超次元ゲイムネプテューヌ 光の量子を操りし者(凍結)   作:熾天 冥夢

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悠斗「サブタイトルが完全にネタバレなんだけど」

冥夢「そこに気にしては負け」

悠斗「アッハイ」

冥夢&悠斗「「それでは、第六話、始まります」」


第六話 ルウィーへ、そして悠斗の敗北

ここは女神ホワイトハートもといブランの治めている国、ルウィーに私達は来ている。目的は女神の心得を教わる為だけど…もう…ね。完全に諦めている。他の目的もあるらしいけど、私は知らない。それは兎も角、

 

「ここがルウィーかぁ…すっごい綺麗だなぁ…」

 

前世で暮らしていた地域でも雪が降る事が偶にあったが、黒ずんで溶けていってしまい、こんなに綺麗ではなかった。でもこの国は違い、“銀世界”を彷彿とさせるまでに雪に覆われており、その景色は“圧巻”の一言に尽きる。

 

それに、街行く人々が目を合わせる度に笑顔を向けてくれた。その笑顔は“こちらも温かくし、優しい気持ちにさせてくれる”ような笑顔だった。…優しいって…いいね…あはは…

 

「悠斗?何か表情が暗いよ?」

 

「…はっ!?」

 

気が付いたら私は俯いていて、突然の事に心配したネプテューヌが声をかけてくる。割と本気で気付かなかった…

 

「どうしたのよ?いきなり俯いたりして…」

 

「…ごめん、ちょっと前世の記憶を…ね」

 

「そういえば悠斗さん、前世では何があったんですか?」

 

「ごめん、その事については本当に言いたくないんだ…幻滅するから…(ボソッ)」

 

「え?」

 

「いや、何でもないよ。それじゃ気を取り直して、教会に行こう?」

 

私は前世の記憶を思い出させないように気を使いながら話を逸らし、強制的に気を取り直させ、ルウィーの教会へ向かう。

 

「…明らかに無理矢理自分を行動に移してるよね…悠斗…」

 

「えぇ…私を助けてくれた時、『“また”仲間を失ったら壊れてしまうから』って言っていたし…『壊れてしまう』って一体何なのかしら…」

 

「悠斗さんが壊れるって…一体…」

 

ネプテューヌ達は悠斗に聞こえないように喋りながら悠斗の後を追った。

 

 

 

 

 

一方その頃―――――

 

ここはルウィーの教会の一室。その扉は厳重に閉じられていて、明らかに“立ち入り厳禁”という雰囲気を醸し出しているこの部屋には、この国の女神ブランともう一人…

 

「宜しいのですね?この計画が実行すれば、世界に革命的変化が訪れますわよ?」

 

「承知している…だからこの計画は絶対にばれないようにしないと…」

 

リーンボックスの女神のベールである。二人は真剣な表情で話している。それもそうだ。世界にとって革命的な事を話しているのだから…しかし、それをよそに…

 

「きゃはははははは!!!」

 

「お待ち下さぁぁぁぁぁい!!!」

 

「逃っげろ~~~!!!」

 

部屋の外は騒がしいのであった。その原因はロムとラム。どうやら悪戯をした所為で追いかけられているようだ。メイドさんは、息を切らしながら二人を追いかける。だが元気一杯な二人に追い付く事がなく息を切らしている。だが、物事には必ず終わりを迎えるのだ。

 

 

 

―――――バンッ!!!!!

 

 

 

と大きな音がして廊下中に響き渡る。

 

「お前ら…仕事中は静かにしろって言ってんだろ!!」

 

「も…申し訳ありません!」

 

今度はブランの怒号が廊下中に響き渡る。メイドさんは頭を下げ、ビクつきながらブランに何度も謝る姿勢を見せた。一方ロムとラムは謝る姿勢を見せず、ニコニコと笑顔でブランの下に行き、何かを差し出した。

 

「お姉ちゃん!見て!見て!」

 

「?…!?こ、これ!?」

 

ロムとラムはブランの似顔絵であった。クレヨンで描かれた幼い絵であるが、一生懸命ブランの事を思いながら描かれた絵である。こういう絵を見せられたら喜ぶであろう。…普通は(・・・)。だがブランは体を震わせてこめかみに青筋を起ててキレる寸前である。何故なら、描かれた紙に問題があったからである。

 

「私の大事な本に~!!!お前らぁぁぁぁぁ!!!」

 

二人が使った紙は、ブランが長い年月をかけ集めた大切な本だったからだ。しかも貴重な本だった為にブランの怒りはまるでテクニックカスタマイズの“火焔のラ・フォイエ”のように大爆発していた。そんなブランを見て二人は怖がるどころか逆に笑顔になり、ブランから逃げるのであった。

 

「本と同じ顔になった!」

 

「逃っげろ~~~!!!」

 

「待ちやがれぇぇぇぇぇ!!!お前らぁぁぁぁぁ!!!」

 

完全にブチギレたブランは二人を捕まえようとするが二人は楽しそうに逃げる。生死をかけた鬼ごっこに見えるのにも関わらず。ロムとラムは幼いが為、姉に構って欲しいからああいう行動に出たのだろう。だがブランはどうか?大切な本に絵を描かれたのだから頭に血が上っている。そんな様子を見ているベールは優雅に紅茶を楽しみながら、三人の行く末を見守っている。まるで“お姉さん”のように。ブラン達が廊下の角を曲がった時…

 

「っ!?」

 

「ネプギア!それにユニちゃん!」

 

ルウィー教会に到着したネプテューヌ達と鉢合わせした。ロムとラムは友達のネプギアとユニが来てくれた事に喜んでいる。ブランはいきなり出会ってしまったので少し驚いている様子だった。

 

「遊びに来てくれたの?」

 

「うん、遊びに来たよ!」

 

「ヤッホー!ブラン、来ちゃった~☆」

 

「久し振りだね。ブラン」

 

「貴方は…櫻井悠斗…久し振りね…」

 

悠斗はパーティー以来の再開をした。

 

 

 

 

 

    ☆    ☆    ☆       

 

 

 

 

 

場所は移り、教会の中庭。妹達は雪だるま制作し、四女神と私は中庭のテーブルに腰を掛けて、出された紅茶を飲んで一息ついていた。

 

「…それで、貴方達は何をしに来たの?」

 

「そうそう、最近ルウィーに新しいテーマパークが出来たから遊びに来たの!」

 

…何だろう、私の予感がかなり的中するんですが。それはさておき、ネプテューヌ…遊びにって…女神の心得はどうするのさ…

 

「イストワールからは女神の心得を学びに来ると聞いたのだけど…」

 

「それはもういいよ~前回だってそんなに役には「…ネプテューヌ、またバックハンドスマッシュ喰らいたいのかな?」いえ何でもありません」

 

役に立たないと言おうとした為即座に止める。何で拒絶するのかな?ほんの二十メートル吹っ飛ぶだけなのに…え?それが駄目?

 

うん、やっぱり今回も駄目そうだね…諦めよう☆

 

「ベールも久し振りだね」

 

「悠ちゃんもお久し振りですわ。この世界の生活には慣れましたか?」

 

私に声をかけたのは隣にいるリーンボックスの女神ベールだった。それにしても“悠ちゃん”ねぇ…前世ではそのように呼ばれた事がないからある意味新鮮だよ。まぁそれでもいいかな。というか、前世での記憶思い出しそうだから止めようか。私。

 

「うん、皆が色々教えてくれたから。文字は自力で解読したけど」

 

「えっ!?自力で解読したのですか!?」

 

「うん。そうだよ。半日かかったけど」

 

「それでも凄いですわ…たった半日でゲイムギョウ界の文字を解読するなんて…」

 

「悠斗って結構凄い能力持ってるよね」

 

「えぇ…ゲイムギョウ界の文字を自力で解読した人は初めてですわ…」

 

「聞こえてるよ、ネプテューヌにベール。そんなに凄い事なのかな…まぁ、それは置いといて、テーマパークねぇ…」

 

テーマパークなんて一度も行った事ないなぁ…行ってみたいな…

 

「その噂なら私も耳にしていますわ。皆で遊びに行ったら楽しいのではないかしら?」

 

「テーマパーク!?行きたい行きたい!」

 

「連れて行って!ワクワク♪」

 

情報が耳に入るのがお早い様で。テーマパークの話を聞きつけたロムとラム二人組は大はしゃぎ。“今すぐ行きたい”という気持ちが伝わってくる。けど、ブランが心なしか疲れている様な表情をしている。

 

「…妹達を連れて行って貰えるかしら?」

 

「…ブラン?」

 

「お姉ちゃん…行かないの?」

 

悠斗とロムが問いただすが、ブランは躊躇して一緒にテーマパークに行く事を拒否するブラン。それを聞いたロムとラムはとても悲しそうな顔をしている。仕事も大事だけど、家族の触れ合いも大事だと思う…

 

「え~?仕事ならやめなよ~昔の偉い人も言ってるよ?『働いたら負けかな』って思ってるって!」

 

―――――ピクッ…

 

「ネプテューヌ、仕事がしたくてもできなかった前世の私をバカにしてるのかい?しかもそれ偉い人じゃないし」ゴゴゴゴゴ…

 

何か前世の時の私を真っ向から否定し、バカにするような単語が出てきた為、黒いオーラ全快でネプテューヌを睨む。…だから前世の話はするなっての…

 

「いえ!?そんなつもりは!?」

 

「頼むからさ、仕事関連の話はしないで…」

 

「わ…解った…(ガクブル)」

 

そんなやり取りをしている時、ブランが机を思いっきり叩いた。思わずビクついて、ブランの方へ顔を向く。勿論、全員が。

 

「兎に角!私は行けないから…」

 

「あっ!ブラン!」

 

「ブラン!」

 

声をかける暇もなく、そのままブランは立ち去ってしまった。私達はその後ろ姿を呆然と眺める事しかできなかった。

 

 

 

 

 

    ☆    ☆    ☆      

 

 

 

 

 

所変わってここはスーパーリテールランド。何処ぞかの配管工を連想させるが、気のせいだと思いたい。

 

「わ~い!」

 

「待って…ロムちゃん…!」

 

「二人共~!待って~!」

 

「ネプギア!入場券!!」

 

「ひゃっほぉぉぉう!!!初めてのテーマパークだぁぁぁ!!!」

 

高校生にもなってロムとラムのようにはしゃぐ人が一人。それは悠斗である。無理もない。悠斗にとっては初めてのテーマパークなのだから。

 

「ふふっ、悠ちゃんったら、まるで子供のようにはしゃいじゃって…可愛いですわ♪」

 

「そうね、さっきまでの暗い表情が嘘みたいだわ」

 

「あら、あんなに楽しそうなのに暗い表情をしてましたの?」

 

「えぇ…前世の記憶を思い出しそうで、私を助けてくれた時に『“また”仲間を失ったら壊れてしまう』って言っていたし、それが引っ掛かっているのよ」

 

「悠ちゃんが“壊れてしまう”ね…非常に気になりますわ。それと、悠ちゃんの前世の記憶って?」

 

「言いたくないみたいよ。『幻滅するから』…って」

 

「言いたくないって…悠ちゃんに何があったのかしら…」

 

ベールとノワールが悠斗についてのやりとりをしていると、

 

「テーマパークってこんなに楽しい所だったんだなぁ…(満面の笑み)前世ではほぼ絶対に行けなかったからなぁ…」

 

さっきまでの暗い表情は完全に消え失せ、明るく、最高の笑顔だった。

 

「何気に、悠斗のあの“希望に満ち溢れた”表情を見るのは初めてね」

 

「やっぱり悠ちゃんには笑顔が一番似合いますわ♪」

 

「ベールにノワール、何の話?」

 

「貴方についてよ。『“また”仲間を失ったら壊れてしまう』という事と前世での記憶の事」

 

「あはは…ごめんね。それは本当に言いたくないかな…まぁ、何れ話す時が来るかもしれないから。それじゃ、ロムとラムのところへ行ってくるね。ちょっと提案を思いついたからね」

 

「ふふっ、行ってらっしゃいな♪」

 

 

 

 

 

「ロム、ラム」

 

「あっ!お兄ちゃん!」

 

「お兄ちゃん、どうしたの?」

 

「コイン集めをしようと思ってね」

 

「コイン…集め…?」

 

「うん。一杯集めて、一緒に行けなかったブランにお土産として持っていくんだけど…どうかな?」

 

「うん!やる!お姉ちゃんにお土産を持って行きたい!」

 

「私も…♪」

 

「決定だね。それじゃあ集めよう!」

 

私達はコイン集めを開始した。

 

 

 

 

 

…だが、私は気付かなかった。ロムとラムを影でじっと見つめている存在に…

 

 

 

 

 

―――――一方その頃、ネプギアとユニはロムとラムを探していた。

 

「何処に行ったのかな…ロムちゃん、ラムちゃん…」

 

「そうね…!あれってロムとラムじゃない?」

 

ユニが指した場所にはロムとラム、+αで悠斗もいた。少し離れた場所にいて、角を曲がったようだ。

 

「本当だ!悠斗さんもいるみたいだね、行こうユニちゃん!」

 

「ちょっと!?待ちなさい!?ネプギア!?」

 

二人が悠斗達の元に行くと、いきなり大きい音と共に黒い何かが吹っ飛んでいった。二人は何事と思いその元に行ったら…

 

「うぐっ!?」

 

「ゆ、悠斗さん!?」

 

「大丈夫ですか!?悠斗さん!」

 

悠斗が倒れていた。所々に傷があり、口からも血が流れていた。恐らく、何度も抵抗したんだろう…悠斗は飛ばされた方向に指を指していた。

 

「ネプギア…ユニ…ロムとラムが…」

 

「えっ…!?っ!何をしてるのですか!?貴方達!?」

 

悠斗の指した場所には、大きな舌を出し涎を垂らしている黄色い怪物に、変な色合いのパーカーを着た女性が立っていた。そして怪物の手には、口元を塞がれたロムとラムの姿が。2人は即座に助けようとするが…

 

「幼女以外に興味はない!!」

 

「「きゃあああああ!!!」」

 

黄色い怪物の舌が勢い良く飛び出し、ネプギアとユニに直撃して、吹っ飛ばされ地面に悠斗毎叩き付けられる。三人はダメージが大きいのか立つことが出来なかった。

 

「やりましたね!トリック様!」

 

「アックックック!!!」

 

女性の言葉に再び妙な笑い声を上げる怪物…トリック…絶対忘れない、いや、忘れるかあんな奴…

奴は不敵な笑い声を上げながら両手のロムとラムを交互に見やる。その時の二人の表情は“怯えきっていて、目に涙を溜めていた”。

 

「まだまだ…お楽しみはこれからだ…!アーックックックック!」

 

「うぅ…ロム…ラム…」

 

悠斗は立ち上がって追いかけようとするも、ダメージが大きすぎて立てなかった。それもそう、フォトンを司っていても元はただの人間なのだから。

 

それを嘲笑うかのようにトリック達は去っていく…

 

 

 

 

 

あぁ…私は“また”仲間を守れないのか…

 

 

 

 

 

“あの時”とは違うのに…!今では戦う力も充分にあるのに…!

 

 

 

 

 

あはは…ごめんね…ネプギア…ノワール…ベール…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私…“また”壊れちゃうよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠斗は意味深な事を思いながら気を失った。




冥夢「次回は…ゲイムギョウ界に転生してから、初の悠斗マジギレ回です。」
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