かつてイ級と名付けられた深海棲艦に余りにも似つかない姿。
我々人類はそれを、新たな深海棲艦”軽巡ホ級”と呼称した。
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第1132回実験簡易レポートと関係者メモ
主目的:サンプル『ホ-01』細胞のDNA調査
実験の新規性:無し
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海抜:+3000m
実験手順:
01-01 本実験は第07不時研究所-第1実験室で非活性化状態の細胞を用います。
01-02 採取済みのサンプル『ホ-01』細胞の下3桁各023番を実験に使用します。
02-01 AF細胞抽出手段(添付01)に従って細胞からDNAを取り出します。
02-02 DNA構造について調査を行います。
03-01 細胞の非活性状態を確認しC5-488プロトコルに従い保管します。
結果:
サンプル『イ』シリーズとは異なる点が確認されました。
以下に簡潔にまとめます。
○サンプル『イ』シリーズと同様に三重らせん構造を取る部位
イ-013023 [上部-外皮]
イ-033023 [上部-砲塔部]
イ-043023 [背部]
イ-063023 [頭部-外皮]
イ-083023 [頭部-上歯]
イ-143023 [下部-下歯]
○サンプル『イ』シリーズとは異なる二重らせん構造を取る部位
イ-053023 [髪組織]
イ-093023 [胸部-外皮]
イ-103023 [胸部-内部組織]
イ-113023 [腕部-外皮]
イ-123023 [腕部-内部組織]
イ-133023 [腕部-爪]
○三重らせん構造と二重らせん構造が混在する部位
イ-023023 [上部-内臓組織]
イ-153023 [下部-外皮]
イ-073023 [頭部-内部組織]
イ-163023 [下部-内臓組織]
補足:
本第1132回実験よりサンプル『ホ-01』遺伝子は二重らせん構造と三重らせん構造を混在させた生物です。
こんなことがあって良いのでしょうか。
境界面で互いを異物としてみなす?
それとも境界面こそ混在した中立?
ヒトモデルの中央部を中心に二重らせん構造を取っているのは偶然?
なぜ『イ』シリーズでは三重らせん構造だった?
なぜ遅れて出てきた『ホ』シリーズはヒトモデルで二重らせん構造を取った?
深海棲艦は――ヒトを学んだ?
深海棲艦がその細胞分裂速度を持って、
外界刺激によって進化し続ける生物だとしたら――
//第07不時研究所所長:本実験レポート受領後、サンプル細胞の悪影響下に晒された可能性を考慮し、研究員2751は精神鑑定とカウンセリングを受けること。
//第07不時研究所所長:補足部分は積極的な議論を呼ぶためのものですが、感情を発露させる場所ではありません。
//第07不時研究所所長:カウンセリング後改定を行ってください。
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「99.89%」
「主語を言え。さすがに意を汲むのも無理だ」
「人間、構成素材、少し違う。でも、信号の配置、座標、人間、DNA、酷似」
「……? ああ、新しく発見された『ホ-01』のAF細胞の話か」
(無言で頷く)
「新任の研究員が不定の狂気に当てられてパニックに陥ったとか……って違う? そういうことじゃない?」
「実験、助手、頼みたい」
「え、やだよ。俺だって今抱えてるプロジェクトあるんだからさ。そういうのは主任を通して……」
「通した」
「あ、さいですか……うわっマジだ今PDAに通達来たよ……」
「1400から、第8実験室」
「わーったよ。で、何すんの?」
「二重らせん構造、動物実験」
「……俺の命の保障は」
「ある……多分」
「そこは言い切って欲しかったッ!」