Fate/ Grand Order -南海偽曲奇譚-   作:遠井遠路

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ようやく水着(?)回です。お納め下さい。


【02】牛若丸の水練着

青い海!

白い雲!

真っ赤な太陽!

 

 

ぐだ男がみつけた海岸は、崖の合間が波で抉れ自然の力で入り江となった、珊瑚の砂浜だった。人工ビーチではないので、先が尖った危険な石や、周囲の岩肌からいつ落石が起こるか分からない、という自然の脅威と隣り合わせになっているが、サーヴァント達にとってその程度危険に分類されないらしい。

我慢できない様子だった牛若丸は、4人の中で真っ先に飛び出して浅瀬に入り波の満ち干きを楽しんでいる。

 

 

「主どのー、一緒に水練などいかがでしょうか!」

 

 

言うが早いか牛若丸は着ているものを次々と脱ぎだした。

肩と腰前掛けの甲冑を外し、端々に纏った装飾品は全部まとめて袖で包む。そしていよいよ胸部を隠す長襟と赤い下着に手を掛けて、「わー、牛若丸さんストップ!」とマシュがガードに入った。

 

 

 

 

 

魔力が回り、―――ここに奇跡が顕現する!

仮想宝具 疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)

 

 

 

 

 

古来より英雄譚、神話の類には裸婦濡場がつきものであるが、時代と場所によっては物語に必要不可欠であるはずのそれらまで時の権力者から規制されることもあった。その際、かの栄光を讃え敬意を持って神秘のベールをもたらす存在がいたことを忘れてはならない。

《光渡し》、《多量の湯気》、《自主規制くん(見せられないよ!)》と呼ばれる彼らは後世へ残すべき物語を常に水際で守ってきた守護者(ガーディアン)とも言えよう。

 

そして、今も。

牛若丸という日本史上最も有名とされる武将の伝説を発禁という不条理から守る為、マシュ・キリエライトは瞬間的にデミ・サーヴァントから守護者へと階位を変える。

その威力は凄まじく、正面から見ていたぐだ男からも、すかさず映像を記録し始めたDr.ロマンの魔の手からも、牛若丸の裸体を守り切ったのである。

 

 

「ふぅ、着替え終了。主どのも早く着替えて遊び……、いえ、水練といきましょう!」

 

「って、何でふんどしなんですか!?」

 

「? 私は昔から水辺ではこの格好ですが?」

 

 

逆ビキニアーマーを脱ぎ捨てた牛若丸はさらしにふんどしという古式ゆかしい出で立ちとなっていた。

胸部に巻かれたサラシはキツすぎず緩みすぎず、普段よりも露出度が減っているにもかかわらず白い布ににじむ汗がより健康的な美を醸し出している。そして炎のように真っ赤なふんどしは激しい運動でも緩みが出ないようしっかりと腰回りがねじられており、さらしとは逆に「我ここにあり!」と言いたげに強烈な存在感を放っている。

紐を回して太刀を背中で固定し、威風堂々と仁王立ちする様は、日ノ本の武者に恥じぬ立派な立ち姿であった。ぜひ後ろからじっくり眺めたい様相である。

 

 

「本当は褌だけにしたいのですが、兄上からも弁慶からも必死で『さらしは巻いてくれ!』と懇願されまして。呼吸が窮屈になるので本当は嫌なんですが」

 

「は、はは、はしたないわ! 普段のどうかしている格好を除けばまともな方だと思っていたのに、旦那様の前でそんな格好を晒すだなんて!」

 

「あ、普段着に突っ込まないと思ったら諦めていたんですね、清姫さん」

 

「あ、あんな。破廉恥な。……私ももっと攻めるべきでしょうか」

 

「今最後になにか不吉なことをボソっと言わなかった!?」

 

 

ぐだ男の突っ込みは南風に流され虚空に消えて、ようやく4人は一時の休憩へと雪崩れ込んだ。

歪みの原因は未だ行方知らずである。

 




短いけどどうしても今日でここまでぶち込みたかった。
これでストックは尽きたので続きはゆっくりお待ち下さい。
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