こういう場でもあの過激なコスチュームなんだな。」
「でもミッドナイトって『18禁ヒーロー』って呼ばれてんのに学校いていいのか?」
「いいのよ!それより静かにしなさい!選手代表。1-A爆豪勝己!」
体育祭で選手宣誓に選ばれる生徒は雄英高校の入試試験で1位通過したものが行う。なので選手代表に選ばれた爆豪は入試試験1位通過ということだ。
「爆豪あんなヤンキーなのに実技試験ならわかるけど筆記もいいのかよ。見かけに寄らずってのはこの事だな。」
「オイ!聞こえてんぞクソ砂鉄野郎!」
「しかも地獄耳かよ。」
「本当才能マンやだ。」
「...せんせー」
(うわぁ、すげぇ棒読みでやる気無さそうだな。けどいくらあの爆豪でも雄英体育祭だから棒読みながらでもちゃんとした事は言うよな...)
「おれが1位になる。」
(うっわぁ。やりやがったよ爆豪の奴。)
あまりに身勝手な選手宣誓に他の生徒たちの反感をかいブーイングが飛び交う。しかし爆豪はそのブーイングを気にもせずさらには親指を立て首の前で横に振りさらにブーイングは多さを増した。そしてミッドナイトから体育祭の第1種目が発表される。宙に映し出されたモニターはルーレットが回るかのようにしていて『ドゥルルル!』と焦らすかのように音楽まで鳴っている。そして映し出された第1種目は...
『障害物競走』バァン!
「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4㎞!我が校は自由さが売り文句!コースさえ守れば《何をしたって》構わないわ!」
(障害物競走!いきなり俺に有利な種目だな!機動力では飯田の方があるけど個性の自由度なら俺の方が上だ。けど他クラスの個性が分からないから注意しないと。)
全クラスがスタジアムの出口まで集まると大きなゲートが音を立てて開き始めた。雄英高校体育祭の大事な第1種目。『第1種目』という事からおそらくここで上位をキープすれば次の第2種目では少からずのメリットはあるのだろう。中位でゴールし他の生徒の個性を観察するという手もあるだろう。多分頭のいい生徒ならそう言う考えを持っているかもしれない。しかしその逆。絶対的な自信のある生徒や向上心のある生徒は他なのどお構いなくにこの予選種目でも1位を狙うだろう。鉄也の頭の中にも前者の考えも浮かんだが朝の母との約束を思い出した。『絶対に1位とって帰ってきな。』
(そうだ。1位取ってきて帰るって約束したもんな。だったら他の奴の個性なんて気にせずに俺が狙うのは...)
ゲートについている信号が赤からスタートを知らせる青へと変わった。
『スターーーーーーーーーーーート‼︎』
「1位しかないだろ!」
青に変わった瞬間全生徒が一斉にスタジアム出口へ走り出した。しかし出口と言ってもスタジアムの一部に穴が空いたトンネルの様な出口に11クラス。200人以上の生徒がそこに一気に突っ込んだらどうなるか...
「せっま!すでにここで厳選されんのか!」
(このすし詰め状態から抜けないと。けどどうすれば...)
このスタートを地点の厳選から抜け出す為辺りを見渡す。
(って言っても前後左右抜け道がない!...そうか!前後左右がダメなら『上』を行けば!)
トンネルの天井を見上げ個性を発動する。すると天井に引き寄せられるように天井にへばりつく。そこから一人だけ重力が逆さに働いてるかのように天井を走り抜ける。天井に上がった瞬間トンネル内が急に冷気に包まれた。下を見ると。トンネルの床が凍結しており生徒たちの足を止めていた。
「危ねぇ⁉︎轟のやつか!」
トンネルを抜け地面に着くと少し先に轟が走っているのが見えた。鉄也がトンネルを抜けた少し後から轟の氷結を避けた生徒が次々とトンネルから出てきた。トンネルを抜け少し走ると地鳴りが聞こえてきた。。ズゥン!ズゥン!と何時ぞやの入試試験で聞いたような巨大なものが歩くような音。
「...まじかよ。」
そこには入試試験で色々とお世話になった大型仮想敵が『複数体』いた。少し前方にいる轟はそんなのお構いなしに地面から腕を振り上げ大型を凍らせた。とっさの判断に少し感心していたがそんな時間はない。自分も個性を発動させ砂鉄を集める。
(今回は倒す必要はない。こいつはデカさだけでスピードは亀並みだ!)
何体ものの大型仮想敵の巨大な足が上から来るが今の鉄也には関係ない。砂鉄のレールの上を滑る。大型仮想敵は鉄也を捕らえきれずただ地面を踏むだけだ。いくら強力な個性でも今は競争。機動力が無い轟に対しクラスでもトップクラスの機動力を持つ鉄也。轟の少し後方にいたがあっという間に追いついた。
「じゃーな轟!」
「チッ!本当厄介な個性だ。」
『オォーー⁉︎ここで1位の轟を抜いて磁場がトップだぁーー!』
トップが入れ替わる歓声が湧き上がる。鉄也が轟を抜いてすぐつぎの難関。《綱渡り》。しかし雄英がただの綱渡りを出すはずもなく50m程の綱が橋の様にいくつも掛かっておりさらに下は暗くなって見えない。だが鉄也にはそんなのや関係無い。鉄也の個性『磁力』はその汎用性の広さが売りだ。
「こんなの障害物にならねぇな!」
いつもの移動法と変わらない。綱に砂鉄を纏わせその上を滑る。いつも通りのやり方でトップを狙える。
『磁場が止まらない止まらない!一体なんなんだあの個性はーー⁉︎』
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轟は自分の個性、身体能力、判断力には自信があった。それはすでにプロヒーローも顔負けレベル。その自信は雄英に来ても変わらなと思っていた。しかし上には上がいる。屋内戦闘訓練で轟は初めて敗北した。自分の個性か相手に割れていたとしても負けるとは思わなかった。だが油断はしてなかった。相手の個性は身体測定テストで2位の記録を出している。轟の個性『半燃半冷』もかなり強力な個性だが汎用性にかける。その点磁場の個性は汎用性に優れていてかなり強力な個性だ。しかし轟は負けるわけにはいかない。クソ親父に右だけでも昇りつめられる事を証明する為。親父の因縁の相手のオールマイトと何らかの繋がりのある緑谷に勝つ為。そして屋内戦闘訓練での磁場による敗北のリベンジの為。その為にも轟は負けられない。
轟が磁場に抜かされ数分後次の障害《綱渡り》。先の方には磁場が既に次の島へたどり着こうとしている。しかし轟の個性ではここから磁場に直接妨害が出来ない。
(どうする。このままじゃ差は開くばかり。...多分この下は見えないが落ちてもいい様になにか仕組みがしてあるだろな。だったら...)
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(このまま行けば余裕で1位いけるぞ!)
後ろの方に何人か生徒が見えるが差はかなり開いており綱を渡っているの生徒は鉄也ただ一人だけ。しかし余裕は持ってもゆだんはしない。緊張感を保ちつつあと縄を半分程行ったところで急に違和感を感じた。さっきまで波打っていた縄に違和感を感じ後ろを向くと縄が凍りながら鉄也に迫ってきている。氷結がすぐそこまで来ていて間に合わず上へと飛ぶが急な事でその氷結に砂鉄も殆ど巻き込まれ殆ど凍らされた。飛んでいる間際縄のスタートを見ると轟が縄を氷結させていた。さらに凍っている縄を割って谷底へと落とした。
「あいつ!」
着地するものがなく鉄也はそのまま凍った縄と一緒に谷底へと落ちていった。
『オォーーーット⁉︎轟が磁場へ妨害!磁場はそのまま谷底へダーーーーイブ!磁場に容赦無いぞ轟ぃ!』
障害物競争は二話構成で行きます。結果はどうなる⁉︎
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